報恩講(お取り越し)法要とは

 浄土真宗の報恩講(お取り越し)のはじまりは、親鸞聖人が往生されてから、師法然上人のご命日に「二十五日のお念仏」をおつとめされていたものを「毎月二十八日のお念仏」と親鸞聖人の命日に改められた念仏の集会がおこりとうけとめられます。
 第三代覚如上人は、1294(永仁二)年の冬、親鸞聖人の三十三回忌を迎えるにあたって、報恩謝徳のためにと「報恩講式」をつくられ、これ以来、親鸞聖人のご命日におつとめする法要を「報恩講」と呼ぶようになりました。  
 宗祖親鸞聖人のご苦労を偲びつつ、そのご恩(御仏のめぐみ)に報いるよう、南無阿弥陀佛のみ教えをより一層聴聞させていただこうと勤められる、浄土真宗にとって一年のうちで最も大切な法要です。 親鸞聖人は、今から743年前の弘長二年(1262)十一月二十八日正午頃九十歳をもってご往生になりました。これは新暦で、一月十六日に当たり、明治初年(1867)からは一月九日から十六日までの一週間(七昼夜)、ご本山で「御正忌報恩講」が勤まっています。
 全国の末寺、門信徒の家々の報恩講は、前年の秋頃から次々とおつとまりになり出来れば年内にそれを完了し、ご本山の御正忌には皆が揃ってお参りできるようにしたのです。(取り越して御正忌より前に勤める為、「お取り越し」「お引き上げ」とも言います。
                              (住職記す)


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