(2)ムービーは基本

注意:ここで書いてあることは中級者向けです。割とこの方法は制約が多く
    うまく再生するにはある程度の問題解決力が無ければダメです。
    簡単にムービー再生する方法は後ほど追加いたします。


   当然ながらG-FORTではムービーの再生が可能です。取りあえずWMP7.1 for PPCを導入していれば、
  WMV形式のムービーは再生できますし、WMVへのエンコードもWindows Media Encorderを使えば難しく
  はありません(使いづらいですが…)。また、WMVは低ビットレートでムービーを構成するのに向いたフォー
  マットであるため、画質そして、特に音質を落とすことなく容量を相当減らすことが可能です。しかし、そんな
  良いことずくめではないのがこの世の中。不幸にもCPUへの負担が高く、G-FORT液晶のフルスクーリーン
  (320*240)のムービーをまともに再生できません。これはWMP7.1 for PPCの根本的な問題らしく、
  StrongARM(206MHz)搭載機種でもやっとまともに再生できるか出来ないかだそうです。
  ※注 現在のPPC2002搭載機に入っているWindowsMediaPlayer8では少し引っかかりますが
      快適に
再生できます。
   しかし、やはり萌えるムービーはフルスクリーンで画面いっぱいに表示しないと意味がないと思うのは
  人として当然です。ここでは、そのフルスクリーンでの再生を可能にするムービーの作り方(編集の仕方)
  を解説しましょう。


  <救世主DivX>
  <前準備>
  <ムービーのエンコード>
  <G-FORTでの再生>
  <補足:トラブル時に見てください>new!


☆救世主DivX

   このDivXでの圧縮方法の情報ソースは大道博史氏のサイトの
   「Pocket PCによるDivXの運用法」です。G-FORTに関するコンテンツが
   ございますので興味のある方はご覧ください。

   大道氏のサイト「大同小異」
   http://tryptcon.hoops.livedoor.com/
   http://homepage1.nifty.com/tryptcon/



   というわけで、表題の通りDivXによる動画圧縮をここで紹介します。
  この方法ならばフルスクリーンでの再生が可能になり、ダメ人間へより一歩近づく
  ことが出来るというわけです。
  DivXが何かは詳しく説明しませんが、一言で言えばMPEG4の一種です。詳しく知ら
  なくても作業は出来るのでここでは省略します。

  <必要なハード>
     G-FORT
     コンパクトフラッシュメモリカード(本体メモリ使用も出来るが、CF使用を強く推奨)
           ※CFについては多少注意が必要なため、後に「補足」で説明。
     PC
     CFの読み書きが出来る機器


  <必要なソフト>
     DivX Codec(ここのエンコード方法ではフリー、Proバージョンどちらでも変わりなし)
     注意: 2003/2/25現在 DivX5.0.2でないとPocketPCでの再生はできません。
     3/25現在上記の問題はPokcetMVP .8Qより解消されたようです。

       入手先:http://www.divx.com/


     Pocket MVP
       入手先:http://home.adelphia.net/~mdukette/index.htm
       ※Pocket DivX Playerもありますが、こちらの方が更新が
        続いていますので良いと思います。

     MPG2AVI(※1)
       入手先:浅野氏のサイト Hider's Nest
            http://www5.plala.or.jp/hider/

     MP3 Codec(OS標準のものでもOK)

       ※1 フレームレート変換が出来て、DivXへのエンコードが可能なら何でもOK。Aviutil等もOK。
          TMPGEncを使用時は長いムービーをエンコードした場合PocketMVPで再生できないそうです。

      



☆前準備

   ハードウェア及びソフトウェアがそろったらPCでのエンコードとG-FORTで再生する準備を
  しなければいけません。

 □PC側
  ・DivX Codecのインストール
    上記のサイトでDLした*.exeファイルをダブルクリックすれば自動的にインストールが始まります。
    DivX PlayerはインストールしなくてもOK。

  ・MP3 Codecのインストール
    Windows98以降?なら多分標準で入っているはずです。ただしOS付属の物は56kbpsまでのビット
    レートのエンコードまでにしか対応していないので、音質は良くありません。音質を上げたい場合は
    GOGO.DLL又は市販のCodecを用意してください。GOGO.DLLはMPG2AVIを使った時に使えます。
    ただし、筆者環境ではGOGO.DLLは使えませんでした。

