節電について 〜気持ちよく電気代を減らしましょう〜

正しい節電に努めましょう

 節電、とても大切なことです。
 が、やり方を間違えると、大した効果も無い割に、不利益ばかりを被ったり、他人に迷惑を掛けるだけになってしまいます。
 ここでは、素人ではありますが家電に一家言を持つ(?)管理人の、偏った節電に対する考え方をクドく述べていきます。
 ところで、節電には単に電気代を減らすためと、電気の供給量が間に合わない時のピークカット・ピークシフトがありますが、ここでは簡単化の為に「気持ちよく電気代を減らす」という目標に限定して説明を行います。
 ピークカットは夏場にエアコンの電気を切れば良いだけですので、敢えてここでは詳しい説明を行いません。
 ちなみに1ヶ月あたりの電気代の計算は、以下の計算式で簡単(おおざっぱ)に行えます。

 消費電力[W]×使用時間[h]×30[日]÷1000×25[\/kWh]

 100Wの家電を毎日8時間使った場合の1ヶ月の電気代は、100×8×30÷1000×25=600円 です。
 もちろん電気代には燃料代だの割増料金だの割引料金だのあって上下しますが、そういう突っ込みを入れられる人はより精密な計算が出来ると思いますので、他のページでも見てください。

QOL(生活の質)を落とさない節電

 「我慢は厳禁」とよく言われます。ところで今漢字変換したら、我がATOK先生は「我慢は現金」とか変換してくれやがりましたが、ケチってハシタ金を手に入れた後で病気になって死んだらタダのアホですよね。
 それに、節電するために色々我慢していたり、辛いのに耐えているようでしたら、少々の間は保つかも知れませんが、ず〜〜っと継続的に節電を行うのは無理です。人間、そこまで我慢強くありません。いつか必ず無理が来ます。
 そうならないために、つまりはずっと無理せず幸せに節電を行うために、まずはどういう点に気を付けなければならないのかを説明していきます。

命を掛けてまで節電しない

 最近は数値設定まではない物の、やはり節電が求められています。ところが、管理人の家もそうですが、すでにほとんどの家電を最新の省エネ家電に切り替えていて、しかも、もうこれ以上どうしよう無いほど節電に努めている場合、電気の使用量を控えるといったら、単に季節家電(エアコンやヒーターの類)の利用を減らすしかありません。
 しかし、ゼータクでエアコンを使っているならばともかくとして、体調維持の為に仕方なく使っている人も多いはずです。特に、自宅で療養中の人や、体力的にハンディキャップがある人です。
 そういった方は、はっきり言って節電などする必要はありません。他の若くて体力の有り余ってる連中ががんがん節電してくれますし、それに健康を害してまで節電するだけのメリットなどありません。万が一体調を崩して救急車で運ばれて入院するようなことになれば、他人に迷惑を掛けるばかりでなく、結局エアコンをケチった以上に医療機器で電気を使う羽目になります。
 節度あるエアコンの使い方を実践して、早く元気になって社会に貢献してください。

QOLを落とさない為に

 つまりはメリハリを付けろという事です。
 マンガを読んでいるときはテレビを点けないとか、誰もいない部屋の照明を点けっぱなしにしないとか、窓を開けてエアコンを全開にしないとか、極端に冷房を効かせて厚着をしないとか、そういう事です。
 この国での生活は、すでにある程度電気を消費しないと満足に営めない様になっています。これは贅沢だの楽をするだのではなく、それが文明国に生きる我々の当たり前の生活様式なのです。今更夜の照明をランプに変えろだの、ご飯を炊くのに薪と釜を使えだの、洗濯板でゴシゴシ服を洗えだの言われても、ハイハイとは従えませんよね?
 マトモにこの国で社会生活を行うためには、むしろそういった事は全部家電に任せ、我々は人間でないと出来ない仕事なり作業に邁進しなければなりません。むしろそれを期待されているわけです。
 さて、生活の質や作業効率を高めるために利用している電気を減らした場合、もちろんその負担は人間に降りかかってきます。自宅で節電するために、例えば会社での仕事を減らすなんて、基本的に許されませんからね。そして、その負担は必ず辛さに変換され、結局節電を挫折させる大きな要因になります。
 前項でも書きましたが、生活に負担を掛けるような節電をした結果、ストレスを溜めたり病気になってしまったら、まったくもって節電の意味が無いどころか、治療のために逆に多く電気を使う羽目になるかもしれません。
 だからこそ、本気で辛いと思う節電はやってはいけないのです。あくまで、継続的な我慢が可能で、しかも効果のある節電をしなければならないのです。

