- 405 :ほのぼのマユデス。グレイシア・ケリーの憂鬱。:2006/06/23(金)
23:08:54 ID:???
- 「サーペントテールが来たぞー。全員並べー。」
ハイネの号令にハイネ隊やファントムペインが整列する。
まるで月曜日の朝礼のようにやる気が無いが、それでもきちんと並んで私語は慎む。
そして、シャーッと扉が開いた。
「失礼する、サーペント・・・・・。」
劾の言葉が途切れる。何故かイライジャが扉が開いた瞬間回れ右をしたからだ。
「どうしたイライジャ。」
「ごめん、ガイ。俺前世で勇者だったこと思い出したから魔王倒してくる。十分で帰ってくるから。」
「イライジャ、どんなお手軽な魔王だ。」
「時間が無いんだ!!こうしてる間に邪神の信奉者たちは・・・・・・ぎゃーーーーー!」
逃げようとしたイライジャの全身が鎖に縛られる。
「うふふふふふふー、何処に逃げるのかしらぁ?イラちゃーーん?」
その鎖の先にはグレイシアが。目がきゅぴーんと光っている。
そのままジャラジャラとグレイシアに引き寄せられる。
「あ・・あ・・・・・、その・・、おにいちゃ・・・・。」
「誰がお兄ちゃんだ!!」
イライジャは鎖に絡まったまま壁に叩きつけられる。
「ご・・、ごめんなさ・・・・い・・お姉ちゃん・・・・・・。」
「よろしい。で、こうしてあったんだから説明してくれるわよね?私に黙ってザフトを抜けたり・ゆ・うv」
微笑みながら言うグレイシア。いまだかつて感じたことのないどす黒いオーラが出ている。
「ぐ・・、ぐれいしあがこくりゅうはをますたーした!!」
「みーあもちつけ!!」
部屋の角ではちっこくデフォルメされたハイネ隊一同がガクガクと集まって怯えている。
「・・・・・・うぅ・・・、うぇぇぇぇん!!うぇぇぇぇぇぇい!!グレイシアがこわいよー!!」
「うわ!!ステラが泣き出した!!」
「ほーらステラー、ペロペロキャンディやろうなー?金平糖のほうがいいか?」
いまだかつて見たことの無いグレイシアに泣き出すステラ、スティングが持っていたお菓子を差し出す。
『マユ、目立つチャンス!!止めろよ!!』
「無理!!!インポッシブル!!」
シンハロの言葉に流石のマユも首を振る
「よーし、じゃあ私の必殺電波ソングで・・・・・。」
「やめろルナマリア!!死人が出る!!」
こんな至近距離で聞いたら危ないとレイが必死に止める。
ちなみにアスランはおろおろしていたがしばらくして何か気づいたようにお茶を入れにいった。
「すまないが、事情を聞かせてくれないか?」
そんなグレイシアに対しためらわずに話しかける劾。
すると、グレイシアは表情をきょとん、とさせてから再び笑って言った。
「あぁ、そうですわね。私、グレイシア・ケリーと申します。この子・・イライジャとは同じ孤児院で育ちましたの。」
- 406 :グレイシア・ケリーの憂鬱。:2006/06/23(金) 23:10:31
ID:???
三者面談、それは古来より脈々と受け継がれる拷問である。
コーディネイターであろうがナチュラルであろうが学校に通っている限りはよけられない試練である。
だが、それに似た状況に置かれている成人男性、社会人(コーディ基準)がいた。
「と、いうわけで・・・・・イライジャは黙って脱走同然にザフトを脱退して、こちらにはなんの連絡も・・・・。」
「そうですか。」
よよよよ、と泣きながら語るグレイシアにアスランが入れた日本茶を飲みながら答える劾。
イライジャはグレイシアの隣で気まずそうに目をそらしている。
「イライジャ、お前連絡くらいはいれなかったのか?」
「だって・・、それは甘えになるかと思ったから・・・。」
劾の言葉に目をそらしたまま答えるイライジャ。
「何が甘えるよ、迷惑かけるとは微塵にも思わなかったのね?傭兵を差別するつもりはないけど
そんな危険な職業についているなんてマザーやシスターがどれだけ心配したか考えてみなさい。
しかも一切連絡をよこさないなんて・・・・・。」
グレイシアがぎちぎちとイライジャを責める。
「・・・っ!だったらお姉ちゃん達が俺に連絡を取ろうとすれば・・・・!」
「・・・・・・あのねぇ、私みたいな緑服が傭兵と下手に連絡を取り合えば下手したらスパイ容疑よ?
マザー達も戦争で孤児が増えて忙しいの!いい加減にしなさい!!」
グレイシアの一喝にイライジャは肩をすくめる。
「・・・・・・このあとプラントにつくわ、そしたらイライジャ。あなたは一度私と一緒に来なさい。」
そう言うとイライジャは打って変わってはっきり反抗した。
「それはできない!!もう次の任務が入ってるんだ!!」
グレイシアも負けじと言い返す。
「わがままもいい加減になさい!!それくらい有給があるでしょ!!使いなさいよ!!そんなこというなら力づくで連れて行くわよ!!」
「いいさ!!MS戦でお姉ちゃんが勝ったら言う事聞くよ!!」
二人の間に火花が散る。
それをお茶請けのせんべいを食べている劾を除いた残りのメンバーは呆然と見ていた。
- 456 :ほのぼのマユデス。兄弟(仮)対決。:2006/07/01(土)
16:40:07 ID:???
- ここは障害物のおおいデブリ帯。そこにいるのはオレンジの肩をもつザクと赤と黒のザクである。
『えー、それでは始めます。審判は俺、ハイネ・ヴェステンフルスが務めます。』
二機からすこし離れた距離にいるグフが通信する。
マユ達も万が一艦に被害が無いように出撃している。
『用意・・・・・・。』
その言葉が放たれると二機のザクが構える。
赤と黒のザクはビームライフルを構え、オレンジの肩のザクは迎え入れるかのように両手を広げる。
『はじめ!!』
先に仕掛けたのはグレイシアだった。両腕からフィッシュ・ボーンが蛇のようにイライジャに襲い掛かる。
イライジャはそれを自慢のスピードで交わす。
そして大降りなグレイシアの攻撃の隙を突いてビームライフルで攻撃。
だが、グレイシアは鎖で攻撃した勢いを利用して肩のシールドで防御する。
『うーん、グラッドの武装って一対一には向いてないだよなぁ・・・。』
シンハロがディスティニーの中で呟く。
「グラッドってだれ?」
『あ、グレイシアのザクの名前。』
シンハロはマユの疑問に答えながら思考を続ける。
もともとグラッドの武装は直接的な攻撃よりサポートを目的としたものだ。
彼女(彼?)が敵を大量に拘束してる間に他のメンバーが一気に敵を倒すのが基本的なスタイルだ。
「シンハロ、もう一つ疑問があつんだけど・・・・・。」
『何?』
「なんでハイネお兄ちゃんはガンダムファイト、レディ、ゴーって言わなかったのかな?」
『・・・・・・・ザクだからじゃない?』
「そっか!!」
マユの質問に渋い表情でシンハロは答えた。
- 457 :兄弟(仮)対決。:2006/07/01(土) 16:41:22 ID:???
- 『くっそぉっ!!イラちゃんの癖に生意気よ!!』
『イラちゃんって呼ぶなよ!!俺はもうそんな年じゃないぞ!!』
『あらららぁ〜?十歳まで寝る時ぬいぐるみのにゃあ大佐がないと寝れなかったのはどこの子かしら?!』
『うるさいっ!!俺はもう傭兵なんだよ!!』
口でも戦いながら戦闘を続ける二人。
しかし口論ではグレイシアのほうが上らしく、イライジャの機体の動きが一瞬鈍る。
『貰ったわ!!』
その瞬間フィッシュボーンがザクを絡めとる。
間接部分に魚の骨のような鎖が絡みつきギシギシと機体を痛めつける。
PS装甲でない機体なら間接をこれでやられるだろう、そう、PS装甲でないなら。
『甘い!!』
イライジャのザクの黒の部分が赤い色に染まる。
そして、頭部ブレードで何とか右腕の鎖を切り、ほかの鎖をトマホークで切断した。
開放されたイライジャのザクの動きは微塵も鈍ってはいない。
『なっ・・、PS装甲?!』
『まったく、俺を舐めてるからだ。そもそも経験の差が違うんだよ。』
『・・・・・なんですって?』
グレイシアを出し抜いたことに気を良くしたのかイライジャは言葉を続ける。
『そもそもお姉ちゃん調子に乗ってたんじゃないの?エリート部隊に所属してるからって。
俺達傭兵はいろんな種類の任務を受けるけどお姉ちゃん達はそうじゃないだろ?
それに平和だった間も俺達は戦ってたんだ。腕が鈍っているお姉ちゃんとは違うんだよ。
お姉ちゃんみたいな力任せは特に・・・・』
イライジャの言葉が止まる。
『ふ・・・・ふふふふふふ・・・・・・あははははは・・・・・。』
グレイシアの怪しげな笑いが響く。
イライジャは知らなくて当然だが。ハイネ隊はエリート部隊という以前に特殊部隊である。
ザフトの色々な裏事情で平和な間も戦ってたりする。
まぁ、この程度の批判は普通に仲間うちでしてたりする。
が、相手はイライジャだ。昔から自分の後ろをついてきたかわいい弟だ。
そして、途中でプレッシャーに負けてザフトの事を何も知らないうちに脱隊したイライジャだ。
グレイシアの意思は決まった。
いっぺん殺そう、この調子づいてる弟を。
グレイシアの動きか止まる。
『デブリ戦で・・・・・・私と戦うことを後悔なさい!!』
その瞬間、グレイシアのザクが奇妙な動きをする。
鎖を長く出したまま踊るような動きを見せる。
もちろん鎖はイライジャにはあたらず明後日の方向へ伸びる。
『お姉ちゃん・・・何し・・・・?!』
イライジャはザクに出された反応を察知してよける。
間一髪、後ろから飛んできたデブリを避けれた。
『まさか・・・?!』
『くらいなさい!!私のデブリ専用必殺技「織姫」!!』
- 458 :ほのぼのマユデス。兄弟(仮)対決。:2006/07/01(土)
16:50:08 ID:???
- 『『『『うわわわわわっ!!』』』』
それぞれの機体から悲鳴が上がる。
あちこちからむちゃくちゃにデブリが飛んでくるのだ。
これでは避けるだけで精一杯で艦を守るもなにもありゃしない。
『くっ!!スティング!あれをやるぞ!!』
レイがスティングに通信する。
『あれって・・・・おいおい!ありゃ取っておきだって決めたじゃねぇか!!』
スティングが驚いた声を上げる。
『仕方ないだろ!!今使わずにいつ使う!!いくぞ!!』
レイの言葉と同時にレジェンドのドラグーンが全て発射される。
そしてスティングも兵装ポッドを射出する。
そしてある一定の間隔で皆の周りにドラグーンらを配置すると機体のキーボードで設定を変更する。
すると、ドラグーンや兵装ポッドからでたビームはバリアとなり周囲を囲んだ。
『すげぇ!こんなの何時考えたんだよ?!』
アウルがレイに通信してくる。
『ふ、ドラグーンのミラージュコロイドを応用した技だ。ただドラグーンの数が足りなかったのでスティングに協力してもらった。』
自慢げに話すレイ。
『それはいいけどどうするよ、あれ。』
ネオが緑の壁の向こうを見る。
暴走するグレイシア、泣きながら避けるイライジャ。あ、ハイネが巻き込まれた。
『たぶんグレイシアの勝ちじゃないかしら?』
ルナマリアがぽつりと呟く。
『てゆーか、審判巻き込んだら負けじゃない?』
一行は呆然としながらデブリの舞う戦場を見続けた。
- 459 :ほのぼのマユデス。兄弟(仮)対決。:2006/07/01(土)
16:52:07 ID:???
- 『くそっ・・、なんてめちゃくちゃなんだ!!』
イライジャが涙目で言う。きっとミネルバで生活したら三日と持たないだろう。
しかし、イライジャのウィザードはスピード自慢だ。気をつければまず当たらない。
勝機は必ずある。そう信じてイライジャは待つ。
彼女のザクは確かにパワーを強化してある、デブリを引っ張っても大丈夫だろう。だが・・・・・。
突然、デブリが飛んでこなくなった。
どうしたんだと思いつつも他の皆は周りを注意する。
すると、なにか光るものが浮いているのがわかった。
グレイシアのフィッシュボーンのかけらである。
『なっ・・・?!』
グレイシアは驚愕する。
彼女はよくも悪くも頭に血が上っていた、それゆえ、鎖の強度までに注意がいかなかったのだ。
気がついたときには、目の前にビームライフルを構えたイライジャのザクがいた。
『俺の勝ちだ、お姉ちゃん。』
- 149 :ほのぼのマユデス。愉快なデュランダル一家。:2006/07/14(金)
20:54:40 ID:???
- なんだかんだいって無事マユデスメンバーはプラントに付いた。
ちなみにイライジャは勝負には勝ったが手紙だけでも書くように要求された。
『これくらいは聞いてくれるわよね?』
そういってにっこり笑ったグレイシアは目が笑っていなかった。
その笑みの迫力に勝てなかったイライジャは涙目でこくこくと頷いていた。
「こわかったなぁ・・。」
おもわずマユはそれを思い出して戦慄する。
ファントムペイン一行とアスランはマユとレイの家、つまり議長の家に止めてもらう事になった。
ルナマリアも何か事情があるらしくミーアの家に泊まる事になったらしい。
そして、マユとレイの家。つまり議長の家、そこの玄関に一行はいた。
「ここは・・・・・・・。」
きょろきょろと昔良く見た風景を眺めるアスラン。
『そ、元クライン邸を改装してるんだ。』
アスランの言葉を読んでシンハロが説明する。
「海も見えるんだよ。」
「うみー!!」
マユの言葉にステラが喜ぶ。
「えーっと、鍵鍵・・・・・・。」
豪邸にそぐわない普通なセリフを言いながら鞄から鍵をだして扉を開ける。
がちゃり。
「やぁ、おかえり。」
迎える赤い彗星ボイス。
- 150 :ほのぼのマユデス。愉快なデュランダル一家。:2006/07/14(金)
20:57:47 ID:???
その瞬間マユのとび蹴りがその声の持ち主にと命中する。
そしてレイがどこからか取り出した金属バットでホームラン。
ふわり、と空中にういて、べしょっ、っと落ちるシャアボイスことギルバート・デュランダル。
「ギル!!仕事はどうしたんですか!!」
「ギルパパ!!何やってんの!!」
言葉より先に手を出した子供達に議長はなみだ目で拗ねたように言う。
「だって・・・、久々にプラントに帰ってきたんだから家族水入らずで・・・・・。」
「スティング達も一緒ですけど、ギル。」
「嘘?!」
後ろのステラ達を発見してギルバートはしょぼくれる。
『もしもし、サラさんですか?議長を発見したんで回収に・・・・・。』
「シンハロォっ!!」
携帯で連絡するシンハロに飛びつくデュランダル。
「頼む!!今日くらいいいだろう?!欲しいものなんでも買ってあげるから!!」
『大丈夫です、議長。俺欲しい物は自力で手に入れる男ですから。』
「たーのーむー!!私だって休暇が欲しいんだよー!!」
ダダコネをするデュランダル議長。写真をとってネットに流したら間違いなくコラ扱いだろう。
マユは目をそらすファントムペイン一行とプラントの未来を嘆くアスランを見た。
- 151 :ほのぼのマユデス。愉快なデュランダル一家。:2006/07/14(金)
20:59:45 ID:???
- すると何処からともなくブロロロロロッとエンジン音が響いてきた。
「・・・・ギルパパ、サラさん来たよ。」
マユのセリフに向こうを見るとごっついバイクが轟音と共にやってくる。
それは見事にマユ達の前で止まった。
乗っているは緑のスーツを着こなした女性。ヘルメットを取ると知的な顔が現われる。
「議長!!こんな所まできてたんですか!早く戻ってください!!」
「サラ・・・!嫌だ!!私は今日は休むんだ!!」
「レイ君、いつものお願い。」
「はい。」
そうサラが言うとレイがガゴンッと金属バットをデュランダルの頭に振り下ろす。
吹き飛ばすのではなく振り下ろす。そのままパタリと倒れるプラント評議会議長。
「まったく・・・、いっつもこの調子でよくあんな風に演説できるわね・・・・。」
そうぼやきながらテキパキと気絶しているデュランダルにヘルメットをかぶせ、そのまま動かないように
しっかりバイクと自分に固定する。
「それでは、レイ君、マユちゃん、それに皆さん、ご迷惑をおかけしました。」
そう爽やかに笑ってからヘルメットを被り、轟音とともに彼女は去っていった。
「・・・・なんだ、あれ。」
「日常精神年齢十歳のプラント評議会議長とそのお守り役兼秘書のサラさんだ。」
ネオの質問にレイが淡々と答える。
「父上・・・、母上・・・、プラントはどうなってしまうのでしょう・・・・・っ!」
「ア・・・、アスラン!!心配することないって!議長は普段あんな分きっと政治では大丈夫だよ!
