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韓国の伝統的な古典音楽は、朝鮮王朝の時代に確立したといってよい。
王朝時代前半には、いわゆる雅楽としての宮中音楽が確立し、頻繁に演奏された。 後半に入ると、それに対応するように農民を主体とする庶民の間から生まれた、農楽が確立していった。 もともと韓国に伝わる伝統的な楽器の種類は多様で、弦楽器、吹奏楽器、打楽器など合わせて100種類を超えるという。 それらのすべてが、今日、保存されて残っているのかどうかは定かではないし、100種類をこえる楽器がどのようなものであったのかも、定かではない。 現在でも演奏される古典音楽の中で、主役を果たしているのは、一部の管楽器や弦楽器、そして、一部の打楽器が有名であるので、それらを主体に紹介してみたい 上の写真は、日本のお琴に似た弦楽器であるが、가야금(伽耶琴)と呼ばれ、韓国宮中音楽の中核をなす楽器である。 中国から伝えられたものと推定され、弦の数は12弦であり、日本のお琴の13弦、17弦より少ない。 一方、農楽は、打楽器により構成されるアンサンブルである。現在사물놀이(サムルノリ)と呼ばれるパーカッション・アンサンブルは、下の写真の4つの楽器、即ち、장구(チャング)、꾕과리(ケンガリ)、징(チン)、북(プク)による合奏である。 リズムは、リズミカルなものが多い。
一方、管楽器にもいろいろな種類がある。 主として宮中音楽の中で、旋律を担当する楽器として、피리(觱篥:ビリ)が有名である。日本の篳篥(ひちりき)と同じ構造で、本体の筒は竹製、リードはダブルリードで葦が音源である。 피리(觱篥:ビリ)の中でも、筒の太さや音の大きさなどによって、いろいろな種類がある。 下に、代表的な피리(觱篥:ビリ)の写真を掲げる。 ![]() 韓国の古典音楽は、ソウルのコリアハウスなどで公演を聴くことができる。なかなか、すばらしいもので、機会を作って、ぜひ一度、演奏会に出かけてみることをお薦めしたい。 (2012/12/19)
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