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木造軸組工法の利点.....古民家は再生できる

 古民家の構造は、太い柱や梁(はり)といった軸材(細長い材料)を互いに堅固に組み上げた、全体としては家が大きな鳥籠のような、木造軸組工法で建てられており、 いまなお一戸建て住宅の建設では最も多く採用されている伝統的な工法です。

 角材を組み合わせて構成される木造軸組み構造の最大の利点のひとつが、部材の朽ちた部分だけを切り取り、そこに新しい部材を組み込むことで置き換えられること。

 木造軸組工法は柱や梁の長さを自由に調節できるため、敷地が狭く変形していても柔軟に対応でき、リフォームや補修などもしやすいのが特徴です。

 さらに、木材で作られている木造家屋は、建物重量が鉄骨造や鉄筋コンクリートに比べれば圧倒的に軽いので、簡易ジャッキで支えながら、 柱の一部を交換することも出来てしまいます。

しっかりした構造材の通っている古民家であれば、増改築で一部を直したり柱をとりかえたりの再施工が容易にできますから、 孫子の代まで伝えられるお宝でもあります。

 このように、たとえ100年以上前に建てられた古民家であろうが、古民家再生では劣化部分だけを交換することで建物全体が蘇り、貴重な財産を現代に復活させられるわけで、 この点が古民家リフォームの醍醐味ともいえます。(2022.6.12)

土台と大引きの連結

     

土台と大引きの連結
【柱・土台・大引きの接合「大入れ蟻掛け」】

本格的な施工の場合、土台と大引きの接合は「大入れ蟻掛け」で行う。

大引きサイズは標準だと90mm角材を使う。  大引きは910mm間隔で土台と組んで設置する。

【「大引き蟻掛け」展開図】

以前は、土台と大引きの仕口は「大入れ蟻掛け」が一般的だったが、いまは簡単な「大入れ掛け」が一般的。

リフォームでは面倒な仕口加工はほとんどしない。  「大入れ蟻掛け」でさえ、よほどの手練れでもない限りまずやらず、 簡単なイモづけ(ドン付・継手や仕口加工なし)と専用金具で固定している。
【土台・大引きの接合....「大入れ蟻掛け」】

」とは、男木(図は大引き)に蟻の頭部形状のような「逆ハの字」加工を施す技法。

女木(図は土台)にはそれが収まる蟻穴を作り?合わせる。  逆ハの字であるため、引き抜きに強度を発揮する。

リフォームでは、趣味人でもない限り、まずこんな面倒な加工はやらない。

大入れ掛け 【シンプルな大引きの仕口...「大入れ掛け」】

以前は、土台と大引きの仕口は「大入れ蟻掛け」が一般的だったが、いまは簡単な「大入れ掛け」が一般的。

リフォームでは本格的な「大入れ蟻掛け」などまずやらず、それどころか、簡単な「大入れ掛け」加工もせず、簡単なイモづけ(ドン付・継手や仕口加工なし)で終えるケースもある。

イモづけでも、専用金具を適切に使えば強度的に問題ないとされる。
【土台の大引きの接合(1)】

大引きとは、床部分の重さを受け止める部材で、両端が土台に架かる。

大引きサイズは標準だと90mm角。   910mm間隔で土台に組まれる。







【土台と大引きの接合(1)...分解図】

「大入れ掛け」加工は、土台を欠いて、そこに大引きを架けるだけ。

一応腰掛は刻む。










    

コーナー・「出入隅角」の納め方

 「納まり」とは、部材の構成や位置関係を整え、各部の材料を見栄えよく、かつ機能的に組み上げること。

屋根の納まりが悪いと、雨漏りが発生しやすくなり、外壁の納まりが悪いと、隙間風が入ってきて断熱性が低下する。

「納まり」は、いかに少ない材料で、構造的に優れた工法を用いるかがキモであり、床と壁 壁と天井など、部材が交わるところをどう納めるのかが重要。     伝統軸組み工法では先人たちの知恵が詰まっている。   「継手」は木材の長さを増すために材を継ぎ足す工法。

   

