ボクシングのゲーム、実写でボクシングのバナー(3)

長谷川穂積

あの試合、二人のボクサーの姿をした教師が
筆者に対し大事なことを教えてくれた。

まばゆい光に彩られた矢来の中に戦士が二人。
一方は「力ある者」とその名を号する褐色の帝王、
もう一方は若さ漲る長身痩躯のますらお。

初回から序盤にかけては挑戦者、そしてその中に試合全体を通して、
特に終盤戦に於いては王者が筆者に「教師」の役割を果たすことになる。

若者は初回に左を好打してから前半数ラウンドを一気に持って行った。

後になってふと、本当にふっとだが、思った。
「先手を取るなどという生易しいものではない、
恐らく彼はハナから倒しに掛かっていたのでは」

そうでも思わなければ、
生ける伝説を前にしてのあの気力横溢は説明すべくも無い、様に思えた。

実際の試合後のコメントがどうであれ、筆者には強烈なメッセージだった。
「何事につけても『先手』とはかくして取るものぞ」との。

では、折悪しく先手を取られた者は如何様にすべきや?

それを教えてくれたのが帝王の振る舞い。

前日に海外計量で初めてに等しい失態を晒していようが、
肝心の本番で若武者の好き勝手をしばらく許す憂き目を見せられようが、
「デスマスク(死せる者の顔)」の看板に偽り無く、我が成すべき事を淡々と紡いでいく。

顎を乾坤一擲に斬って落とすことは回を重ねるほどに困難、
なれば狙うはどちらかといえば細く頼りなげな腹。

ベルトラインを掠めんばかりの集中打を中盤から後半にかけて見舞っていく。
かわされても逃げられても、顔の筋肉ひとつ動かさずに。

しかし、11ラウンド終了時点で帝王劣勢という
俄かに信じがたい空気は動かすべくも無い。

迎えた最終回、この王者の王者たり得た所以を強烈に見せつけられ、
この事我ながら眼福と云うのほかは無い。

王者が猛然と打ち続けたのは・・・やはりボディであった。

大幅に重くなった挑戦者の足からも、唯一の有好打であることは伺えるにせよ、
今更乱打したところで決壊を招くに至るかといえば最早絶望的というのが正直な答えであり、
冠の移動はすでに秒読み段階に入っているのはずぶの素人の目にも明白であったことだろう。

若者も、栄冠を手中にするに残された最後の仕事は、
忍の一字であることを十全に承知、
苦痛の色を浮かべる中にも連打の弾幕を張り、
いよいよ勝利を確実に手中に手繰り寄せていた。

だが手負いの帝王の顔には諦めの「あ」の字も窺えず、
唯一の道であればそこに活路をこじ開けんと只管に叩き続けた。

鬼気迫る光景だった。

最後のゴングが鳴り、戦いの帰趨は推し量るまでもあるまいに、
王の表情には確信のみが窺えた。

リングアナウンサーのコールを聞いてようやく、
凛凛しい顔に無念の色を見て取ることが出来た。

王者が筆者の耳元に始終叫び続けたのは、
「何事につけても、もし、強者たらんとするの志あればかくあれかし」
との、強烈極まりない託宣であった。

人生の荒波を、そして崩壊の時代の大津波を向こうに廻して行かねばならない
筆者を含めた多くの人にとってこれほど含蓄ある試合があろうか。

どこの学校でこれほど重厚濃密な「授業」が受けられようか。

至宝というべき一戦であった。


(投稿・toshi氏)



全国のボクシングファンが3Rの長谷川マジックパンチに痺れ、
続く4Rも慎重に終えようとしていた、その時…

結構な近距離でも重心真ん中を維持するのはメキシカン特有、
いつでもハードブロウを打てるスタイルから…

まともだった。
更に重心を維持したまま、また打ったWBO王者。

あれで倒れない長谷川の精神力に驚かされるが、
すぐさま追いかけて仕留めるモンティエルの集中力ときたら…

凄い試合だった。凄い10秒だった。凄い二人だった。

負けたが、なんだろう…。
決して株を落としていない、そんな負け方だと。

ただ、ただ、敢えて言うと…

最後、侵入したのは長谷川。リードしていたラウンドの最後の10秒。
確かに不用意だった…(結果が全て、か…)

(サンドバック)



リングの申し子

リングの申し子。この称号、かつての辰吉丈一郎以外に日本で継ぐものは現れないと思っていたが、どうやら人間風情の思い込みだったようだ。

平成の世にその二人目を拝めようとは。

冠を失くし、母を亡くし、長谷川穂積の心身はあまりに危うい極限にありと思われた。

妻子親族、山下会長始め、人目に触れざるチーム長谷川のサポートの心労、察して余りある。

それに応えんとする長谷川の決意、これを果たせなければ昨夜のリングに命すら置いてくる覚悟だったのではないか。

きっと、そうだ。

2階級4キロ弱という巨大ともいえる階級差に加えて、軽・中量級王国で貧困を拳で切り開きつつ指名挑戦者として待ち続けた、名誉に飢えた巨漢ブルゴス。

様々な想いの集中するリングは、テレビ越しには照明の眩しさが発火直前の熱にさえボクには感じられた。

纏うトランクスもグローブも、その内面を象徴する如くに真紅に彩られた雷神は、頭一つ分ほども大きなしかも好戦的な褐色の大男に対し恐れるところなし。

バンタム級を席巻した光の矢のような拳を矢継ぎ早に繰り出し、あまつさえ足を踏ん張っての大砲をも恐れ気もなく滅多打ちする。

瞼から鮮血が滴り、7回に顔面がほぼ垂直に上を向くアッパーを喰らった時には見ているこっちの寿命が縮んだ。一ファンがこの有様だから重ねてセコンド、家族の心労に同情を禁じ得ない。

鬼籍に入った母に向けた、しかと見届けてくれとの叫びにも見える、いや聞こえる。一挙手一投足はリングの申し子の声なき声。

久しぶりのフルラウンドを、傍観者の心臓を何度も脅かしつつ戦い切り、腫れ上がった顔で迎えた戴冠の時はただ涙が流れた。にもかかわらず、

「今日はこんな申し訳ない試合で、オカンも安心して観てはいられなかっただろう、自分の勉強不足、もっとしっかり勉強してきます」

あの声音は本気でそう思って言っている。

本年ベストバウトほぼ間違い無しの試合を自ら振り返ったコメントがこれだ。

どこまで高みを目指すのか。

当然かけるべき「おめでとう」すらおこがましく感じる。

日ノ本の国をこの申し子が選んで生まれてくれたことに、謝辞すら述べるべきなのかも知れない。

(投稿・toshi氏)



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