裏「the EYE[アイ]」



角膜移植で違うものが見える。
これって、「ブラック・ジャック」の一話にあった設定を思い出される。
「BJ」では角膜提供者を殺した犯人が見えるという設定だったが、そこのところは異なる。
どちらかといえば、ビックコミックスピリッツで連載していた吉田聡の「てんねん」に近い。
こちらは死者の姿を見て声を聞いてしまうからそのままだ。
もっとも角膜移植はしていないし、タイトル通り天然の能力だった。
この映画は、この二つのミックスといったところだ。

「恐怖」の描写はオープニングから襲ってくる。
「結末は人に言うな」という映画は数あるが、「オープニングを言うな」という映画は少ないだろう。
怖いながらも落ち着いてみていられたのは、「見える」が「触れられない」からだ。
このアジア的な怖さをトム・クルーズがどう料理するか楽しみだ。
「絵」だけ豪華にしても意味は成さないぞ。

初期疑問点は「角膜移植で死者が見えるのは許すとして、声が聞こえるのはどーだろー」というのがあった。
ま、これに関しては「失明中も実は使者の声が聞こえていた」という解釈でクリアーだ。
行動不審のマンを見た家族が即座に御祓い屋に依頼したあたりが、この説に信憑性を与えてくれる。


余談
死者の言葉が聞けるのだからいい商売が出来そうなものだが当然そっちには行かない。