メキシコ旅行記  Vol.4
  
(2003年11月、日本ラテンアメリカ文化交流協会雑誌「オーラ!アミーゴス」
     に掲載された文章です。ノーカット版でご覧ください。)

フェスティバル当日

 フェスティバル当日とは言っても、本番は夜8時からだったので、レッスンは休むことなく、午前中から普段通りに受け、ホール入りしたのは夕方5時でした。「うわぁ〜、大きいなぁ!」 とても大きくて素敵なホールにびっくりしました。「こんなホールで演奏させてもらえるなんて私は幸せ者だ。気取ってもしょうがない。今、現時点での私が持っている実力全てを精一杯ぶつけてみよう!」 だんだん迫ってくる本番に気分は高まりました


 プログラムは前半・後半に分かれていて前半は琴と和太鼓があり、私の出番は後半からです。30年来の仲である浅井さんとマリキータさんのお2人、そこに和太鼓の吉村さんが入り3人の絶妙なステージが終わった後、その中に私は加わりました。演奏中はこの3人と一緒に演奏できる喜びで緊張なんかどこかへ行ってしまい、夢中で琴の呼吸を感じながら演奏しました。

 それが終わるといよいよ私のソロ演奏です。1曲目は「Pureza」。私のオリジナル曲です。「純粋さ」という意味を持つこの曲は、私がアルパをしている上で悩んでいたときに、自分がこの先どんな状況におかれようといつまでも純粋な初心の気持ちを忘れることのないように、私の気持ちをいっぱい詰め込んだ曲です。2曲目は「カスカーダ」、3曲目は「満月」をドミチーロさんのギター伴奏に助けられながら演奏しました。

 私の出番が無事終わって、プログラムの一番最後は、メキシコの曲である「シェリトリンド」を出演者みんなで演奏し、幕を閉じました。お客様は大変喜んで、一緒に歌ってくださいました。あのコンサートが今、どういう出来だったか思い出そうと思っても、舞台での私のテンションは高まりきっていて、ただ夢中に演奏をし続けたことしか覚えていません。覚えているのは一曲一曲、今までにはないくらい長い拍手をいただいたこと。遠い日本から来たちっぽけな私に、こんなにたくさんの拍手と歓声をくれるなんて!またメキシコの暖かさに触れました。
↑コンサートホール外から見たところ
↑ホールの中
↑リハーサル中
↑本番

↑アルベルト先生ファミリーと
↑当日の新聞です

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