  ・MPG2AVIを使えるようにする
    DLしたファイルを解凍すればもう使えます。ファイル解凍ソフトを利用してください。
    GOGO.DLLを使用する場合は、解凍したファイルがあるフォルダにGOGO.DLLを
    入れてください。


  ●注 OS標準のMP3 Codecしかないが、高音質でエンコードしたいという方は、
     Video部分とAudio部分を別々にエンコードして、その後に両方を合わせることも可能です。
     この場合フリーのMP3エンコーダー使用も可能となります。ただし、面倒です。
     この方法はこちらでは紹介しませんので、各自調べてください。
     (筆者に余裕があれば追加します)



 □G-FORT側
  ・Pocket MVPのインストール
    G-FORTをPCとActiveSyncで接続した上で、DLしたファイルを解凍して出来るSetup.exeを
    ダブルクリックすれば自動的にインストールが始まります。
    インストールが終了したら、G-FORTのメニューから「設定」→「個人」→「メニュー」で
    開いた中にあるDivX Playerにチェックを入れてメニューに出るようにしておいた方が便利です。




☆ムービーのエンコード

  前準備が出来たら今度はムービーのエンコードを行います。
  ここでは、MPG2AVIを使用したエンコードを解説します。このソフトはエンコードとフレームレート変換と
  画像サイズ変換が同時に出来る優れものです。また、AVIやMPEG両方ともに同じ設定で上記処理を
  行えるため非常に良いです。いろいろなソフトがありますが、PPC用にエンコードする場合はこのソフトが
  一番良いようです(筆者主観)。
  フィルタリングやノンインタレース処理などをしたい場合は、Aviutilがお勧めです。


 ①MPG2AVIを起動し、各種設定を行う。

   


   はじめに起動するとこのような画面が出ると思います。それでは、まずフォーマットの設定を行いましょう。
   「フォーマット設定」のボタンをクリックしてください。


   


   すると上のような画面になると思います。上の画面は既に設定したあとの
   画面です。それでは各種設定を説明します。画面サイズ以外は必ずしも
   このように設定する必要はありません。各人でベストの設定を見つけてください。


  □映像側・利用CODEC

   

    「選択」を押してDivX5.0.?を選択してください。4.0.?はプレーヤーで再生できない場合が
    あるそうなので使用しないでください。
    次に「構成」ボタンを押してください。

   

    すると上記の画面が出てきます。この画面はDivX5.0のフリーバージョンを入れた場合の画面ですが
    Proバージョンでも設定する場所は一緒です。
    「Variable bitrate mode」を「1-pass」にしてください。
    「Encoding bitrate」は100~200ぐらいがどのムービーでも適用できるようです。
    この値はムービーの画質に影響します。高い値を与えるほど画質は良くなりますが、CPUへの負担は
    高くなるため下記フレームレートとのかねあいが重要です。

    ●注:「Variable bitrate mode」は2-passでも出来ますが、時間がかかるためお勧めしません。
        1-passとあまり変わらないです。2-passでのエンコードの仕方は各自で調べてください。


  □フレームレート(推奨:10~12fps)
    15fpsあたりがクロックアップしないG-FORTの限界です(AudioがMP3で40kpbsの場合)。
    ですが、320*240、15fpsだと処理が追いつかなくなることもあります。12fpsでも十分ですので
    安全のためにその程度に抑えた方が良いです。下げすぎるとムービーがカクカクしてきます。
    また、下げると出来上がりの容量も減ります。

  □出力サイズ(推奨:320*240)
    G-FORTの液晶の最高解像度は320*240ですのでそれ以上は無駄です。
    出来上がるムービーの容量を減らしたい場合は解像度を下げてください。
    また、解像度を下げるとG-FORTのCPUへの負担も減ります。

  □音声側の形式(推奨:56kbps/22,050Hz Stereo、可能なら64kbps/22,050Hz Stereo)
    ここではOS標準のMP3 Codecを使用しています。56kbpsとビットレートが低いため
    音は良くありません。G-FORTでのスピーカー再生なら必要十分でしょう。
    まともに音楽として聞くなら最低限界が64kbpsぐらいです。
    また、容量を節約したいときやマシンパワーが足りないときにはステレオではなくモノラルで
    圧縮しましょう。PDAのスピーカー自体はモノラルですので、スピーカーメインならモノラルでも
    変わりません。ビットレートを半分にできるので有効です。
    GOGO.DLL使用時には「GOGO.DLLを利用」をチェックし、設定ボタンを押して
    各種設定をしてください。