オーブのアスハだってあんな感じなんだろう?!」
シンが必死に泣き崩れるアスランを慰める。ステラも慰めているつもりなのかキャンディーを差し出している。
「と・・、とにかく久しぶりの我が家!!たっだいまーー!!」
マユは気を取り直し、大きな声で扉をくぐった。
- 184 :ほのぼのマユデス。どきどき御宅訪問。 :2006/07/16(日)
22:34:14 ID:???
- 「えっとー、ここが私の部屋でー・・こっちがレイ兄ちゃんの部屋。
で、あとはギルパパ関係で客室が二つしかないんだよね。」
「「「「なんだそれ!!」」」」
マユの雑な説明に突込みが入る。
「だって三人だけだよ?!めったにお客も泊まりに来ないし
メイドさん達も時々掃除とかに来るだけで後はほとんど自分達でやってるんだよ?!」
「メイドの必要ねぇじゃねぇか!!業者に掃除は頼めよ!!」
「スティング!!ギルの趣味だからしょうがないんだ!!」
「じゃあ残りの部屋はどうなってるの・・・・?」
つっこみの合間をぬってステラが質問をしてくる。
「えー・・、まずこの部屋が・・・・・。」
マユが手ごろな扉を開ける。
「ギルパパの書斎。」
なかなかシックな作りの書斎がでてくる。
「ちなみにあさるとギルが忘れてるへそくりとか出てくるぞ。」
レイが補足して一同は書斎を出る、そして、向かいの部屋。
『ここはあんまり開けたくないんだよなぁ・・・。』
シンハロが扉を開ける。
- 186 :ほのぼのマユデス。どきどき御宅訪問。:2006/07/16(日)
22:36:34 ID:???
- 扉の裏側や壁、天井、床全てに大量のお札やら護符やら西洋東洋問わずの魔よけの紋様。
そして怪しげなトーテムポールやらアクセサリーやら古めかしい本や巻物やら何処かの部族の仮面やら。
禍々しい紋様のナイフ、ひのきの棒、青い瓶に入った清涼飲料、内面に謎の文字の刻まれた指輪、
赤、白、黒、青の宝石のついた四つのタリスマン、ゴルフボールのような銀水晶、薔薇の紋様の入った鞄。
五芒星の模様を刻んだ灰白色の石、蓋の開いた金属製の箱に入れられている不ぞろいな多面体の宝石など。
アキラが見たら目を輝かせそうな怪しい物体の数々。
「ギルの趣味なんだ・・・・、怪しいいわくつきの物体を集めるのが・・・。」
『某覇道の魔道研究所みたいだよなぁ・・・。この調子だと対邪神用の人類の最終兵器のMSがここの地下で製造されててもおかしくないよ・・・。』
その場にいた全員はおぞましい光景に身を震わせる。
不気味だ。あまりに不気味な物が多すぎる。
「ほら、早く出よ。昔メイドさんが一人この中に閉じ込められた時さぁ・・・・。」
「あぁ、大変だったな。」
マユとレイ不穏な会話をしながら一行を部屋の外に出す。
そして、しっかり施錠。
- 187 :ほのぼのマユデス。どきどき御宅訪問。 :2006/07/16(日)
22:39:43 ID:???
「おい、あとこんな部屋がいくつある?」
アウルがシンハロに聞く。
『えー、あと15はこの類で・・、地下にもっと酷いのが四つ。マシなのが三つ。』
「・・・・・・よく生活できるな・・・・。」
夜一人じゃトイレにいけない、とアウルは思う。
「たいしたこと無いよ、時々呻き声とかするだけだし。」
「するのか?!」
アスランの脳内のクライン邸での優しい思い出が一気に崩れていく。
「まぁそう言うことだから上官であるネオとアスランに客室に泊まってもらい、
ステラはマユの部屋。残りは俺の部屋だ、以上!!」
「「「「どう言うことでそうなるんだよ!!」」」」
ファントムペイン男子が突っ込む。
「仕方ないだろう、布団はちゃんと用意するし
俺の部屋は広くすぎて困るくらいだから問題ないぞ庶民ども。」
「うわぁ、すっげぇ嫌味ったらしい口調。」
「そもそも俺とアウルは一般的な部屋の広さが
よくわからないからその嫌味はあんまり意味無いぞ。」
ふふん、と鼻をならすレイにやはり突込みが入る。
『じゃあ一旦荷物を置いたら居間に集合しよう、今後の予定もあるし。
アスランとネオのおっさんは俺が部屋に案内するから。』
シンハロの言葉と共に一行は解散した。
- 237 :ほのぼのマユデス。クッキングマユ。:2006/07/19(水)
00:12:56 ID:???
『なんか色々と要りそうだから買い物行ってくるー。』
そんなことを言って男性陣が出かけていった。
屋敷にのこされたのはステラとマユの二人。
「んふっふっふっふっふ・・・・・・。」
マユは怪しく笑う。
「マユ・・・どうしたの・・・?」
ステラが心配そうに話しかけるとマユはバッとそちらの方を向く。
「ステラ!!聞いて私の大作戦を!!」
マユはそう言ってステラに話をする。
作戦名はこうだった。
『なんか最近どーも皆に女の子扱いされてないから晩御飯の一つでもつくって鼻を明かしてやろーぜ大作戦。』
わーっと盛り上がるステラとマユ。
「よしそれじゃあ近所のスーパーに買出しに行こう!!チャリで!!」
「マユ!!ステラ自転車乗れない!!」
結局二人は仲良く徒歩でスーパーに向かった。
「何つくろっか?」
「カレー・・・・。この間・・・・テレビでやってたの・・・・。ルーから・・手作り・・・・。」
「いいね!!」
そう言って二人はぽいぽいと食材をつめこむ。
「チーズカレー美味しいよね。」
「林檎も入れると美味しいの・・。」
「ゆで卵も欲しいなぁ・・・・。」
「福神漬け・・・真っ赤じゃないやつ・・・・。」
そしてスパイスのコーナーまでやってくる。
「・・・・ステラ、テレビでは何入れてた?」
「黒いのと赤いのと黄色いのとカレー粉。」
色だけをばーっと言うステラ。
二人を包む沈黙。
「てきとーで大丈夫だよね?」
「カレー粉・・いっぱい入れれば・・・・カレー・・・・。」
大いにアバウトな意見でスパイスを選び、二人はさらに食材を買おうとカートを押すのであった。
- 238 :ほのぼのマユデス。その頃の野郎ども。:2006/07/19(水)
00:15:26 ID:???
「何借りるんだ?」
『ローゼンメイデ○全部借りるわ。あと○殻機動隊も。』
ここはレンタルビデオ屋。せっかく休みだから一気に色々見ようと男性陣はここにいた。
「スティング、そんな恋愛モノばっかり借りてどうするんだ?俺は見たくないぞ。」
「・・・・・見ないとメイリンと話が合わない・・・・。」
明らかに女性が好む恋愛映画を借りようとするスティング。レイははぁ、と呆れる。
向こうで篭に溢れそうなほどアニメDVDを借りているシンハロもシンハロだが。
「・・・おい、これなんてアニメだ?」
『ん?あぁ、苺ましま○か?』
シンもだめだ。
ふとネオの姿が見えないことに気づく。
「アウル、おっさんはどこだ?」
レイが聞くとアウルが指差したのは暖簾で入り口が区切られた一画。
「--------------まったく、仕方が無いな。」
「そーだなー。ネオはホントしょうがないよなー。」
「ちょっと待て。」
さも当然かのように暖簾をくぐろうとする二人を止めるスティング。
「何だ。文句あるのか、こちとら成人だぞスティング。」
「でも16だろ。16だろお前。こらアウル、レイに気を取られている隙に入ろうとするな。」
そう言って二人を止めるスティング。しかしレイとアウルは諦めない。
「なんだよ彼女持ちだからって勝ったつもりかよ!!俺達にも夢くらい見させろよ!!」
「そうだそうだ!!つーかとっとと進展しろよ、こないだメイリンに聞いたらまだ腕組むのが限界とか言ってたぞ。」
ネオのおっさんが暖簾をくぐって出てくる。
「ううううううううううるさいっ!!お前らには関係ないだろ!!」
「なんだよ顔真っ赤にしながらネオのエロ本捨てた癖に!!」
「きしょいな。女の子が純情なのはかわいいが男が純情すぎるのはきしょいぞ。」
すでにシンハロとゲンは大量にアニメやらCDやらの入った篭をレジに持っていって精算している。
「そういやレイってどんなのが好きなんだよ?」
「俺は人妻とかその辺だな。アウルは?」
ネオのおっさんも男性店員のレジで精算をしている。
「女子校生とか好きなんだけどさ・・・、おばさんばっかで嫌になるよねー。」
「お前らーー!!」
いい年した男子三人がどったんばったんと暴れる。おかーさーんあれなにー、こら見ちゃいけませんとか確実に言われている。
そんな三人から目を背けてとっとと目当てのモノを借りたネオ、シン、シンハロは他人のふりをしてその場から去った。
- 245 :ほのぼのマユデス。クッキングマユ。:2006/07/20(木)
23:56:04 ID:???
- 「よーし!!じゃー作るぞー!!」
「おー!」
ステラとマユは声を上げる。
マユは赤のエプロン、ステラは水色のエプロンをそれぞれ着けている。
「マユ・・・お野菜はどうするの・・・?」
「んーと、たまねぎはあめたまって言って飴色になるまで炒めると美味しいんだよ。」
「じゃあ・・、たまねぎ・・・・切るの・・。」
そう言ってステラはたまねぎを切り始める。
もちろん水泳用ゴーグルを装備して。
その隣でマユはにんじんを切っている。
そして切り終わった。少し大きさがばらばらなたまねぎとごろんごろんとした大きさがものすごくばらばらなにんじん。
「・・・・・・・、気にしない!!ステラ!!炒めよう!!」
そう言ってマユはサラダ油をフライパンにひいてからたまねぎを入れる。
「・・・・火、どれくらいだろう。」
「時間ないから・・・・・強火で・・・・いいと思うの・・・・。」
そう言ってごーっと中華よろしくの強火でたまねぎを炒め始めるマユ。
ついでに人参も一緒に炒める。
・・・・・表面が焦げ付いてきた。
どんどんどんどん黒くなっていく。
「こんくらいでいいかなー。」
なにかプスプスいっている。
「次・・・・ルー・・・作りたい・・・・。」
順序とかそう言うのは考えずとりあえず本能おもむくままに二人はルーを作り始める。
「えーっと・・、小麦粉と・・あと適当に買ってきたスパイスと・・・・。」
「・・・・・ココアの粉は・・・?」
「いいね、それ。あと・・・・粉末中華スープのもとがあるからいれよっか・・・それと・・・・。」
少女達は自分の勘を信じきって調合を始める、しかし、戦場は勘だけでは生き残れないのである。料理も叱り。
このあと待っている結果を、彼女達は想像もしなかった。
- 246 :ほのぼのマユデス。クッキングマユ。:2006/07/20(木)
23:57:34 ID:???
- 「ただいまー・・って何だ?!この匂いは?!」
レイが思わず鼻をつまむ。
周りもシンハロ以外全員鼻をつまむ。
「何なんだよ・・この匂い!!」
『うーん、さすがに気体検知器の昨日は俺についてないからなぁ・・・・どこから匂ってくるかは空調システムから推測できるけど・・・。』
「役に他立たないロボットだな!!とっとと案内しろよ!!マユとステラが危ないじゃないか!!」
『んだとぉ?!その義足義手のパワーをフル活用できてない間抜けサイボーグに言われたくないね!!』
ダブルシンの喧嘩の声を聞きつつ一同を進んでいく。
そしてたどり着いたのはキッチン。
「ステラ!!」
『マユ!!』
二人が入るとそこには倒れているステラとマユがいた。
そして周りの状況が全てを物語っていた。
転がるたまねぎ、にんじん、じゃがいも、なまにく。
テーブルの上に広がる古今東西のスパイスやらお酒やら調味料やら。
そして異臭を放つ鍋。
「「「「「『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」」」」」』
男性陣はそれぞれ黙って仕事を始めた。
シンハロは臭覚センサーをオフにして鍋に近づき蓋をする。
とりあえず匂いがもれないようにガムテープでぐるぐる巻きにする。
そのまま海側の庭までいき海に全力で投げ捨てる。
お魚さんたちごめんなさい。でもプラントに環境問題もへったくれもないし、餌だと思って食べてください、そうシンハロは心の中で呟いた。
レイとシンとアウルは三人で協力してステラとマユを居間まで運ぶ。
気絶している二人をソファに横たえる。
アスランは大急ぎで消臭剤やスプレーを台所に設置する。
そしてネオとスティングがマユ達が使った器具の後片付けをする。
数時間後・・・・・・・・・・・・・・・・・。
- 247 :ほのぼのマユデス。クッキングマユ。:2006/07/20(木)
23:59:14 ID:???
「はっ!」
「うぇい・・?」
マユはばっと、ステラはんーっと気がつく。
「おー、気がついたかお前ら。」
見ると別のソファでネオが新聞を読んでいた。
「・・・カレー作って・・・・煮込んでたら・・・きがとおく・・・。」
ステラが頭を抱えながら思い出そうとする。
「思い出さないで、ステラ。」
シンがステラの肩をぽん、と叩く。
「マユ、それよりシンハロがお前の見たがってたアニメを借りてきてくれたぞ。」
そう言ってレイは赤いゴスロリドレスを着た少女のパッケージのDVDを渡す。
「あ、トロイメント。」
マユはそれを受け取り呟く。
「見るか?」
アスランがそう言うと返事を待たずにDVDを再生しようとマユの手からDVDを奪う。
マユとステラはまだ覚醒しきらない頭でアニメを見始める。
すると、台所の方向から良いにおいが漂ってきた。
「おーい、ちょっと人手が足りないからアウル、ゲン、手伝え。」
エプロンをしたスティングが扉を開けてひょこっと現われる。
「えぇ〜?」
「何で俺達なんだよ・・。」
「文句いうな、俺達はレイに止めてもらってるんだし、アスランとネオは上官なんだ。ほら、いまシンハロが一人でやってるんだから早くしろ。」
ぶーぶー文句をいいながらもキッチンへ向かう二人。
「ステラ・・・・。」
マユはアニメを見ながらステラに話しかける。
「何・・・・・?」
「何か・・・・果てしない敗北感を感じない・・・・・?」
ステラは、静かにゆっくりとうなずいた。
ちなみに、その日の晩御飯のカレーはとても美味しかった。
- 259 :ほのぼのマユデス。人気投票実況。:2006/07/22(土)
21:40:09 ID:???
- 「アキラお兄ちゃん、死してなお苦しませる魔術って知ってる?」
『マユー!!マーレに何する気だーー?!』
ものすごい形相でアキラに質問するマユをシンハロが止める。
「え・・、じゃあゾンビにする?相手の魂も死体も奴隷にできるよ?死体はくさらないし。
それに永遠の苦しみつき。あとは・・・イタカあたりでも召喚して世界一周してもらう?終点はヒマラヤのてっぺん。
そうそう魂を瓶に閉じ込める術もあるし・・恥かかせたいなら対象の体をのっとる術とかもあるよ?」
「お前も教えるな!!」
なにやら様々な知識を教えようとしたアキラにハイネが怒る。
「それにしても・・・まぁ皆ネタに走ったわねぇ・・・。」
グレイシアが結果を見ながら呟く。
「マーレなんかはほぼネタで書いてるよな・・・。某エヴァの人気投票か?」
レイがぽつりと呟く。
「ステラにんきだよー!」
ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶステラ。
「よかったなぁ、ステラ。」
ステラの頭をなでるスティング。
「アキラ・・・・なにお前一人で三票も入ってんだ・・・・・?」
「ひぃぃっ?!」
ジョーがうりうりと首を絞める。
「・・・・・・・・・。」
ゼロまで全身を布でしばりじわりじわりと締め付けてくる。
「違うって!!二票だけだって?!」
「どう言う意味?」
アキラの言葉にカルマが首にナイフを突きつけながら聞く。
「だっておれらメインキャラの項目の一票は作者の妹が
『おい、項目何もないじゃん、しゃーねーなー。』
って思って作ったのだからカウントしないんだよ。」
「「「「「「「「え?」」」」」」」」」
まだ投票数が1、でなおかつ初期からあったメンバーが硬直する。
(゚д゚ )(゚д゚ )(゚д゚ )(゚д゚ )(゚д゚ )(゚д゚ )(゚д゚ )(゚д゚ )
(
゚д゚ )( ゚д゚ )( ゚д゚ )( ゚д゚ )( ゚д゚ )( ゚д゚ )( ゚д゚ )( ゚д゚ )
そのまま、石になり、風化してさらさらと流れる。
「うわ!!だれか金の針もってこい!!」
「かけた部分はポリパテで修復するか?!」
『あぁ・・!ハイネの前髪が!!これじゃただの西川だ!!』
「ねおー!!すてぃんぐー!!」
- 260 :ほのぼのマユデス。人気投票実況MS編。:2006/07/22(土)
21:42:46 ID:???
