映画「蛍火の杜へ」舞台探訪

−熊本編−



舞台探訪者の心得
 ・舞台を荒らさないこと。
 ・住民に迷惑をかけないようにする。
 ・舞台での行動は慎重に。

 緑川ゆき先生原作の、劇場版「蛍火の杜へ」の舞台探訪記です。
 実は、緑川ゆき先生の作品にハマッたきっかけが「蛍火の杜へ」からだったので、劇場版にモデルの舞台があると聞いた時から、ずっと行きたいと思っていました。
 それが2012年9月、長期連休が取れたため、「夏目友人帳」他の舞台探訪も兼ねて九州の舞台を回って来る事が出来ました。奇しくも、劇場版の公開からちょうど1年+1日後の、2012年9月18日のことでした。


 「蛍火の杜へ」のモデルの神社は、熊本県阿蘇郡の高森町にあります。
 阿蘇山と外輪山の間に挟まれた、雄大で風光明媚な地です。

高森峠から見下ろした高森町遠景

 そして、その雄大な風景の片隅に、ひっそりとたたずむように、その社はありました。


冒頭上色見熊野座神社

 その名は、上色見熊野座神社。
 熊野座というからには、たぶん熊野大神の由来を持つ神社なのでしょう。高森町観光協会HPによると、祭神は伊邪那岐命,伊邪那美命だそうです。
 [地図で見てみる]

 そして、この鳥居をくぐると…、

    劇場版冒頭上色見熊野座神社

 そこには、外界とは全く別の、異世界のような静寂な空間がありました。
 まるで、本当に「蛍火の杜へ」の世界に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥ります。


劇場版冒頭上色見熊野座神社



蛍「デートみたいデスネー」上色見熊野座神社

 そして、そこにはギンと蛍が歩いた道もありました。


蛍「あのね、ギン…」上色見熊野座神社


ギン「あっという間だな」上色見熊野座神社

 また、この神社のさらに上には、「夏目友人帳 参」第2話に出て来た妖の洞窟のモデルである風穴もあります。
 ぜひお見逃し無く。


 蛍が降りる『おじいちゃん家の最寄り駅』ですが、実は神社のモデルとは離れた、熊本県球磨郡多良木町にあります。

ギンの社の最寄り駅くま川鉄道多良木駅

 ここは「夏目友人帳」の中心舞台である球磨地方のまっただ中にあるため、「人と妖が接する土地」というイメージで選ばれたのでしょうね。
 ('12.11.24追記 当初、「多良木駅」を間違って「あさぎり駅」としていました。お詫びして訂正します。ご指摘いただいた、いんがめさん、どうもありがとうございました!)
 [地図で見てみる]

最寄り駅改札多良木駅の改札


 本探訪記内の映画「蛍火の杜へ」の画像の著作権は、緑川ゆき・白泉社/「蛍火の杜へ」製作委員会 様にあり、ここでは当該作品の比較研究を目的として引用しています。


 ようやく念願が叶って、「蛍火の杜へ」の舞台に行く事が出来ました。
 「蛍火の杜へ」は、緑川先生の作品に良く現れるモチーフ、「距離が近づくと消えてしまう」関係が極めて美しい形に昇華された作品だと思います。また、そのエッセンスは、「夏目友人帳」中の名作、蛍の妖の話など、その後の作品にも見ることが出来ます。

 メインの舞台である上色見熊野座神社は車でないと行きにくいし、駅のモデルも離れているため、一般にはお勧めしにくい舞台ですが、社の雰囲気と作品の世界観の一致度は素晴らしく、ファンであればきっと感動出来る探訪になると思います。
 緑川ファンであれば、アニメ「夏目友人帳」の舞台と合わせての探訪をお勧めしたいです。