原稿を書くときの注意事項
原稿用紙の使い方
原稿用紙を使う場合、特に指示がなければ、400字詰めでA4サイズ横書きのものを使うとよい。
なお、レポートならば、原稿用紙を使うときにも、別に表紙をつけた方がよいだろう。表紙については、〔題名と表紙〕で詳しく説明している。
原稿用紙の使い方については、【→原稿用紙の使い方 (PDF ; 512KB)】を参照せよ。
原稿を書くときにしてはいけないこと
レポートの原稿を書くときに、次のことをしてはいけない。
- 中国語で書く(日本語の授業である)
- ウェブページなどをコピー & ペーストする(自力でやらなければならない)
- 漢字に振り仮名を振る(振り仮名のある引用文は除く)
誤字や不適切な表記のチェック
原稿を提出する前に、誤字や誤記、不適切な表記がないかチェックした方がよい。
誤字
誤字には、主に、入力のミス(ミスタイプ)によるもの(ミスをしたまま変換したものを含む)と、同音異義語(読みは同じだが、意味が違う語)の間違いによるもの(いわゆる「誤変換」を含む)とがある。
ミスタイプによるもの
ミスタイプによる誤字には、次のようなパターンがある。
- 変なローマ字がある
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- 「…ということであr、」→「…ということであり、」
キー入力の不足:[I]のキーがうまくタイプできなかった
- 「その点にkなんしては、」→「その点に関しては」
入力順の間違い:[KANNSITE]を[KNANSITE]とタイプしてしまった
- 変なひらがながある(多すぎる)
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- 「…と考えられれる。」→「…と考えられる。」
勢いでタイプした:勢いがありすぎて「れ」を2回タイプした
- 「こいういうときに大切なのは、」→「こういうときに大切なのは、」
隣のキーも押した:[U]と一緒に[I]も押してしまい[KOUIU]を[KOIUIU]とタイプした
- 「…しました。て、それから」→「…しました。それから」
文の修正のミス:「…して、それから」という文を2つの文に分けようとしたが失敗した
- 「彼女はにプレゼントした。」→「彼女にプレゼントした。」
語の修正のミス:「は」を「に」に直すつもりが「は」が残ってしまった
- ひらがなが変だ
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- 「大きな声であいさたうしましょう。」→「大きな声であいさつしましょう。」
隣のキーと間違えた:[S]と[A]を間違えて[AISATSU]を[AISATAU]とタイプした
- 「大丈夫だと思っていまず。」→「大丈夫だと思っています。」
隣のキーと間違えた:[S]と[Z]を間違えて[IMASU]を[IMAZU]とタイプした
- 「問題だということうぃ理解し…」→「問題だということを理解し…」
隣のキーと間違えた:[O]と[I]を間違えて[KOTOWO]を[KOTOWI]とタイプした
- 「あなたの気持ちはわかりましが…」→「あなたの気持ちはわかりますが…」
隣のキーと間違えた:[U]と[I]を間違えて[MASU]を[MASI]とタイプした
- カタカナが変だ
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- 「プレセント情報です。」→「プレゼント情報です。」
隣のキーと間違えた:[S]と[Z]を間違えて[ZE]を[SE]とタイプした
- 文字の位置が変だ
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- 「…彼はにできないだろう。」→「…彼にはできないだろう。」
修正のミス:「彼は」を「彼には」と修正しようとして失敗した
- 「さやわかな天気になった。」→「さわやかな天気になった。」
原因不明:何らかの事情で「わ」と「や」が逆になった
- 変な語がある
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- 「振る打つミルク」→「フルーツミルク」
長音の間違い:長音と母音を間違え「ふるーつ」を「ふるうつ」とタイプした
- 「臨死の会議があります。」→「臨時の会議があります。」
隣のキーと間違えた:[S]と[Z]を間違えて[ZI]を[SI]とタイプした
- 「道路が格子中だったので、」→「道路が工事中だったので、」
隣のキーと間違えた:[S]と[Z]を間違えて[ZI]を[SI]とタイプした
- 「日本語にほにゃくしなければいけません。」→「日本語に翻訳しなければいけません。」
キー入力の不足(撥音の脱落):[N]のキーが1回足りず[HONNYAKU]が[HONYAKU]になった
- 「たくさん買いすぎて甘てしまいました。」→「たくさん買いすぎて余ってしまいました。」
キー入力の不足(促音の脱落):[T]のキーが1回足りず「あまって」を「あまて」とタイプした
- 変なカタカナ(カタカナ語)がある
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- 「雪の上でコロン部と」→「雪の上で転ぶと」
隣のキーも押した:[B]と一緒に[N]も押してしまい[KOROBU]を[KORONBU]とタイプした