総コストを考える

 いくら節電をしたところで、やり方がまずければ電気代が多少落ちる代わりに他の料金がとても高くなることがあります。
 この夏のピークカットでは、緊急避難的に多少のコスト増も避けられないといったこともありますが、この文章ではあくまで「気持ちよく電気代を減らす」事が主眼であるので、節電のために大金を払う様なやり方は敢えて否定します。
 他のコストを増やさずに、節電するのが賢い消費者と言えましょう。

家電の寿命は電源の入り切りで決まる?

 電源の入り切りで寿命が大幅に縮まる機械は、一旦動かし始めたらある程度動かしっぱなしにした方が総コストの削減に大幅に寄与します。
 ところで節電の基本は、

  1. 省エネ家電に切り替える
  2. 弱運転する
  3. こまめに電源を切る

 ……等が挙げられます。
 さて、たぶんお金が一番掛からない2は良いとして、3の場合はやり方を間違えると家電の寿命を著しく縮め、結果的に高い家電を何回も買い換える羽目になる場合があります。
 例えば蛍光灯。これは使用時間よりも、電源の入り切りで寿命が大きく左右される代表格です。一般的に、1回電源を入れるのに、1時間点けっぱなしにしていたのと同じ位の寿命が縮まるのだそうです。
 とある記事では「照明も数分間使わないのならば、切った方が電気代が掛からない」など書いていましたが、確かに電気代だけを見るとそれは間違いではありません。
 しかし、1回電源を入れる度に1時間分の寿命が削れる蛍光灯を、数分おきに入り切りした場合、カタログ値通りの寿命時間は保たないと思われます。
 例えば寿命が6000時間の蛍光灯を毎日8時間分点け、その間に電源の入り切りを1日で30回した場合、1日の利用時間はとてもおおざっぱに計算して38時間分になります。
 もし1日での電源の入り切りを2回にした場合は10時間であり、結局その蛍光灯を使っていられる日数は、前者が158日、後者が600日になります。
 極端な計算ではありますが、実際我が家で以前使っていた蛍光灯型の防犯灯は、毎夜点滅を繰り返していたので半年も保たず、しょっちゅう蛍光灯を取り替えていました。さすがに今はLED型に交換しましたが。
 また、皆さんが今にらみつけているPCの場合、中に入っているHDDはほぼ起動回数で寿命が決まる機械です。機械の寿命的には、一度電源を入れたらずっと回りっぱなしの方が調子がいいくらいのものです。
 大概のPCでは、節電のために数十分アクセスがないときはHDDの回転を止めるようになっているでしょうが、このままではPC利用時に何度も起動と停止を繰り返し、どんどん寿命が削れていきます。
 最近はHDDの値段もだいぶ安くなっているので、寿命を短くしても電気代を安くしようといった考え方もあるでしょうが、HDDの消費電力は3.5インチのものでも8W程度です。例えばこの8WのHDDを24時間動かしっぱなしにしたときの1ヶ月の電気代は、144円程度になります。
 普段の使い方ではより電気代は少なくなるでしょうし、5000円から10000円位するHDDの価格と釣り合うくらいに電気代を削減するには一体何ヶ月掛かるのでしょうか。大概その前にHDDが故障し、電気代の数倍の修理費用を高頻度で払う事態になりかねません。