- 【はい、というわけでMSの実況でさぁ。お、あっしも票が入ってますらぁ。】
【うむ、私も票が入って喜ばしい限りだ。】
うんうん、と二人して頷くフォースとブラス・・・・疾風。
【意外だな・・、ガイアがデスティニーより上か。】
【わう♪】
ガイアの頭をなでるカオスに皮肉るアビス。
【僕も票が入りました・・・!あっ・・、ありがとうございます!!僕みたいな目立たない明らかZガンダ○パクリじゃねーか
みたいなMSに票をいれてくださって!!】
【・・・・そこまで謙遜しなくても・・・・。】
セイバーの嬉しいのか自虐的なのかよく解からない言葉には流石のアビスもどうしようもない。
【ふむ、そうか。あれだけ興奮しておいて我が妹に票をいれぬか・・・・。コロス。】
【兄上!?早まらないでください!!】
一瞬あきらかにキャラの違ったレジェンドをデスティニーが止める。
【・・・・・ふむ、余としたことが興奮してしまったようだ。そうだな、殺すより脅迫して票を入れさせたほうが良いな。】
レジェンドの言葉にデスティニーが激昂する。
【ちっとも良く有りませぬ!!だいたい妾、もとい我らMSは主に仕えるもの!人気などに惑わされては・・・!!】
【ふーん?そのわりには嬉しそうだけど?あ・ん・た。】
指を振りながらストライクMkUがデスティニーに言う。
【なっ・・なななななな!!けっしてそのようなことははははは!?】
デスティニーの反応にMkUは意地悪く笑う。
【照れるなって・・、まぁ可愛いからいいけどさ。ともかく入れてくれた奴がいるんだから礼くらいは言えよ?】
【わ・・・っ!!解かっておる!!え・・・あ・・票をいれてくださった見ず知らずの御仁、感謝いたします。】
【かった苦しいなぁ・・、『入れてくれてありがとうございます、ご主人様♪』くらい言えよ。】
【言えるかーーーー!!】
だが、デスティニー達がわいわいやっている向こうでは一つの影が・・・・。
- 261 :ほのぼのマユデス。人気投票実況MS編。:2006/07/22(土)
21:44:03 ID:???
- 【なんで?三つ子なのに俺だけ票が入らないの?】
体育ずわりで隅っこにうずくまるフォースインパルス。
それをなぐさめようと始めからハイネ隊MS一行が励ます。
【元気だすのだ!男がないたらだめなのだ!!】
手品で目の前に花をだすカルーア(カルマザク)、反応なし。
【・・・・戦闘中のコクピットの中の映像いる?】
ぼそりと、耳元で囁くイデン(ミーアザク)、あ・・・・ちょっと反応した。
【しょうがないなぁ・・・・・、僕オトコノコはあんまり好きじゃないんだけどなぁ・・・?】
【やめろーー!!精神的BL?!】
急に耳元に囁いてきたグラッド・アイ(グレイシアザク)、大いに反応する。
【おいおい、やめろよ。落ち込んでるんだろ?いらない子っていわれて。】
【そこまでいわれてねぇよ!!】
はっはっはっはと笑うアルディラ(アキラザク)にフォースが突っ込む。
【と、いうわけでぇ♪俺達が人気上昇のためのアイテムを用意したぜ♪】
そうイグナ(ハイネグフ)にいわれて首をかしげるフォース。
そして向こうからジャバウォック(ジョーザク)が運んできたのは・・・・・・。
魔女っ子衣装、MSで言う所のマジカルインパルス使用レッグ&チェスト。
すぐさま逃げ出すフォース、だが瞬発力なら上であるキティ(キースザク)が立ちふさがる。
一瞬ひるんだ隙にズーム(ゼロザク)が布でぐるぐる巻きにする。
【え・・嫌だ?!なんでなんでそれなの?!せめて・・・・こう・・もっと・・ぎゃー!!脱がせるなーー!!
イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・ ・・・・ ・・ ・ ・ ・ 】
- 367 :ほのぼのマユデス。人気投票結果。:2006/08/02(水)
23:01:58 ID:???
「ゆうしょー!!ゆうしょー!!」
ぴょんぴょん跳ねるステラ。
商品は某ネズミーリゾート宿泊ペア券だ。
そして通夜のような鎮痛な面持ちの三人、シン、マーレ、アスラン。
「・・・・どうしよう・・・。」
「夜逃げするか・・・・・・?」
「でもデスティニーで追いかけてくるぞ。最新鋭MSで追いかけてくるぞ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーその頃のマユ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
動かない。まったく動かない。静止状態。
『ま・・・マユ?』
するとマユがぽつりと呟いた。
「シンハロ、デスティニーの名前を今すぐデモンベ・・・・・・・。」
『駄目だって!!第一名前変えたって流石にレムリ○・インパクトは無理だって!!』
「・・・・シャイニング・トラペゾ・・・・・・・・。」
『アウトサイダーその他の恐怖?!』
二人が漫才をしてる後ろではその他の人が騒いでいる。
「勝った!!ハイネに勝った!!」
アキラがものすごい勢いで喜んでいる。
「何そんなに喜んでんのよ?」
ルナマリアの言葉にアキラは顔を輝かせながら言う。
「だってもしもハイネが俺よりしただったら夏コミの売り子してくれてなおかつ
1000アースダラーくれるって賭けてたんだ!あ、おれこれからデモベ小説の新刊読むから邪魔すんなよ、あとで貸すから。」
・・・・・・沈黙するルナマリア。
ハイネ、自信があったのね。アキラに逆転する自信が多いにあったのね。
向こうであさっての方向を眺めるハイネからルナマリアは目をそらした。
- 368 :ほのぼのマユデス。人気投票結果。:2006/08/02(水)
23:03:10 ID:???
- 「お前らは同列か・・・・・。」
レイとアウルにネオが言う。
「でも俺の方が勝ちだぞ、おっさん。」
「どう意味だ?つーかおっさんじゃない?!」
レイの言葉に突っ込むネオ。
「アウルはほとんど同情票だ。『出番の無い青い子』って薔薇乙○原作か?」
「同情票いうなーーーーー!!」
ぎゃおーすとアウルが暴れ始めた。
その向こうでは反対にほのぼのとした空間になっていた。
「よかったわねぇ、二人とも同列で。」
「あーうらやましーなー。私も彼氏ほしいー!!」
「いやぁ・・・・。」
「投票してくれた人のおかげで・・・。」
なんかグレイシアとミーアがスティングとメイリン祝ってる。
だがそのお隣ではとんでもない暗黒空間が流れている。
「一人だけ・・・・・一人だけ最下位・・・・西海・・・・再開・・・・・・最下位・・・・・土門以下・・・・・。」
「だっ・・、大丈夫だよ!俺の一票は同でも良いような票だったじゃん!!」
「気にするなよ!!ほら!結構たかいウィスキーかっぱらってきたから!!それともラムにするか?!」
泣き崩れるキースをカルマとジョーが慰める。
実はこの辺でキースとカルマは個人イベントが入る予定だった。残念。
そして、片隅のコンセント近くではゼロが一心不乱にノートパソコンを叩いている。
たぶん、彼と付き合いの長いものでしかわからないだろうが彼はものすごく喜んでいる。
前回の結果から一気に躍進。やった。やった。やった。いやったぁぁぁぁぁぁぁ。(心の声)
今彼はメールでその思いを伝えている。誰に?決まっている。連絡できる限りの全ソキウスに。
彼の癖である。何かしら大きい出来事があるとそれを壮大な字数で周りに伝えたがるのだ。
ウェンディ嬢曰く、『イレブン、セブン、兄さんのあれはどうしようもありません・・。』
後日ちょっと迷惑だったのでその旨を相談した二人のソキウスは物凄くシリアスな表情でそう『姉』に告げられた。
テン氏曰く『・・・・・ボクも苦情を言おうとしたよ。マザーからも文句言われたし。でもね、メールの話を切り出すと表情
が違うんだよ。もうキラキラと輝いて尻尾振って読んだ?読んだ?読んだの?って!!
言えない!!言えるわけない!!一度見てみるといいよ。何あの顔?キャラマジで違うし?つーか誰?みたいな。』
いつものおちゃらけた口調もなく真剣に語るテン氏。
流石に二人もそういわれるとどうしようもないのかしぶしぶコンビニコンビは帰ったと言う。
- 369 :ほのぼのマユデス。人気投票結果MS編。:2006/08/02(水)
23:04:35 ID:???
- 【・・・・・・線香の準備しないといけねぇなぁ、こりゃ。】
【フォース、切腹するなら私が介錯してやる。】
【しねーよ!!そんなわくわくした目で見んなソード!!】
いんぱるす三人組が格納庫の隅でギャーギャー騒いでいる。
【嫌だよー!!俺まだ壊れたくないよー!ジェネCEではブラストとソードばっかり贔屓されて俺一度も使われてないよー!】
【まぁ騒ぐなよ。どうせ俺たちゃいつか旧型になるんだからな?】
【お前にいわれたかないわぁぁぁぁ!!マーク!!しかも微妙に外部票もらってますよ?アンリってだれ?!】
【お前とこのおじょーさんの名前くっつければわかると思うぞ。】
二人が騒いでいると二人の間に一閃のビームが走る。
【ふむ、ストライクMkU、少々悪戯がすぎたようだな・・・・・。】
【ワオ、レジェンドってば自分は女関係複雑なく・せ・に。】
指を振りながらレジェンドの怒りを笑い飛ばすMkU
【死にたいのか?】
【いんや、まだからかい奴いっぱいいるし。】
レジェンドの表情が険しくなっていくが相変わらずMkUはにやにやと笑っている。
【ならば冥府へと送ってやろう!!】
そう言ってレジェンドが一斉にドラグーンを放つ。
MkUは流石にやばいと思ったのか、すたこらさっさと逃げ出す。
【兄上やめてください!こんなところでドラグーンを使うなんて・・・・!!】
それをデスティニーが追いかける。三人はぐるぐると犬と鼠と猫のように追いかけあう。
【ガイア・・・くぅん・・・・・・下がった・・・・・・・・・・・・。】
しっぽも耳もたれ下げてしょぼくれるガイア。
【泣き止めよ・・、ほら。皆でゲームしよう、な?】
【・・・・・・・・・・。】
カオスがガイアを慰める。今回ばかりはアビスも黙って頭をなでている。
【すみません、このハンバーガーはなんですかアキラザクさん。】
【アルディラだ。とにかくセイバー。食え。】
【いや、いくら擬人化だからってハンバーガーはまずいでしょ・・・。】
【いいから食べるんだ、セイバー。】
【え。いや。人の話聞いてる?ねぇ?】
向こうではアルディラとセイバーがひたすら押し問答を繰り広げている。
この後整備にきたアスランがコクピット一杯のハンバーガーを見て恐怖したのは言うまでも無い
- 370 :ほのぼのマユデス。:2006/08/02(水) 23:13:38
ID:???
- ステラの下、マユ以上だった人の優勝商品はインスマウス四日間の旅。
たぶんフォースは全身ドリルガンダムに。
インスマウスがわからない子はぐぐってみよう。ほのぼのです。
人気投票。愛憎うずまく結果となりました。
だれだアンリとかレムリア・インパクトとか黒セイバーとか書いた奴。
今、幸せかい・・・?
さて、プラント休暇編まだまだ続きます。果たしてどうなることやら。
それでは。
- 422 :ほのぼのマユデス。夏にある休み。:2006/08/07(月)
23:59:39 ID:???
- 「ねぇどっか行こうよー。」
ハァッ!!
「えー?あちぃしメンドクサイ。」
PKふらーっしゅ!!
「うぇーい・・・・ステラは・・お外で遊びたい。」
ぷーぷりーん♪
「そうだな・・・・あー髪切るかな・・・・。それこそ坊主にするか。」
うわぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・キラーン。
「「「それは嫌だ。」」」
「レイ兄ちゃん、それ全国のレイ・ザ・バレルファンに喧嘩売ってるよ。あっ!」
うぉぉぉぉぉぉ・・・・・・・・ドガッ!!
「油断してるからだぜ!!おりゃっ!PKファイ・・・・。」
はぁっ!!
「どっちにやっている!!」
「お前ら働けーーーー!!夏休みの中学生どもがーー!!」
テレビの前でゲームをしていた四人はスティングに起こられる。
「マユとステラは朝ごはんの片付け!レイとアウルは洗濯物!!俺はシンハロと出かけてくる!!」
「ネオはー?」
「ネオはお仕事です!!」
「スティング、お母さん口調だぞ。」
「いいからとっととやれやぁぁぁぁ!!」
有無を言わさず仕事を命じられととぼとぼと四人は仕事に向かう。
あまりにスピードが遅いのでスティングにどせいさ○ぬいぐるみを投げつけられた。
『スティングー。準備できたよー?』
「あぁ、今行く。」
散らかった部屋をスティングは歩いていく。
バット、ハリセン、かめの甲羅などが散らばっている。
「またせたな。」
『いや、別に。』
そう言ってシンハロとスティングは玄関へ向かう。
そこで、廊下でスティングが呟いた。
「・・・・・・近々処分しないとリアルで大乱闘でスマッシュするつもりだな。あいつら。」
『うん、俺もそう思う。』
- 423 :ほのぼのマユデス。夏にある休み。:2006/08/08(火)
00:00:49 ID:???
- 「と、いうわけでどうにかなりませんか?デュランダルさん。」
『議長、保護者なんだからどうにかしてくださいよ。』
「なんでよりによってサラからようやく逃げ出した時に来るのかい?君たちは。」
ここはとあるオープンカフェ。なにやら葉っぱやら泥やらの付いた議長とスティングとシンハロは対談していた。
『奢るから我慢してくださいよ。何食べます。』
「ランチのBセット。あとここの名物の巨大チョコレートパフェも。」
シンハロの言葉に即答して答えた議長をスティングは白い目で見る。
(うわぁ、何いい年してチョコレートパフェって。何?こんなのがいまや世界の頂点に立つ人で良いの?
いや、落ち着け俺。きっとあんなのだから頂点に立てたんだ。うん。そうだな・・・・・)
『スティングー?何頼む?俺水しか飲めないからスティングが決めたら注文するよ?』
「あ・・、あぁ。アイスコーヒーでいい。」
シンハロが注文してる間にスティングは議長に話をする。
「どうにかしてくださいよあいつ等。ステラとアウルは叱ればどうにかなるけどマユとレイがいるとつられて毎日家でゲーム三昧ですよ・・・・。」
「いや、私に言われても。」
「親だろうがぁぁ!!」
『スティング、落ち着け!!』
はぁはぁと息を切らすスティングをシンハロがなだめる。
「ふむ、だったら確か・・・・・・。」
そういうとデュランダルはポケットから一枚のチラシを取り出した。
「オーブからの移民者を支援する企画でね、とある商店街で日本風・・もといオーブ風の祭りをやるんだ。
それに便乗して各地のデパートで着物のフェアなどをやっててね?どうだい?」
そう言って議長がそのチラシをスティングに渡す。
そこには英語と日本語で文字が書かれている。
『他の皆誘っても楽しそうだなー・・、スティングもメイリンの浴衣姿みたいだろ。』
シンハロの言葉にスティングの顔がすこし赤くなる。
浴衣というものは確か前『夏』という話題になったときアキラがさらっと絵に描いて説明してくれた。
普通の着物とは違いサマードレスのようなものだとアキラは説明してくれた。
アキラは丁寧にもマジックのようなペンで色塗りまでしてくれた。
華やかな模様の浴衣の絵で二つ結びの少女はどことなくメイリンに似ていた。
きっとかわいい。いや絶対かわいい。むしろかわいくなかったら世界が間違っている。
「むぐむぐ・・・・これで・・・んぐ。用件は済んだかい?」
いつのまにか来たらしいランチを食べながらデュランダルは聞いてきた。
「はいっ!!ありがとうございま・・・・・。」
スティングの明るい声を掻き消すように突然轟音が轟いてきた。
それは通行人を引きかねない勢いで進んでくる一台のごっついバイク。
「んぐっ!!」
それをみた議長がランチのパスタを喉に詰まらせる。
「ちょっ・・・!!水・・!!」
スティングが慌てて水を飲ませようとするがバイクに乗った美女・・・・・サラは議長の首根っこ捕まえてバイクに乗せる。
『サラさん!!議長はいま喉に・・・・。』
「大丈夫、コーディネイターは喉に物が詰まったくらいでは死にません。」
「うわぁ、俺こんな残虐かつ堂々とした差別始めてみた。」
そして慣れた手つきで真っ青な議長を固定するサラ。
そしてシュタッっと手をあげ、ご迷惑をおかけしました、と言って彼女は議長を乗せて去っていった。
- 10 :ほのぼのマユデス。夏休み終盤風味な風景。:2006/08/10(木)
00:57:26 ID:???
