裏「えびボクサー」
フジテレビのドラマ「東京ラブシネマ」でも取り上げられ注目度は妙に高い。
笑いに来る観客がほとんどだと思われる。
が、驚いたことに製作者側に笑わせようという姿勢は微塵も感じられない。
本気で感動モノを作ろうとしているのだ。
こちらの期待する絵柄は縦横無尽に暴れる「えび」である。
ところが、実際には縛られたまま運ばれる「シャコ」ばかりが映し出される。
別に海老が蝦蛄でも問題は無いのだが、チープな造詣のエビで感動的な展開をされても戸惑う。
考えてみれば、これはイギリス映画である。
ならば「どん底から精神的にちょっとだけ這い上がる」作品になるのは当たり前ということか。
この作品、実は「えび」が主役ではなく、「えび」を手に入れた中年男の、そんな物語だったのだ。