隅部の収まり図
【出隅部の土台と柱】







【隅柱の仕口・大入れ蟻掛けの収まり】

隅柱の大入れ蟻掛けによる仕口。

ホゾは中心に開けず、強度アップのため材の内側に偏心させている。

横木側面に大入れ欠きと蟻穴を設け、直角に取り合う材の先端に蟻ほぞを付けはめ込む。

【隅柱のホゾも偏心させている】

土台の女木に合わせ、男木(隅柱)のホゾも、仕口に近い方は15mm、外側は45mmと偏心させている。

ホゾは120mm角の場合、厚み30mm、長手は60mm。 長さは90mm。


【大入れ蟻掛け・女木の寸法】

120mm材の出墨位置における大入れ蟻掛け・女木の寸法例。

ホゾ穴は幅30×長さ60mm×深さ90mm。  中心に開けず長手方向に偏心させている。



【大入れ蟻掛け・男木の寸法】







【「大入れ蟻掛け」の納め図】

二つの面が交わる部分が「出入隅角」で、出入り口や角に関わる部分を指すことが一般的。

土台のコーナー部は桁、梁、柱の三方が一か所に交わる。 これは、土台の蟻ホゾに、腰かけを入れた「大入れ蟻掛け」部材の「仕口」例。

建築用語では、隅は出隅(凸型の角)と入隅(凹型の角)に分けられる。
【「大入れ蟻掛け」の横木加工】

「大入れ蟻掛け」は、横木の側面と、それに直角に取り合う材を結合するときに用いられる工法。

通常は桁、梁、柱の三方が一か所に交わる土台の仕口に使うが、桁、梁など、大材に小材を取り付ける場合の仕口としても使われる。

正確にホゾを刻むには、墨線の0.5ミリくらい内側から必ず繊維を切る方向でスタートするのが基本。        ゆっくりスコヤなど使い水平や垂直をこまめに確認しながら焦らずいろいろな方向から少しずつ加工していく。
【直行する材の「蟻ホゾ」加工】

「腰掛け」部分の出っ張りは15mm。

「ホゾ」と呼ばれる突起をつけるのが「男木(おぎ)加工」、そのホゾがささってくるのを受けるための穴を掘るのが「女木(めぎ)加工」。

横材には大入れ欠きと蟻穴、直角に取り合う材の先端は蟻ホゾを付ける。
【柱部分の「ホゾ加工」】

柱先端の「ホゾ加工」。  ホゾの厚さは部材の3分の1が基本。  また長さはホゾ穴の部材3分の2くらい入る長さに。  ホゾ穴底は多少凸凹していても問題はなし。

土台にきざむ「ホゾ」は土台を貫通する長さで組む。   万が一土台が腐っても柱で支えられる。

建築ではやらないが、家具などのホゾ穴には、釘は使わずタイトボンドを流し込む。
【「平ほぞ(横ほぞ)」差し・柱重ねほぞ】

横ほぞを刻んだ土台に、平ほぞを刻んだ土台を差し込み、さらに柱に刻んだ重ねほぞ(重ほぞ)を差し込む。

重ねほぞを下まで貫通させる。 このほぞが栓の働きをして三方の部材が堅固に接合される。 補強は不要。

横ほぞの土台の端は、破損を防止のため150mmほど突き出しておく。
【横ほぞの加工が面倒】

面倒な「大入れ蟻掛け」を使わず土台コーナーを収める加工法だが、平ほぞが差し込まれる横ほぞは、ほぞの突き出し分がスッポリ収まるよう、穴を奥まで掘り込んでおく必要がある。

横ほぞ貫通させてしまえば加工は楽だが、土台が脆くなるし、水分が入り込みやすくなるので避ける。

手順は横ほぞを掘ってから、上のほぞを刻む。






柱と土台の連結

 土台は「コンクリート部分」というイメージがありますが、コンクリートの部分は【基礎】と呼ばれ、土台とは、【基礎】(コンクリート)の上に設置され建物の荷重を支える木材部分を指しています。
   

柱と土台の連結
柱+大入れ蟻掛けの土台 【柱+大入れ蟻掛けの土台(1)】

「大入れ蟻掛け」技法による、柱と土台、大引きの連結例。





【柱+大入れ蟻掛けの土台(2)】

土台の両サイドに「大入れ蟻掛け」を施す。





【柱のホゾ寸法】

120mm角材のケース。  120mm角の土台とつなぐ。



【】










留め仕事

 材を直角45度で接合することを「留め仕事」と呼ぶ。 材の端「木口」から乾燥し割れるので、乾燥をふせぐため、また接合部を美しく見せるために「留め仕事」が必要となる。   窓枠など見せる部分が中に入っているのが「入留め」、角が突き出ているのが「出留め」。      

