第51回 他者の出した結果を勝手に失敗扱いする愚

 この駄文を書いた前日、H3ロケットの打ち上げが上手く行きませんでした。
 現時点で分かっていることは、LE9の起動後に異常を検知、SRB-3への着火を中止したことで、発射シーケンスが中断された、という事です。
 まぁ個人的には「打ち上げは失敗」と表現してもそこまで違わないか?とも思ってはいるのですが、後の記者会見でJAXAの中の人が「中止」と説明していたにも関わらず、記者が執拗に失敗と決めつけて掛かり、あまつさえ意味不明な捨て台詞を吐くという、なんとも程度の低い醜態をさらした報道機関がありました。
 この報道機関はもともと反日的な記事が多くて嫌いでしたが、今回の事象でパブリックエネミーに認定しました。今後はここの言うことは一切信用しない様にしたいと思います。
 まぁそんな感情論は良いとして、例えばJAXAの説明を真摯に聞いて、それで社内の規定に照らし合わせて失敗だと捉えて記事にするのは構わないと思うのですが、しかし今回の場合は、どう見てもJAXAを陥れようとして誘導じみた質問を繰り返しておりました。頭の悪いイキりバカの典型ですね。醤油差しをなめ回すガキと同等レベルです。
 しかし本当に理解出来ないのは、そうやってJAXAを陥れて、日本(=日本国民)に何のメリットがあるのか、という事です。そもそもロケットの打ち上げは学者やJAXAの趣味でやっているのでは無く、国家の安全保障上絶対に必要だからやっているわけで、例え上手く行かなくとも、少なくとも断罪するのでは無く、責任持ってやれと叱咤激励するのが筋という物でしょう。「国民が期待してるのにこんな有様でどう思ってるんだ、こんな体たらくでは困るんだ!!」と怒り狂った記事の方が遙かにマシというものです。
 けど今回の事件?でひとつ思った事は、以前はこういうことが起こると平気にJAXAに悪口を言うバカ共が多く沸いていた物ですが、ワリとJAXAの肩を持つ意見が多いという事ですね。
 もちろんイキりバカが酷すぎるというのもあるでしょうが、地味に国産ロケットの重要性が浸透してきているのかと、こう言っては何ですが安心しました。
 なお、今回のH3ロケットの打ち上げは通常の打ち上げでは無くあくまで技術実証であるので、最悪打ち上げ途中でおかしくなって指令爆破となって、本気で失敗しても仕方のないフェーズです。だってこの世界では誰もH3ロケットの発射を成功させた事は無いのですから。
 ところで日本のロケットの父と言われる糸川先生は、実験で失敗しても「成果だ」と言い張っていたそうです。確かに望む結果が出なくとも、逆に上手く行かないやり方が分かったのだから、次からはそれをやらなければ良い。それってノウハウですよね。

 失敗を断罪するのは良くないという(当たり前の)意見が延々出ますが、いつまで経っても日本人は自分の失敗は美談にしたがるクセに他人の失敗には不寛容。そういうのが巡り巡って今の日本の凋落に繋がっているのだと、いい加減理解すべきでしょう。

<2023/3/24追記>

 ……なんて事を書いてありましたが、その後のリトライで見事指令爆破(涙)
 もう生きてて辛い。
 なんで上手く行かないの。
 てゆか、上に『最悪打ち上げ途中でおかしくなって指令爆破となって』なんて書いたオイラが悪いのか? 悪いのか………。
 個人的に、今回のH3ロケットの打ち上げ失敗自体はそこまで心配していないのですが、ダミーウェイト代わりにだいち3号なんて実用衛星を突っ込んでしまったJAXAのお金の無さ加減がつくづく心配です。
 この国は本気で技術を育てる気が無いか? 隣の国は四六時中ミサイルをポコポコ順調に打ち上げているのに、こっちはこんな体たらく。
 もう色々歪んでませんか? 今の子供らに、どれだけの負債を抱え込ませる気なのか。こんな技術革新が停滞した国を押しつけるのが、正しい選択だと思っているのか……
 色々な意味でがっかりな事象でした。

