裏「青の炎」
目を覆うようなヘタクソがいないのが、この映画のいいところだ。
惜しかったのは、あややが演じる福原紀子の背景がほとんど描かれないこと。
「友達との付き合いがあまり多くなく、犬を飼っている」ってことくらい。
本人の演技はがんばっているのだが、秀一の魂の救いとなるべき重要な存在なのに、これではキャラが薄すぎる。
都合のいい天使か?
あややが演じているため、それもありなのか・・・。
お母さんの秋吉久美子。
この人、男運の悪いお母さんが最近の定番だ。
ってゆーか、それ以外を見た記憶がほとんどない。
あの疲れた表情があってるのかな。
妹の鈴木杏。
これはもう、手放しで「いい」と言える。
出番はそんなに多くないのに、ものすごく印象に残る卓越した演技力だ。
主役の二宮も、ジャニーズとは思えないほど(いや、ジャニーズにそれほど演技力が高い印象がないもので・・・)微妙な心理を演じきっている。
頑なに「ロードレーサー」という呼び名にこだわっていたのに、一箇所だけ自分から「自転車」と呼ぶシーンがある。
そこが心を許した瞬間なのだろう。
自分は完璧なつもりなのに、やっぱり穴だらけになってしまう17歳の犯罪。
二宮もあややも、「青」を基調とした画面の中で、鮮烈な印象を残している。
アイドル映画の印象を覆されたので、素直に脱帽だ。