【留めの加工】

45度に切っただけのものを「大留め」と呼ぶ。 直角に組み合わさっている材を覆うようにして使う簡単な方法。

下が窓枠に使う加工法で、「入留め」の合わせ目がキチンと収まるよう直角にしている。



【】

両側を留めにする方法。





【】

実を差し込むことで、上下の目違いを防止する。





【】












「貫(ぬき)」について

 貫(ぬき)とは、柱を貫通して通す水平方向の部材のこと。  貫工法とは、柱や束などの垂直材に「通し貫」と呼ばれる木材を水平に貫通させ、楔(くさび)によって固定する伝統的な工法。   この工法は、柱と柱を横に繋ぐことで、地震の揺れに対し「めり込み」や「摩擦」を起こして力を「いなし」、建物全体の地震に対する耐性を高める「柔構造」となっている。

 現代の木造住宅で用いられる合板と筋違いによる耐震は、想定外の力がかかると、一気に壊れる危険性があるが、貫が入った軸組は変形性能が高いので、 地震などの外力を受け建物が大きく傾いたとしても、建物本体の完全倒壊を防ぐ効果がある。  繰り返しの揺れにも粘り強く、「貫」が潰れて柱や梁が折れない限り「倒壊」に至ることはない。   さらに、傾いた建物をもとに戻す「復元力」もある。

 2025年の大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」も、清水寺の舞台にも採用されている『貫接合』(ぬきせつごう)という伝統的な工法に、金属部品を組み合わせた新しい工法が用いられている。

   

「貫(ぬき)」について
【古民家の「貫」】

この壁になる部分の柱と柱の間に「ヌキ」と呼ばれる木材を入れる貫工法は、鎌倉時代から用いられ、特に地震などの自然災害に対して優れた耐久性を持つとされる。    かつては貫が重要な構造材でもあったので、30×100mm程度の部材を使い、柱を貫通させて楔(クサビ)でしめた。

現代の木造軸組工法では胴貫(縁)とも呼ばれ、15×45、もしくは15×90㎜の杉材を使うことが多い。  一番上の貫は天井貫と呼び、上から順に内法貫、腰貫、地貫となる。
長押・鴨居の撤去 【「差鴨居」の内部構造】

古民家「差鴨居」の内部には、木造建築 で柱等の垂直材間に通す水平材(貫)が通っている場合がほとんど。

図は梁の左右に長押がある場合で、内部はV字形になっている。

「長押(なげし)」は、和室で賞状などを立てかける造作材で装飾的な意味合いが強く、建物の構造や強度には関係ないとされるが、柱とホゾで接合されており、 多少は利いているはず。
【】












継手の種類

 材木の長さは通常4m程度が最大だが、建築では梁・桁や土台など長さが4m以上必要な箇所がたくさん出てくる。  こんな時には長さ方向に継ぐ「継手」技法を駆使すれば、いくらでも長い材が作れる。

 同じ方向に木材を継ぎ足すのが「継手」。  建築用語の継手とは、材木の長さ方向に木材をつなぐ工法のこと。  継手には様々な種類があるが、一般住宅で多用される継手が「 腰掛け鎌継ぎ 」。    これを知っておけば、セルフビルドで家を建てるときも、継手はほぼカバーできる。