何でも省電力の物に買い換えれば良いという物ではない

 省電力のために家電を買い換えるにあたり、いつ元が取れるのかをしっかり計算しなくてはなりません。
 例えば以前、我が家で運用していたサーバには8Wの外付HDDが1コ付いていました。これを、より省電力な物に変えようと思い、さっそくネットで調べてみると、2.5インチの外付ドライブの消費電力が3Wであり、都合5Wの省電力が可能でありました。
 で、その3Wの外付HDDの値段は、サーバ運用をすることからそれなりのメーカー品チョイスするとして、約10000円。そして、5W分の1ヶ月の電気代は、80円です。つまり125ヶ月経たないと、省電力にした分の元が取れないことになります。普通10年経ったら間違いなくそのHDDは天に召され、ぶっちゃけ3台くらい交換してるでしょう。
 後で詳しく説明しますが、10年選手のクーラーだの冷蔵庫だのは確実に電気代で元が取れるので交換した方が良いのですが、5年くらい前の電化製品はそれなりに省電力に気を遣った構造になっているので、むやみに交換しても元が取れ無いどころか、環境負荷をいたずらに増やすだけで全く良いことがありません。

何でも大切に使えば良いという物ではない

 無意味に電気を大食いする古い機械は、すぐに取り替えましょう。
 もちろんこういう議題で挙げられる家電は、クーラー(エアコン)と冷蔵庫と電球ですが、探し方としては24時間電源が入りっぱなしの物を調べてみると良いです。
 つまりドライヤーなどはやたら電気を食いますが、使っていても1日30分程度ですよね? こういうのは見た目に反して電気を使わないので(1ヶ月の電気代は、1200Wととして450円)、一見電気を使っていないように見えながらも延々と動いてるヤツを最優先で当たっていきましょう。
 例えば冷蔵庫の場合、消費電力を200Wとしたら1ヶ月の電気代は3600円になります。これは結構高いですよね。最新型の冷蔵庫の場合、この金額が520円程度(カタログ値より抜粋)になります。差額は3080円です。冷蔵庫の値段が15万円だとしても、6年くらいで元が取れます。冷蔵庫はだいたい10年は使いますので、総コストとしても安くなり、極めて有効な節電と言えます。
 我が家は20年選手の冷蔵庫を使っていましたが、新しいのに変えたら電気代が次の月から2000円落ちました。
 また、温水便座の類では、最近の物は人がトイレに入ったときだけ電気を使う物があり、こういった物でも十分な節電効果が得られると思います。

実際に電気代を減らしましょう

 上述のような屁理屈を元にして、実際に気持ちよく電気代を減らす方法について考えていきましょう。
 何度も言いますが、絶対的な電気代の削減は目指しません。あくまでQOLと電気代削減の間を取った、折衷案です。
 ですので、一般的に言われている節電術を完全否定することも多いです。むしろ、使う時間を短くしろとか、そういう当たり前のことはいちいち書きません。よく言われる節電術が、総コスト的に正しいのかといった見方で攻めていきます。

節電効果がほとんど無い家電

 最新の家電は、待機電力が0.1Wだのと極端に低く抑えられているため、いちいちコンセントを抜いても全く意味がありません。
 では何故家電メーカーのWebに「使わないときはコンセントを抜きましょう。」と書いてあるかと言えば、そういう風に書いておけば波風が立たないからです。
 世の中には何にでもケチを付けて大騒ぎするしょうもない人種が居ますよね。そういう連中にイチャモンを付けられないために、わざわざ家電が壊れるようなことでもコンセントを抜けと書いているわけです。
 とは言いつつ、季節家電とかはコンセントを抜きましょう。さすがに3ヶ月以上使わない家電のコンセントを抜く行為については、無意味とは思えません。

