ビジネス作文(びじねすさくぶん)

図解のし方

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図解(ずかい)とは?

図解(ずかい)とは、事柄(ことがら)概念(がいねん)図形(ずけい)()()わせによって(あら)わすもののことである。たとえば、グラフは図解(ずかい)一種(いっしゅ)である。なお、グラフについては【→グラフの作り方】を参照(さんしょう)せよ。

なお、(ひょう)やイラスト(説明的(せつめいてき)())は図解(ずかい)には(ふく)まれない。

図解(ずかい)特徴(とくちょう)

文章(ぶんしょう)言語(げんご)なので、()んでいくのに時間(じかん)必要(ひつよう)である。一方(いっぽう)図解(ずかい)本質的(ほんしつてき)に『()』なので、全体(ぜんたい)短時間(たんじかん)見渡(みわた)すことができる。

ただ、図解(ずかい)は『()』であるといっても、特殊(とくしゅ)()である。一般的(いっぱんてき)絵画(かいが)とは(こと)なり、芸術性(げいじゅつせい)ではなく論理性(ろんりせい)重視(じゅうし)される。

図解と一般的な絵画
図解(すぐ)れた図解(ずかい)
論理性(ろんりせい)重要(じゅうよう)(もっと)もらしさが必要(ひつよう)()(ひと)納得(なっとく)させる
一般的な絵(すぐ)れた()
芸術性(げいじゅつせい)重要(じゅうよう)(うつく)しさが必要(ひつよう)()(ひと)感動(かんどう)させる

図解(ずかい)言語表現(げんごひょうげん)(ちが)

言語表現(げんごひょうげん)文章(ぶんしょう))が、推論(すいろん)によって理解(りかい)されるのに(たい)して、図解(ずかい)直観的(ちょっかんてき)理解(りかい)される。文章(ぶんしょう)図解(ずかい)とは、(つぎ)のような形式的特徴(けいしきてきとくちょう)()っている。

文章と図解
理解(りかい)のし(かた)内容(ないよう)表示(ひょうじ)現実(げんじつ)との(かか)わり(かた)事柄(ことがら)表示(ひょうじ)展開のし(かた)
文章推論(すいろん)による言語的(げんごてき)類似性(るいじせい)
特徴(とくちょう)共有(きょうゆう)
アナログ(てき)物語的(ものがたりてき)
図解直観(ちょっかん)による絵画的(かいがてき)相似性(そうじせい)デジタル(てき)
輪郭(りんかく)明瞭(めいりょう)
因果的(いんがてき)

図解(ずかい)は、直観的(ちょっかんてき)理解(りかい)(もと)める手段(しゅだん)としては、文章(ぶんしょう)よりも(すぐ)れた方法(ほうほう)であるといえる。一般(いっぱん)に、図解(ずかい)は、全体(ぜんたい)のイメージや要素(ようそ)関連性(かんれんせい)(つた)えやすい性質(せいしつ)()っている。そのため、(おお)まかなイメージを素早(すばや)大勢(おおぜい)(つた)えようとするときには、図解(ずかい)(もっと)合理的(ごうりてき)選択肢(せんたくし)である。

イメージの伝達(でんたつ)図解(ずかい)言語(げんご)

しかし、図解(ずかい)をクリティカルな用途(ようと)(もち)いるべきではない。たとえば、図解(ずかい)契約書(けいやくしょ)(つく)(ひと)はいないであろう。図解(ずかい)()であり、直感(ちょっかん)によって理解(りかい)されるものである。したがって、図解(ずかい)理解(りかい)には個人間(こじんかん)(ちが)いが(おお)きいと(かんが)えなければならない。たとえば、

[A]→[B]

という図解(ずかい)の「→」の意味(いみ)(なん)であろうか?ある(ひと)は「ならば」の意味(いみ)だと理解(りかい)するかもしれない。また、ある(ひと)は「だから」の意味(いみ)だと理解(りかい)するかもしれないし、「しかし」の意味(いみ)や「変化(へんか)した」の意味(いみ)だと理解(りかい)する(ひと)もいるであろう。つまり、図解(ずかい)共通理解(きょうつうりかい)形成(けいせい)には不向(ふむ)きである。一般(いっぱん)に、共通理解(きょうつうりかい)形成(けいせい)効果的(こうかてき)なのは言語(げんご)である。

共通理解(きょうつうりかい)形成(けいせい)言語(げんご)図解(ずかい)