  □拡大縮小時に色補完する
    チェックしておくと、拡大・縮小時に若干画質が上がります。ただし、場合によっては出来上が
    りのファイルサイズがかなり大きくなることがあります。出来上がりのファイルが大きくなるときは
    チェックを外すことをお勧めします。




  ※ACM圧縮CODECを利用の場合の設定方法

   

   「選択」を押すと上記画面のようになるので、上記同様MPEG Layer-3を選択し
   属性の方でビットレートやサンプリングレートを決めます。当然高いほど音質はよいです。
   しかし、映像側とのかねあいであまり上げすぎない方がいいです。
   映像が320*240、15fpsの場合64kbpsのビットレートが限界です。
   また、サンプリングレートは22,050Hz(22KHz)でないと負担が大きすぎてコマ落ち
   したりします。

   以上で設定は終了です。はじめの画面で自分の設定したとおりに表示されていれば
   OKです。


 ②変換するファイルの選択

   設定が終わったら、次は変換するファイルを選択します。
   元のファイルは出来るだけ画質の高いムービーファイルを使うと出来上がりも綺麗になります。
   
   ●注 著作権は守りましょう。元ムービーの著作権が自分に無い場合や再配布を認めていない
      場合は個人的な鑑賞のみにしてください。

   

    上記画面で「変換ファイルの登録」を押してください。



   

   すると、このような画面になります。次に、赤丸の部分を押してファイルを選択します。
   このときAVIファイルは標準で表示されませんが、ファイルの種類を「ALL Files」
   にすれば全て表示されます。
   出力ファイルは好きな名前を付けてください。入力ファイルが*.AVIの場合違う名前を
   付けなければいけないので注意してください。OKを押せば最初の画面のリストに
   変換するファイルが出るはずです。

   この手順を繰りかえして変換したいファイル分だけこの設定をしてください。
   設定を消したい場合は、最初の表で消したい部分を選びDELキーを押せば消えます。
   


 ③いよいよエンコード開始

   これまでの準備が全て終わったら、いよいよエンコードです。
   最初は1つだけ試しにやってみてください。また、PCの性能によっては時間がかなりかかり
   ます。出来る限り性能の高いPCでやるか、暇な時や寝る前にやってください。



   

   上記画面で、変換するファイルが選択されていれば、「変換開始」が押せるようになっています。
   「変換開始」を押せばエンコード開始です。あとは変換されるのを待っていてください。

   ※GOGO.DLL使用の場合
       「変換開始」を押した後、MPG2AVIが異常終了する場合があります。
       その場合はGOGO.DLLの使用をあきらめてください。使えるようにする方法は解りません。
       情報提供お願いしますm(_ _)m

   ※変換後、自動的にシャットダウンさせることも出来ます。
    「変換開始」を押した後に出る画面で、その項目を選べば自動的にPCが終了するはずです。

    
    これでムービーが出来たはずです。




☆G-FORTでの再生
   注意:使用している画像は、Pocket DivX Playerのものです。
       多少位置が変わっている以外基本的にPocketMVPでも同じです。

   遂にG-FORTでの再生です。コンパクトフラッシュメモリカード(以下、CF)に圧縮した
   ムービーを転送してG-FORTにセットしてください。そして、DivX Playerを起動しましょう。

   ●注 G-FORTの画面のキャプチャはrCEというPCからPPCを遠隔操作できるソフトを
       使って行っています。そのため、rCEというバーが上に出ていますが気にしない
       でください。


   

   プレーヤーが起動すると上のような画面になるはずです。始めに上のように
   左回りの矢印の所をチェックしておきましょう。これでムービーが90度回転します。
   低解像度の物を見る場合矢印の隣の所をチェックすると画面いっぱいに表示されるはずです。
   筆者は使用したことがないのでどれぐらいの負担か解りませんが(^^;)

   つぎに左下の「File」ボタンを押してください。


   

   すると上の画面になります。
   まず、DivX Playerの設定をしましょう。

   「Configure」を押してください。


   