レコーダー

 待機電力は0.1W程度なので、いちいち使わないときにコンセントを抜くとかは全く効果がありません。
 むしろ録画予約を失敗するとか、電子番組表のダウンロードが出来ないとか、ファームウェアアップデートに失敗して壊れるとか、弊害ばかりが目立ちます。
 それに頻繁にコンセントを抜き差しすると、コンセントのプラグや内蔵のスイッチング電源が壊れます。スイッチ付きタップを買ってきても、0.1Wの待機電力では年間の電気代は20円なので、全く元が取れません。
 労力とお金の無駄遣いです。
 なお、どうしても節電に協力したい場合は、クイックスタート機能をOFFにしましょう。レコーダーの起動にやたら時間が掛かったり、HDMI経由で番組録画が出来なくなったり、DTCP-IPで余所のプレーヤーから再生出来なくなったりと色々楽しくなくなりますが、月に150円くらい電気代が減ります。

テレビ

 これもレコーダーと同様です。最新のデジタル家電は、基本コンセントに刺しっぱなしが良いです。
 なお、テレビにはたいてい画面の明るさに関して「省電力モード」という物が存在しますので、これを有効活用しましょう。少々画面が暗くなってコントラストが甘くなりますが、別に目が悪くなるわけでもないので大いに活用するのが良いと思います。
 また、お店からテレビを買ってきて、一度も画質調節をしたことがない人。テレビの工場出荷時は、とにかく画面をギンギンに明るくするモードになっています(”ダイナミック”とかその辺の名称)。これは、店内が明るい家電店でも画面を目立たせるための姑息な悪知恵ですので、今すぐにリビングとかシネマとかの、若干暗いモードに変えてください。普通の一般家庭では、それでも十分に画面が明るいです。
 そもそもダイナミックのモードは無理矢理画面を明るくしているため、絵が白飛びしていたりコントラストがつきすぎていて目に悪いだけでなく、電気を馬鹿食いします。それに機器の寿命も短くなります。百害あって一利なしの最悪な状態です。
 テレビのコンセントを外すような無駄な事はしなくて良いので、まずは画面のモードを環境と電気代とご自分の目に優しい状態に変えてください。

電球型蛍光灯

 省電力の最有力候補であるLED電球と比べて、特段省電力性能は劣っていません。むしろ電球型蛍光灯を使っているならば、敢えて取り替えるのは無駄です。そいつが潰えるまで使ってあげましょう。
 なお、電球型蛍光灯も電源の入り切りで激しく寿命が縮まります。総コストを考えるのならば、頻繁に入り切りを繰り返す位なら10分くらい点けっぱなしにしておいた方が良いかも知れません。そのほうが長持ちします。

節電効果がそれなりな家電

 ここでは、工夫とほんの少しの手間を掛けるだけで、それに見合う以上の節電が出来ることを説明します。
 あくまで我慢したり、生活に支障が出るような無理な節電は行いません。

PC

 PCの待機電力は思いの外大きい(〜20W)ので、使わないときはコンセントを抜くのも悪くないです。
 または、背面に主電源のスイッチがある場合には、これを切っておきましょう。
 ノーパソの場合でも、使わないときはACアダプターをコンセントから外しておきましょう。ACアダプターが刺さっていると、基本バッテリーを延々と充電するために電気をせっせと消費します。そして、その状態はバッテリーの寿命を極端に縮めてしまうので、良いことが一つもありません。
 ただし、気を付けなければならないことが一つあります。
 PCを使わないとき、OSをシャットダウンして完全に電源を落としていたり、休止状態にしているならば問題無いのですが、スタンバイなどではメモリー素子に電気を流さなければならないため、PCは電気を必要とします。
 もしスタンバイの時に電源を落としてしまうと、OSは最初から起動することになり、かつスタンバイに入る前にデータを保存していなければ、綺麗さっぱり消えてしまいます。
 スタンバイを使うなと言っているのではなく、スタンバイを使っているならばむやみにコンセントを外したりしないように注意しろと言いたいのです。

古いAV家電

 古いAV家電とかは、待機電力が10W位あるものも多いので、場合によってはコンセントを抜いてしまうのもありかと思います。
 VHSのビデオとか、現役ではない物のまだ動いている物は多いでしょうが、もう録画予約をしている物はあまり無いでしょうし、そういった物は思い切って使うときだけコンセントを入れるのが良いのかも知れません。
 ただし、可動部を持つ家電は、せめて2ヶ月に一回くらいは動かしておかないと、グリスが固まったりして故障の原因になります。