第52回 令和の最新VFXにもやもや

はわわちゃん

 深夜アニメの録画をぼーっと見ていると、最近のぱんつアニメは大切な部分?に可愛らしいマークが付くことが多く。
 まぁ色々大人の事情は分かるのですが、もう、何ていうか、鬱陶しいの一言なんですよねぇ。
 いや、大切な部分が見えないから鬱陶しいのではなく、いちいちそんなマーク付けるほどの物かよとか、だったら構図で上手く隠せばいいじゃんとか、BD買えって事ですよねよく分かりますとか……。
 もちろんアニメの内容が個人的にオキニならばぱんつの有無関係無くBD買いますけど、逆にぱんつ見たいだけのためにBD買えませんよ……。よその人はどうなんでしょうかね?
 そしてその鬱陶しさを余計に感じさせるのが、マークを入れるレギュレーションに達していないアニメだったら、例えば着替えシーン何かはまんま下着が描かれますが、マーク付きのアニメはそういう健全?アニメよりもマークを多く入れる傾向にある気が。
 つくづく鬱陶しいですねぇ(さっきと言ってることが違く無いか?)
 ぶっちゃけ、家族団らんの目にとまる時間帯のアニメならばともかく(むしろ自分だってそんな時間帯のアニメに下着を描くなと言いたい)、マニアしか見ない深夜アニメだったらもう少しレギュレーションを緩くするか、そもそもマークが必要無いような絶妙な構図にしろよと思いますね。だいたい所詮はアニメ、マークが無くったって大したことなかろうと。
 また最近は配信も多いですから、例えば無料に近い配信はオコサマも見る可能性が高いからマーク入りの健全Ver(マーク入れたら健全なのか?と、今書いてて余計にもやりました!)にしても良いとは思いますけどね。
 もちろん有料BSならばケシカランVerで放送しているのはよ〜〜く存じておりますが、むしろ無料で放送している方が手間を掛けてマーク入りの健全Verというのも、BD販促を鑑みると資本主義的には正しいのだろうけど、なんかやっぱり間違ってね?とも思う今日この頃です。
 あと、この手の話をすると、こういうケシカランコンテンツが性犯罪を助長するとか抜かす現実と創作の区別も付かないバカが必ず涌いて出ますが、性犯罪を犯すヤツはアニメがあっても無くても犯すし、万が一我が子がそんなアニメの感化されないか心配ならば、そんなしょうもないアニメを見させないようにするか、自分でしっかり教育しろと声を大にして言いたく。何でもかんでも他人任せにするなと。無責任にも程がある。
 だいたい、アニメみたいなので適当にガス抜きさせるのが健全なオトコノコを育成する上で大切かと思うのですがね。ぶっちゃけアニメのキャラにいくら欲情しようとも他人様には全く迷惑掛けませんが、溜まった矛先をクラスの女生徒やら近所の幼女に向けるような結果は不幸としか言い様がありません。
 正しい男女平等は、どっちかが一方的に我慢するのではなく、お互いの事情を鑑みて引くところは引く、ケジメを付けるところはしっかりケジメを付ける、くらいで良いのです。同様に、他人の趣味にもいちいち口を出さない事ですな。それが世界平和に直結するのです。
 という事で、ちゃんとBD買いたくなるようなぱんつアニメはどこかにありませんかね?(コラ)