- 「あ、ごめん。俺その日無理だわ。」
仕事関係の書類を届けに来たアキラが言った。
今日はハイネ隊は仕事らしくラクス・クラインの仕事があるミーア以外全員出勤しているらしい。
「えー?」
マユが不満そうに声を上げる。
ここは玄関で部屋では届いた書類に一同(ステラとマユは戦力外)が一斉に取り掛かっている。
「他の・・・皆は・・・?」
「どうだろ?今皆は某聖上みたいに書類に追われてるからメールはやめといたほうがいいんじゃないかな?
ゼロが某侍大将と化してるから皆休む暇ないよ。」
アキラがため息をつきながら説明をする。
「じゃあ・・・・なんでアキラは・・・・ここにいるの?」
「・・・・・・・・・・戦力外通知をされました。」
アキラは喋る、聞く、読むは問題は無いのだが英語に関して『書く』というのだけはだめなのだ。
長年日本語以外にほとんど触れなかった彼はとにかく単語のミスが多い。
そりゃ熊のぷーさんくらい誤字が多い。ぶっちゃけ日本語で書いてもらってアスランが訳したほうが早い。
「だからあちこちに書類とどけてるの?チャリで。」
扉の向こうにママチャリが見える。
「うるさいなぁ!!」
「バイクとか・・・車は?」
「車は免許もってないしバイクは親父のしかないんだよ!!」
「ビンボー。」
「金持ちか・・・?!俺を貶めるのはいつだって権力者なんだな?!ちくしょー!!
俺のジャプニケ学習帖復「ふくしゅう」にマユ・アスカを追加だーー!!」
うわーんと泣きながらアキラは去っていく。
天国のトールが「お前あんだけ感動的に説得したのにまだ色んな復讐あきらめないのかよ」って冷たく突っ込んでるに違いない。
「ふ、これだから貧乏人は困りますわね・・・・。」
マユの気分はすっかり縦ロールである。
「マユ・・・ステラ浴衣買いに行きたい・・・・。」
「あ、そうだねー。ルナお姉ちゃん達さそって買いにいこうか。」
マユとステラはほのぼのと会話する。
- 11 :ほのぼのマユデス。夏休み終盤風味な風景。:2006/08/10(木)
00:59:34 ID:???
- ーーーーーそのころの男性陣ーーーーーー
「むちゃくちゃやってたツケがこんな時にまわってくるのかよ・・・・・。」
アウルが手書きの書類を整理しながら言う。
「・・・・OSの改良くらいいいじゃねぇか・・。もうプラントも認める俺の機体なのに・・・。」
兵装ポッドを使いやすくするため改良したOSについての報告書を書くスティング。
シンハロに教えてもらいながら必死にやったので報告書を書くのも四苦八苦だ。
「げ・・・・。経費水増ししてたのバレちまった。ジブリールのおっさんの金使いまくってた時の癖だなー。」
ネオがぽつりととんでもないことを言う。おっさんがおっさんって言うあたりだ。
「仕方ないだろう・・・この仕事は。くそっ、ギルの奴。なんだこのファイル名。『夏休みの友』?」
コーディネイター組はパソコンでデータ系の処理に当たっている。
『レイ、計算系はこっちまわしてくれ。』
シンハロがパソコンに自分をつないで物凄い速さで処理をしていく。
この後マユ達と浴衣を買いに行こうと誘おうと計画していたのに飛んだ邪魔が入った。
「ちくしょー!!この後マユとステラと浴衣を買いに行こうと思ってたのにー!」
叫ぶシン。思考回路が同じ事にシンハロが舌打ちする。
「・・・・・・・・・墓参りを昨日のうちに行っておいて良かった。」
アスランがため息と共にもう慣れた始末書を書き上げていく。
シンハロとシンの物凄い気迫によって物凄い速さで作業は進められた。
しかしその後、ステラとマユの「女の子達で浴衣買いにいってくるねー。」宣言によって処理速度が格段に落ちたのであった。
- 77 :ほのぼのマユデス。なつまつり。:2006/08/16(水) 01:53:16
ID:???
- 「ネオー。焼きそば買ってー。」
「俺りんご飴ー。」
「金魚釣りしたいー。」
「お前ら俺にねだるな!!自分の金で買えーー!!」
ネオに怒鳴られ頬を膨らませるステラ、アウル、マユ。
ここはとある商店街。夜店がずらーっと並んでいる。マユ達の姿はもちろん浴衣。
「・・・メイリン、お金貸しなさい。あのくじ引きやってくるわ。」
「お姉ちゃんやめてよ、男の子向けのアニメの奴だよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「あっ?!ミーア?!いっちゃだめだよ!!お姉ちゃんも付いて行かないでー!!」
○ャンプ中心のくじ引きに引かれていく二人。
「アキラ残念だったねー。」
カルマが口の周りに青海苔の付いたまま話す。
「この季節、実家の和菓子屋が忙しいって言ってた。特に今年はオーブからの移民者が多いからだって。」
ゼロが輪投げで取った大きいビニール製のハンマーを持ちながら答える。
「あのさぁ・・・?どうして和菓子屋が混むの?」
キースが生ビール片手に聞く。
「日本のお盆だな。オーブにもあったよ。先祖の霊が帰ってくる時期なんだ。」
そうアスランが射的でとった安っぽい小型扇風機を使いながら言う。
「そんなことよりカルマ、たこ焼きくれ。」
ジョーの魔の手からたこ焼きを死守する、カルマジョーは諦めず何度も攻める。
そしてその好きに後ろからグレイシア、横からハイネがたこ焼きを奪取する。
「あぁっ!!」
「油断大敵だぜ・・・。」
「それいつもステラに後ろから驚かされている背後がら空きのハイネに言われたくないセリフよね。」
青海苔とソースのついた口からカッコイイセリフを吐くハイネにグレイシアが冷たくつっこむ。
そこへスティングが向かってくる。
「大判焼きの店ないか?メイリン達が食べたいって。」
「ん?・・あ、そこにあるぞ。」
アスランの言葉に一同はゾロゾロと移動をする。
「すいませーん。カスタード10個とこしあん13個。」
「多っ?!」
聞き覚えのある声で突っ込みが入る。
その声に一同は沈黙する。
『・・・・・・・・お前こんな所で何してんだよ。』
「・・・・・・・・家の手伝い?」
そう呟いたのは髪をポニーテールに結び、眼鏡ではなくコンタクトのアキラだった。
「お前実家の和菓子屋の手伝いじゃなかったのかよ?」
「いやね、親父達に今日だけ祭りに行かせてくれって頼んだらね。
いいよって言われたんだよ。うん。そしてらさぁ・・・。
ただし屋台で目標金額稼ぐまで駄目って言われて・・・・・・・。」
泣き始めるアキラ。ちょっとしょっぱい大判焼きになりそうだ。
「なんで・・・・なんで俺ばっか・・・・・・。」
ちょっと黒いオーラまで出始める。今度はどんな最狂な性格になるのだろう?
「ちょ・・・・アキラ!!だったら私が手伝ってあげるわ!!」
軽くトラウマがあるルナマリアは大急ぎでフォローした。
- 78 :ほのぼのマユデス。なつまつり。:2006/08/16(水) 01:54:20
ID:???
- 「はーい、寄ってってくださいねーv」
そう言って手を振るのはミーアの舞台衣装を着たルナマリアだ。
ルナマリアの手伝い、それは要するにコスプレで客引きだ。
これでもルナマリアはプローポーションが良い。腐ってもコーディだ。
まぁ、顔もかわいい。腐ってもコーディだ。
ついでにアホ毛だ。これはあんまり関係ない。ただの乙女レーダーだ。
そんなかんだで多いに客が集まってきた。
「お姉ちゃんが善行を・・・・。」
『いや、メイリン。よく観察しろ。』
涙ぐむメイリンにシンハロが冷たく告げる。
もちろん女性であるルナマリアに惹かれてくるのは男性である。
大体彼女とではなく友達づれの若い男性も多い。
要するに、妄想し放題、生ものパーティ。これがルナマリアクオリティ。
「・・・・・・・・お姉ちゃん・・・・。」
「気にするな・・・、俺は気にしない・・・・。」
沈痛な面持ちで悲しみの涙を流すメイリンの肩を叩くレイ。
「ステラも来たから私も・・・・・・。」
「「「『やめなさい。』」」」」」
対抗意識を燃やしたマユの言葉は全員に一斉に否定された。
- 104 :ほのぼのマユデス。なつまつりぼうそう。:2006/08/20(日)
00:07:15 ID:???
- 「いやー、ほんと助かったよルナ。」
「お礼は今度のキョンイベントでね。」
嫌な会話をしながらアキラと浴衣に着替えたルナマリアが歩いている。
その他の皆は多少げんなりしながらもアキラがお礼にくれた大判焼きを頬張っている。
「・・・・・・・?そういやジョー、今日何も買ってないね。どうしたの?」
カルマがチーズの入った大判焼きを食べながら聞く。
「・・いや、ちょっと食欲がなくて・・・。」
その言葉に全員怪訝な顔をする。
ジョーは常に極限状態だったせいか食べ物に関しては意地汚い。
味とかどうでもいいから量、食えるだけくれ。そう言う人間だ。
だから食欲がないなんてことはありえないのだ。
「おい・・・病院・・・・・・・。」
そうハイネが言いかけたとたん急に人ごみがさらにざわつく。
「・・なんだ・・?」
そのとたん、ざわつきをさらに抑えた大声が響く。
「ジョォォォォラインンンンン!かぁぁぁくぅぅぅごぉぉぉぉぉぉぉ!!」
- 105 :ほのぼのマユデス。なつまつりぼうそう。:2006/08/20(日)
00:08:24 ID:???
手のひらから光が出そうな叫び声。
そしてその場にいた全員が逃げる。
するとそこには何やら怒りに燃えた目をした完全武装のイザークがいた。
なんか後ろの篭に大量の武器を詰め込んで弁慶みたいだ。
「くぅぅうぅらぁぁぁぁぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!」
ジョーに向けてイザークが何か投げつける。
それを近くにいたマユがとっさに浴衣の裾からトンファーを出しそれを跳ね返す。
「きゃぁっ!!!」
跳ね返した物体の重さにマユの体に衝撃がいく。
後ろに倒れそうだったマユをシンが支える。
「マユ!!大丈夫か?!」
「つっ・・・・・大丈夫だけど・・・・・。」
マユが顔をゆがめながら答える。
飛んできた物、それは西洋剣だった。
「・・・・・・・・・・・・某王様の宝庫?」
アキラがぼけるが誰も突っ込まない。
そう、イザーク・ジュールはこの剣を高速で投げつけたのだ。
正直言って重い。しかも投げにくい。
「ジュール隊長・・、彼があの時うちのチームにいれば・・・・・。」
「レイ何憧れの目で見てんの?!」
目を輝かせながらイザークを見るレイにアウルが突っ込む。
「おい、にいちゃん。何をした。」
カルマが声を低くしながらジョーに聞く。
「・・・・こないださ、エザリアに呼ばれてジュール邸に行ったんだ。」
ジョーが無表情に答える。
「見られた?」
ゼロが顔を暗くしながら聞く。
「おう、キスしながら服脱がせる所をばっちし。」
表情を変えずにばっちし、の所で親指を立てながら答えるジョー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・流れる沈黙。
「総員・・・・・退却ーーーーー!!」
アスランの叫びと共に一斉に全員で駆け出した
- 106 :ほのぼのマユデス。なつまつりぼうそう。:2006/08/20(日)
00:10:10 ID:???
- 「皆・・・武器持ってないか・・・っ?!」
走りながらアスランが聞く。
「拳銃は・・・・っ使えないでしょ・・・・・・!!」
額に汗を浮かべたグレイシアが答える。
「て・・・・・鉄パイプか何かあれば・・・・!」
「私も・・・っ!!」
レイとミーアが答える。
『俺は素手で大丈夫だけど?』
メイリンを背負ったシンハロがなんでもない風に言う。
「あっ!!メイリンお姉ちゃんずるい!!」
「俺も乗せろよシンハロ!!」
『メイリンは非戦闘員だからしょうがないだろ!!』
ぎゃーぎゃーとまた喧嘩が始まる。
「お前らーーー!!」
ハイネに怒鳴られ喧嘩は収まる。
「ぜぇはぁっ・・・ぜぇはっ・・・と、とにかく!!!作戦会議!!集合場所は花火を見る予定だった神社の裏!
全員・・・散開・・・アキラとレイは足止め!!」
「なんでさ?!」
「・・・・・・・・訴えてやる。」
ハイネが息を切らしながら叫ぶ、きっと誰を足止めにするかは適当にいったに違いない。
その指示通りにそれぞれがばらばらに分かれる。
背の高いシンハロは路地に逃げ込み、その他は人ごみに紛れる。
アキラとレイだけ取り残される。
「じゃぁぁぁぁまぁぁぁおぉぉぉぉぉすぅぅぅるぅぅぅなぁぁぁぁぁぁ!!」
イザークの叫び声と共にバットが飛んでくる。
「くっ!!」
アキラはそれを懐から出した鉄の塊のような物で跳ね返す。
バットを跳ね返してからそれを開く。それは鉄扇だった。
「私は小物を片付けながら相手に近づく、レイは大物を。」
声が普段より低くなり口調はもの静かになる。
「解かっている。・・・・・・たくっ、ハイネもいい加減うぜぇなぁ・・。」
レイがバットを拾った途端、目つきが変わる。
髪をゴムで止め、前髪はピンで邪魔にならないようにとめる。
手に持った金属バットで肩を叩く。
正直精神を病んでいるんじゃないだろうかと思うくらいの変貌振りにイザークがちょっとびびる。
「行くぞ!!」
「おーけい。」
アキラの声に気だるそうにレイが答え、次の瞬間二人は地を蹴った。
- 107 :ほのぼのマユデス。なつまつりぼうそう。:2006/08/20(日)
00:15:51 ID:???
- ほのぼのマユデスがゲームになったらMSのゲームじゃないよ、生身で「マユデスBASARA」に
なるに違いない。ほのぼのです。
夏祭りだけどこんなオチ。
これから暴走イザークVSマユデスメンバーの戦いが始まります。そんなに長くないけど。
下手したらMS戦より肉弾戦の方が描写が多いんじゃないんだろうか・・・この話。
それでは。
追伸。
アキラの性格変更能力で『今日はだーれだ?』のクイズが出来る気がしてきた。
- 166 :ほのぼのマユデス。なつまつりおわり。:2006/08/25(金)
01:13:26 ID:???
- 「いやー、どうするべ。」
しゃくしゃく。
「はふはふ・・・・・・・とりあえずレイ達がもどってきてからだな。」
ぱくぱく。
「あ、ハイネ。お好み焼き一口ちょうだい。」
もぐもぐ。
「ミーアちゃん、じゃがバタあげるからラムネ一口ちょーだーい。」
もっきゅもっきゅ。
「あ、ステラ別に良いわよ、私もういらないから残ったラムネ全部上げる。」
「何やっているか汝らぁぁぁぁぁぁ!!」
大きな声が響く。
「我らがさんざん追いかけられている間になにやってやがりますかなのかしら?!」
声の方向にはなにやら物騒な剣をもったアキラがいた。
散々武装を変えていろんな性格に変わったせいかアキラの口調が一定していない。
後ろからぼろぼろになったレイも歩いてきた。
「おー、おつかれ。ラムネ買ってあるよ。」
「「そんなんで納得するかぁぁぁ!!」」
ハイネのまるっきり他人事なセリフに二人は怒鳴る。
『つーか「かしら」ってことはバイオリンで戦ったのか。』
「がんばったわねー。」
シンハロとルナマリアがくじであたったモデルガンを見ながら言う。
「あぁぁぁぁぁぁっ!!で、作戦はどうなったんだ?!」
レイが叫ぶとマユがあっさり答えた。
「うん、とりあえずレイ兄ちゃんたちを生贄にすればあの剣とかなくなるかなーっと思って。」
「この外道っ!!外道戦記っ!!げんしけん!!ホスト部!!」
「つーか、あの武器全然なくならないんだけど!!あやうく背中から剣が生える所だったし!!」
二人は相変わらず適当な考えに突っ込む。
「ほら、そんなのしてる間に来るぞ!!」
遠くから響いてくるドモンボイス。
「む、ならば・・・!いけ!ミーア!!」
「了解!!」
そう言ってミーアは浴衣に手を書けバッと脱ぐ。
- 167 :ほのぼのマユデス。なつまつりおわり。:2006/08/25(金)
01:15:13 ID:???