食器洗い乾燥機

 洗浄だけさせて、乾燥はさせない方法がお勧めです。
 この機械はけなげに汚れたお皿を洗ってくれる働き者ですが、そのぶん電気を喰います。特に洗い終わった後の乾燥工程では、ヒーターを全開にして乾燥させるので特に電気を喰います。
 ところで、洗浄にお湯を使っている機種の場合(食洗機自体がお湯を沸かしているタイプも含む)、洗い終わった直後は食器自体がお湯のために熱くなっていて、洗浄後に食洗機のふたを開けていれば、その熱で勝手に乾燥してしまうものです。
 こうすれば食洗機のメリットを享受しつつ、乾燥に掛かる電気代を減らすことが出来るので、とても気持ちの良い節電が実現出来ます。

洗濯乾燥機

 温風乾燥を使わずに、送風+部屋干しにしてみましょう。
 ヒートポンプ式はあまり電気を喰わないのでそれなりに使えばいいと思いますが、一般的なヒーターの場合、洗濯では60W程度なのに比べて乾燥では800Wと、結構電気を喰います。
 ですので、洗濯機で最後まで乾燥させるのではなく、乾燥工程を単なる送風にして洗濯物からあらかたの水分を飛ばしておき、その後部屋干し(もちろん外で干してもok)にすれば、洗濯槽の中で服が絡まってしわくちゃにならずに済み、また雑菌の繁殖も普通に部屋干しするよりかは抑えられるため、洗濯物から異臭がする悲劇を回避することが出来ます。もちろん電気代は、送風なら10W程度に抑えられるので、大幅に安くすることが出来ます。

節電効果がある家電

エアコン(夏場)

 部屋を暖めないことと、室外機を冷やすことが大切です。
 例えば、窓にはすだれを掛けて日光を弱くしてみるとか、カーテンを閉めて窓から日光が入り込むのを防ぐのが良いです。
 特に我が家のようなボロ屋の場合、窓ガラスは一枚なので、全く断熱が効いていません。はっきり言って、窓を全開に開け放ってるのと大して変わりが無いのです。
 そんな状態でエアコンを回しても、室外を冷やしているのと一緒であり、それこそ電気代をどぶに捨てているのと変わりありません。エアコンを無駄に全力運転させるくらいなら、カーテンを閉め切って照明を点けた方がマシかも知れません。
 次に、室内の熱を室外に放出している室外機を冷やす事について考えてみます。
 我が家では、室外機に古い風呂のふたをかぶせて日よけにしているのと同時に、たまに室外機やその周りに水を掛けて冷やしています。
 これは、日光によって室外機を暖めないこと、水の蒸発によって周りから熱を奪い、室外機から効率よく熱を放出させることを目的としています。
 定量的な測定は出来ていませんが、普通の夏だった2009年に比べ、積極的に室外機に打ち水をしていた2010年のクソ暑い夏では、2010年の方が電気代が2000円程度下がっていました。
 ちなみにエアコンは2007年に変えてあり、特段家電の構成は変わっていません。
 なお、古いエアコンは電気を駄々漏れで使う全力運転と、室内のファンだけ動かしてヒートポンプを完全に止めるのを交互にしているだけであって、めちゃくちゃ効率が悪いです。現に我が家では新しいエアコンに変えてからは、より冷えるようになったのにブレーカーが落ちることが少なくなり、もちろん電気代も安くなりました。
 よく「何でもかんでも新しいのに変えるのは、生産時や廃棄時にCO2を大量に排出するので全くエコじゃない」とか言う人間が居ますが、エアコンや冷蔵庫に関しては全く当てはまりません。
 確かに動いている物を捨てるのはかなり可愛そうではあるのですが、それは捨てるのではなく、新しく生まれ変わってきてもらうのだと考えましょう。まともな電気屋に引き取ってもらったエアコンや冷蔵庫は、綺麗に分解されて新しい機械の原料になります。いつの日か自分の家に新しい製品になって戻ってきてくれますので、勇気を持って一時的なお別れをしましょう。