第53回 令和に98を弄って想う

 この駄文は98弄りを拗らせすぎてしまったオッサンの戯れ言ですので、気にしたら負けです。
 さて98のメーカーサポート終わってから、早13年が過ぎようとしております。
 その間世間では腐れた86音源ボードが異常に値上がりしたり、大した音の出ない内蔵用のMIDIボードが異常に値上がりしたり、大人しく486機でも買えば良いのに286用のCPUアクセラレータが異常に値上がりしたりと、既に生産していたメーカーがあるのか無いのかよく分からん感じに成り果てた98に対する投棄だか投機だかが延々続いている状況です。
 そんな中で、よその人が発信する貴重な情報をチラ見しつつたまに想うのですが、今更NECの悪口言っても仕方ないのに、未だグダグダ55ボードガーとか高値戦略ガーとか、既に当時のメーカーの姿が消え失せてるこの現状で、昔を懐かしんで言うのではなく、本気で不満を垂れ流しても全くで意味が無いだろうということですね。
 ええ、分かります。そりゃ98は今のPCに比べたらクセが強い(というか、当時のPCなんてみんなそんなもんだって事を分かってないヤツが多すぎる)ので扱いが面倒だから、ついつい愚痴は出ますよね。
 リソース設定を間違うとすぐに止まるし、機種毎に微妙に相性が違うので鉄板的な設定は無いし、そもそもハード的にも寿命を通り越してるから設定間違いなのか壊れているのかよく分からないし、ネットにはNXシリーズと区別も付いてないバカが垂れ流す嘘ばっかりだしと、ロクなもんじゃありません。
 なので昔を懐かしんで「せめてこれがこうだったら良かったんだけどね〜〜」ならば本当にその通り!って感じではありますが、現行機種に対するクレームじみたことを喚いても、そんなもんクソの役にも立たないどころか、見ただけで不愉快になるので辞めて頂きたく。
 だって、それって何も建設的なところが無いじゃないですか。
 万が一、NECの98を作っていた部隊が今も健在で、普通に国産PCをブリブリ作っているのならば、今後の経営判断にフィードバック出来る可能性はありますが、その部隊は既に解体され今ではレノボになってしまっているこの現状。98全盛期の様に、単一メーカーのPCが日本市場を席巻するようなことは今後はあり得ません。既にPCに求められる価値も社会構造も20年前とは変わってしまい、今更98に学ぶことなど何も無いのです。
 そりゃ若い人たち(98が現役の頃にまともに触った事無い年代)が今更98にのめり込んで、そこで理不尽としか思えない制限や設計にぶつかってどうにもならなくなれば、愚痴の1つや2つを垂れる気持ちは分かりますが、ぶっちゃけそんなものは、もう一台高性能な98を買ってくればだいたいどうとでもなるお話です。
 98が現役だった時代は、当たり前ですがウン十万円する98を複数所持なんて到底出来ようも無く、目の前にある寸足らずの98をだましだまし使って“なんとかする”しか無かったのです。そんな地獄を十数年味わった我々からしてみたら、今の若い人がしょうもない理由で98やらNECに悪口言ってるのなんて、レベルが低いどころかお門違いのモンクレかと思う状況ですね。
 正直、DOSゲーやるなら超高速で動くPentiumが入ったValuestarなら数万円で状態の良いものがいくらでも買えますし、Cバスが足りないならもう一台適当な98を買えば良いのだし、そこまでお金出したくないならエミュレーターで動かせば良いだけです。
 今更性能の低い実機に拘ってネットに当たり散らすくらいなら、お金にモノを言わせた方が100倍マシです。だって98なんてよっぽど変な機械を買わなければ、5万円も出せばほどよいマシンをいくらでも買えますからね。そして10万円も出せば、専門の業者さんがしっかりメンテした完全な機体だって買えます。そんなお金は出せない? だったらそんな人は現行のPCにでもしっかりお金を使って、98なんぞエミュレーターで動かせば良いだけです。機種による制限やら相性に不満があるなら、愚痴を言う前にその制限が無い機体にさっさと買い換えれば良いだけです。
 20年前と違って、特に個人ユースで今更98を実用するなんてあり得ません。だから制限やらしょうもない相性に悩む事すら趣味の一環として楽しむべきであり、愚痴を通り越して批判するようなことは本末転倒であって、そんなヤツは98を弄る資格は無いと断言しておきます。(もちろん楽しむ過程でこぼれる愚痴には最大限の同意をいたします。だいたい愚痴の中身は正しいので)
 先にも書いたとおり、98はサポート終了から10年以上経っていることから「既に終わったもの」であり、我々はその残滓を懐かしんでいるに過ぎません。
 たまにステキな同人ハードが出て業界がざわつくことはありますが、本筋と言えば滅びが決まった過去の遺物なのです。既に回答は出ています。そこに未来は無く、ただ、出てしまった結果をなぞることしか出来ないのです。
 であるならば、98に数多くある理不尽?な機能制限やら互換性問題やらは、それを作り込んだメーカーを無意味に批判をするのでは無く、なぜ当時そういった経営判断に至るしか無かったのか、当時の背景や考え方、技術的な制限についてエビデンスベースで正しく理解するのが、未来を生きる我々だからこそ出来る98に対する接し方ではないでしょうか。そして他にやり様がなかったのかなんてのは所詮後知恵であり、そんな歴史ifみたいな自慰行為は脳内リソースの無駄遣いです。(当時に我々が散々やらかしたので、今更若い人たちが考える必要は無いのです。何度も言いますが、98は終わった物なのです)
 そんな感じで98を見れば、あちこち寸足らずで使いづらい機種ではありますが、より愛着が湧いてくるのかも知れません。
 所で。
 いくつかある98の理不尽的な各種制限ですが、個人的な役に立たない経験談でも晒しておきます。

55ボード問題

 55ボードなんて高級品(純正品は全て値段が高いので、個人は安いサードパーティーの製品を買うものです)は触った事無いのでどうでもいいです。
 だいたいNEC製のHDDしか買わせない施策だとか中二を炸裂させてるヤツも未だ多いですが、当時のSCSIの非互換性が相当なレベルだったと勉強すれば、こうせざるを得ない理由も分かろうというもの。今みたいに規格がきっちり決まって無いので(それだけNECが先進的な規格を取り入れていた証拠でもある)、今の常識で考えるのがそもそも間違っているのです。
 ていうか、今更55ボードなんて使い道が無いので、愚痴る必要性すらありません。他のSCSIカードでも使えば良いだけです。

