点訳のしかた



 文章の点訳は”ういんびー”というフリーソフトを使って行います。

 ういんびーは、点字の文章を書くためのワープロと考えればいいですが、普通のワープロと違うことがあります。
点字を覚えておく必要はありませんが、次のことに注意してください。

1.点字は表音文字であること

   わたしは → わたしわ
   とうきょう → とーきょー
   ここへ → ここえ


2.文節で区切ること

   文節で切って、スペースを挿入してください。これを「マス空け」といいます。
   たとえば、
    「私は東京へ行きます。」は
    「わたしわ とーきょーえ いきます。」
   というふうに入力します。


3.大きな題は6マス、章題は4マス、段落の始めは2マス下げて書いてください。

 その他にも次のような規則がありますが、ういんびーが自動的に処理してくれます。

1)「、(読点)」の後ろは1マス、「。(句点)」の後ろは2マス空ける。
2)数字の後ろに「あいうえおらりるれろ」が続くときは間につなぎ符(_)を入れる。
3)文節の途中で改行しない。




Q&A



1.ページ番号はどこへ書けばいいですか?

 点字の文書では、ページ番号を入れる場所が決まっています。それは第1行目の右端です。
 第1行は「ページ行」とも呼ばれ、ここへは本文は書かないことになっています。
 「ういんびー」では、本文は、自動的にこの行をとばして書き込まれます。


2.点字の印刷はどこでできますか?

 点字や点図の印刷には専用の点字プリンタ(ESA721など)が必要です。
 用紙やバインダーも専用のものです。
 それは盲学校や一部のボランティアグループにしかありません。
 どうしても印刷された現物が見たいときは、盲学校などにお願いしなければなりません。


3.数学や理科の記号にも点字がありますか?

 簡単な記号は「一覧表」に載せていますが、これで全部ではありません。
 数学や理科のいろいろな記号・単位など、他にも点字で表されるものがたくさんあります。
 詳しい資料が必要な場合は、次の場所に問い合わせてください。

   日本点字図書館 用具事業課
     〒 169−8586 新宿区高田馬場1−23−4
     TEL 03−3209−0751
     FAX 03−3200−4133


4.楽譜も点訳できますか?

 楽譜も点訳できます。盲学校などでは「点字楽譜」というものを使っています。
 しかし、ちょっと複雑で難しいので、残念ながら素人にはできません。


5.点図をつくるときの注意事項は何ですか?

 点図は、「エーデル」などの登場によって初めて誰でもがつくれるようになったもので、新しい分野ですので、まだ不明確なことが多いようです。
 盲人は指先で図の点を辿って読むわけです。それは、私たちが小さな穴のあいた紙を絵の上に置き、それを動かしながらその穴を通して大きな絵を見ようとするようなものです。
 それに、先天的な全盲の人は いろいろなものの形のイメージを持っていないかもしれません。
 それで、点図の作成には細心の注意が必要だと思います。
 以下には、私たちの話し合いの結果を載せます。どれぐらい正しいかどうかはわかりません。
 このことについてご意見があれば、「掲示板」でお知らせください。

  (1) できるだけ簡単な図にし、込み入った図は避ける。
  (2) ふたつのものが重なった状態の図は避ける。
  (3) 物を斜めから見た見取り図は避ける。
  (4) 図の中に文字を書き込むとき、図との間で適当な間隔を空ける。
    また、例えば地図の中に地名を書き込むときなどは、図の中には番号だけを書き、別に対照表を付けると良い。
  (5) 物の一部、例えば、建物の半分だけが見えている様子などは避け、物の全体を描くようにする。
  (6) いくつもの内容をひとつの図にいっしょに書き込むことはできるだけ避け、分けられるなら分ける。


6.本を点訳しても著作権法に違反しませんか?

 点字への翻訳は著作権法に違反しません。
 でも、著作者が誰であるか、点訳者が誰であるかなど、詳しい情報を書いておくべきだと思います。