扇風機

 効果的に使うことで、エアコンや洗濯用の除湿器の効率を上げることが出来ます。
 エアコンの温度を28度に設定した場合、夏場は暑くてやってられないと思います。こういうときは扇風機を併用しましょう。いやになって設定温度を26度に設定するよりも、電気を喰いません。扇風機はだいたい40Wくらいですので、1日8時間使った場合の1ヶ月の電気代は240円くらいです。
 また洗濯物を乾かすために除湿器を使う場合も、扇風機の風を洗濯物に当てているだけで、乾く速度が段違いに速くなります。結果的に除湿器(消費電力は180Wくらい)の稼働時間を減らせるために、節電になります。

オーディオ

 本気で音楽を聴くときと、耳が寂しいから音楽を流しているときのメリハリを付けましょう。
 管理人が使っているオーディオは、音を全く出さなくても耳が痛くなるまで大きな音を出しても、だいたい35Wくらいの消費電力で動いています。
 休みの日はほとんど点けっぱなしにしているので、これがまた結構な電気代になります。
 そこで、一つ開き直って、ながら聞きの音楽はデジタルフォトフレームのMP3再生機能に代替させました。これなら消費電力が8W程度なので、電気代を1/3に落とす事が出来ます。
 ちなみにウチのアンプはデジタルアンプなので30W程度ですが、より気合いの入ったA級アンプなどを使っている場合は、ヘタすればエアコンと同じ位に電気を喰うことになります。
 ところで、ウン十万のオーディオセットを揃えている人でも、本気で音楽を聴くときと、単なる作業BGMとして音楽を流している時では、音に対する要求が全然違いますよね?
 つまり、どうでもイイ感じで音楽を垂れ流しているときは、電気を喰わない機械で音楽を流しましょうと、そういう提案です。
 で、本気で音楽を聴きたいときには、我慢せず鼓膜が割れるまで聞き込みましょう。そういうメリハリを付けていれば、電気代はそれなりに減ってくると思います。

節電に努めた結果どうだったのか

 いくら他人様に大仰な口を叩こうとも、実践しなけりゃ屁理屈との誹りは免れません。
 実際に管理人がやったこととその結果の一部を晒し、結果を考察してみましょう。

前提条件

 管理人の家や節電した項目など、基本情報を提示します。

 それでは、実際にやったことの細かい説明を紹介します。

自室のエアコンを使わなかった

 2011年の夏は、自室のエアコンは1秒も点けませんでした。
 何日か寝られないくらいに熱い(暑いではなく熱い!)日もありましたが、それなりの根性入れれば特に問題無いですね。むしろ冷えすぎで風邪をひくこともなく、例年よりも体の調子は良かったです。
 ただし、扇風機はフル稼働で一晩中回してましたけど、エアコン点けるよりかは遙かに電気代は安いはずです。

リビングの冷房は28度+扇風機

 リビングのエアコンは温度設定を28度にし、暑く感じる時は扇風機を回しました。
 会社だと仕事していて脳が加熱するとか、扇風機なんて使えないとか色々ありますが、自宅なら扇風機くらいはガンガン回せるので結構涼しかったです。
 むしろ体を冷やしすぎることもなく、健康にはむしろ良いのではないかと思いました。
 なお、窓の外にすだれを掛けたり、エアコンの室外機に水をぶっかけるのも例年通り行いました。

自室の暖房は18度+足下ヒーター+厚着

 20度ではありきたりなので、18度で挑戦してみました。正直寒さが死ぬほど苦手な管理人にとって苦行そのものでしたが、とりあえず心停止に至ることなく冬を越せたので良しとしましょう。
 ちなみに心強い武器となったのが、足下を暖めるヒーターです。これに足を乗っけておけば体の芯からポカポカしてきます。もちろん温度設定は「低」が基本です。
 ちなみにそれでも寒い場合は、部屋の中でダウンジャケットを着てやり過ごしました。
 ただ、今年の冬は20年ぶりにインフルエンザに掛かったので、やはり我慢しすぎだったのかも知れません。来年はもう少し色々考えたいです。