いちいち値段が高い

 たまに本気で勘違いしてるのがいますが、98はオモチャでは無く産業機械(=仕事で使うもの)なのです。(88は家庭用ですが)
 だから絶対に安定して動くことが求められていたので、家庭用で使うには色々と過剰品質でした。(保守もあるしね)
 そもそもメーカー希望小売価格が高くても、お店だとそれなりに値引きして売られていたので、言うほど値段が高かったという事は無かったですが。あと個人では前にも書いたとおりお安いサードパーティーの製品で固めるので、NEC純正の値段なんて笑いの種になるくらいで我々には全く関係ありませんでした。

AT機と比べたら遅い

 DOSアプリだったら、98でもほとんど同じ速度で動くんじゃないですかね?
 PCIバス搭載機は、インテルのチップセットだけで動いているAT機に比べて、Cバスやらのバス変換が大量に入っているため速度が出ませんが、そういうのはWindows時代の話なのでここでは語りません。Windowsが使いたければ、Win11が入ってるミニPCでも買って下さい。
 むしろ当時のAT機だとビデオカードやらストレージ系で色々リソースの設定やらドライバの組み込みが必要で、98以上にセッティングが難しかったかと思います。買ってきて電源入れた瞬間から普通に日本語が表示出来る98しか使っていなかった当時の日本人は、相当甘やかされていたと考えるべきかも知れませんね?

Cバスが足りない

 確かに音源が内蔵されていない98に、音源ボードとSCSIとウィンドウアクセラレーターボードとLANとMIDIをどうやって繋げるんだ!というのはありますが。そういうのは当時我々が散々NECを呪ったので、今更愚痴る必要はありません。
 大人しく音源入りの98でも買ってくればそれで万事解決です。今更LANを繋げる必要も無ければ、SCSIでストレージを増やす理由もありませんよね。
 NECとて営利企業、当たり前ですがラインナップに高級機と廉価版を揃える必要があります。となると、今更廉価版の98を弄って拡張性が無いなどとほざくのは愚の骨頂。そんなモンは捨てて大人しく整備品のA-MATEでも買いましょう。いくら値段が高騰しているとはいえ、10万円も出せば余裕で良い物が買えます。
 当時、50万円出さないとどうにもならなかった我々に比べたら、遥かに良い世界になったといい加減理解しましょうね??

相性問題

 今のデバイス(ストレージやら各種拡張カードやら)はほぼ規格がかっちり決まっているので、だいたいどんなデバイスを繋いでもそれなりに動きますが、98の時代はそれこそSCSIやIDEが出たばっかりとか、そんな状況でした。だから本体にIDEぽいコネクタがあるからってそこに現代(といってもIDE自体が終わってますが……)のIDEデバイスを繋いでもちゃんと動きやしません。たまに「IDEのコネクタが付いているのだから、全てのIDEデバイスと繋げられない設計が悪い!」みたいな事を言う奴がいますが、そういうのは現在の常識であって98が現役の頃には当てはまりません。むしろ火を噴かないだけマシ、というものです。
 いくら一言で「98」と言っても、9801と486世代の9821、PCIバスが載ってる9821ではそれぞれ設計思想が違いますからね。互換性に差が出るのは当然というものです。むしろそこまで中身が違っているのに、同じプログラムがほぼほぼ動く互換性を維持していたのは、本当に凄いことなのです。
 で、そこまでの互換性は不必要!ってひともたまにはいますが、個人ユースではそうなのかも知れませんが、98はあくまで業務機。万が一互換性に問題が出たら、倒産するユーザー企業だってあったかも知れないので、おいそれと互換性を削る事は出来無かったのでしょう。
 むしろ我々はそういったことを検証出来る立場にいるので、より考察を深めていくことが必要なのです。

 ちなみに、個人的に今でもNECに対してむかついている事はといえば、NXシリーズにPC98-NXなんて中途半端な名前を付けたことです。
 おかげで純然たるAT機のNXと98の区別も付かないバカが大量発生して、ヤフオクの98コーナーに大量のNXが並んでいるという、最悪な状況が発生しています。つくづく邪魔で仕方ない!!←結局これが言いたかっただけかよ

第54回 ネットを見たから出来ます?

