裏「インファナル・アフェア」



トニー・レオンとアンディ・ラウは日本人にも馴染みやすい顔立ちだと思う。
彼らが出てからはいいのだが、新人時代を描くオープニングでは違う俳優を使っている。
この時は誰が誰だかわからない。
このキャラの判別がつきにくいという問題はアジア系映画全般に感じられる。

正義が悪の、悪が正義のフリをしているうちに自分がわからなくなるという設定は人間の本質に迫っていて面白い。
その先どうなるのか、どんなオチを持ってくるのか、監督の心意気一つで変わってしまうから目が離せない。
それぞれ自分の置かれた状況に染まってしまい、本来とは全く逆の立場で直接対決・・・になるかと思ったが、そうではなかった。
思い通りではなかったという意味で不満があるとはいえ、今回のエンディングは納得のいくものだったので満足度は非常に高い。
ややヒロイックに作りすぎかとも思うが・・・。
幸運な偶然で日本版が作られるとしたら、椎名桔平と渡部篤郎で観てみたいと思った。

余談だが、シネコンの中を走るシーンで「MIB2」や「K−19」のポスターが写っていたので、撮影時期はその頃だと思われる。