リビングの暖房はストーブ+サーキュレーター

 例年のリビングの暖房は、エアコン(28度設定)+大型ファンヒーターでも寒い!と言ったひどい有様で、週一で20リットルのポリタンで石油を買っていた位でした。
 2011〜2012年の冬は、とにかく風通しの良すぎる部屋をどうにかするということで、以下の施策を実行しました。

 上記施策を行った状態で、エアコンは点けずに単なる石油ストーブのみで暖房を行いましたが、外が零下に下がっても室温は25度をキープし、特段寒さを感じる事はなくなりました。石油を買う頻度は約1/2になり、暖房に掛かる諸経費をかなり削減出来ました。

自鯖のシェイプアップ

 我が家の自鯖は365/24で動いているので結構電気を喰います(以前は毎月2000円分くらい)。
 以前はサーバ機+NAS2台+バックアップドライブ2台といった潤沢な構成でしたが、NASを廃止し、現在ではサーバ機1台の構成で稼働させています。(現状毎月1440円位)
 これでも全然ドライブ容量には困っていないので、以前がどれだけ無駄な構成だったかとつくづく反省しました。
 またUPSもずっと電源を入れたままにしておくと無駄に電気を喰うので、計画停電や天気が悪そうな日のみ電源を入れる運用にしています(そもそもUPSも2台使っているので、片方だけ使うようにした)。

自室の照明をLEDに変えた

 管理人は全てに渡ってオーバースペックが大好きなので、6畳の部屋に150Wの照明(14畳用)を付けています。
 この照明はここぞという時のみに利用することとして、普段は自動車用のLED(3Wくらい?)を天井に張り付け、あとはデスクライトの明るさで作業を行っています。部屋はかなり暗い(捜し物は出来ない)ですが机は十分照度が取れているので目が疲れることもなく、不自由はありません。

その他

 他にも以下のようなセコい節電を行いました。

 これらの各種節電について一つ一つ定量的なデータが取れれば良かったのですが、さすがにそんなことをしている暇もないので、結果として我が家のここ2年間の電気料金の推移(テポーレのグラフ)を載せてみます。

電気の使用量グラフ

 これは2012年3月に取得した画像なので、グラフの黄色は左端の3月のみ2011年、4月以降は2010年4月〜2011年2月のものです。また赤色は左端の3月のみ2012年であり、4月以降は2011年4月〜2012年2月を示しています。
 震災以降(つまりグラフだと4月の赤い方)節電に努めてきましたが、とりあえず全ての年で前年を割ることが出来ました。特に去年の8月はかなりの削減を実現出来ています。なお、2012年の冬はえらい寒かったのでエアコンが電気を喰ったようで、大幅な節電が出来ませんでした。2013年の冬は、例えば窓にプチプチを貼るなどよりいっそうの工夫が必要かと思います。

 ちなみに、余所様の同様なご家庭と比べてそもそも電気の使用量が2倍近く多いってのは分かってはいるんですが、いかんせん我が家には先の自鯖と家の大きさに不相応な50吋のプラズマテレビがあるので、こいつが激しく電気を喰ってくれます(2008年モデルなので消費電力は350Wくらい)。
 もちろんテレビの使用時間も可能な限り削ってはいますが、趣味で買ったのに全然使わないっては色々違うと思うので、そこは適当にメリハリを付けています。(だらだら使わないで、見ないときは見ない。見る時はガツンと5.1chでめいっぱい大音響を鳴らす。何のためにホームシアター作ったんだか分からないから)
 節電で色々辛く感じる事もありますが、出来ない我慢はしないという事と、非常識な浪費をしない限りはたまにぱーっと電気を使うという事を守っていれば、十分QOLを保ったままで効果的な節電は可能であると考えます。
 また、今回の一通りの節電で感じたことは、発想の転換は必要だということです。特にリビングでの節電は、当初家族から非常な抵抗を受けました。
 上述の節電(と言うより断熱)の施策ですが、当初は以下の意見で全否定されていました。