 たまに職場やら他のところで聞きますが、今まで自分がやった事がない事に関して、「ネットの通りにやれば良いので」なんて浅はかなことを考えているのが多いので若干辟易しております。戯言第20回あたりにもちょっと書いた事ですが、余計に状況が悪くなってる気がするので改めて。
 特に最近ではY○utubeあたりにとても有用なハウツー的なステキ動画がたくさん上がっていて、中に出てくるナイスなゆーちゅーばーな人たちがいとも簡単に物を修理したり工作していますよね。
 よく分かります。
 そんなの見ていたら、自分にも簡単に出来る気がしますよね。少なくとも、同じ様にやれば、同じ様な結果が得られると。
 ええ、よく分かります。それはだいたい無理ですから。
 ちなみにこの駄文では、特にチャレンジを否定する物ではありません。誰だって初めてはあるのです。だから「やるな」なんて無粋なことは決して言いませんよ? しかしいきなり手を動かす前に、一旦深呼吸して、ちょっと考えて欲しいのです。
 それ、危険性は無いですか、と。
 例えば絵を描くとか、お掃除マイスターに習ってお部屋の片付けをするとかいうのは、常識的に考えて特段の危険性は無いので「考えるな、感じろ」で良いかと思います。グズグズ考えてないで、むしろさっさと手を動かせと。
 しかし家電や自動車の修理、はたまた他社に納品するシステムの構築作業など、万が一”やらかした”あとにどれだけのペナルティ、例えば人死、損害賠償、収監の可能性があるのかをよくよく考えて欲しいのですね。
 まぁ田んぼのど真ん中の一軒家に一人暮らしをしているならば、例えば修理失敗した家電が燃え上がって家を焼いても、最悪自分が燃えれば良いだけなので大したことは無いでしょう。
 けれど街中の家で火事を出す、高速道路で車が暴走する、システムが止まって秒で億の損害が出る、なんて状況に陥ったら、アナタ一体どう責任取るつもりですか?という事です。
 だから何かやらかしたときに他人の財産に迷惑が掛かるような事は、ちゃんとその道のプロにやって貰うことが必要でしょうし、最悪自分でやるにしても、確とした知識を身につけて、少なくとも権威あるところから信用されているソースを元に作業を行うべきなのです。
 だから一般人の方が情報発信されているソース(Webの記事やY○utubeの動画など)は内容の正確性に関係無く、リスクが高い作業のエビデンスには不適ということです。当たり前ですが、このWebの情報だって全部嘘っぱちですので、決して信用してはいけません。ネットの情報なんてそんなもんなのです。
 またプロ(もしくはそれに準ずるスキルを持ったアマチュア)の方が配信していたとしても、一般向け動画として成り立たせる為に作業の細かい部分は削られていますし、その作業を行う為に必要となる知識やノウハウは動画にはほとんど含まれません。だからY○utubeの通りに作業をやったとしても自分の手は動画の通りには動きませんし、ちょっとでも動画と違う事象に出くわした場合は、そこで終了のお知らせとなります。
 ここで1つ、管理人が大好きなハンダ付けの話を1つしておきます。
 ハンダゴテ、例えばDAIS○にも結構良さ気なのが売ってますよね。
 もちろん100均のハンダゴテだって、しっかりハンダゴテとしては使えます。しかし、例えば家電の修理などに使えるかというと、それ無理です。特に表面実装のパーツを100均のハンダゴテでどうこうする場合、確実に部品や基板を壊して終わります。
 こんな事は、その辺の作業をウンザリするほどやった人には常識以前の事なのですが、少なくとも温調付のハンダゴテ(最大値で80W以上)と修理内容に合った専用のコテ先、フラックスは絶対に必須です。そもそも温調が付いていないハンダゴテはコテ先が450℃くらいになるのですが、それは基板にハンダ付けにする用途としては温度が高すぎて部品を壊します(基板へのハンダ付けの場合、コテ先の温度はざっくり350℃くらいがよさげ)。だからそういうコテで無理矢理基板に部品をハンダ付けする場合は、水を含ませたスポンジでコテ先を冷やしてほど良い温度に下げた後にハンダ付けする、などの作業を延々繰り返すことになります。
 普段ハンダ付けしない人は、こんな事知ってました? 管理人が上げている動画でハンダ付けしているシーンがたまに出ていますが、コテ先の温度をいちいち変えている所など一切撮影しませんし、説明にも出しません。そういうのが、動画に出てこない隠れたノウハウ(場合によっては常識)になります。あと、鉛筆みたいな形をしたコテ先では、そもそも表面実装の部品を付けたり外したりは出来ません。万が一動画でやっていたとしても、それは背景に凄まじいスキルがあってのものだと思う必要があります。
 上記のような情報は、敢えて探せばY○utubeにたくさん出ているのでしょうが、それを自分のスキルやノウハウとして使える様になるには、相当の経験が必要になります。だから最初は簡単な物のハンダ付けの数をこなし、慣れてきたら難しい部品の取付や取り外しを行う等、段階を踏まなければなりません。その辺の特訓をウン十年やってきた人の動画のマネをしても、絶対に同じ様な結果を得ることは出来ません。
 取りあえずハンダ付けを例に出して説明しましたが、車の整備でもシステム開発でも同じ様なことです。そもそもY○utubeでそれなりの動画をエラそうに出している連中は、動画に映っている後ろで100倍くらい失敗を重ねてその域に達している古兵ですので、簡単そうにやっていても鵜呑みにしてはいけません。
 だからネットの情報を元に作業をするなら、まずは自分の命だけで済むことからはじめましょう。それ以上に被害が及ぶことは、やってはいけません。