- 男性陣の誰もが淡い期待を抱いた次の瞬間。
「はーい☆みなさーん、ラクス・クラインでーすv」
いつものラクスの格好をしたミーアがいた。いつのまにかカツラもしっかり着けている。
男性陣がちょっとがっかりである。
どこからともなく赤いハロが飛び出てきて軽快なメロディを奏ではじめる。
そして神社の境内にいくと歌い始めた。
次の瞬間、一気に人が集まってきた。
「はーい、おさないでくださーい。サイン会はこの後でーす。」
「はいはーい、お兄さん鞄の中に何ビデオカメラしこんでるのかなー?裏まできてねー?」
「サインは専用の色紙をお買い求めの上お願いしまーす。」
気がつくとなにやらハイネ隊の面々はすでにスタッフと化している。しかもヒーローショーのようにせこい。
ラ・ク・ス!!ラ・ク・ス!!うぉぉぉーーーーー!!
なにやら老若男女とわない客層の中にやけに濃い集団。
その中に輝く銀髪のおかっぱ。
「「「「「「いつのまに?!」」」」」」」
全員驚くがアスランが納得した顔で呟く。
「そうか、イザークは超ドレッドノート級を超えるラクスのファン・・・・・!!
例えミーアだと解かっていても・・一年間の活動休止の反動で・・・ノってしまうのか・・・!!」
心底くだらない理由で時間を稼いだ一同は話し合いをはじめる。
「とりあえず・・・・、避難するならどこだ?」
スティングが話す。
「とにかく・・・安全で、見つかりにくそうな場所だろ?どこだ?」
ネオがそう言うとシンハロはマユを見ながら行った。
『・・・・マユ、あそこしかない。』
マユもそれにうなずきながら答える。
「・・・・・・あそこだね・・。」
- 168 :ほのぼのマユデス。なつまつりおわり。:2006/08/25(金)
01:16:38 ID:???
- 【たーまやー!!】
ここはとある基地(シンハロ所有、表向きはザフトのだからその他のMSもある)。
しばらく雨は降らない予報なのでマユデスMS達は外で整備されていた。
しかも今日は花火大会。とっても幸運である。
【いやぁ・・、風流ですなぁ・・・。】
【うむ、これこそ夏といった感じだな。】
【かーぎやー!!たーまやー!!さーかなやー!!】
それぞれの反応で喜ぶいんぱるすズ。
【そこのディンちゃん?何て名前?!何処所属?よかったらさー、あとで俺に・・・・・】
【あーにーうぅぅぅぅえーーーーーーーーー!!】
最終兵器兄妹は仲良く喧嘩をしている。
【あーもー、うるせーうるせー。静かに花火くらいは見ろよ。】
【まったく・・・・・・。】
そういいながら二人でだるそうにアビスとMkUは花火を見る。それでも楽しそうだ。
【ガイアー?みなくていいのかー?】
【ガイア様ー?】
【いいんですのー?】
スティングと兵装ポッド娘がガイアに話しかける。
しかしガイアは山のように大きな物体に話しかけている。
【ねー、いっしょにみようよー。】
【・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。】
大きな物体・・・・・・、改造デストロイ『デメテル』は答えない。
【ねーえー?】
ガイアが話しかける。
山のように大きい、といったがそれはあくまで物質面の話であり、MSの見ている彼女ではない。
人間の視覚で言えばデメテルは小学校中学年くらいの少女であり、全身に包帯や怪我の治療の跡がある、そんな容姿だ。
ちなみに今の様子を説明するとあのデストロイの傘の部分をすっぽり被ってその中に引きこもっている。
- 169 :ほのぼのマユデス。なつまつりおわり。:2006/08/25(金)
01:17:33 ID:???
- 【や。】
傘の中から声がする
【でめちゃん・・・?】
ガイアが心配そうに呟く。
【ぱぱがくるまでまってる。】
そうデメテルが呟く、『ぱぱ』とはもちろんシンハロのことだ。
【・・・・・・・・・きゃうぅぅぅぅ・・・。】
こればっかりはガイアもしょうがない。
シンハロはMSよりも人間よりの機械だ。自分達が彼に干渉することはあまりできない。
すると、何やら入り口の方が騒がしい。
「おい!!まさか・・・・!!」
「確かに・・・・すっごく安全・・・・・。」
『だろー?いざとなったらデスティニーで逃げて良いから。』
「おい!?つまりしばらく俺にMSの中で過ごせってことかよ?!」
「大丈夫、デスティニーのOSにこないだDMCいれたから!始めから兄貴使い放題だよ!!」
「そう言う問題じゃないだろぉぉぉぉぉ!!」
するとなにやら自分達のパイロットがやんややんやとこちらへやってくる。
『デスティニー、ごめん、今日ジョー止めさせてv』
シンハロがそういいながらデスティニーのハッチを開く。
【え?!一体いままでどう言う展開があったのだ?!ハロ殿?!え?!有無を言わさず?!】
そう言っていたが、デスティニーの中にジョーが放り込まれる。
「じゃぁ、心配だからシンハロついててあげてね。コンセントがあれば大丈夫でしょ?」
『えぇっ?!俺も?!』
マユに命令させられてしかたなくシンハロもそこに残った。
【ぱぱ・・・、きょうはおとまり?】
傘からひょこっと顔をのぞかせてデメテルは聞く。
『ん・・?あぁ、今日はずっとここにいるようだなぁ・・・・・。』
【そっか・・・・・。】
そう言うとデメテルは傘からでて空を見る。そこには沢山の花火が打ち上げられていた。
『きょうはなぁ・・、デスティニーの中にいるパパの友達が命を狙われているんだ。
だからなデメテル。もし銀髪のおかっぱがきたら遠慮なく追い返すように!』
【いえす、だでぃ!!】
シンハロの言葉にびしっっと手を上げながら答えるデメテル。
【・・・・・・・・・・・・・・・・・・・がう。】
自分がいくら説得しても出てこなかったデメテルがあっさりでてきてガイアは不満顔である。
【まけないもん・・・・・まけないもん・・・・・・っ!!】
ガイアはそう言ってから空に向かって雄たけびを上げるのであった。
(な・・・・・なんだ?シンハロの奴・・・・何としゃべってるんだ?)
ちなみにデスティニーの中にいたジョーは機械の視点など持っているはずもなく、シンハロがずっと何かと会話しているのにずっと恐怖していた。
- 203 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/08/28(月) 21:54:48
ID:???
- 「マユ!レイ!ようやく休みが取れたよ!!」
そういって部屋に飛び込んできたのはギルバート・デュランダル。
いつもの木星帰りみたいなも薄汚れており、もうボロボロである。
どうやら必死こいて仕事を終わらせかえってきたらしい。
「「ふーん。」」
興味なさげに呟く二人の子供。二人とも正方形に近いゲーム機で遊んでいる。
「明日は何処へ行こうか?遊園地?それとも買い物・・・・・・。」
「ギル、明日俺達は仕事が入ったんですけど。」
目を輝かせて語るギルバートにレイが冷たく告げる。
ショックを受けたのか隅っこでいじいじといじけるデュランダル。
それを見たシンハロが思わず告げる。
『あの、じゃあ次の任務。議長も行きますか?特に俺達から離れなければ危険な任務じゃありませんし。』
そう言って家事をやっていたシンハロが議長に聞く。
すると議長は泣くのをやめてシンハロを見つめる。
「シンハロォォォ!!お前だけわぁぁぁ!!」
飛びつくギルバート。
『とりあえず気持ち悪いんで引っ付かないでくれます?』
やっぱり駄目なのであった。
- 204 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/08/28(月) 21:56:38
ID:???
- なんか炎天下の中、デブからガリ、眼鏡の女性からかなりの美人まで。様々な人種がそこにはいる。
ここはプラントでなく、とある宇宙ステーションの中である。
「きゃー!マユちゃんったらかわいい!頑張ってつくったかいがあったわーv」
そうグレイシア興奮しながら言う。
「本当?!うれしいなぁ♪私昔っからセーラーに憧れてて♪」
マユがおどけながら言う。
二人の格好を説明しよう。
グレイシアの服はかなりスリットの入ったレザーのスカートにベルトを組み合わせたような上着。
手には死神のような大きな赤い鎌。
マユは胸元に赤いリボンのある青色のセーラー服に髪は黄色のリボンで止めてある。
『マユ、あのダンス踊れる?』
シンハロは髪色の設定を黒に変え、髪型をハリネズミのようにし、上は袖の無いハイネック、下はごっついブーツに動きやすそうなズボン。後ろには巨大な剣を持っている。
「ステラなのー!」
「・・・・・・俺の女の子の服なんでしょ?」
「私声マネもできるわよ?乳酸菌とってるぅ?」
カルマとステラ、ミーアはアンティークドールのような服装だ。
ステラはピンクを基調とした服で頭にはおっきいレースのリボンが。
カルマは少年の人形の格好だろうか?シルクハットを被った青い服で大きいはさみをもっている。
ミーアは銀髪のカツラに黒いドレス。背中には黒い羽が生えている。
「・・・・・・アウル、俺目隠しで前見えないんだけど。」
「・・・・・・・知るか!」
真っ黒い衣装に赤いアイマスクをしたネオ。ちょーどりる。
髪の毛を金髪に染めて白と黒のストリートファッションをしたアウル。夏休み、終わっちゃうね。
「・・・・・・・・・え?何?俺ホモなの?」
「いや、俺達のキャラは猟奇殺人者らしいから安心だ。」
「ちっとも安心できねぇ!!」
スティングも髪を黒に染め、ファーの付いたジャケットに迷彩柄のTシャツ、鉄パイプを持っている。
レイは赤のファスナーの付いているパーカーで前を大きく開けておりその中には何も着ていない。
どうやらシールと思われるタトゥーが体に張り付いている。
手には鉄爪が装備されており腰のベルトには大量のドッグタグが吊るされている。
「ふふふ・・・、レイのタトゥーシール徹夜で作ってよかった。」
「お姉ちゃん、私の衣装もどうにかならない?」
ルナマリアは髪を黒く染めて青い男子用のブレザーの制服を着ている、
対照的にメイリンはボンテージのような衣装で黒いトカゲのようなしっぽに緑と白の色違いの羽がある。
「カルマそういやアキラとハイネとシンは?」
「えー?なんか同人誌出してるからそこにいるらしいよ?ハイネとシンはなんか賭けやって負けたから手伝いだって。」
髪の毛を下ろしてルナマリアと同じデザインの制服を着ているジョー。
それとは反対に毛先を跳ねさせてトリコロールのジャージを着ているキース。
「・・・・・・・・・・・。」
「小物までばっちりアキラに借りてきたのか?ゼロ。」
ゼロは髪の毛をみつあみにして赤と黒のオートマチックと銀色のリボルバーを持っている。
一方アスランは黒と白のストライプのハイネック(袖なしへそだし)の上に白いYシャツを着ている。
首のところでリボンで止めてある。
「待ってくれ、これは何の任務だい?」
そうギルバートは言った。彼は髪をきられ短くなった髪をさらに茶髪にそめており,
黄色いYシャツにだらしなく垂れさがった(仕様)茶色いカーディガンを着ていた。
- 205 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/08/28(月) 21:57:54
ID:???
- 『だから会場の警備ですってば。』
「ここはナチュラル・コーディ関係ないですからね。連合、ザフト、オーブからそれぞれそう言う趣味の隊員を集めて
警備を任せてるんです。」
「俺達はとばっちりみたいなものですけどね。」
「レイヤーに紛れてたり普通にスタッフしてたり色々な分担があるんだそうですよー。」
「・・・・・・私のは何の格好なんだい?」
ぺらぺら言うメンバーに議長がぼそっっと聞く。
『・・・・・・・えーっと。』
「議長のキャラは最終兵器で読書が趣味。ですが小動物のような一面をもった落ち着きのあるナイスガイです。」
ルナマリアが解説をする。ある意味間違っていはいない。
『・・・・・・誰だよ、議長にあの格好させたやつ・・・・。まずばれないからいいけど・・・・。』
シンハロがため息をついた。
するとそこでアスランが手を叩いて雑談をやめさせる。
「はい、じゃあ今回の任務を説明するぞ。
今回は会場の警備、各自それぞれに分かれて見回りをしてもらう。
・・・・・あとの説明はルナマリア、頼む。」
「はいはーい。」
そう言ってアスランの立っていた場所にルナマリアが立つ。
「まず熱いので全員タオルと凍った飲み物は忘れない事。
コスプレの撮影を頼まれたらどうするかは自己判断で。コスプレネームも考えておきなさい。
スケブを頼む時はきちんと本をかうのよ?
同人便箋はあんまり使うことをおすすめしないわ。
差し入れにあんまり重いものや痛みやすいものはだめ。入浴剤とか結構喜ばれるわよ?
コスプレを撮りたいとおもったらきちんと相手に許可を取ること。
最近はお子様の盗撮が増えてるから見つけたら容赦なくしばきなさい。
あと誰かこのメーカーのトコ並んで限定のグッズセット買ってきて。」
((((((うわぁ・・・・・・・・・・・・・。))))))
ぶっちゃけどうでもいい常識をルナマリアが並べたてる。みんなドン引き。
「・・・・・えー、それでは各自、自分達が騒ぎを起さないように!解散!」
アスランがそう言って皆はばらばらに散った。
- 206 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/08/28(月) 22:04:29
ID:???
- ミーアは実は男性陣にはクロスを着て欲しかったみたいです、ほのぼのです。
今回のネタ、微妙に時期がずれてますが気にしない。
モトネタ全部わかる人はたぶんいないです。いたらすごい。
自分でもやりすぎ感がありますが初期はもっと凄かったですよ。うん、比べられないくらい。
初期はこんな案まで脳内で出ましたからね。
クリックしてね。
もちろん即却下。
色々と考えた末のこの結果、ジャンル違いすぎ。
それでは。
- 215 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/01(金) 00:12:31
ID:???
「えっとー、あとはぁ・・・・・このサークル!」
『マユ、ごめん。おれアキラのとこ寄って来たいんだけど。』
シンハロがそう言ってマユを引っ張る。
「確かお兄ちゃんとハイネお兄ちゃんも手伝ってるんだよね?」
『あぁ・・・・、たしかあそこ・・・・・・・。』
アキラのサークルスペースは何やら閑散としている。
「・・・・・?人気ないの?」
『いや、違う。』
そこには本もグッズもなくあるのは『完売しました。』という看板。
「え・・・・・?」
「あ!!!マユー!!!」
そう言って飛びついてきたシンにマユはアッパーをかます。
シンの格好は上はハイネックのノースリーブだが下はどこかの民族衣装のようだ。
『なんだ・・・、お前ボロボロおぼろ豆腐かよ。』
「な・・なんだよ?ボロボロおぼろ豆腐って・・・。俺はアキラにこの格好で売ってくれって頼まれただけだぞ・・・。」
シンハロの哀れみを含んだ言葉にちょっとビビりながら返答するシン。
「ハイネお兄ちゃんは?」
「ハイネならなんか好きな声優の舞台イベントがあるとか言ってさぼった。」
マユの問いにいらついた声でシンは答える。それで散々苦労したらしい。
「シンー!!って・・・、マユちゃんにシンハロ、来てたのか?」
奥のほうで何やら整理していたアキラがこちらに来た。
「はい、これ今日のバイト代。ハイネこなかったからその分も入ってるから。」
アキラの格好はYシャツズボンに赤い女物の着物を羽織った姿だ。腰には日本刀がある。
アキラは茶封筒をシンに渡した。
「え・・・?いいのか?!おれ賭けで負けたのに・・・・。」
「いーっていーって。ハイネがサボったせいで大変な目に逢わせちゃったからそのおわび。ステラにプレゼントでも買ってやれよ。」
「あ・・・・ありがとう!!」
そう言うなりシンは着替えず飛び出していった。
「おおう・・、あの馬鹿っぷりはまさにボロボロだなぁ・・・。」
アキラが満足そうに笑う。
『シスコンだしなぁ・・・。』
シンハロがそう言ってため息をつく。
ふとマユを見ているとなにやら不満そうな顔をしている。
『・・・・・・?どうした、マユ?』
シンハロが聞くとマユは呟いた。
「・・・・・・なんかむかつく。」
- 216 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/01(金) 00:13:54
ID:???
