95 :Hina:2005/12/03(土) 14:20:11 ID:???
ガンダムSEED MAYU‘S DESTINY

プロローグ「運命の始まり」

軍病院の一室、ベッドと機械だらけの部屋の中にベッドで眠る少年、シン=アスカと傍らで様子を伺う少女、マユ=アスカの姿があった。
いくつもの点滴と機械に繋がれた少年の瞳は開くこともなくただ機械の音だけがシンの命があることを証明している。
「私ね、インパルスってMSのテストパイロットに選ばれたの…」
「ミネルバは明日から2ヶ月の航海にね…」
マユは兄にしばらく会えない事を名残惜しんで面会にきたのだ、明日からはミネルバはテスト航海でしばらく帰ってこれない、今日の面会も艦長のタリア=グラディスに半ば強引に頼み込んでローテーションを変更してもらったのだ。
「ごめんね、お兄ちゃん、もし起きて私のこと知ったらきっと怒るよね」
まだまだ話しかけたいことは一杯あった。ミネルバの仲間のこと、あれから3年間の話、時間がいくらあっても足らないくらいなのだ、しかし無常にも時間がすぎてしまっている。病室の扉の前で
「またね、お兄ちゃん」
そう最後に話しかけて病院の出口に向かった
「ほら、あの子……」
「噂の最年少ザフトレッドよね……」
「お兄さんが、植物状態……」
周りが自分と兄の事をヒソヒソと喋っているのは聞こえたが無視して出口に向かう、そこには赤い軍服を着た少女がマユのことを待っていた
「ルナお姉ちゃん」
「あ、マユ」
「ごめんね、待たせちゃって」
「ううん、いいのよ…お別れはすんだの?」
「うん、帰ってきたらまた会えるし」
「今度は私も会わせてよ、お兄さんに」
「うん、いいよ」
「約束よ…さあ宿舎に帰りましょうメイリンがご飯作って待ってるよ」
「食べ過ぎると太るよ、ルナお姉ちゃん」
「コラー!そんなこと言わない!」
「アハハッ」
最後の日常は終わりを告げる、これが少女の長き物語の始まりである