同居人シリーズ
第二話 ◆同居人の新生活
静かな朝。
3月も下旬、まだ少し肌寒さはあるものの、窓に射し込む朝の光はほ
んのりと暖かく、布団の中の温もりと相まって、その心地よさは何とも
言えず私の心を癒してくれる。まるで今までの悪夢さえ忘れ去らせてく
れるよう…。
…夢?
私、結城りの。この春、晴れて中学校を卒業し、間もなく憧れの高校
生活への門をくぐろうと待ちこがれる女の子。そんな多感な私の心は、
自室のベッドで目を覚ました早朝から、ある違和感に揺さぶられ戸惑っ
ていた。微睡みの時もそこそこに、私は違和感の理由を考える。いつも
なら…、ううん違う、この数日間を思い出せば…。そして、思い当たっ
た。
『静かな、朝。』
そう。あまりにも静かすぎる。私は体を起こしパジャマ姿にカーディ
ガンを羽織ると廊下に出てみた。不安と期待が渦巻く中、辺りを見渡す。
やはり誰もいない。が、安堵の思いでそのまま洗面台に向かい身仕度を
済ませた頃には、覚醒した意識がさっきまではわからなかった生活音を
捉えていた。私はため息を小さく一つ、そして様子を窺うようにそっと、