伝達(でんたつ)における図解(ずかい)言語(げんご)特徴(とくちょう)は、(つぎ)のようにまとめられる。

図解(ずかい)
(おお)まかなイメージを素早(すばや)大勢(おおぜい)(つた)える
言語(げんご)(はな)しことば)
(おお)くの情報(じょうほう)素早(すばや)相手(あいて)(つた)える
言語(げんご)()きことば)
正確(せいかく)内容(ないよう)確実(かくじつ)人々(ひとびと)(つた)える

図解(ずかい)使用(しよう)文章(ぶんしょう)使用(しよう)

文章(ぶんしょう)使用(しよう)する(()く/()む)には、ある程度(ていど)高度(こうど)言語能力(げんごのうりょく)必要(ひつよう)となる。一方(いっぽう)図解(ずかい)使用(しよう)するときには高度(こうど)言語能力(げんごのうりょく)不要(ふよう)である。一般(いっぱん)に、図解(ずかい)文章(ぶんしょう)よりも、作成(さくせい)修正(しゅうせい)容易(ようい)である(時間(じかん)がかからない)。また、図解(ずかい)文章(ぶんしょう)よりも視覚的効果(しかくてきこうか)(たか)いといえる。対象(たいしょう)(ひと)関心(かんしん)()けさせたい場合(ばあい)には、文章(ぶんしょう)よりも図解(ずかい)(ほう)(てき)していると(かんが)えられる。

図解 高度(こうど)言語能力(げんごのうりょく)不要(ふよう)作成(さくせい)比較的(ひかくてき)容易(ようい)大幅(おおはば)内容(ないよう)変更(へんこう)容易(ようい)視覚的効果(しかくてきこうか)(たか)
文章 高度(こうど)言語能力(げんごのうりょく)必要(ひつよう)作成(さくせい)比較的(ひかくてき)困難(こんなん)大幅(おおはば)内容(ないよう)変更(へんこう)困難(こんなん)視覚的効果(しかくてきこうか)(ひく)

図解(ずかい)種類(しゅるい)

図解(ずかい)には、実用的(じつようてき)図解(ずかい)広告的(こうこくてき)図解(ずかい)とがある。

たとえば、作業工程(さぎょうこうてい)(しめ)したフローチャート flow chart(なが)())などは実用的(じつようてき)図解(ずかい)(れい)である。

一方(いっぽう)、プレゼンテーションやパンフレットに使(つか)われる図解(ずかい)は、(おお)くの(ひと)にイメージを()らしめることが目的(もくてき)であり、広告的(こうこくてき)図解(ずかい)であるといえる。なお、広告的(こうこくてき)図解(ずかい)では、箇条書(かじょうが)きの図解化(ずかいか)がしばしば(おこ)なわれる。くわしくは、【→箇条書きの図解化】を参照(さんしょう)せよ。

なお、デジタルプレゼンテーションについては、「日本語文書処理」の【プレゼンテーションとは?】も参照(さんしょう)せよ。

広告的(こうこくてき)図解(ずかい)目的(もくてき)
  • (おお)くの(ひと)にイメージを(つた)える
  • 特定(とくてい)事柄(ことがら)主張(しゅちょう)印象(いんしょう)づける
  • ミスリードする相手(あいて)理解(りかい)誘導(ゆうどう)する)

図解作成(ずけいさくせい)基本(きほん)

  1. ひとつの図解(ずかい)にひとつのテーマ
    • 1つの図解(ずかい)に2つ以上(いじょう)のテーマを()れると、直観的(ちょっかんてき)理解(りかい)(むずか)しくなる
  2. 図解(ずかい)のテーマをはっきりと(しめ)
    • (なん)のための図解(ずかい)かを本文(ほんぶん)口頭(こうとう)説明(せつめい)する・図解(ずかい)にタイトルを明示(めいじ)する
  3. 既存(きぞん)のパターンを()()わせる
    • 常用(じょうよう)されるパターンを利用(りよう)することで、イメージの共有(きょうゆう)がしやすくなる【→既存のパターンの利用

図解作成時(ずかいさくせいじ)注意(ちゅうい)

図解(ずかい)作成(さくせい)するときには、以下(いか)(てん)注意(ちゅうい)する。

論理性(ろんりせい)(うしな)わないように注意(ちゅうい)する

図解(ずかい)では、論理的(ろんりてき)明瞭(めいりょう)さが重要(じゅうよう)である。そのためには、以下(いか)(てん)注意(ちゅうい)する。

過剰(かじょう)装飾(そうしょく)やイラストは(くわ)えない

図解(ずかい)挿絵(さしえ)本文(ほんぶん)関連(かんれん)する())ではない。

挿絵(さしえ)は、文章(ぶんしょう)理解(りかい)(たす)けたり、版面(はんめん)装飾(そうしょく)する目的(もくてき)挿入(そうにゅう)される補助的(ほじょてき)附属的(ふぞくてき)なものである。

