歯は幾つかの組織から成り立っています。それぞれの組織について触れたいと思います。
◎エナメル質…人間の体の中で最も硬い組織で、歯冠部(歯の頭の部分)の外側にある組織です。口の中の刺激から歯髄(歯の神経)を守ってくれています。
◎象牙質…エナメル質の内側にある組織で、エナメル質と比べて柔らかく、象牙細管という肉眼で見えない細い管が無数に通っています。虫歯でエナメル質が溶けたり、歯周病で歯肉(歯ぐき)が下がる事で象牙質が口の中に露出すると、象牙細管を通じて歯髄に刺激が伝わるのでしみるようになる事があります。
◎歯髄…歯の神経。その歯に栄養を供給したり、虫歯や知覚過敏により侵襲を受けた時に痛みを出すことで歯を守る役割があります。歯髄が失われると歯への栄養の供給が著しく低下し、歯が変色してきたり割れやすくなってきます。
◎歯槽骨…歯を支える部分の顎の骨を一般にこう呼んでいます。歯が殆ど動かず食べ物をしっかり噛めるのは、歯が歯槽骨によってしっかり支えられているからです。しかし歯周病になると、この歯槽骨が少しずつなくなっていき歯が動いてきたり歯茎から出血してきたりして、物をしっかり噛めなくなってきます。
◎歯根膜…歯と歯槽骨の間にあって、歯と歯槽骨を繋いでいる靭帯です。物を噛む感触や衝撃は歯根膜で感じていて、歯にかかる力が下の歯槽骨に過剰にかからないように制御するためのセンサーの役割も持っています。
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