度重なる地震で隙間の空いた部分に段ボールを突っ込んで目張り
→段ボールなんて突っ込んでもすきま風は直らないから駄目
大きいカーテンに買い直して、窓からの放熱をシャットアウト
→床を擦るカーテンが大嫌いだから絶対駄目
サーキュレーターを買って天井に溜まった熱い空気を循環
→サーキュレーターなんて置く場所無いから駄目
キッチンに続く引き戸を閉めてリビングのみを暖房
→キッチンが寒くなるから絶対駄目
断熱シートの上にジュータンを敷き、床下からの冷気をシャットアウト
→ジュータンが汚れるから駄目

 施策の説明をすればしただけ家族は怒り狂い、終いには口も聞いてくれなくなる始末。しかし状況の甘んじていてお金をどぶに捨てるような事を続ける財力など我が家にはあるわけもなく、後ろで延々愚痴を言われながら、全て実際にやってみるという強行手段に出ました。

段ボールなんて突っ込んでもすきま風は直らないから駄目
→実際に段ボールを突っ込んで、すきま風を無くした
床を擦るカーテンが大嫌いだから絶対駄目
→カーテンと床の隙間を段ボールや板でふさぎ、部屋の温度が急上昇することを実感させた
サーキュレーターなんて置く場所無いから駄目
→扇風機をひっくり返して置いて、部屋の温度が急上昇することを実感させた
キッチンが寒くなるから絶対駄目!!
→リビングが思ったよりも暖かくなるので、キッチンが寒くても納得いく事を認めさせた
ジュータンが汚れるから駄目!
→安いジュータンを買って使い捨てだと納得させた(もちろん5年は使うでしょうけど)

 結局、全ての施策をやった後の家族の意見は、「何で今までこうしなかったのだろうか」というものでした。もちろんQOLが落ちるどころか、毎年の冬よりも暖かいリビングで過ごしやすく、しかもファンヒーターを使わない為室内が石油臭くならないので、むしろQOLは増したと思われます。(キッチンの寒さは結局いつもと変わらなかった。むしろ厚着をするようになったので無駄に寒くなくなった)
 節電はよっぽどおかしな事をやらない限り、取り返しの付かなくなることもありませんので、色々チャレンジしてみるのも良いと思います。
 こういった試行錯誤を繰り返しつつ、今後の我が国のエネルギーを考えていきたいですね。

節電に努めた結果どうだったのか パート2

 2013年の冬も、前年と同じように節電してみました。ただ結果から言うと、同じようなことしかしなかったので電気代もほとんど変化はありませんでした。
(ただし同じ事を今年も出来たので、決して無理な行動では無いことは立証されたでしょう)

電気の使用量グラフ

 一部グラフが上下していますが、算出範囲のずれや、気候変動分かと思います。また2013年では、自室のエアコンは設定温度をだいたい20度にしました。おかげで風邪もひかずになんとか乗り切ることが出来ました。(調子の良いときは18度、何となく体調が悪いときは22度と、メリハリをつけました)
 ところで今年はサンワサプライのCHE-TSTCLWというワットチェッカーを導入し、電気をどのくらい使っているのか見える化を行ってみました。もちろん機械自体の値段が偉い高いので、総コスト低減には全く反しているのですが、知見を増やすための勉強代だと思って買ってみました。
 設定値よりも電気を使うとアラームが鳴ったりするので、家族がそれに合わせて無駄な照明を切ろうとするなど良い傾向が見受けられますし、人が居ないときの電力を見ることで我が家が常時使っている電力が約380W(273kWh/月)ある事がわかりました。この部分がそのまま余所ん家と比べてそっくりそのまま電気代が高くなっているのがよく分かります。ちなみに380Wの内訳は、100W分が自室のUPS、80Wが自鯖、残りが冷蔵庫やその他家電の待機電力です。どうやら諸悪の根源は全て自分のようです……。どうしましょう(涙)