一方(いっぽう)図解(ずかい)は、イメージを(つた)える目的(もくてき)(おこ)なわれる本来的(ほんらいてき)なものである。ポイントを明確(めいかく)にするためにも、図解(ずかい)はシンプルなものがよい。カッコよすぎるデザインやかわいいキャラクターは不要(ふよう)である。

図解(ずかい)ですべてを(つた)えようとしない

すべての要素(ようそ)をとりこんだ図解(ずかい)必要(ひつよう)になるのは、学術論文(がくじゅつろんぶん)など(かぎ)られたケースにすぎない。一般的(いっぱんてき)図解(ずかい)は、ポイントだけを(あら)わしていればよいのである。

高度(こうど)内容(ないよう)図解(ずかい)する必要(ひつよう)はない

学術論文(がくじゅつろんぶん)本文(ほんぶん)付録(ふろく)掲示(けいじ)される図解(ずかい)であれば、高度(こうど)専門的(せんもんてき)内容(ないよう)複雑(ふくざつ)関連性(かんれんせい)(ふく)んでいてもやむをえない()()研究者(けんきゅうしゃ)なので、時間(じかん)がかかっても(なん)とか解読(かいどく)するあろう)

しかし、プレゼンテーションや企画書(きかくしょ)(もち)いる図解(ずかい)は、理解(りかい)しやすいものの(ほう)がよい。高度(こうど)内容(ないよう)(つた)える必要(ひつよう)があるのならば、図解(ずかい)ではなく文章(ぶんしょう)(もち)いて丁寧(ていねい)説明(せつめい)するべきである。

図解(ずかい)文化(ぶんか)言語(げんご)()反映(はんえい)する

言語(げんご)は、その言語(げんご)理解(りかい)する(ひと)にしか(つた)わらない。しかし、図解(ずかい)万国共通(ばんこくきょうつう)であるというわけはない。図解(ずかい)理解(りかい)にも、文化(ぶんか)言語(げんご)反映(はんえい)することがあるので、文化的(ぶんかてき)言語的(げんごてき)背景(はいけい)(こと)なる(ひと)図解(ずかい)(しめ)すとき、また図解(ずかい)翻訳(ほんやく)するときには注意(ちゅうい)必要(ひつよう)である。

図解を作成する

以下(いか)では、図解(ずかい)作成(さくせい)する基本的(きほんてき)方法(ほうほう)注意点(ちゅういてん)について(まな)ぶ。なお、グラフの作成(さくせい)については【→グラフの作り方】を参照(さんしょう)せよ。

図解(ずかい)基本(きほん)

図解(ずかい)基本(きほん)は、図形(ずけい)(かこ)み)を(せん)矢印(やじるし)でつなぐことである。

手描(てが)きの図解(ずかい)

図解(ずかい)作成(さくせい)するときは、まず手描(てが)きで作成(さくせい)する。

簡単(かんたん)なミーティングや()()わせで使(つか)うものであれば、手描(てが)きの図解(ずかい)をそのまま使(つか)ってもよい。正式(せいしき)資料(しりょう)とするときは、コンピュータなどを利用(りよう)して清書(せいしょ)する必要(せいしょ)がある。

手描(てが)きで図解(ずかい)するときには、(つぎ)のようにするとよいだろう。

  1. キーワードを()()
     ◊ 図解(ずかい)しようとするテーマに関係(かんけい)のある()()()
  2. キーワードを整理(せいり)する
     ◊ 重要性(じゅうようせい)(ひく)いものや重複(ちょうふく)するキーワードを削除(さくじょ)する
  3. キーワードを(わく)(かこ)
     ◊ 整理(せいり)したキーワードを、とりあえず(まる)(かこ)んでみる
  4. (かこ)みを(せん)矢印(やじるし)(むす)
     ◊ キーワード(かん)関係(かんけい)(かんが)えながら(せん)矢印(やじるし)でつなぐ
  5. (かこ)みや(せん)再配置(さいはいち)する
     ◊ (かこ)みや(せん)を、それぞれが()やすい位置(いち)移動(いどう)させる
  6. 表現(ひょうげん)形式(けいしき)統一(とういつ)する
     ◊ (かこ)みの(なか)表現(ひょうげん)のレベルを統一(とういつ)し、語句(ごく)修正(しゅうせい)する