 仕口(「しぐち」または「しくち」)とは、長さ方向でなく直角方向などに木材同士を接合すること。    

代表的な継手
腰掛け鎌継ぎ 【腰掛け鎌継ぎ(1)...構造】

一般住宅建築でも多用される、土台や胴差などの継手に用いる『 腰掛け鎌継ぎ(こしかけかまつぎ)。

男木(おぎ)となる木材の先に鎌首のようなほぞを加工し、女木(めぎ)となる木材に彫った穴に接ぐ技法。

女木には、男木を受ける15㎜程度の腰掛けを加工する。  材のねじれを防ぐために、腰掛けに、目違いほぞを付ける場合もある。

墨線半分くらい男木を軸方向に大き目に作る。  太さ方向を大きくすると割れる原因になる。
腰掛け鎌継ぎ 【腰掛け鎌継ぎ(2)...男木のすべり勾配】

男木、女木とも「鎌首部分」に、高さ10に対して1分、傾斜を持たせた「すべり勾配」加工を行う。





【すべり勾配】

「男木」先端には1/10程度のすべり勾配を付ける。

これがあるため、入れるとき間口は広いが、底にいくにしたがって狭くなっていき、叩き込むにしたがってキツく密着しガタつかない。



腰掛け鎌継ぎ 【腰掛け鎌継ぎ(3)...女木のすべり勾配】

女木の「鎌首部分」にも、下に行くほど裾が開く(狭くなる)「すべり勾配」加工を施す。

「すべり勾配」を設けることによって、入れ始めは余裕があるため簡単に入り、叩き込むにしたがってキツく密着し、ぐらついたりガタついたりしなくなる。





腰掛け鎌継ぎ 【腰掛け鎌継ぎ(4)...太さが違うパターン】

鎌継ぎの墨付けは「さしがね本体」を利用すると楽。

「DIY(日曜大工)で家を建てる・継手の作り方」記事が参考になる。







【「男木」の刻み寸法図・120mm角材】

「男木」は、木の軸方向は墨線半分くらい「女木」側より大きめに加工する。 太さ方向には大きくしないこと。 無理に叩き入れると「女木」側が割れてしまう。

叩いて入れるうちに木の繊維がつぶれて密着していく。

【「女木」の刻み寸法図】

桁などに継手を設ける場合の位置は、柱と柱の中間付近にしてしまうと、上からの荷重に対して弱くなる。

柱芯から300mmほど持ち出して継ぐのが良いとされている。






継手の種類(2)...追掛け大栓継ぎ

 長い材を継ながないといけない場所や強度の必要な場所での継手として使用されているのが「追っかけ大栓」。  水平力による変形で引張り力が働く外周部の梁などで使用される。

追掛け大栓継ぎ   「追掛け大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)」は繊維方向どうしを噛み合わせているため大きな耐力を持ち、継手の中でも最も引っ張り耐力の高い継手。

 木材の最大の引張り荷重は、約5500kg(5.5トン)以上あるといわれますが、この荷重に耐え得る継手が「追掛け大栓継ぎ」。 込栓は4本打ちをしても強度的に変わらないため、 現代は2本打ちが基本となっている。 先端は滑り勾配付き。


追掛け大栓継ぎ

   

追掛け大栓継ぎ
追掛け大栓継ぎ 【追掛け大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)】

顎と襟輪をつけた相欠きで、材同士を引き寄せ、横から込み栓を打つ継手方法で、込み栓を打たないのが追掛け継ぎ。

継ぎ手長さは、梁高さの3倍とり、滑り勾配は1/10ほど。 曲げ、引っ張り耐力は「鎌継ぎ」より優れる。

大地震では大きな引張り力が水平方向にかかるので、外周部の梁などに使われてきた。







仕口の種類

2つ以上の木材を直角やある角度で接合したり、交差させたりする接合が「仕口」。      

仕口の種類
大入れ蟻掛け 【仕口....大入れ蟻掛け】

横木側面に大入れ欠きと蟻穴を設け、直角に取り合う材の先端に蟻ほぞを付けはめ込む仕口のこと。

通常、土台の仕口に使うが、桁、梁など、大材に小材を取り付ける場合、又、柱上での取り合いの仕口としても使われる。



大入れ蟻掛け 【簡易版大入れ蟻掛けの女木寸法】

120mm角の材を使った場合の、簡易版大入れ蟻掛けの女木寸法。




大入れ蟻掛け 【簡易版大入れ蟻掛けの男木寸法】

男木は90mm角材。





【仕口の基本「ほぞ加工」】



【120mm角材のホゾ】

ホゾの厚さは部材の3分の1が基本だが、120mm角材のホゾの厚みは30mm。

90mm角材までなら、ホゾの厚みは1/3にする。

土台に立てる柱のホゾ長さは、土台を貫通する長さにしておく。   万が一土台が腐っても柱で支えられる。






「継手」と「仕口」の違い

 木材同士を接合することを一般に「継ぎ手」と呼び、木材の長さを増すため同じ方向に継ぎ足す「継手(つぎて)」、 直角やある角度で接合したり交差させる「仕口(しぐち)」の2種類があります。

 古来から続く日本建築において、金物(くぎ)のない時代に材同士が引張りで抜けないように、長い伝統の中で様々な「継ぎ手」が生み出されました。  長手方向を繋ぐ「継手」にも、「〇〇鎌継ぎ」、「〇〇蟻継ぎ」などという名称がよく出てきます。

「〇〇鎌継ぎ」とは、男木に「鎌首」のようなホゾ加工を施し、女木(めぎ)には「鎌首」が収まる穴を開けて接合させる技法。

蟻継ぎ」とは、男木に「逆ハの字」のようなホゾを作り、女木にはそれが収まる蟻穴を作り、これをつなぎ合わせる仕口のことで、 逆ハの字であるため引き抜きにも強度を発揮する技法です。