- 「『え?』」
アキラとシンハロはすっとんきょうな顔をした。
「だって・・・ちょっと前までは私のことをストーカーみたいにつけまわして気持ち悪いくらいベタベタしてきて
いっつもニヤニヤしてたのに・・・最近はステラばっかで・・・・・・・・・・。」
その瞬間、アキラとシンハロの背後にベタフラが。
「お・・・、おい!シンハロ!!ミーアにクロス着せてもらってこい!槍が降る!!むしろ隕石がおちる!」
『あ・・・・あぁ!!俺水瓶座のがいいな!』
「じゃあ俺山羊座で!つーかシンハロ!お前むしろ鋼鉄だろ?!小宇宙あるのかよ?!」
『あ・・・そうだ!隕石が落ちるならルナマリアよんで来たほうが・・・!』
「お前がなんとかしろよ!そのキャラのクラス1stだったろ?!」
二人でぎゃーぎゃーこの世の終わりみたいに叫びだす。
「あ・・・・・あんたらってひとわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
マユの咆哮が響いた。
「おおっ・・・・!やばいやばい逃走ー!!」
『あ!逃げるなー?!つーかサークルスペースどうするんだよー?!』
「両隣知り合いだからー!すみませんお願いしますー!!」
『つーか俺をおいて逃げるなぁぁぁぁ!!』
シンハロの叫び虚しくアキラは光るかぜ追い越す早さで人ごみの中を走っていく。
「死刑!死刑!死刑っ!」
『あーもー!何で剣なんて使うやつにコスプレしたんだ!つーか斧使いって少なくね?!
とにかく落ち着けマユ!リミットブレイクするはずなのは俺だ!』
そのあと、暴れていた所をアスランに見つかり二人はとっても怒られた。
- 217 :ほのぼのマユデス。とくべつふろく。:2006/09/01(金)
00:17:46 ID:???
- コスプレクイズのヒント。
その1:マユとルナマリアのキャラは同じ名前。
その2:アウルのキャラは著作権的にやばい。
その3:キースは猫。猫キャラで男。
その4:シンハロは声優ネタ。
その5:ゼロのキャラも声優ネタ。ゼロの中の人はGジェネのキャストを思い出して。
その6:ゼロのキャラとアスランのキャラは親子
その7:議長、レイ、スティングのキャラは同じ作品。スティングのセリフに注目。
- 236 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/06(水) 00:22:08
ID:???
- 「ゲンー、かわいい漫画の本かったのーv」
「そうかぁv良かったなーvステラv」
「・・・・・・・このはさみであの二人の赤い糸切りたくなってきた。」
「あら奇遇ねぇ、私もよ・・・・・。」
目の前でラブラブ空間を繰り広げる二人をげんなりとした顔で見るカルマとミーア。
「しかもハイネさぼりですってぇ・・・?見てなさい、帰ってきたらゴールドクロス着せてザフト基地マラソンなんだからぁ・・・。」
「その罰はどうかと思うよ、あとハイネにクロス着せたいだけでしょ?」
「とにかくうちの男子には全員いつか着せるわ。ミーア・キャンベルの名にかけて。」
「うわぁ、俺何座着せられるんだろう。」
めらめらとオーラ・・・・もとい小宇宙を燃やすミーアにさらにげんなりするカルマ。
「え・・・?いまから試着する?トラックで持ってこさせたから。」
「あの脅威のコレクションを?!」
カルマがガクガクと震えだす。
「当然じゃなぁい、だってサイズも完璧に男物にしちゃったから皆に着てもらうしかないもの。」
カルマはさらに震える。逃げないと、ここから逃げないと・・・・・。
瞬間、突然悲鳴が上がった。
「何?!」
見るとなにやら仮面を付けた男が女性を抱えて攫っている。
「ミーア!ステラ!シン!」
カルマはメンバーの名前を呼びながら男を追いかける。
もちろん残りのメンバーも送れず追いかけた。
「どきなさいっ!!」
ミーアが翼から折りたたみタイプの長刀を取り出す。
それが本物の刃物であるのに気づいた人々は次々に逃げていく。
「ステラ達悪者みたい・・・・。」
「大丈夫、悪者でも人気はでるのよっ!!」
ステラの言葉に威勢良くミーアは答える。
「くそっ!皆、俺が食い止めるぞ!!」
シンは腰に装備していた二本の剣を抜き、義足を全力でつかって跳躍する。
「?!」
犯人は突然目の前に降り立った男にひるんだ。
「その人を放せ、そうすれば手荒なまねはしない。」
シンが冷酷な目で剣を構えながら言うと男は突然拳銃を懐からだし女性に突きつけた。
「動くなっ・・・!動いたらこの女を・・・。」
「なんなのかしらぁ・・・?」
興奮しながらまくし立てていた男は首にあたるひやりとした感触にその言葉をとめた。
視線を周囲に移すとピンクの服をきた少女が拳銃を、青い服を着た青年がナイフを構えていた。
そして今彼をに後ろから首に刃物を突きつけているのは漆黒のドレスの少女だった。
「ねぇ・・・、こんなのよりわたしと遊びましょぉ・・・・。」
まるで恋人に甘えるように、だが殺気は隠さずに黒の少女は語り続ける。
だが、男はそのプレッシャーに負ける前に鎖に絡め取られた。
「あら。」
先ほどとは一点して間抜けな声をあげる黒の少女。
男は緊張から解き放たれて気絶した。
- 237 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/06(水) 00:23:17
ID:???
- 「ミーアちゃん!ふざけすぎよ!」
巨大な鎌をネオに持たせて自分の武器の鎖を構えたグレイシアがミーアを叱る。
「だって・・・・、つい役者根性で・・・・・。」
「うそおっしゃい!ものっすごくノリノリだったわよ?!」
ガミガミと怒るグレイシアに正座をして聞くミーア。ギャラリーの目が痛い。
「あ!皆!!」
向こうからマユ達が走ってきた。
シンハロは片方の肩に別の不審者、もう片方にアスランを抱えてきている。
「うわー、すごい。無傷だー。どうやって捕まえたの?」
カルマが感心したように言う。つまりハイネ隊ではこういう場合必ず怪我をしているということか。
「簡単だよ・・・・。」
マユはニヒルに笑いながら言う。
「女性向けサークルの多い所だったからシンハロにアスランお兄ちゃん襲わせてその場を大混乱させてから確保。」
「「「「「うわぁ。」」」」」
アスランは突然の自体に耐えかねてポックリ言ったらしい。
「いやー、シンハロのセリフがあまーい!!のよ。いやぁ、主人ながらいつあんなのを何処で覚えてきたのか・・・・。」
でも私アス受けはちょっと・・・・・と興奮しながら言うマユ。
「うーん・・・やっ・・・・やめろっ・・・キラぁ・・・え?!何?!触手?!」
ベーコンレタスな悪夢にアスランはうなされ続ける。頑張れ。
シンハロもげんなりとした表情をしている。どこまでやらされたのだろう。
「それにしてもこいつら何が目的なんだ?」
アイマスクを外したネオが思わず呟く。
「今、カルマが聞き出してるって。」
なにか五円玉を紐で吊るしたものを揺らしたり謎の機械で犯人二人を尋問している。
「いや、聞き出すっていうより洗脳だろ。心理学者って怖いな。」
『お前あとで全国の心理学者の方々にあやまっとけよ、カルマ。』
そろそろ奇声を上げ始めそうな犯人二人を哀れみの目でみるダブルシン。
「皆ー!!」
すると向こうからメイリンが走ってくる。
殺伐とした文芸部室にいるメイド服少女のような癒し効果だ。
「メイちゃーん、犯人が洗脳でシンハロが夜王でミーアちゃんが悪女なのー。」
「はぁ・・はぁ・・、何か・・・良くわからないけど・・・・・・。」
メイリンが息を荒くしながら言う。
非戦闘員である彼女は体力もないし何より背中の翼と尻尾が重い。
「と・・、とにかく大変なの!!お姉ちゃん達が殺されちゃう!」
- 295 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/10(日) 00:03:41
ID:???
- ここは巨大な会場にある倉庫の一室。
そこに謎の蠢く影が二つあった。
「くそっ・・・・!見事にやられたな。」
アキラが縄の中でもぐもぐと動く。
「あぁ・・もうっ!こんなんだったらもっと武器が隠しやすい服にするんだった!」
アキラと背中合わせになっているルナマリアも動く。
「最近俺こんなのばっかだよ?なぁ、トール。」
「アキラ、あんた何見えてるの?」
遠く彼方、むしろ異次元を見つめるアキラをルナマリアは本気で心配する。
「えー?晩御飯の買い物?今日トールんち何なの?」
「電波?!電波?!とうとうアンタ脳まで駄目になったの?!」
二人はぎゃーぎゃーと騒いでいると突然扉が開く。
「うるさいぞお前ら!!ったく、これだから腐女子は・・・。」
「うるさいわね!ロリコンよりは健全よ!!」
「俺はやおいオッケーってだけで好きなわけではない!!!愚弄するな!!」
分けのわからない反論をするルナマリアととりあえず性格を変えるアキラ。
「ふん・・、まぁ貴様らなんぞどうでもいい。ここで木っ端微塵になるのだからな・・・・。」
そう言って男は手に持っていたスーツケースを床に置く。
「 うわぁ、次元爆弾だー。ストーリー的にはありがちですね。」
「え?!私の人生これで終わり?!私はメイリンの花嫁姿をスティングの花婿姿を見るまで死ねないのよ?!」
「それどっち目当て?」
「片方は愛、片方は萌え。」
混乱しているのか冷静なのかよく解からない言葉が繰りひりげられる。
犯人は思わず固まっていたがしばらくすると正気に戻って去っていった。
- 296 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/10(日) 00:06:06
ID:???
「アキラとルナマリアが捕まった?!」
「うん・・、私はゼロが守ってくれたから大丈夫だったけど・・・二人は持っていた同人誌に気をとられていて・・・・。」
ずーんと重苦しい顔で話すメイリン。多分姉の情けなさの方が割合的に多いだろう。
「ゼロは?」
「他の皆を呼びに言ったよ。あと途中でスティング達にも会ってそっちはスタッフの人に知らせにいってる。」
ネオの質問にメイリンが答える。
「あとね、これ。」
そういってメイリンは小型の映像プレイヤーを渡す。
その中には犯人が数箇所に爆弾を仕掛けたこと。そしてその中のどれかに人質がいること。
制限時間は一時間半ということが伝えられた。
特にグループなどの犯行声明はしていない。
「戦闘になるなら俺、『着替えて』きてもいいか?」
シンが自分の腕を指差しながら言う。
「そうだなシン、早く変えてきてくれ。シンハロ、警備のカメラにアクセスは?」
『今やってる。ちょっと素人にしては妨害が手ごわいからちょっとまってくれ。』
いつの間にか復活したアスランが作戦を練る。
シンハロも既に行動を開始しているようだ。
「ステラ・・いつもどっちかっていうと爆弾は仕掛けるほうだったから・・・。」
「んー、俺達もかな。でもテロ対策もそこそこやったからなー。わかんないや。」
「・・・私、爆発物処理だけはだめだったわ・・・。つーか肉弾戦がナイフ限定って何?!せめて鉄パイプ!!」
ステラ、カルマ、ミーアがナチュラルに物騒な会話をする。すっごくいやな薔薇乙女だ。
「みんな!」
上から忍者のようにひとつの影が降り立った。キースである。
服は任務用の動きやすい服に着替えており小型通信機をつけている。
既に非難を開始していた周囲を避けるようにやってきたのだ。
「ハイネに連絡をして外のザフトや連合、中立国の軍に来てもらった。多分一時間くらいで非難は終了するよ。」
ゼロとジョーは外部との連絡を取っており、レイとスティングは軍服に着替え避難の方を担当しているらしい。
議長はアウルに引きずってもらって退避しているらしい。
『・・・・・・ん?ゼロのサポートか?これなら・・・!!はーっはっはっは!!この程度で俺を止められるとでも思ってるのかぁ?!』
シンハロがやけにハイなセリフを言う。おそらく電脳空間ではSFチックなエフェクトでシンハロは大活躍しているのだろう。
「シンハロはハンドルを握っても性格は変わらないけどこうなると敵を殲滅するまで戻ってこないよ。」
きっと今シンハロをモニターにつないだら映画真っ青の戦闘シーンが見れる、とマユは続ける。
「・・あ、アウル?議長・・・・・了解。議長の退避終了したってさ。」
通信機から通信が入ったらしくキースがみんなに伝える。
- 297 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/10(日) 00:07:10
ID:???
- 見ると向こうからシンも走ってきた。腕は擬態重視のものではなく戦闘用のいかにも機械らしいものに変わっている。
「・・・・目立つわねぇ。」
「仕方がないだろ!」
グレイシアの言葉にシンハロがすねたように怒る。
「・・・・それだと戦闘になった時敵に警戒されそうね・・・。」
ミーアの目が怪しく光る。
「・・・・・・・ミーアお姉ちゃん・・・・。」
「まさか・・・・・。」
ステラとマユがガクガクと震え始める。
「どれ着るぅ?!シンは乙女座だったけど、乙女座はハイネが誕生日一緒だからハイネに着せる予定なのよーv
スティングはかに座が似合うと思うし・・、アウルは不本意だけどペガサスね!」
「落ち着いてミーアお姉ちゃん!!版権的にやばいから!!あぁこの話が小説形式でよかった!」
マユが興奮するミーアを押さえつける。
「山羊座・・・・・・。」
ステラがぽつりと呟く。
「シン・・・義手だと・・そのまんまで瓶とか真っ二つにできるの・・・・。」
ステラが目を輝かせながら言う。
「しまったーーー!!昔忘年会でやったかくし芸ステラ覚えてたのかー?!」
「そんなことに義手使うなよ!!あれどうやったのかずっと俺考えてたぞ!!」
どうしようもない過去を暴露されてシンは衝撃を受ける。そしてネオに怒られる。
「・・・・・そうね、身長たりないけど何とか・・・・・・。よし、シンハロはこっちに戻ってきたら双子座よ。」
もうこうなったらミーアは止められない止まらない。声優イベントに来ているオタクよりも興奮している。
「シンハロー!逃げてー!早く逃げてー!」
『えーっと・・・?あと三つだけか。よし、あと五分くらいだなー。』
マユは必死に相棒に叫ぶが、まだ彼は電脳空間で作業中なのであった。
- 298 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/10(日) 00:09:15
ID:???
「・・・・ルナマリアどうにかなんない?赤服だろ。」
「アキラこそ性格変えれば?私爆弾系の授業はいつも寝てたから。」
「いや、たぶんそうすれば縄は千切れるけどそのあと体力が尽きて爆弾が解除できない。」
「爆弾解除できるキャラって何?もてあます?」
「ベホイ○。」
アキラとルナマリアが必死に抵抗するが、縄は一向にほどけない。
「嫌だ!!もしこれがエロゲだったらきっとエロシーンなのに!しかもルナマリアと一緒に臨終なんて!!」
「私だって嫌よ!こないだミーアに☆矢貸してもらったらすっごい萌えたのに!!蟹魚!!蟹魚!!山羊獅子!山羊獅子!」
最後くらい真面目にすればいいのに二人そろってマニアックな話題しか出てこない。
しかし残りはもう三十分くらいである。
「・・・・でも、これで死んだらトールの所いけるかな。」
アキラがぽつりとつぶやく。
「・・っ!あんた何言ってんのよ?!」
「でも、無理だな。トールは天国だけど俺は地獄だ。俺は罪無き民衆じゃなくなったから。」
ルナマリアを無視してアキラが続ける。その目はやはり遠い。
「ちょうどいいかもなぁ・・、最近死にたいってあんまり思わなくなってたから。」
「アキラ!あんた何さっきから・・・!もうほどけろこの縄!!」
ルナマリアが必死に縄を解こうとする。
こんな奴を死なせてたまるか。生かせて、死ぬほど長生きさせてやる。
アキラの言葉に怒ったルナマリアは必死に抜け出そうとする。
「もう・・っ!!こうなったら・・!!」
ルナマリアが何やら活躍しようとした瞬間、扉が突然壊れた。
「大丈夫、二人とも?!シンハロどいて!!」
『扉壊したの俺なのに!!』
マユがシンハロを押しやってルナマリアとアキラの所へ駆けつける。
マユの格好は金ぴかのトンファーを持ってる以外は先ほどと変わらないが
シンハロの格好がすごかった。
「えーっと、勇者王?英雄王?」
アキラが思わずつぶやく。
「違うわよ、よーくみなさい。いきなりマントを脱いで全裸の上からアンダー無しで鎧を着る男よ。」
ルナマリアがかなり難しいヒントを与えるがアキラは分かったらしい。
シンハロが肩を震わせている。
「あー、ミーアか。いいじゃん、俺なんて『アキラは似合わないから「るろうに」で!!』って言って着たくても
着せてくれなかったんだぜ?」
「かっこいいからいいじゃない。ミーアなんて蟹座なのよ?うらやましいのよあの子。」
必死にフォローするアキラとルナマリア。
しかし皆はシンハロのインパクトで、隅っこで勝手に爆弾をいじっているマユに気づかなかった。
- 299 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/10(日) 00:10:37
ID:???
