実力を発揮しての栄冠!「本当ですか?」 王者のベルト返上に伴い、前哨戦がチャンピオン決定戦へと変更されたのだ! 前戦で国内最強決定戦とも言える岩佐との激闘を制した山中は、すでにそんじょそこらの挑戦者よりも資格充分といえるだろう。 誰もがこの変更に納得いくほどの激戦をクリアしてきた男が、旬の時期に世界に挑戦できる、これだけでワクワクしてしまう。 開始ゴング、山中のフォームの美しさが際立っている。時に被弾するのだが反応した末に食っているので浅い。なにより食ったとしても山中は簡単に姿勢を崩さない。 セコンドの大和心が現役時代、そうやって戦い続けたなぁ…。顔色変えないバックステップはそっくり、加えて大和にはなかった強い左ストレートが山中最大の特徴である。 対するエスキベルはパンチにキレがあり、危険な香りプンプン。焦って割り込もうとすると危ないぞ、これは…。 山中はそれはそれは慎重にタイミングを計り続けた。ラウンドに一度は見せ場を作るべく集中しているのがわかる。 このメキシカンが中盤以降に落ちてくるのは明らか、我慢すべき序盤を正しく我慢して戦う姿勢に光が差してくる。 徐々に好打が目立ち始め、流れが山中に…?と思った瞬間だった。山中はダウンといわれても仕方ない、スリップダウンを喫してしまう。 頑丈そうなエスキベルは相打ちを怖がらないタイプ、安易に攻め込むとこうやって手痛い拳が飛んでくるのだ。 積み上げたポイントが無慈悲な一撃で一気に無になってしまう、何度も見てきた世界の壁、今日も繰り返されるのだろうか…。 不穏な空気に包まれた会場だったが、山中はポーカーフェイスで立ち上がり、再び慎重なボックスでチャンスを狙う展開に戻る。 これでいい、これで…。この落ち着きは若くない山中にとって最高の武器だ。 チャンスとばかりに圧力を強めてアクセルを踏むエスキベルだが攻め口は単調。要所に山中の巧打を受け、疲れとダメージから動きが落ちていく。 さあ、ついにこっち、山中の番と言えるだろう。ガードの落ちてきた相手に温存しておいた力強い左ストレートをねじ込んでいく。 単発が当たると次はコンビネーション、早い!だけじゃない! ホーミングも効いていて追っかけで3発目も当てにいっているのにウットリ…。 国内じゃ西岡レベル、いや西岡よりも速い?(西岡見るとまた「はやっ」と思うんだろうが…) 6Rに軽いダウンを奪い、7Rも追撃を決めロープからロープへ追い立てる。 (あっ!) 心配していた逆襲の一撃、腰砕けのダウンを食うが、山中は何事もなかったかのように止まらない。何事もなかったのだ!となぜか納得させられるほどの落ち着きぶり、なにがあろうとペースはもう完全に山中が握っているのだろう。 エスキベルのフォームが壊れ、もはや追ってくる足はない。後は動ける山中の選択次第、判定まで流すか、攻めて倒すかの二択だ。 山中が世界チャンピオンの名乗りを受けるのは間違いない展開…。だったが、ここでまさかの珍ハプニングが発生する。 11R開始と同時に停電…(ドリフじゃないんだから♪)。 中断の間、座って休むエスキベルが回復するのでは?と心配されたが、試合中に数分とはいえ、体育座りをした男が再び闘志を燃やせるはずもない。 試合再開から数秒、後ろを向いて戦意喪失してしまう(もしかしたら眼底骨折していたかもしれない)。 ダウンから立ち上がる相手を山中は満面の笑顔で見守った(鬼塚vs中島、返り血を浴びた鬼塚に張り付いた笑顔は怖かった)。もう歓喜の時が近い、という確信があったのだろう。 大柄なレフリーが作る死角に立ち、再開の合図と同時に飛び出す準備。夢の舞台、しかもファイナルシーン。なんて落ち着いているんだ! 再び後ろを向かせた時点で山中は世界チャンピオンとなった。素晴らしいとしか言いようがない獲得劇だった。 相手のエスキベルも頂点を争う相手として不足はなかった。が、忘れてならないのは今回は王座決定戦だったという点である。 チャンピオンから奪ったのではない、言い方は悪いが「落ちていたベルト」。 ここからベルトの価値を決める真のロードが始まるのだ! まだまだ山中には立ち止まって欲しくない! 序盤、山中が停止状態からジャブを打つとフックを被せてきたダルチニャン。 そのフックが当たったので、挑戦者はしばらくそれを狙い続けていく。 が、山中は睨み合いからの刺し合いを早々に諦め、フットワークボクシングへとシフトする。 ダルチニャンが山中の動きに着いていけなくなった原因は、初回の小さな成功だったと言えます。 ただし旋回する山中もなかなか有効打を奪うことができない。むしろ被弾を含む我慢の時間が続く。 派手な攻勢が目立つ挑戦者に目がいってしまうんじゃないか? ポイントの振り分けが難しい、そんな試合展開に不安を抱きつつのファイト。 