以上(いじょうで)で、一応(いちおう)図解(ずかい)出来上(できあ)がる。必要(ひつよう)(おう)じて(できあかこ)みを統合(とうごう)する(かこ)みなどを(くわ)えてもよい。

図解(ずかい)清書(せいしょ)

なお、図解(ずかい)清書(せいしょ)する場合(ばあい)には、さらに(つぎ)のような手順(てじゅん)必要(ひつよう)になる。

  1. ()全体(ぜんたい)をデザインする
     ◊ 論理構造(ろんりこうぞう)適切(てきせつ)表示(ひょうじ)するようデザインを変更(へんこう)する
    ※ここでは、(つぎ)のようにデザインを変更(へんこう)している。
    1)手描(てが)きの図解(ずかい)左回(ひだりまわ)りに90()回転(かいてん)させて(たて)配置(はいち)にする
    2)矢印(やじるし)集中(しゅうちゅう)する「能力(のうりょく)」を(おお)きくし、(かこ)みの(かたち)()える
    3)矢印(やじるし)終点(しゅうてん)にあたる「成果(せいか)」を(おお)きくし、(せん)(ふと)くする
    4)「達成(たっせい)」には変化(へんか)意味(いみ)(ふく)まれるので、矢印(やじるし)()える
    5)それぞれの(かこ)みの位置(いち)(そろ)える ((たて)(よこ)とも整列(せいれつ)させる)
  2. 図解(ずかい)細部(さいぶ)修正(しゅうせい)する
     ◊ より効果的(こうかてき)になるよう(かたち)(いろ)装飾(そうしょく)などを修正(しゅうせい)する
  3. 必要(ひつよう)情報(じょうほう)付加(ふか)する
     ◊ 図解(ずかい)のタイトルやポイント、出典(しゅってん)などの情報(じょうほう)()

なお、()全体(ぜんたい)をデザインするときは、既存(きぞん)のパターン(図解(ずかい)でしばしば使(つか)われるデザインのパターン)を利用(りよう)したり、参考(さんこう)にすることで、作業(さぎょう)(すす)めやすくなる。(くわ)しくは、【既存のパターンを利用する】を参照(さんしょう)せよ。

図形(ずけい)使(つか)(かた)

効率的(こうりつてき)図解(ずかい)作成(さくせい)するためには、図形(ずけい)使(つか)(かた)()らなければならない。ここでは、まず図形(ずけい)(かこ)み)と(せん)矢印(やじるし)使(つか)(かた)について(まな)ぶ。

(かこ)みの使(つか)(かた)

(かこ)みの基本(きほん)は、(まる)四角(しかく)である。どちらもわかりやすく(した)しみがある(かたち)なので、さまざまな図解(ずかい)(ひろ)(もち)いられている。

(はば)(たか)さが(おな)じならば、(まる)よりも四角(しかく)(ほう)が、内部(ないぶ)面積(めんせき)(おお)きくなる。そのため、(おお)くの文字(もじ)(かこ)むときに長方形(ちょうほうけい)使(つか)われることが(おお)い。一方(いっぽう)(えん)などは、比較的(ひかくてき)(みじか)語句(ごく)(かこ)むときに使(つか)われる。(えん)内部(ないぶ)面積(めんせき)比較的(ひかくてき)(ちい)さく、視覚的(しかくてき)にも(実際(じっさい)(おお)きさより)(ちい)さく()える傾向(けいこう)があるので、たくさんの文字(もじ)(かこ)うと()づらくなる。

また、(まる)四角(しかく)とは、視覚的(しかくてき)印象(いんしょう)(おお)きく(こと)なるため、表現(ひょうげん)したい内容(ないよう)にあったイメージのものを(えら)ぶことも大切(たいせつ)である。一般に、(まる)(やわ)らかい(した)しみやすく(あたた)かい)イメージ、四角(しかく)(かた)形式的(けいしきてき)(つめ)たい)イメージを()っている。また、長方形(ちょうほうけい)楕円形(だえんけい)などの(よこ)(なが)(かたち)には安定感(あんていかん)があるので、(ひと)安心感(あんしんかん)(かん)じさせる。

(かこ)みのレベルを()わせる

キーワードを図形(ずけい)(かこ)むときは、(おな)じレベルのキーワードを(おな)図形(ずけい)(かこ)み、(こと)なるレベルのキーワードは図形(ずけい)(かた)(せん)(ふとさ)さを()えるようにする。

