斜面を造成した段状の住宅地に立つ住宅。

広い1階の上に小さな2階の乗った平屋に近い住宅。1階は続き間の和室を中心に板の間が周辺を巡る日本的な空間。2階からの風景は屋根の上に登ったような感覚。

「和風」というスタイルではなく、昔の日本住宅の持っていた空間構成を再発見する試み。
DATA
所在地/神奈川県横浜市 
構造・階数/木造軸組み・2階建
敷地面積/135.87u
延べ床面積/111.30u
建築面積/776.0u
本体工事費/約2300万円

表紙 略歴 仕事の進め方 作品集 雑記 地図

■外観



左官の外壁、木製の格子、大谷石の門など伝統的な自然素材を中心にまとめた外観。
水平に広がる寄棟屋根の上に小さな2階部分を乗せることで
擁壁の上に不安定に立ち上がるような印象を避け、段状の地形になじませている。

門塀は設けるが実用性の薄い門扉は無くして植栽で玄関周りを整えた。
 

■座敷




1階の中心は8畳・6畳の続き間。
擁壁の上にある開放的な南庭に面した明るい和室。
建具で自在に仕切る日本的な空間構成。マンションのおまけのような和室にはない伸びやかな広がり。
 

■板の間


続き間の周りにはL字型に板の間が回る。
火頭型(アーチ型)の開口の中は台所でその奥は洗面室、玄関につながる。使い勝手を考えた回れるプラン。
板の間の庭側は安楽椅子を置いてサンルーム的に、台所側はテーブルと椅子を置いて食堂として使う。


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