- 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見事に焦げてるな。」
アフロだったり髪の毛がちれぢれになったりとにかく全体的に黒くなった四人組。
なぜかシンハロの着ている金ぴか鎧だけ無事である。
「つーか、着てても肌が出てる部分へのダメージは防げないのな、その鎧。」
「当たり前じゃない。」
犯人グループの引渡しを終えてきたネオが突っ込む。
ミーアはさも当然そうに答える。
『勘弁してよ・・。俺人間じゃないから勝手に直らないんだって・・。
はぁ・・、この体が治るまでしばらくまた丸っこい体で我慢しなきゃなんだから・・・・。』
シンハロがこげた肌をさすってため息をつく。
「・・やばい、この間自爆装置つけた。」
アスランが不穏な言葉をつぶやく。
『おい、今なんつった?』
「任務完了。」
『うそつけ!!』
ぎゃいぎゃいと騒ぐアスランとシンハロ。
「・・・・よし、じゃあハイネに対するお仕置きは皆で彩○国物語鑑賞会。ハイネだけ仲間はずれで。」
向こうではハイネ隊は仕事をさぼった隊長に対する処罰を決めていた。
ハイネの好きな声優が主人公のアニメをハイネ抜きで見る計画らしい。
「さらに各自ハイネの部屋にしのびこんでほーこたん関連グッズをこっそりルナマリアのBL関連グッズに変えておくように。」
さらに追い詰める。肉体的にではなく精神的に痛めつけるのがハイネ隊だ。
「んー・・・ステラ・・・つかれた・・・・。」
「スティングー腹減ったー。」
「・・・・・・シン、それ別にきちんと山羊の形にしなくてもいいんじゃないか?」
「やだ!!元に戻す!!!」
駄々をこねるアウルとステラ、ひたすらミーアに着せられた鎧を元の形に戻そうとするシン、そしてそれらをなだめるスティング。
「シン、ここはこうでこうだ。」
レイが的確に部品を組み立てていく。
「おぉっ!さすが蠍座!!」
「ちょっとまって?!蠍座は議長よ!!」
ミーアが二人の間に割って入りまた熱く語り始める。
もう空には星が輝き始めていた。
ーーーーーーーーーーーーーーマユの日記。
八月△日
今日はコミケに連れて行かれた。好きな本がいっぱい買えた。
シンハロとお兄ちゃんがミーアお姉ちゃんの餌食なってた。
爆弾が仕掛けられた。シンハロが変身。キャストオフはしてくれなかった。
爆弾の授業はよくわからなかったので触ってみたら爆発した。
爆発オチって今までの人生であんまりなかったなぁ、と思った。
- 300 :ほのぼのマユデス。なつこみ。:2006/09/10(日) 00:17:14
ID:???
- ミーアは毎日コレクションに話しかけてるらしい、せめてぬいぐるみに話しかけろ。
ほのぼのです。
さて、ようやくコミケ終了。もう九月だよ。俺の夏休み、終わっちゃった。
そろそろ本編に戻りますがその前にまたひとつ話が入ります。
レイをそろそろクローズアップです。シンハロもクローズアップです。
ついでに死人も出ます。あ、別にだれかが死ぬってわけではなく、死人がでます。
マユももうちょっと活躍する予定。今回はオタクに出番とられっぱなしだったね。
それでは。
コスプレクイズの答えは避難所で。
- 317 :ほのぼのマユデス。夢 :2006/09/13(水) 22:20:39
ID:???
- 自分は逃げている。ただそう感じていた。
走っているわけでもない。転がっているわけでもない。でも逃げていた。
つかまったら否定される。自分を否定される。新しい自分を植え付けられる。
いやだいやだいやだいやだいやだいやだ、いやだ。もういやだ。
どこでもいい逃げなくちゃ。逃げなくちゃ。
疲れはない、ただそろそろ追いつかれそうだ。いやだ。
だけど、突然何かが自分を引っ張りあげた。
とつぜんギルとラウに呼ばれた。無視したら引っ張ってつれてかれた。
また二人の父はどこかへ行く。俺の頭をなでてどこかへ行く。
まぁ、いい。これで思いっきり野球ができる。
捨てられていた所を回収したグローブとバットをベッドの中から取り出す。
あぁ、そういえばピアノのレッスンがあった気がする。どうでもいいか。
堅苦しいスーツからTシャツとGパンに着替える。
ピアノよさよなら。野球よこんにちは。
ヨウランとヴィーノに電話をしよう。
今日は五人もやっつけた。スティングとステラに話す。
ステラは何人やっつけたか覚えてないらしい。やっぱ馬鹿だ。
スティングは三人だけだった。手加減できるやつは強いらしい。なんだそりゃ。
三人で話していると母さんがやってきた。母さんに今日の成果を話す。
すると母さんは笑ってほめてくれた。やっぱり母さんは話がわかる。
母さんが突然男の人に呼ばれた。もう行かなきゃ、と母さんがいう。
さびしい、と思うと顔にでているのか母さんは俺の名前を言って頭をなでてくれた。
おれはとってもしあわせだった。
- 318 :ほのぼのマユデス。夢 :2006/09/13(水) 22:22:00
ID:???
- 父上が地球土産をくれた。それは子犬だった。
プラントではめったに犬なんてみない。動物なんて動物園でしかみられないのだ。
早速うれしくて名前をつけようとするが、そのまえに母上に止められた。
そうだ、そろそろ晩御飯だ。手を洗ってこなくては。
この子にもご飯をあげよう。何を食べさせたらいいのだろうか?
父上に相談しながら洗面所にむかった。
メイリンに名前を呼ばれる。普段なら幸せのはずなのだが今日は考え事をしていたので微妙だった。
それは「名前」についてだった。俺の名前は「スティング・オークレー」だ。
しかし、それは本当に俺の名前なのだろうか?俺の両親がつけてくれた名前はなんだったのだろうか?
そんなことを考えているとメイリンが怒ってしまった。ステラとは違う反応に対応にこまる。
あわてているとジョーが話しかけてきた。その場の空気がすこし和らぐ。
あぁ、俺は多分世界で一番幸せなのだと実感した。
ステラ、ネオと一緒。ゲンと一緒。
マユも一緒、みんな一緒。
一番うれしいのはゲンといるとき。ステラはゲンが好き。
ゲンもきっとステラが好き。だからしあわせ。
だけどゲン、最近ステラの知らない顔をする。
それはきっと「シン」。ゲンのほんとうの名前。
ステラはそれをしらない。マユだけ知ってる。
ステラ、すこしだけさびしい。
- 319 :ほのぼのマユデス。夢の間。:2006/09/13(水) 22:23:39
ID:???
- 「・・・・・・・・・・・・・・ここどこ。」
マユはよくわからないところにいた。
どう表現すればいいかわからない。とりあえず回りがなんかうねうねとしている。
そしてところどころにいろいろな風景が消えては現れる。
「なんかこないだやったゲームに出てきそうな場面だなぁ・・・。」
感触としては無重力、いや体に圧力がかかるからどっちかと言うと水の中に近い。
どうしようもなくとりあえずクロールをしてみたりしたが進んでいるという感覚がない。
そもそも距離感がよくつかめない。
「・・シンハロー!!おにいちゃーん!!」
とりあえず呼んだらすぐきてくれそな二人を呼ぶ。
だが音は響くことなく吸い込まれる。
いけない、久々に一人ぼっちになったから不安になってきた・・・。
「あら、あんたこんな所で何してるの?」
突然聞こえてくる声。見ると目の前になにやら赤い光のようなものが現れた。
それは徐々に人の形をつくり最後には赤い髪の少女になった。
「あんた生きてる人間のくせに何やってんのよ?」
ピンクのマオカラーをきた少女がマユに問う。
マユは気がついたらこんな所にいたのでなんとも言いようがない。
しかしマユの少女のセリフの一点に気づく。
・・・・生きている人間?
「嘘?!私死んだ?!いつのまに?!昨日の晩御飯食べ過ぎた?!パスタすっごく美味しかったから?!」
「落ち着けきなさい。生きてる人間っていってるでしょ。」
見事なかかと落としがマユの脳天に命中する。
「すみませんでした。」
頭にたんこぶをつくり土下座するマユ。
そしてすぐに目を輝かせ顔をあげる。
「このかかと落としの腕前とタイミング、かなりの腕前と見ました!!師と呼ばせてください!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
マユの行動に一瞬あっけにとられる赤の少女。
だが次にはすました顔をして・・・・。
「ふ・・、いいわよ。ただしお姉さまと呼びなさい!」」
「ありがとうございます!!お姉さま!!ところでお名前は?!」
「フレイ・アルスターよ、よぉく胸に刻み込みなさい!!」
いまここにガンダム史上最悪最凶の師弟が誕生した。
- 329 :ほのぼのマユデス。夢の間。:2006/09/16(土) 00:13:13
ID:???
- 「お目覚めかい?元マスター。」
突然そういわれた。
とりあえず状況を整理しよう。俺は普通にベッドに入って普通に寝た。
で、目が覚めたらよくわからないファンタジーな混沌世界で自分そっくりな色黒男にモーニングコールされた。
「ドッペルゲンガー?!どうすれば・・・!はっ!そうか!!この場で倒せば・・っ?!」
「元マスター、一般にドッペルゲンガーと言われるものは自分の魂の一部が
抜け出たものという場合が多いんだ、殺したりしたら自分も死ぬぜ。
もしドッペルゲンガーに出会ってしまったら偉人になれ。偉人になったら死なないから。自殺とかは別だけどな。
そうそう、あと女性のドッペルゲンガーってのは今まで発見例がないらしい。」
「詳しいなぁ?!おい!!」
シンは思わず目の前の男につっこむ。
「知り合いにオカルトマニアがいるもんでね。・・いや、ありゃ無理やり詰め込まれてるのか。」
そうつぶやく男をシンは睨む。
「何なんだお前・・・・。俺をこんなところに連れてきたのはお前か・・・!」
シンがドスを聞かせた声で言うと男はすねたように言った。
「ひどいなぁ・・。俺助けにきたのに。あーあ、こんなのなら現MSのインパルストリオに来てもらうんだった。」
その言葉を聴いてシンは表情を変える。
「モビルスーツ・・・?」
「あ・・、言っちゃった。まぁいいか、この姿では始めまして元マスター、あんたの元愛機、ストライクMkU・・・。」
- 330 :ほのぼのマユデス。夢の間。:2006/09/16(土) 00:27:15
ID:???
- 「嘘だ!!」
言った瞬間速攻で否定するシン。
「ひでぇ?!何でだよ?!」
「俺のストライクMkUはもっと忠誠心があって渋くて背が高くて威厳のある性格なんだ!お前みたいにおちゃらけた
性格なんかじゃない!!」
「お前が言うなよ!俺よりインパルスに乗り換えたくせに!!二人で過ごした日々を忘れて!!」
「気持ち悪いこと言うなよ!」
「事実だろ?!MSなんだから!第一MSの人格形成には多少利ともパイロットが影響するんだよ!!
だから俺がこうなったのもあんたのせいなんだよ!!」
「認められるか!!」
「だったらお前も別の世界のあんたみたいになれよ!こう・・でっかい実剣でも振り回してさぁ!!
かっこいいじゃん!!大体あんたも固有武器のひとつくらい持つべきなんだよ!メインキャラなんだから!!」
「ヌンチャクなら使えるぞ!!」
「お前それガキのころ親父にわがまま言って買ってもらって部屋の隅っこに放りっぱなしにしてただろ?!」
デスティニ−相手の余裕はどこに言ったか全力で口げんかをする一人と一機。
「あーあー!!こんなひどいならシンハロ助けに行こうかなー!!」
「んだとこらぁ?!てめぇ主人に絶対忠誠のMSなんだろ?!文句いわず助けろやぁ!!」
「うるせぇよ!粘着質な愛情の1%もMSに向けてないやつに言われたくねぇよ!!
あんなに簡単にインパルスに乗り換えられるなんて夢にも思ってなかったぜ?!読者もびっくりだぞ!!」
「うるさい!俺はマユの座ったシートに・・・!くそぉっ!!」
「・・・あー、もういいや。もうめんどっちぃや。助けてやるよ。」
一転して頭を掻きながらMkUは言う。どうやらこの争いは心底意味がないと思ったらしい。
「・・・・とりあえず、俺は何がなんだか解らないから説明してくれるか?」
シンが質問すると以外にもあっさりMkUは答えた。
「あぁ、ここはあんたの夢の中だがその夢がいろんな世界の狭間・・・あぁガキが考えるみたいな話だが、
つまりいろいろな世界の間みたいな所に夢の中で来ちまったんだな。
たぶん誰かが意図的にやったんだろうが・・・・・機械が言うセリフじゃねぇよ。だれかなんか伝説っぽい人物つれてこい。
まぁとにかく俺たちMSの精神は大体、体に入ってると暇だからこっちにいるんだ。だから俺は助けにきたんだよ。」
めんどいめんどいなー、とぶつぶつ文句をたれるMkU。
「でも・・、その前にほかの奴らも回収しないとなぁ・・・。」
「他の奴ら・・・・ステラもか?!」
「あんたそればっかなのね。まぁいいけど確かに皆迷ってる。それぞれ相棒が向かえにいったけどな。」
それを聞いてシンはさらにいぶかしげな顔をする。
「ネオはどうしたんだ?今お前はネオのMSだろ?」
そういうとMkUは顔をニヤニヤさせる。
「んー、今ごろ意識だけ昔の女の所だな。まぁ結構思い出してるらしいけど・・・・ところで元マスター、時間だ。」
そういうとどこからだしたのか片手にシルクハット、片手に杖を。
「さぁ、旅立とうか。ちょっくら長い旅になるぜ。バイト代は・・・・まぁ出世払いだな。」
そういってMkUはシルクハットを投げる。
次の瞬間、シルクハットから光があふれ出しシンはそれに飲み込まれた。
- 331 :ほのぼのマユデス。夢の間。:2006/09/16(土) 00:28:27
ID:???
- 「ふーん、じゃああんたキラの友達のアスランの部下ってわけね。」
「はい、お姉さまは時々アスランお兄ちゃんがぶつぶつ言ってるキラって人の元カノなんですね?」
すいーっと飛ぶように二人は混沌とした世界を進んでいた。
フレイは自分の身の上話をマユの語る。
「えぇ、と言っても死んでしまったけどね。私が。まぁしばらくはキラの守護霊をしていたんだけど・・・・。」
「していたんだけど?」
「あの野郎、墓参りも忘れて他の女とくっつきやがった。」
フレイの顔が突然悪鬼のごとくに変わる。
「何よ私があんだけ守るっていったのに!!あんな天然二重人格胸無し女にだまされて!!
何?!髪型のバリエーション?!服のバリエーション?!金なら負けないわよ!!!
もう死になさい!!永遠に首輪をつけて(注:放送禁止なので音楽がながれます)してそのまま
(こどものこーろの夢は♪色あせ)でんでもって縛って(子供のこーろのゆめは♪色あせないらくがき)してやるわ!!」
「お姉さま、私ナチュラルだと中一なんですけど。スカート丈短くして先輩にナマイキって言われる年頃なんですけど。」
放送禁止用語を繰り返すフレイにマユは突っ込む。
「はあはあ・・・・、まぁそれはおいといて。キラの親友の部下なら助けてあげるわ。
ついてきなさい!!」
「はい!!」
そうして二人は混沌世界をさらに進んでいった。
「主殿ー?!なんでいないのですか?!ここを移動するにはコツをつかまなきゃだめなのに!!」
そのころ、マユを向かえにいったデスティニーはマユがいないので大混乱なのであった。
- 332 :ほのぼのマユデス。夢の間。:2006/09/16(土) 00:31:15
ID:???
- 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「どうした?飲まぬのか?」
レイは大変混乱していた。マユたちよりも混乱していた。
気がつけば何やら夜の庭園にいた。
自分が見慣れた英国風のものではなく古代中国のような庭園である。
時間は夜で、月と星がよく見える。
そこのあずまやに自分は座っている。向かいにはこれまた奇妙な男だ。
豪奢な椅子にもたれかかっているのは、始皇帝でもなんでもないウェーブした長い金髪の男だ。
前をはだけさせたアロハシャツ、無駄なく筋肉のついた体にはタトゥーらしきものが大量に刻まれている。
全身はシルバーアクセサリーで飾られており顔はどことなく自分に似ている。
「まったく・・、愛想がないな。酒の席でさえこのざまでは議長殿も哀れよな。」
そう言って杯に入ったブランデーを飲み干す金髪の男。
「おい・・・。」
レイは疲れ果てて男を見る。
「ん?どうした?ブランデーは好かぬか?」
男はレイの様子にも気づかずに杯を揺らす。
「一気に突っ込ませてもらう。
ここはどこだ!