<2023/8/14追記>

 あともう一つ。
 これはネットに上げている方(=自戒)に対してですが。
 よっぽどのアホ以外、特にプロとして活躍されている方の動画やネットの記事は、間違い無く事実であって、ほぼほぼその通りに作業を行えば正しく良い結果が得られ、そしてたまに含まれるTipsは我々ド素人にとって得がたい貴重な知識となります。(管理人もいつも勉強させて頂いております!)
 しかし、よくよく注意して欲しいのですが。
 あなた方が真心込めて一生懸命説明している言葉を、受け手側が100%あなたの想定通りに受け取っているとは思うな、という事ですね。
 例えば自宅の電気配線周りのDIYで、電気工事士の免許が要るかどうかでやたら燃え上がりますが、その辺どう思われるでしょうか。
 管理人は、正直言って「簡単な工作でも電気工事士を持ってないならやるな」と明言しておきます。
 で、そこでむかついた(電気工事士を持ってない)あなた。あなただったら、工作してもだいたい問題無いのですよ。なぜかというと、そこまで屁理屈こねるくらいに独学で勉強しているので、頭の悪い間違いは絶対しないからです。
 問題は、例えばプロが言った「こんな簡単な工作は、日本以外ならシロウトでもやってることです!」なんて言葉を鵜呑みにして、“何の知識もないのに”やれオーディオ用のコンセントだのブレーカーだのをシロウト工事で取っ替えたりする様な事です。
 つまり、『知識のない奴(アホ)ほど、他人の言葉を自分にとって都合が良い取り方しかしない』という事ですね。
 先の「こんな簡単な工作は、日本以外ならシロウトでもやってることです!」の真の意味は、“電気の一般常識を持ち合わせていれば、まず施工間違いはしないような簡単な作業”という事ですが、アホは“知識がなくても誰にでも出来る作業”と勝手な勘違いをするのです。
 配信者の方がいくら「ちゃんと勉強して下さい」と言っても、そんな言葉は全く耳に入っていません。むしろ勉強しなくても作業して良いだなんて勝手に思い込みます。
 だから普通のビニールコードを壁にステープルで打ち込んでみたり、より線の接続をよじっただけでガムテープで捲いてみたり、N側をアースに繋いだりと、コンセントでLとNを逆に繋ぐ可愛いミスはどうでもいい位にヒドいことを平気で行うわけです。
 先にも書いたとおり、施工した奴が自分で燃え死ぬくらいならどうでも良いのですが、家族や近所までいっしょに燃やされたら溜まりませんよね。
 ぶっちゃけ電気工事士の免許なんて真面目に勉強すれば誰でも取れますので、それくらいの事は最低限としてやれと。それすら出来ないような奴は、自分の無知が家族や隣人を焼き殺すという覚悟をもって工作に挑んで下さい。
 そして配信者の方は、資格には利権がどうとか言う前に、あなたの言葉を自分の怠惰(必要な勉強すらしない)の大義名分に使う馬鹿者がいることを重々承知の上で、ほんの少しだけ言葉を選んで動画作りをすることをお勧めします。
(アホほど自分が何かやらかしたら「あの人の動画を見てやったんだからオレには責任が無い!」とかほざくものです)
 あ、ちなみに管理人は「動画で言う(書く)ならシロウトがマネしても責任取れ」とか抜かす怠惰の馬鹿者の言うことは全否定しております。動画を見て何かやるなら、そんなものは100.0%自己責任であり、何かあったら勝手に一人で死ねというのが基本コンセプトであります。
 けど、たまに自分の行動にも責任を取らない(=勉強しない)輩の言い訳に使われそうな極論(もちろんよく分かってる人が聞けば正しい事なのだけど……)を述べている方がたまに居られますので、そういった方の真心が踏みにじられないようにちょっとだけ心配になった管理人のお節介でありました。

