点字のしくみ
現在世界中で使われている点字は、フランスの盲人ルイ・ブライユによって考案されたものです。
その前にフランスの砲兵シャルル・バルビエ大佐が軍事目的に凸点など用いて文章を書く「夜間書法」 を発明していましたが、ルイ・ブライユはこれを改良し、1825年までには6つの点だけでアルファベットと数字を あらわす現在の点字を考え出しました。(以上は参考文献「はじめての点字」より引用しました。)
ところでブライユの
綴
つづ
りはフランス語でも英語でもBrailleで、そのまま「点字」を意味する 言葉になっています。フランス語では「ブライユ」、英語では「ブレイル」と発音されます。 さて、点字の1マス(=1文字)には6つの点を打つ場所(1の点〜6の点)があります。そのうちのどこを打ち、 どこを打たないかによっていろいろな点字ができます。
1の点→ ● ● ←4の点
2の点→ ● ● ←5の点
3の点→ ● ● ←6の点
ではなぜ、6つの点なのでしょうか?
なぜ6点なのか
点を打つ場所が6つあれば、それぞれについて打つか打たないかの2通りがあるので、 全部で(空白も入れて) 2
6
=64 通りの点字が作られる。
アルファベットは26個なので、?などの記号も必要であることを考えると 64通りあれば十分だが、2
5
=32 通りではちょっと厳しいということになる。
日本点字も同じ6点を使っているが、50音を表すには 2
5
=32 通りでは不充分、 2
6
=64 通りなら、まあ何とかなるということが分かる。 しかし、
濁音
だくおん
や
拗音
ようおん
もあるので、そういう場合、日本点字では2マスを使って表している。
日本点字は子音と母音を組み合わせるローマ字式になっており、 子音を表す点と母音を表す点を1マスの中に同居させてつくられています。 (詳しくは
一覧表
を見てください。)
点字は普通は点字板で書きます。しかし、点字板では点字用紙の裏側から 点筆で一点一点凹ませて書いていくので、あまり便利ではありません。 それで、タイプライター式の道具も使われています。これだと、両手の六本の指で 一度に1つの点字を打つことができます。ただし、点字板の方が軽くて持ち運びが容易です。
次の写真の上が点字板、下がタイプライターです。
最近では、パソコンによる点訳が普及しています。 パソコンを使うと、仮名入力で点字に
翻訳
ほんやく
されるので、点字を完全には覚えていなくても 点字の文章を書くことができます。また、図形を点訳するソフトもあり、
挿絵
さしえ
入りの点訳本も作れます。 パソコンを使う場合は、専用の点字プリンターで出力します。 もちろん、何部でも印刷できます。データは電子的なものなので、インターネットでやりとりできます。 私たちがこのホームページで紹介したいのは、このパソコン点訳です。
次の写真は、パソコンにつながった点字プリンターです。