- 68 :Hina3-1:2005/12/18(日) 22:40:29 ID:???
- 第3話「ミネルバ発進、前編」
「インパルス、カオス、ガイアと戦闘を開始しました、アビスも接近中です」
メイリンの状況報告を聞きタリアはしばし沈黙し。
「メイリン、マユに通信を繋いで」
「はっはい」
モニターに映ったマユに指示を出す前に副長のアーサー・トラインが割り込む
「マユ、命令は3機の捕獲だぞ、わかったいるんだろうな」
捕獲を強調して命令を出すアーサー、しかし
「わかってますけど、あの3機相手に手加減してたらこっちがやられちゃいますよ!無理な事いわないでください!気が散るのでおじさんは黙ってて、通信終了!」
一方的に言いたいだけ言って通信を切るマユにアーサーはショックを受け
呟いた。
「お・・・おじさん・・・・私は・・・まだお兄さんなのに」
「アーサー!今はそんな事でショックを受けてる場合じゃないでしょう!全く、メイリンルナマリアとレイは?」
「インパルスより遅れて発進しました、到着まで後20」
「わかったわ、それからミネルバの発進準備も念のためにしておいて、議長にも通達、それからプラント外に敵母艦がいないかもチェックして頂戴」
「はっはい」
空気も読めずおじさん呼ばわりされショックを受けるアーサーを怒鳴りつける一方でタリアは3機のGの強奪が目的なら必ず近くに母艦がいると判断し確認を急がせる。
- 69 :Hina3-2:2005/12/18(日) 22:41:29 ID:???
- 一方のガーティ・ルーでは内部に侵入した工作員から奪取成功の報告を受けネオは満足気にうなずくと
「坊主共を回収後、けつまくって逃げるぞ!」
「大佐、近くにナスカ級2隻がいます追跡されると困難ですぞ(けつまくるって・・・いつの時代の言葉だよこの仮面男は)」
リーは心の中でツッコミをいれつつあくまで冷静に状況を見て助言をする。
「わかってるよぉ、その為にエグザスを準備させたんだろう、出て露払いをしてくる、後の指揮はまかせるぞ、リー」
「了解です、どうかお気をつけて・・・」
「ふ〜、やれやれ」
リーは扱いにくい上官がブリッジから消えた途端、ため息をつくと。
「貴様ら!なにをボケッとしているか、ミラージュコロイド解除後、エグザスとダガーL部隊も発進、ナスカ級2隻を行動不能にした後撤退するぞ、時間は余りないのだ、急がんか!」
二人のやり取りをみて笑っていた部下を怒鳴りつけ、自分の役割に専念を始める。一方エグザスのコクピットでは
「今頃リーはブリッジで大声で怒鳴りつけてるだろうな、お堅い軍人はこれだから俺みたいに臨機応変でないと」
ネオは今ブリッジで起きているであろう惨劇を思い浮かべつつ愛機エグザスを発進させる
「ネオ・ロアノーク、エグザス出るぞ!」
- 70 :Hina3-3:2005/12/18(日) 22:45:21 ID:???
- その頃、ナスカ級戦艦ヴォルテールブリッジで、ジュール隊隊長イザーク・ジュールと副隊長のディアッカ・エルスマンはシホ・ハーネンフースと最後の挨拶をかわしていた。
「ジュール隊長、今までお世話になりました」
「こちらこそ世話になった、新造艦ミネルバでのMS隊隊長の任務しっかり務めてくれ」
「はい、でも私に務まるか不安で・・・」
「長年俺の下で働いてきたお前なら大丈夫だ、もっと自身を持て」
「は・・・はい」
「そうそうシホちゃん、キミなら大丈夫だって」
「ディアッカ!横から口を挟むんじゃない、まあ・・・その頑張れ」
「ありがとうございました、隊長、エルスマンさん、みなさんもどうかお元気で」
シホは涙を浮かべて別れの挨拶をすませる
長年ジュール隊で様々な活躍をしその功績を認められ、新造艦ミネルバのMS部隊隊長に任命された
最初は断ったシホだったがイザークからの薦めもあり部隊長になることを承諾したのだ、たまたま近辺が哨戒空域だった為、俺たちが送り届けてやる!とイザークが主張したのだ
部下にも自分に対しても厳しくそれでいて面倒見のいいイザークにシホをはじめとした隊員達は憧れ慕っていて誰も愚痴一つこぼさず従った。
「ジュール隊長、まもなくアーモリーワンです」
「わかった、周囲の状況を確認、異常は無いか?」
「周囲に艦影、熱紋反応ありません」
「よぉし、入港の準備にかか・・・」
イザークの言葉は途中で轟音にかき消される。
- 71 :Hina3-4:2005/12/18(日) 22:46:11 ID:???
- 「何事だ!一体何が起きた?」
「何者かに攻撃を受けました、メインエンジン中破、敵MSいやMAです」
「何っ!レーダーに反応はなかったのか?」
「ありません、突然反応が現れました、後方にMSを確認、所属は・・・アンノウンです」
「馬鹿なミラージュコロイドで接近されて気が付かなかったのか!チィ、ディアッカ、出るぞ、デュエルの発進準備をさせろ」
オペレーターからの報告に驚きを見せたイザーク、だったが冷静に指示を出し自らも愛機のデュエルに乗り込み出撃しようとするがディアッカに止められる。
「おい、待てよ、イザーク!シホはどうするんだよ?」
「シホはミネルバへ向かえ!どうもいやな予感がする」
「え、ディープアームズでですか?」
「どういうことだよ?イザーク」
「忘れたのか?ディアッカ3年前俺たち元クルーゼ隊の初任務のことを」
「初任務って・・・オイオイ・・・まさか」
かつて自分たちが所属していた部隊の任務のことを思い出す、連合軍の最新鋭の機体を奪取した
「そのまさかだ、急ぐぞ!艦長、ヴォルテールは待機、後の指揮はまかせるぞ」
「オウ!」
「了解です」
デュエルのコクピットでイザークはシホに回線をつなぐ。
「こんな別れですまないな部下の扱いに気をつけろよ・・・イザーク・ジュール、デュエル発進するぞ!」
続いて
「またなーシホちゃん、次会うときはイザークとデートの段取りしといてやるよ、またなー、ディアッカ・エルスマン、ザク・ウォーリア発進する!」
「ふふ、隊長、エルスマンさんありがとうございます、私頑張りますね、シホ・ハーネンフース、シグー・ディープアームズ行きます!」
アーモリーワン内へ向かうディープアームズを守るようにMA、MSに向かっていくデュエルとザク・ウォーリア、プラント外でも戦闘が今始まろうとしている。
続く