後北条氏(ごほうじょうし)

単に「北条氏」といった場合、鎌倉時代に幕府の執権を勤めた北条氏、もしくは室町時代から戦国時代にかけて関東地方に盤踞した北条氏を指す。この両「北条氏」には血縁による連続性がなく、両者を区別するために後者の北条氏をとくに「後北条氏」と呼ぶ場合がある。
後北条氏の成立は、その始祖である北条早雲(伊勢新九郎)の子・氏綱が大永3年(1523)に北条姓を称したことに始まる。それまでは伊勢氏を名乗っていた。
この「北条」への改姓の理由として、その頃の氏綱は相模国の制圧に邁進しており、「相州(相模国)太守」と称された鎌倉幕府の執権・北条氏の姓を襲封することで相模国支配の正当性を確立するため、または先の北条氏に肖って関東に政権を樹立するという野心の具象化ではないか、などと見られている。
なお、後北条氏が「北条」の姓を名乗るのは氏綱からであり、父の早雲は自身で北条の姓を用いることなく、生涯を「伊勢」姓で通している。