もし心が折れてしまう可能性があったとしたら、4Rの途中採点が1-0でダルチニャン優勢だった時だと思う。 (果たしてこのままでいいのだろうか?) あそこで変にボクシングをいじらずに現状のまま戦い続けたのが後になってみれば大正解でした。 振りが大きくて集中打でまとめてくるダルは、爆発するチャンスを探してボクシングをします。 チャンスと思わせて爆発させて、その爆発を足で空転させていく戦術。 アタックの多くが不発に終わって散漫になったところを突いていく山中、ラウンドが進むに連れてどんどん自信が満ちていくのが感じられる。 (この戦い方でいいんだ!) 頭の振りが減ってきた挑戦者にジャブだけでなくストレートもヒット。 ピンチで慌てず、チャンスで落ち着く。 たんたんとシンプルなパンチで各ラウンドの終了ゴングを目指す。 山中はこの試合、フックとアッパーを完全に封印した。持っている武器を使わない勇気、知恵になんとも説得力がある。 最終ラウンドは動き続ける山中にブーイングも出ましたが、私は最後の3分を流して勝てた、ポイントをここまで積み上げてきた山中におめでとうと言いたいです。 ダルチニャンは確かに強豪だった。 あれだけアタックしたのに最後まで防御も巧みでパンチはブンブンに生きていた。 あれだけアタックしたのに最後まで破綻するほどの疲労状態に陥らなかった。 いい試合だった…と同時に私事ですが、今回驚いたことがありました。小学二年生の息子がフルラウンドに渡ってしっかり観戦したのだ。 ジャブとストレートと足、これは息子に教えた唯一のボクシング。山中は思えばそのボクシングで勝ってしまった。 基本ってすごいなぁ… 世界戦が集中した時期でしたが、私は山中vsダルチニャンがベストマッチだったと思います。 山中vsダルチ二ヤン、私も先程観戦しました。 うちの小2の息子も、12R観てましたが ??? って感じでした(笑) 山中選手のステップワークはボクシング以外のエッセンスも取り入れているように感じます。 最後は流してポイントアウトしましたが、久々に気持ちの良いアウトボクシングを観ました。 山中選手のV8戦、見事でした。 どうやら今回は足をバックステップに使わない、というテーマを持って戦っていたようです。 サンティアンと山中の距離、ずっと調整する立場のサンテが自ら積極的に調整しない点から彼も一定の自信がある距離だったんだと思います。 (動けなかった、というのが一般論でしょうが、私には一度も動こうとする意志が感じられなかった) (この試合、一度もサンテからクリンチしていないし、バッティングもない) (この距離でやるしかない!と決意を固めて居座った的な思考だったかと想像) 固いガードで山中のジャブに対応しつつ、右フックをロングからボディに放つ、というシンプルな攻めしかなくなってしまったのは、決意してこの日を迎えたサンテも悔しかったでしょう。勝ち目が、というより、ポイントも取れない戦い方になってしまいました。 唯一、頭の角度からして山中のストレートが頭頂部に当たり、拳が壊れるんじゃないかと心配しましたが、狭い顔面部分にしっかり当たっているシーンばかり、なんという精度なんだと驚きました。 (と同時に左拳が壊れた山中がどんな戦い方をするのか見たい欲も。意地悪ですが井上のようなスペアタイヤがあるのか?と。) 腰を曲げた相手にはアッパー、という日本ボクシング界の伝統的なテクニックを山中は使いません。徹底的にジャブとストレートです。これが被弾のリスクを一度も発生させないポイントです。 5Rに一度だけ近い距離で立ち止まりましたが、詰めに行っていた場面だったので例外。実質、一度もパンチの交錯に付き合いませんでした。 ちなみにトレーナーの大和心も同様でスイング系パンチを打たない人でした。決定的にパンチがなかった彼のイズムをパンチのある山中が伝承し、こうして花開いているのは感慨深いです。 サンティアンのリングでの精神力は素晴らしいと称えたいです。 ただし、山中の研究をしっかりしていたかという点は疑問です。ガード対処では山中のストレートは防げないのはすべての防衛戦で証明されています。 山中が構えすらとらない戦い方、どこかが常に密着するくらいのボクシングをしないと山中の独壇場になってしまいます。たとえそれが自分の戦い方でなかったとしても。 帝拳の充実度は日本ボクシングの歴史の中で最高に高まっていると思います。葛西、大和といった世界をとれなかったテクニシャンの無念が、トレーナーとなった今、プラスに働いていると感じます。 |
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