   上記画面が現れます。このように筆者は設定しています。
   動作を軽くするために「No AVI Index」をチェックしましょう。
   「Enable Cache」はチェックする必要はありません。


  ※CFの読み込み性能が低い場合は、「Enable Cache」に
   チェックを入れてください。また、「Cache Size」を再生す
   るムービーの容量より大きく設定してください。



   「Save]を押して設定完了です。






   

   この画面に戻ったら再び「File」を押して、今度は「Open」を押し
   再生したいファイルを選択してください。

   しばらく読み込みが続きますが気長に待ってください。
   この読み込みはCF内のファイルをG-FORT本体のRAMに転送
   しているために発生します。

   読み込みが、終了したら選択したムービーの最初の画面が
   上に出ているはずです。

   一番左の矢印をクリックすれば再生開始です!!


   ※注 再生時に映像が音楽より若干遅れて再生される場合があります。
      これは、G-FORTの処理能力を超えているからです。エンコードの時点で
      映像&音楽のビットレートやフレームレート、解像度の設定値を下げてください。


   ※Play List Editerの詳細な使用法は割愛します。
    起動して「+」を押せばファイルが追加できます。ファイルを追加して「Save」
    でリストを保存してください。ファイルを選んで「Play」を押せば再生開始です。




   ●ムービー再生の際のG-FORTの設定
      一番良い状態で見るためには、DivX Player以外のソフトが動いて
      いない状態で再生してください。また、バッテリでの再生時は画面が
      暗くなるのを防ぐため、G-FORTのメニューの「設定」→「システム」
      「コントラスト&明るさ」の「明るさ」でバッテリ使用時の照度を最大にしてください。
      さらに「減光」で、「バックライトを自動的に減光」のチェックを二つともはずしてください。

      また、長いムービーを見るときは上記設定中の「パワーマネージメント」設定の
      「電源を切るまでのアイドル時間」の前のチェックを両方ともはずしてください。
      チェックが入っているとなぜか、アイドルしていると見なされ再生中に電源が切れることが
      あります。
      →解決しました。PcketMVPのConfigureで「KeepAlive」に
      チェックを入れてください。



   以上がG-FORTでムービーを見るための方法です。つたない説明ですが
   お役に立ちましたでしょうか?
    皆様がG-FORTでダメ人間になって行く手助けになればと思っています(笑)



☆補足

   ■ムービーがCFから再生できない。
    解決策:
      単純な間違い以外でCFから再生できない場合、原因はCF自体にある可能性が
     あります。実はCFの読み込み速度が遅いとムービーが再生できません。
     この現象は管理人が体験、検証したものです。具体的に言うと、グリーンハウス製CF
     「GH-CF128MB」にて起こりました。他のCF(Canon製(多分どこかのOEM)、RamStar製)では
     発生しませんでした。実際に、速度をHDbench3.30でUSB2.0対応カードリーダー「VICS RD6」にて
     測定したところ、GH-CF128MBではRead 1.3MB/sほどしか出ていなかったのに対し、
     Canon製では約3MB/s、RamStar製では約2.9MB/sという値が出ました。明らかに半分以下の
     性能しかないためにムービーの再生ができないのだと思われます。
     購入の際は十分に注意してください。

    解決策2:
       上記の方法でもダメな場合、映像のビットレートが高すぎる可能性があります。
      上記CFの場合、映像だけで30kbit/s付近が上限であることが検証により判明しました。
      ファイルの映像のビットレートは、Windowsならそのファイルのプロパティの概要で確認できます。

      注意:この検証はGENIO e550GSと筆者所持のCFでのみ適用されるものであり、他のPPC各機では
          同様の結果になるとは限りません。



   ■Pocket DivX Playerでムービーが再生できない、もしくは乱れる。
    解決策:
       詳しくは解りませんが、プレーヤーの問題のようです。上のほうにありますリンクより
      PocketMVPをご使用ください。また、DivXのコーデックがver5.0.3で圧縮したものでは
      PocketMVP.8Q以降をご使用ください。



   文責:TAM(2002/6/12、同10/4修正、2003/1/16修正、2/25修正) 
   ※転載は不許可です。直リンクはお好きにどうぞ。あまりに基本的な質問は無視しますのでご容赦のほどを。
    間違い等ございましたら tam@japan.interq.or.jp まで。

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