- 「チキンをオープンに入れた。」→「チキンをオーブンに入れた。」
うっかりミス:「オープン」と「オーブン」を混同した
- 「このプランでマインとなるのは、」→「このプランでメインとなるのは、」
英語の単語:英語の"main"をそのままタイプしてしまった
- 「チャンプ場に遊びにいきました。」→「キャンプ場に遊びにいきました。」
英語の影響:英語の"camp"の影響で[KYANNPU]を[CYANNPU]とタイプした
同音異義語によるもの
同音異義語による誤字には、次のようなパターンがある。
- 同音異義語による誤変換
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- 「日本に留学するよい機械だ。」→「日本に留学するよい機会だ。」
- 「いま彼女は規制中です。」→「いま彼女は帰省中です。」
- 「変身いたします。」→「返信いたします。」
- 区切りの間違いによる誤変換
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- 「道は彼はでいっぱいです。」→「道は枯葉でいっぱいです。」
[かれは]を[かれ|は]とした
- 「北海道の開拓し」→「北海道の開拓史」
[かいたくし]を[かいたく|し]とした
- 「言語の今日自体は、」→「言語の共時態は、」
[きょうじたい]を[きょう|じたい]とした
※共時態:言語学の専門用語
- 「見ざる言わざる着飾る」→「見ざる言わざる聞かざる」
[きか|ざる]を[き|かざる]とした
※日光東照宮の三猿【→三猿の物語(日光観光協会オフィシャルサイト内へのリンク)】
間違いやすい同音異義語
よみ | 間違いやすい漢字 | よみ | 間違いやすい漢字 |
あう | 合う / 会う / 遭う / 遇う / 逢う | ぐんしゅう | 群衆 / 群集 |
いがい | 以外に / 意外に | こうせい | 公正 / 更正 / 更生 |
いたむ | 痛む / 傷む | じてん | 辞典 / 事典 / 字典 |
いちじ | 一時 / 一次 | しょうかい | 紹介 / 照会 |
いどう | 移動 / 異動 | すすめる | 進める / 薦める / 勧める |
おさめる | 納める / 収める / 治める / 修める | せいとう | 正統 / 正当 |
おす | 押す / 推す / 捺す | たいしょう | 対象 / 対称 / 対照 |
かいてい | 改訂 / 改定 | たずねる | 訪ねる / 尋ねる |
かいほう | 開放 / 解放 | つとめる | 勤める / 努める / 務める |
かたい | 硬い / 固い / 堅い | のせる | 乗せる / 載せる |
かわく | 乾く / 渇く | のばす | 延ばす / 伸ばす |
かんさつ | 監察 / 観察 | のぼる | 登る / 上る / 昇る |
かんしょう | 鑑賞 / 観賞 | はやい | 早い / 速い |
きかい | 機会 / 機械/ 器械 | ほけん | 保険 / 保健 |
きく | 効く / 利く | ほしょう | 保障 / 保証 / 補償 |
きく | 聞く / 聴く | みる | 見る / 診る / 看る / 観る |
きじゅん | 基準 / 規準 | めいじる | 命じる / 銘じる |
きょうい | 驚異 / 脅威 | やぶれる | 破れる / 敗れる |
きょうかい | 協会 / 教会 / 境界 | ようご | 擁護 / 養護 |
きょうはく | 脅迫 / 強迫 | わかれる | 分かれる / 別れる |
脱字
脱字には、主に、入力のミス(ミスタイプ)によるものと、修正のミスによるものとがある。
- 入力のミスによるもの
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- 「オリンピクで金メダルを獲得した。」→「オリンピックで金メダルを獲得した。」
促音(「っ」「ッ」)の入力をミスしてしまった
- 「歌手としてデビュすることになった。」→「歌手としてデビューすることになった。」
長音記号(「ー」)の入力をミスしてしまった
- 「日本教育学の研究をしていました。」→「日本語教育学の研究をしていました。」
入力するときに語の一部を落としてしまった
- 修正のミスによるもの
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- 「それではダメだと思ますよ。」→「それではダメだと思いますよ。」
「思う」を「思います」に修正しようとして失敗した
- 「財法人交流協会台北事務所」→「財団法人交流協会台北事務所」
「(財)交流協会」を「財団法人交流協会」に修正しようとして失敗した
不適切な表記
「ディレクトリ」と「ディレクトリー」や、「例えば」と「たとえば」など語の表記が不統一ならばどちらかに統一した方がよい。
表記の統一では、エディタやワープロの『検索・置換』の機能を使うと便利なことがある。ただ、置換する必要のない語まで置換されることがあるので気をつけなければならない。
なお、2桁以上の算用数字には、1バイト文字(半角文字)を用いる。2バイト文字になっているときには、1バイト文字にする。
○ 1回、2回、3回 / ○ 西暦2006年11月
× 1回、2回、3回 / × 西暦2006年11月