矢印(やじるし)使(つか)(かた)

矢印(やじるし)は、(かこ)みの(あいだ)関係(かんけい)(しめ)すときに、もっともよく使(つか)われるパターンである。

矢印(やじるし)には、さまざまな(かたち)のものがある。使(つか)(かた)()まったルールはないが、以下(いか)のように使(つか)われることが(おお)い。

矢印(やじるし)(かたち)用途(ようと)
(かたち)説明(せつめい)(おも)用途(ようと)
直線(ちょくせん)矢印(やじるし)(なん)らかの関係(かんけい)(しめ)す(汎用(はんよう))、変化(へんか)(しめ)
破線(はせん)矢印(やじるし)予測(よそく)推測(すいそく)(しめ)
両方向(りょうほうこう)矢印(やじるし)対立(たいりつ)(しめ)す、対応(たいおう)(しめ)す、対等(たいとう)であることを(しめ)
双方向(そうほうこう)矢印(やじるし)二重(にじゅう)相互作用(そうごさよう)(しめ)す、(金銭(きんせん)などの)やりとりを(しめ)
三角形(さんかくけい)矢印(やじるし)(を(なら)べる)連続的(れんぞくてき)変化(へんか)(しめ)す、順序(じゅんじょ)(しめ)
(ふと)さの変化(へんか)する矢印(やじるし)減少(げんしょう)増加(ぞうか)(しめ)す、拡大(かくだい)縮小(しゅくしょう)(しめ)
()()った矢印(やじるし)対立(たいりつ)(しめ)す、衝突(しょうとつ)摩擦(まさつ)(しめ)
×印(ばつじるし)のついた矢印(やじるし)対応(たいおう)しないことを(しめ)す、対立(たいりつ)(しめ)す、衝突(しょうとつ)(しめ)

具体的(ぐたいてき)(れい)以下(いか)(しめ)しておく。

矢印(やじるし)意味(いみ)統一(とういつ)

矢印(やじるし)にはおおよその使(つか)()けはあるが、厳密(げんみつ)なルールはない。そのため、矢印(やじるし)はさまざまな意味(いみ)解釈(かいしゃく)される可能性(かのうせい)がある。したがって、図解(ずかい)では、矢印(やじるし)意味(いみ)統一(とういつ)整理(せいり)しなければならない。

矢印(やじるし)意味(いみ)明確(めいかく)(しめ)すためには、矢印(やじるし)内部(ないぶ)(ちか)くに矢印(やじるし)(あら)わす意味(いみ)()()めばよい。

既存(きぞん)のパターンの利用(りよう)

図解(ずかい)では、既存(きぞん)のパターン(しばしば使(つか)われるデザインのパターン)を利用(りよう)したり、参考(さんこう)にすることができる。

既存(きぞん)のパターンとは、たとえば以下(いか)のようなものである。

既存(きぞん)のパターンは、ウェブ上のサイト(例:プリントアウトファクトリー:Power Point Factory)からもダウンロードできる。ただし、このようなパターンは便利(べんり)反面(はんめん)思考(しこう)(わく)にはめる(アイディアを平凡(へいぼん)なものにする)おそれもあるので、利用(りよう)する(さい)には注意(ちゅうい)必要(ひつよう)である。

箇条書(かじょうが)きの図解化(ずかいか)

箇条書(かじょうが)きは、項目(こうもく)列挙(れっきょ)して(しめ)すものである。なお、箇条書(かじょうが)きについては【→箇条書き】を参照(さんしょう)せよ。

箇条書(かじょうが)きには、項目(こうもく)(あいだ)直接(ちょくせつ)関係性(かんけいせい)がないもの関係性(かんけいせい)単純(たんじゅん)なもの)と、直接(ちょくせつ)関係性(かんけいせい)があるものとがある。

たとえば、(つぎ)箇条書(かじょうが)きは、『()きな()(もの)』にあてはまるものを列挙(れっきょ)しただけであり、項目(こうもく)(あいだ)には直接(ちょくせつ)関係性(かんけいせい)がない。

()きな()(もの)
  • マグロ
  • タラコ
  • トマト

一方(いっぽう)(つぎ)箇条書(かじょうが)きは、項目(こうもく)(あいだ)因果関係(いんがかんけい)相互関係(そうごかんけい)(みと)められる(直接(ちょくせつ)関係性(かんけいせい)がある)ものである。