 ちなみに上記では電気工事士を例として上げましたが、車の車検も同じ。車検が要らない!なんて真面目に言ってる人は、ほぼほぼ車の知識があるからオイル交換やらブレーキフルードのメンテを気に掛けるからどうでも良いのだけど(放っておいても自分でやるでしょうし)、車を買って一度もエンジンオイルを交換しないで、2〜3年経ってエンジンが焼き付いてからディーラーに「初期不良だ!」なんて怒鳴り込んでくるうすらバカとか結構居るらしいですし、そういう輩を強制的に排除するために車検ってのは大切だなぁと、つくづく思うものです。
 もし日本に車検が無かったらどうなるのか、Y○utubeあたりで海外の自動車整備の動画("customer states"で検索する)でも見て下さい。
 オイルパンを剥ぐったらスライムが出てくるとか、錆の腐食でボディからサブフレームが完全に分離しているとか、車の下でプロペラシャフトが踊っているとか、もう筆舌に尽くしがたいのばっかりですから。
 日本で車検が無くなったら、こんな海外のよりもヒドい整備不良車両が溢れかえります。日本車だったらそんな事は無い? バカを言うなと。上記動画には、そんな悲惨な事になった日本車が山のように出てきます。
 だから頭ごなしに車検が要らないとか言ってる車ヲタク諸氏におかれましては、日本国民全員があなた方みたいに車種と年式を言えばエンジンの型番がすぐに出てくるとか、ミッションの構造をすらすら言えるとか、LSDの効用を理解していると思わないで下さい。大概の連中は、エンジンオイルの交換が必要である事すら理解してないバカばっかりなのですから。

第55回 Y○uTubeで動画を晒す理由

 他人から人としての器が小さいと言われ続ける管理人がY○uTubeで面倒くさい動画をいちいち晒している理由を以下に挙げます。これは管理人の意義を理解しろとかそういうのではなく自戒の為に書きだしたものなので、賢明な皆様におかれましては華麗にスルーすることをお勧めいたします。

紹介動画の場合

 これはFDDとかプロッターの動画のことですね。
 以前どこかに書き散らした様な気もしますが、直接的な理由と言えば、他の諸先輩が作った動画がキモくて見てらんない!というのがあります。
 例えばFDDの紹介をしている様な動画では、静かな部屋で黙々とASMRの動画の如くFDDの駆動音を聞かせてくれれば完璧なわけです。
 しかし大概の動画では、電車や車の環境音や生活音(ペットの鳴き声や撮影者の鼻息、カメラのタッチノイズ)がやかましく全然FDDの駆動音が聞こえないし、生活感がキツすぎる汚い部屋がまる見えで照明は暗くピンぼけでばかりで、FDDの説明がしたいのか自分の黄ばんだ万年床を見せたいのか、意味不明な動画が多すぎるからです。
 あと30年前のPC起動したった!とかいって当時の汚い環境そのままの状態で撮影している奴も多いですが、そんなに自分の性癖を全世界に晒して楽しいですかそうですか。貴方自身にタレント性があるならそれは大変貴重な資料ですが、知りもしない人間の萌えたデスクトップとかキモいので見せないでください。
 もちろんこっちだって動画撮影しているので、作る動画から生活の痕跡を完全に消すのは相当厳しいことは重々理解していますが、それだって限度って物があるだろうと、つくづく思います。
 なので少なくともFDDの動く様を見せたいのならば、可能な限りFDDの動作や駆動音だけを映した動画とはこういうもんだと見せつけさせたく、動画づくりをしています。
 プロッターの動画では、機器の動作映像としては非常に綺麗に撮られたものが多いのですが、如何せん「その絵をプロッタに描かせるの?」的なのが多くて、辟易したので自分で素材と動画を作りました。
 プロッタはあくまで紙の上でペンを動かして絵を描かせてナンボの機械です。それをビットマップ画像から無理矢理ベクトルデータ化したような素材や、点描ばかりさせて何の意味があるのかと。全くプロッタの存在意義を示しておりませんね。
 なんで管理人は一筆書きっぽく、ちゃんとペンの移動でしっかり線を描ける絵を作って、描画する順番までしっかり管理したデータを作成してプロッタに絵を描かせています。
 まぁ萌え絵ばかり描かせているのは単に趣味ですけどね。ぶっちゃけデータ作成はかなり手間が掛かるので、管理人のモチベーション維持のためにはどうしても絵の傾向が偏るのです。これは仕方ない無いことなのです……。
 とか言いつつプロッタの利点を活かせる直線だけで構成されたパーツも意図的に入れこんであるので、プロッタという機械の特性はしっかり把握出来る最低限の情報は入っているハズです。

