裏「陰陽師II」



この物語は平安時代のはずだ。
なのに、「大和民族に滅ぼされた出雲民族」が出てきては大和時代かと思ってしまう。
この辺は目をつぶってみるしかない。
姫の名前が「日美子」で、もう一人重要キャラが「スサ」では古事記絡みの展開とすぐわかる。
というよりは、それがすぐ分かるとそこそこ楽しめる。
ここでキョトンとしてしまうと、「1」の方が面白く感じるだろう。
というか、「1」だろうが「2」だろうが、さして差はなくなる。
天岩戸伝説を知ってると知らないとで、随分見え方が変わってくるだろう。
卑弥呼=天照説だけでニンマリできるし、タヂカラヲも出せよと注文もつけたくなる。
読んでおくと一層楽しめるのは、下記のとおり。(全てマンガなので、苦にはならないはず)
火の鳥 黎明編/手塚治虫
火の鳥 大和編/手塚治虫
ヤマタイカ/星野之宣
宗像教授伝奇考/星野之宣
孔雀王/荻野真

「舞い」が素晴らしく、出演者も一様に好演が光っているのだが、残念な点もある。
それは一も二もなくモンスター造形だ。
肉体変化をした後のスサがいただけない。
着ぐるみ丸出しの安い「鬼」なのだ。
レインボー造型さんの仕事を見習っていただきたい。

総じて、「脚本と役者はいいがビジュアル効果がイマイチ」といったところだ。

余談だが、野村萬斎の目つきに及川光博と同じ光を感じてしまった。