仕事(しごと)基本(きほん)
  • 計画(けいかく)
  • 実行(じっこう)
  • 検討(けんとう)
科学的方法(かがくてきほうほう)の3つの(じく)
  • 分類(ぶんるい)
  • 理論(りろん)
  • 実証(じっしょう)

箇条書(かじょうが)きの弱点(じゃくてん)は、項目(こうもく)(あいだ)関係性(かんけいせい)がわかりにくいことである。(じつ)は、『仕事(しごと)基本(きほん)』では、項目(こうもく)(あいだ)循環的(じゅんかんてき)因果関係(いんがかんけい)想定(そうてい)されており、『科学的方法(かがくてきほうほう)の3つの(じく)』では、項目(こうもく)(あいだ)相互依存関係(そうごいぞんかんけい)想定(そうてい)されている。これらのことを直線(ちょくせん)矢印(やじるし)(しめ)すと、(つぎ)のようになる。

()きな()(もの)のように、それぞれの項目(こうもく)(あいだ)直接(ちょくせつ)関係性(かんけいせい)がない項目(こうもく)(あいだ)矢印(やじるし)()けない)ときには、箇条書(かじょうが)きが適切(てきせつ)表示方法(ひょうじほうほう)だといえる。

一方(いっぽう)項目(こうもく)(あいだ)因果関係(いんがかんけい)相互関係(そうごかんけい)があるときには図解(ずかい)(もち)いた(ほう)がわかりやすい。たとえば、以下(いか)のように図解(ずかい)することができる。

この場合(ばあい)重要(じゅうよう)なのは、項目(こうもく)(あいだ)因果関係(いんがかんけい)相互関係(そうごかんけい)適切(てきせつ)表示(ひょうじ)することである。

図解(ずかい)をするときのポイント

実際(じっさい)図解(ずかい)をするときには、以下(いか)(てん)注意(ちゅうい)するとよい。

複雑(ふくざつ)さを()ける

図解(ずかい)は、イメージを(つた)える目的(もくてき)でなされるものなので、直感的(ちょっかんてき)にわかるものである必要(ひつよう)がある。図解(ずかい)では、『ポイントだけがわかればよい』という気持(きもち)ちが大切(たいせつ)である。

漢字(かんじ)有効(ゆうこう)使(つか)

漢字(かんじ)は絵文字なので、イメージを効率的(こうりつてき)(つた)えるのに役立(やくだ)つ。図解(ずかい)では、漢字(かんじ)有効(ゆうこう)使(つか)うようにしたい。

たとえば、「計画(かいかく)する」「実行(じっこう)する」などとするよりも、「計画(かいかくする)」「実行(じっこう)」とする(ほう)がわかりやすいだろう。表現(ひょうげん)端的(たんてき)で、字形(じけい)(おお)きくできるからである。

視線(しせん)(うご)きを(かんが)える

(わたし)たちが、プリントや画面(がめん)()(さい)には、一定(いってい)視線(しせん)(うご)きが(みと)められる。具体的(ぐたいてき)には、『Z』のように視線(しせん)(うご)くことが(おお)いのである。

この視線(しせん)(うご)きから、(つぎ)のことが()える。

ポイントを()()える

図解(ずかい)だからといって、言語表現(げんごひょうげん)使(つか)ってはいけないわけではない。

図解(ずかい)下部(かぶ)にポイントを()()えることで、伝達(でんたつ)効率(こうりつ)がよくなることも(すく)なくない。


ポイントを()()えた(れい)

強調(きょうちょう)したい(てん)強調(きょうちょう)する

図解(ずかい)では、強調(きょうちょう)したい(てん)強調(きょうちょう)するべきである。そのためには、強調(きょうちょう)する必要(ひつよう)のない部分(ぶぶん)目立(めだ)たないようにするべきである。具体的(ぐたいてき)には、強調(きょうちょう)したいところにだけ(いろ)をつけるなどの工夫(くふう)必要(ひつよう)になる。

参考文献:
  • 永山嘉昭(2002)『説得できる図解表現200の鉄則』日経BP社.
  • 日経サイエンス編集部編(1994)『Macで描く科学イラスト』(別冊日経サイエンス)日本経済新聞社.
  • 久恒啓一(2005)[2002]『図で考える人は仕事ができる』(日経ビジネス人文庫)日本経済新聞社.
  • 久恒啓一(2008)[2005]『図で考えれば文章がうまくなる』(PHP文庫)PHP研究所.
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