修理動画の場合

 だいたいにおいて、そんな事は98をマトモに使っている人間なら動画を見るまでもなく普通にやってるわ!的な程度の低い整備内容をいちいち動画にしているレベルの低いのが多いので、ガチぃ修理動画を晒してイキる為に作っています。
 他でも色々書き散らしていますが、電気を流す物の修理って危険が伴います。だからこそ、自分が何やってんだかよく分かってないようなバカが作った間違いだらけのクソ動画なんぞ駆逐する為に、修理ってのは最低限こうやるもんだ!と分からせる内容にしています。
 なので「とりあえずやってみた!」とかを全否定する為に、故障の原因は何なのか、それはどうやって導き出したのか、どう修理すべきなのかをしっかり説明したうえで、修理内容はわざと細かい部分をぼかして動画づくりしています。毎度動画の最初に「真似するな」と字幕を出していますが、管理人の作る動画はハウツーものでは無くたまにやらせも入ったドキュメンタリーなのです。そのまま猿まねしても修理は失敗するけど、その動画の説明の奥に込められた方法論をしっかり理解出来れば、自分が目の前にした故障品の修理に少しだけ役立つ、といったコンセプトになっています。
 あと、ウチにある機器はそんなに良い物ばかりではありませんが、少なくともこの程度の精度や品質がある測定器は使えやという意味も込めて、わざわざ測定器や治具を映している時もあります。
 別に中華製の機械が性能悪いとか言うつもりは全然ありません。ぶっちゃけ結構物は良いしちゃんと使えます。ここで言いたいのは、しょうもない動画には用途と機械の選択が間違っているのが多いって事です。つまり動画作成者のスキルが全く伴っていないから、間違った道具を選択して、間違った測定をして、間違った結論を出して、その結果運良くたまたま修理が完了出来たから動画にでっち上げただけなのです。まぁ当たり前ですが、そんなの見ているとイラつくだけですよね。
 最近Amaz○nで売ってる様な安くて多機能な中華製の測定器ですが、多機能故にシロウトには使うのが難しい機器が多い印象です。その測定器がどういう原理で測定をしているのか理解したうえで適切に使わないと、間違った値を出しかねません。シロウトだから安いので練習をとか考えがちですが、中華製の測定器にはその方法論は全く当てはまりません。国内メーカーの単機能でお節介機能が一切無いもので勉強した方が良いです。そうしないと、中華製の測定器にはお節介機能がてんこ盛りなので、その機能・影響を熟知していないと間違った測定方法をしているのにそれっぽい値が出てきてしまい、故障原因の追及に致命的なノイズになります。中華製の測定器は、まともなメーカーの機器で一通り動作原理を理解した「分かった人」が遊びで使うのに楽しい機械であって、シロウトが手ェ出すもんじゃないです。

ソフトの使い方

 これも、よくわかんないけど適当にやったらリターンキーを連打したらなんか動いたwww的なクソ動画が散見されてムカついたので作っています。
 相手はコンピューターなので、必ず正しいタイミングで正しい手段で操作しないと上手くいきません。全てはロジックなのです。その場の気分で上手くいった、なんてことはあまり発生しないのです(なんで「あまり」なのかというと、98は色々不安定なのでそれなりの頻度でバグったり上手く行ったりすることがあるのです……。本気でクソうざい機械ですね……)
 であるので、よくわかんないけどwwwとかバカなコトを決してほざくことなく、なぜこうしなければならないのか理由を説明したうえで、多分正しいと思われる方法論と目指すべきゴールをしっかり説明したうえで、あとは視聴者の皆様に丸投げする様な動画を作るようにしています。
 もちろんアプリの使い方はユーザによって千差万別であるので「こうしなければならない」というシーンはごくごく一部に限られるのですが、それでも原理原則と最低限のノウハウの説明はあってしかるべきでしょう。そうしないと、折角動画を見ても「何かテキトーにヤレ」しかやってねーし、オイラのモニタに出ているエラーの原因が分かんねー、なんて残念な事態にしかなりません。少なくとも、見てくれた方にはその時間を裂いて貰った分だけはメリットを提示出来ないと存在意義がないのです。

 たまにコメントで「イタイ動画www」とか書く奴も居ますが(まぁそんなクソコメントは速攻で消してくれますが)、管理人のスタンスが気に入らなければ履歴から消して二度と近づかなければ良いだけです。しかしいくら字幕の内容がふざけていても、説明自体は正確性を自分なりに吟味して載せていますし(保証は出来ませんが)、自分で言うのも何ですがかなり真摯に作っています。その理由は「正しい知識を広めるため」の一言に尽きます。逆に、それだけ見るに値しない動画が溢れかえっている、という事ですね。
 もちろん何が正しいのかは賢明なる視聴者様が個々でしっかり見極めて、管理人の作る動画にも騙されることなく、ステキな動画ライフを楽しんで頂ければと思います。