ここでいう蟻(あり)とは、蟻の頭部形状のような「逆ハの字」になった状態を現します。  「蟻継ぎ」は継手にはほとんど使われず主に仕口に用いられています。

 他にも継手のポピュラーなものには、「金輪継ぎ」、「目違い継ぎ」などなど様々あります。


女木には、男木を受ける15㎜程度の腰掛けを加工するのが一般的です。  これは材のねじれを防ぐためと、かぶさる材(上木:うわぎ)をアンカーボルトで締付けることで、受ける材(下木:したぎ)を押さえ付ける目的があります。

 一方、「仕口」には、「相欠き」、「ほぞ差し」、「四方差し」、 「大入れ」、などがあり、さらに確実に継ぐために、大入れ加工をプラスした、大入れ蟻掛けが用いられることがあり、土台の仕口などに利用されます。(2022.8.11)




継ぎ手のルール(1)......女木(めぎ)は元口

 丈夫な構造にしたかったら、なるべく長い材料を探して使えば、継ぎ手の技法を駆使する必要ありませんが、木材の規格もあってなかなかそうもいきません。

どうしても継ぎ手で接合しなければなりませんが、その接合時のポイント..........「女木(めぎ)は元口(もとくち・木の根っこ側)」、という鉄則を守ること。

 「女木」は「元口」のほうを加工すべし、ということで、そのわけは「元口」は木の先端(末口・すえくち)に比較して、繊維の密度が高く頑丈なので、 「男木」が「女木」に接合されたとき開きにくい(破損しにくい)から、とされています。   「女木は元口」、というのは継ぎ手技法のイロハ、お約束事なのだそうです。

 ただ、残念ながら「元口」の見分けはこの道何十年といったベテランの職人さんであっても間違うこともあるそうで、シロウトが簡単に「元口」など判別できません。
※......簡易判断として、材に三角の木目が出ていたら、広いほうが「元口」の可能性が高い。

 鉋(かんな)がけをするときも、「元口」「末口」の区別は大事で、『鉋がけは、"木表は末から元へ"、"木裏は元から末へ"』というのが職人さんの常識だそうです。
板面のなめらかさは、末口から削る場合と元口から削る場合で変わる場合があるから、ということのようです。

プチ情報........床柱は、密度が高い元口を下にして、木が生えているのと同じ状態に立てる。
屋根の垂木(たるき)は軒先に元口がくるように揃える。


継ぎ手のルール(2)......ホゾの厚さは部材の3分の1

ホゾの厚み寸法  材同士をしっかり接合させるためにはホゾとホゾ穴の密着度が大切です。

ホゾの長さはホゾ穴の部材3分の2くらい入る長さに。

またホゾの厚み寸法は部材の厚さ3分の1が基本など ホゾ継ぎのルールがあります。



 ホゾ穴の底はいずれボンドを流し込むので多少凸凹していても問題はなし。

 継ぎ手がキレイに見えるのは部材同士の接合面が一本の線になっているからこそ。   ホゾの胴は平らに加工されていないと接合が不十分となりきれいな線が出ません。  ひげ剃りと同じ要領で削る面に水をつけながら削るとうまく加工できます。

 「木ごろし」というテクニックで、ホゾの角をカナヅチで叩き丸め、ホゾ穴に入りやすくします。


継ぎ手のルール(3)......土台ホゾは貫通する長さで

ほぞ継ぎ手  土台と柱を接合するとき、柱となる材の両端には、「ホゾ」と呼ばれる突起物が加工されるのが一般的です。  それに対し、受ける接合相手の土台には、 「ホゾ穴」と呼ばれる「ホゾ」を差し込む穴が掘られます。

 ここでのポイントは土台にきざむ「ホゾ」は土台を貫通する長さで組むということで、土台が120㎜の太さなら「ホゾ」の長さは120㎜にするわけです。

 貫通していないと雨漏りなどの場合「ホゾ穴」に水が溜り腐りやすくなり、さらに柱の「ホゾ」が土台を貫通しているということは土台下の基礎にまで柱が達しているわけで、 万が一土台が腐っても柱で支えられる、というの理由だそうです。   でも最近はこのような加工がされていない家造りも多いそうです。

 木は山で伐ってからも生きていて、約200年間は強度が上がり続けるそうです。  法隆寺(創建年607年~)で使われている檜は、今でも伐った時の強度と同じというのですから驚きです。

伸びたり縮んだりしているとされる木ですが、長さの方向の伸縮は横方向に比較しそれほど大きくないそうです。  特にホゾは木の芯の部分ですから腐りにも強く圧縮強度もあります。

 長いホゾにすることで木と木が接する面積が多くなり、その分応力も大きくなりますから家の強度や耐久性にも有効です。


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