お前はだれだ!
その服はなんだ!
PTOを考えろ!なんで
アジアチックな陶器の杯なのにブランデーなんだ!
あとマユ達はどこだ!」
そうレイは一気にまくし立てる。
「ふむ、あまり洋酒は好まぬか?日本酒か?あぁ、果実酒のほうがよいか。まだまだ子供よな。」
「そうじゃないっ!!」
見当はずれな男の声にレイはバンッっと卓をたたく。
「まぁ答えてもよいのだが、答えては汝が混乱するだけよ。後でシンハロにでも聞くがよい。」
「シンハロ・・・?」
男の口から聞こえた友人の名前にレイはマユを潜める。
シンハロ、と言うのはあくまでも自分たちの間だけでの呼び名だ。
人間形態である時の彼は公的にはザフトの「シン・アスカ」として扱われる。
ゆえにこの男はそれなりにシンハロ関係・・おそらく開発者かそのあたりだと思われる。
- 333 :ほのぼのマユデス。夢の間。:2006/09/16(土) 00:33:43
ID:???
- 「汝もつくづく思考が硬い。この状況に常識が通じるとでも?」
男のあきれた声も無視してレイは男をにらみ続ける。
「・・・・来たか。まったくご苦労だな。死してなお世界を憎むか。しかもその憎しみを次の世代に押し付けるとは・・・。」
男は不敵な笑みを浮かべるとレイの前に立つ。
「余から離れるなよ。むしろ離れられたら余が困るのだが・・・。」
そう言うと男は両手を顔の前でクロスさせる。
次の瞬間、男の両手に三つずつついていた指輪が銀色の軌跡を描いて突然夜闇の向こうへ飛び去った。
「・・・ちっ、二つ撃破されたか。」
そう言った後、同じようにピアス、そして腰につけていたチェーンが飛び去る。
しばらくするとそれらが戻ってきたが、数がいくつか減っていた。
それは宙に浮いたまま円を描くように男とレイを取り囲む。
そしてだんだんその姿がぶれて別の物体へと変わっていく。
「・・・・・ドラグーン?!」
レイが叫ぶと男が舌打ちする。
「ちっ・・・、出てきたらどうだ?!あんな性悪主人に付き合うとはご苦労なことだ!」
男が叫ぶと草を踏む音とともに一人の人型が現れた。
短い金髪の細身の青年で、その表情は長い前髪に隠れて見えない。
何やら自分をかばってくれている男とは対照的に黒いハイネックに黒いズボン、
ただ少しおかしいのは指の手の間には銀色のコインが挟まれている。
短い金髪の男が手を開くと、くるくると回転しながらコインが宙にあがる。
そしてそれも多少の形は違うもののドラグーンでに変わる。
「彼ヲ渡シテモラオウ。ますたーガ彼ニ用ガアル。」
片言の発音で対峙している男が話す。
「ふん、ずいぶんと忠実であるな、『兄上』。だが余もこの馬鹿主人を守らなければなのだ。
貴様のように本能で守るのではなく、こやつを守ると友と約束したのでな。」
そう言うと男が身に着けていたシルバーアクセサリーがすべて飛びドラグーンへと姿を変える。
「さぁ!余を殺めてみよ!貴様の忠誠が勝つか余の誇りが勝つか!勝負だプロヴィデンス!」
「若造ガ何ヲ語ルカ!レジェンド!!」
次の瞬間、ドラグーンを持つ二体のMSが激突した。
- 348 :ほのぼのマユデス。魔女っ子フレイ様。:2006/09/18(月)
23:48:45 ID:???
- 「・・・・・・・・?」
突然フレイが目の前で止まる。
「どうかした・・・っ?!」
マユがフレイに何事かと聞こうとした瞬間、周りの空気が変わる。
何もなかった空間に突然青白い炎が浮かび、それが人の顔を形作る。
「・・・・ちょっと、あんた何したのよ。」
「?」
フレイが脂汗を流しながらマユに聞く。
「こんだけの怨霊を集めるって・・・・・何人殺したのよ?」
「・・・・お姉さまは今まで食べたパンの数を覚えてますか?」
汗だくのフレイに対しマユの表情は無い。
「言ってなかったんですけど。自分軍人なんです。だからこの人達はきっと私が殺した人達です。」
マユが両手を構える、すると両手から炎が燃え上がりトンファーになる。
「まぁこの程度しか出てこないってのは意外ですね。もっと殺してるはずですから。」
マユは殺気を高める。まぁ相手は既に死んでいるから殺気も何もないのだが。
「・・・あんた達だって死ぬ覚悟で戦ったんでしょう?だったらもう出てくるな!!」
マユが狂犬のように叫ぶと炎が揺らぐ。
トンファーの構えを変えて敵に飛び掛ろうとした瞬間、フレイがマユを止める。
「お姉さま・・?」
「・・・・死人があんまり生きてる人にかかわるものじゃないわよ、あんたたち。」
フレイの体の下に緑に輝く魔方陣が浮かぶ。
そこから光でできた真紅の枝がフレイの体を包む。
そして枝は体をすべて包むと急速に光を失い、フレイの体が再び現れる。
フレイの服はローズのライダースーツになっておりジッパーはギリギリまであけてある。
手にはルーン文字の刻まれた杖が握られていた。
「マユ、あんたはここでぼけーっと・・・そうね、初代ポケモンいえるかなをソラで言えるまで動かないでね。」
「えぇっ?!ぴかちゅーかいりゅーやどらんぴじょんこんだっくこらったずばっとぎゃろっぷ・・・・・・。」
マユの闘気が散り、トンファーが霧散する。マユはその手で数をかぞえながら必死に言う。
その瞬間フレイは跳躍し浮かんでいた炎を杖で薙ぐ。
それは実態のない炎を通り過ぎるだけかと思ったが違った。
何やら黒く輝くルーン文字が炎を包み込み束縛する。
「『スキールニルの杖』。四つのルーンはいかなるモノも呪うわよ。地獄に落ちるより苦しみなさい。」
フレイは同じように他の炎にも呪いをつけていく。
横から迫る炎に一つ、上から迫る炎を横に交わしてまた一つ。
さらに上に跳躍して挟み撃ちにしようとした炎から逃げ距離をとる。
「あんた達の気持ちはそりゃあよくわかるわよ、けどね。
あの子はあの年であんた達と同じ人殺しになる覚悟をしたのよ?!
それに男としてあんな小さい女の子に手を出すのはマナー違反じゃない?!」
- 349 :ほのぼのマユデス。魔女っ子フレイ様。:2006/09/18(月)
23:49:59 ID:???
- フレイのもう片方の手から先ほどと同じ赤い光の枝をだす。
それは今度は剣となりフレイの手に宿る。
「さんだーすめのくらげ・・・・あぁっ?!解らない!!お姉さま!別の奴じゃだめですか・・っ?!」
幼い頃、兄と競争して覚えた歌を必死に思い出すが思い出せないマユはフレイに向かって叫ぶ。
「そうね・・・じゃあメダロッ○のメダルのタイプを全部言いなさい!」
「えぇぇぇぇ?!カブト・・クワガタ・・ヒール・・。」
このままだとミ○四駆とかベイブレー○とかダンガ○とか言い出しそうな勢いである。
マユは必死に兄とどっちがカブトバージョンを買うかで争ったゲームの内容を思い出す。
フレイはマユから目を離すと持っていた剣を空中に放り投げる。
その剣は回転しながらマユに襲い掛かろうとしていた炎を切り裂いていく。
「成仏するなら今のうちよ、じゃないと切り裂かれるか呪われるか・・・・だったら恨みなんか忘れる方がいいわよね?」
にっこり微笑みながらフレイが炎達に言う。
すると炎は次々に消えたりぴゅーっと逃げ出したりしていった。
「ふん・・・、このフレイ様の弟子に手を出すからよ。」
ビシッと杖でポーズを決めるフレイ。
ガコッ!
しかし敵を倒してクルクルと飛んで戻ってきた剣のツカがあたった。
「・・・っ!ちょっと何なのよ!人がポーズ決めてるときには飛んでくるなっていつも言ってるでしょ!?」
すると剣は半回転する。そっぽを向いたつもりらしい。
「・・・かーっ!!あんたは何でいつもいつもナマイキなのよ!もう戻れ!!」
フレイが叫ぶと服も剣も杖も消え、服も元に戻る。
「ブラックカブト・・・・バード・・・・・あとは・・・・。」
「・・・・もういいわよ、つーかよく覚えてるわねあんた。」
律儀に思い出しそうとするマユにフレイはあきれるのであった。
- 21 :ほのぼのマユデス。ぷち同窓会状態。:2006/09/24(日)
00:39:22 ID:???
- 「おい!俺達はどうなるんだ?!」
光に包まれながらシンはインパルスに聞く。
「あぁ、この近くに仲間の気配があるからその世界にワープする。」
そういってひゅるるるるる・・・・と言う効果音とともにシンは突然空中に投げ出される。
だが地面までほんの数十センチだけだったのでそのまま尻餅つく。
「おー、大丈夫か?さて・・・ここは・・・。」
いつの間にか旅行者をしゃれこんだのか服まで紳士服に変わったMkUがあたりを見渡す。
「「「「「かんぱーい!!」」」」」
どうみても居酒屋だった。
「で、アスランってばその時・・・・。」
「ニコルー!それは言わない約束だろ!!」
「あ、じゃあ先輩の恥ずかしい話でもします?」
「そこで俺に振るかミゲル!!よし、そこの少年。アキラの昔の話を。」
「えぇ、じゃあそうですねぇ・・。あれは中学・・・。」
「言うなっ!!」
「ぐぼぁっ!!だからって蹴り入れるなよ?!ラスティいけっ!!」
「僕はポケモンか?!」
なんかアスランとハイネとアキラが知らない人達と飲んでる。シンとMkUは固まっている。
「MKU、ランチャーストライカー改。」
「りょーかい。」
シンが言うとストライクMkUにMS状態の時と同じストライカーか装備される。
「一斉射撃・・・・撃てー。」
「どかーん。」
ヒュルルルル・・ドーンドーンバシュッバシュッバラララララララ・・・・・。
- 22 :ほのぼのマユデス。ぷち同窓会状態。:2006/09/24(日)
00:41:33 ID:???
- 棒読みな二人のセリフに反して全力で攻撃するストライクMkU。
シンに至っては「もっと出力あげろよ、ビームの。」などと言っている。
そのうち実弾系が弾切れになりようやく攻撃をやめる。
「何すんだてめー!せっかく頼んだ鳥皮が台無しじゃねーか!!」
真っ黒こげになった金髪のハイネによく似た声の男がシンに文句を言ってくる。
「怒るところが違うでしょうミゲル!!」
突っ込んだのは緑色の髪に少女のような顔をした少年だ。
「ちょっとアスラン!!あれアスランの部下でしょ?!」
オレンジ髪の背の小さい少年がアスランに掴みかかる。
「ラスティ!落ち着け!!あぁ・・・、これって俺達が弁償しなきゃなのか?」
茶色いウェーブした髪の少年がオレンジ頭を抑える。」
「おー、シン。お前も来てたか?何頼む?」
「ぜぇはぁぜぇはぁ・・・・、夢の中でも魔術使うのって疲れるのな・・・。」
「シン!危ないことはやめろ!!」
なにやら五芒星の光の壁に包まれて避難している生きてる三人組。
どうやらアキラがやっているらしい。外見もなんか少し背が伸びている気がする。
「何だよその光ってるの。」
ハイネたちを包んでいる白い光をみてシンは突っ込む。
「あぁ、ここ夢の中だからアキラの思い込み催眠術の効果がアップしてんだ。好きなキャラに変身してもらえるぜ?
俺まろんちゃんやってもらったから。あと他にもほーこたんボイスのキャラやってもらうつもり。」
ハイネはこともなげに答える。
「勘弁してくれよ・・、女の子の性格に完璧になるのは大変なんだから・・・。」
「いやぁ・・、夢の中っていいなぁ・・・。ほーこたんに好きなセリフ言ってもらいまくりだぜ!」
元の姿になったアキラと目をキラキラと輝かせるハイネ。
「・・・・とりあえず、あんたら今の状況に疑問を持たないのか?」
ストライクMkUが突っ込むが、
「だって夢だし、こいつらが本物でも夢の人物でも会えたことには変わりないし。」
「前トール化けて出てきたし、それからなんか交信できるようになったし。」
「ミゲルにラスティにニコル・・・今まで化けて出てこなかったほうが不思議だったな・・・この面子。」
結構どうでもよさげな三人。アスランにまでハイネ隊の思考が感染しているらしかった。
- 23 :ほのぼのマユデス。小さなゆがみ。:2006/09/24(日) 00:43:24
ID:???
「お姉さま!!あれどうやるんですか?!」
マユが目を輝かせながら聞いてくる。
「あぁ・・、あれ死んでからあの世で教えてもらったのよ。結構いろんな世界の人がいるみたいで。」
「本当ですか?!私一度東方不敗という方にあってみたいんですよ!!何か知りません?」
「・・・・知らないわ。」
フレイの返答にマユはちぇっと舌打ちをする。
「魔女っ子ですかー、萌えますよねきっと!・・・・・次はこれで人気取りいくか・・・・・。
ついでに私以外に投票した奴ら呪えるし・・・・。アキラおにいちゃんに聞いたの効かないんだもん・・・。」
末恐ろしいことを話すマユにフレイは一瞬ぞっとする。
「・・・あ、ここね。あんたの世界に帰れる入り口。」
フレイが手をかざすとそこには扉が現れる。
なにやら多少年季が入っているらしく、少し罅が入っている。
フレイがドアノブに手をかけ、ギィ・・と音をたてながら扉を開ける。
「・・・・・?何か違いますよお姉さま。」
「・・・・・間違ったわ。たぶんここはちょっとズレた世界ね。」
確かにここは見慣れた屋敷だがなぜか世界全体がセピア色に染まっている。
「あぁ、よくゲームとか漫画にありますよねー。」
「それでも順応できるあんたって随分ずぶといのね・・。」
マユとフレイはその扉の中に入っていく。
「入っちゃいましたよ、お姉さま。」
「せっかくだからちょっと見ていきましょう。元いた世界に近いのは確かなんだから。」
マユ達ふたりはふわりと廊下を飛んでいく、すると突然体の透けた男性の姿があらわれた。
「ゆーれい?!」
「違うわよ、多分この屋敷の『記憶』ね。ここは生物の世界じゃなくて無機物が見ている世界なのよ。」
あわてるマユをフレイが沈める。それにむしろ幽霊は彼女だ。
「ふーん。」
興味なさげにマユが答える、幽霊じゃなければ混乱しないらしい。
- 24 :ほのぼのマユデス。小さなゆがみ。:2006/09/24(日) 00:45:29
ID:???
- 「つまらないわねぇ・・・、ん?」
二人は大きな広い庭にでる。そこでは幼いピンクの髪の少女が遊んでいた。もちろん透けている。
「・・・・げ、あの女だわ・・・。最悪、なんであいつの家なんかに私はいるのよ・・。」
いらだたしげに言うフレイの影からマユを少女をよく見てみる。
彼女の年上の友によく似た顔立ちにウェーブしたピンクの髪は間違いない。
「ラクス・クライン・・・・。」
少女はマユたちの存在に気づくはずもなく、絵を楽しげに描いている。
『ラクス・・・!』
金色の髪の男性が少女に近づいてくる。
フレイとマユをすり抜けて少女の下へとまっすぐに向かう。
『おとうさま!おしごとがはやかったんですのね!』
元気いっぱいに男性に抱きつく少女。
「・・・・あれが元クライン議長の若い頃?!ギルパパよりもいい感じだなぁ・・・。」
「うちのパパのほうがずっと素敵だわ!」
それぞれ別の反応をするマユとフレイ。
『ラクス・・・歌のレッスンはどうしたんだい・・・?』
男性が聞くと少女は頬を膨らませながら言った。
『おうたはすきではありませんわ!おえかきのほうがたのしいです!』
すると男性は少し怒ったような顔をして少女を諭す。
正直その絵には才能の断片も感じられない。
『ラクス・・・、君は歌を得意になる才能をもっているんだよ。絵は向いているようにはしていない。
そういう風にしてくれた母さんのためにも持っている才能を無駄にしないでほしい。』
そう男性が諭すと少女は顔を余計に膨らませて走っていってしまった。
『ラクス!!』
『おとうさまなんかしりません!!』
少女の言葉を最後に、二つの幻影は消えた。