〜印象的な日記集〜

ボクシングのゲームの区切り画像

始めましてATSUSHIです。
グラフでボクシング、楽しくPLAYさせて頂きました。
それで、日記も書いてみたんですけれども、つたない文章です。
もしお暇なときがございましたら、読んで頂ければ幸いです。
では。


1999年12月13日木曜日

『坊』がうちのジムの門をたたいてから、今日で一年ちょっとになる。
明日がプロデビューだ。
初めて彼の姿を見たとき、正直惚れ込んだ。180cmの長身にしてサウスポー。
そして既にボクサーの体といっても過言ではないほどに絞り込まれた体。
聞けば彼は某電機メーカーの御曹司で、
小さい頃から護身術を習ってきたらしい。
この入門時にあだ名を『坊や』としたら
「やめてください!」と本気で怒ったので『坊』になった。
「鬼塚選手の試合のビデオを道場の先輩に借りて、大ファンになりました。
あの人みたいになりたいです。徹底的にしごいてください!」
そう彼は語った。
そしてその熱意は消して嘘では無かった。
プロテストに到るまでの一年間、
彼は一日としてロードワークを欠かす事は無かった。
護身術をやっていたせいか、坊は間合いに使い方が実にうまい。
特に飛び込んできた相手に対してと
接近戦から離れ際のときのフックは一撃でKOを取れるパンチだ。
これを明日の実戦では主体に組み立てていこうと思う。
明日が楽しみだ。フフフ…。


12月14日金曜日 1戦1勝(1KO)

やはり私の目に狂いは無かった。坊はとんでもない逸材だ。
ジャブを得意にした選手と聞いていたが、全く相手にならなかった。
スタイル的にサウスポーは天敵とはいえ(聞けばサウスポーとは初対戦らしい)
一ラウンドのクリーンヒットから終始縮こまっていた。そして四ラウンド目にKO。
これならうちのジム初のチャンピオンも夢じゃない。フッフッフ…。


12月20日木曜日

また一人、新しいジム生が入ってきた。なんと彼は経験者だそうだ。
試しにサンドバッグをたたかせてみると、なるほど良い音を出す。
彼は坂本選手の大ファンだそうで『博』の字が同じなのが自慢らしい。
ということであだ名は『ヒロ』にした。
彼もものすごく喜んでいて、
他のジム生に「ヒロって呼んでくださいっ」なんて笑顔で声をかけていた。


1月17日木曜日
 
坊の悪い癖がまた顔を出してきた。
飛び込んでくる相手に対しチョップ気味にジャブを出すのだ。
彼いわく「つい、掴みたくなっちゃうんです」。
なるほど16年間も護身術をやっていればそうなるのも仕方ないが…、
いや、それじゃ困る。
力の無いリードジャブなどノーガードで相手の前に立っているに等しい。
今日は一日かけて、一から体重移動の重要性を叩き込んだ。
彼の大好きな鬼塚のビデオを見せ、
その解説をすると目に見えて変化が現れた。
「単純な奴だ」思わず苦笑してしまった。


1月22日火曜日 2戦1勝1敗(1KO)

ダメだ…。坊はぜんぜん直っていなかった。
初めて味わうピンチに例のジャブを連発していた。
四ラウンド目に修正したが、時既に遅し。
彼の失ったポイントを取り返すほどのものではなかった。
悲痛な表情でリングを去る彼に、
「よくやった、後半良かったぞ」と声をかけたが反応なし。
クッ、このままこいつも潰れてしまうのか…。
ともかくしばらく静養させよう。


2月17日日曜日
 
ヒロがプロテストに合格した。
しかしその後がいけなかった。
「努力したかいがありました」の一言に坊が
「いくら努力したって、才能が無きゃプロでは通用しないんだよ」と噛み付いたのだ。
おそらく先の敗戦で腐っていた坊にとって、
はしゃぎまわるヒロは気に触る存在だったのだろう。
それから口げんか→殴り合いとなって、
ジム総出で二人を引き分けた。
私に前で二人を正座させ徹底的に話し合わせてみたら
どうやらお互いに納得したようで仲直りしてくれた。
ボクシング以外のこういう雑事が一番疲れる。フ〜。


3月2日土曜日

坊とヒロがなにやら口論していた。
心配になって聞いてみると『天才型』と『努力型』の
どちらのボクサーが優れているかと口論しているらしい。
勿論鬼塚派の坊は『天才型』、坂本派のヒロは『努力型』だと言っている。
他愛の無い話なので立ち去った。
(『明日の試合で証明してやる』などと坊が言っていたのが気になったが…)
ちなみに私は天才型だ。
楽しい試合をすると言うのも勿論あるが、
何よりクリーンヒットが少ないのが好きなのだ。
見ていてはらはらするが、
結果壊れにくいボクシングをするので安心していられるのだ。


3月3日日曜日 3戦1勝2敗(1KO)

今日ほど人を叱りつけた日は無い。
坊が事もあろうに試合前喧嘩をしてきたというのだ。
「チンピラがコンビニの前で暴れていて…」
「状況の説明なんざぁ求めちゃいねえ!」
正義感がどうのという問題ではない。
何ヶ月もの努力を余りに軽んじた行動だから怒ったのだ。
試合前の勝利など何の意味も無い。
結果がこれだ。
最初調子に乗って飛び出したところをカウンター。
1発・2発…そして3発目に彼はマットに沈んだ。
試合後、『坊』はまだやりたいなんて事を言っていたが、
こいつをリングに上げ続けることに対して、何ら良い面を見出せなかった。
ボロボロになっていくこいつ、落ちてゆくジムの信用、対戦相手に残る心の傷…。
此処でやめるのがこいつにとっても、俺にとっても一番良いんだ。
しかし…あ〜あ。チャンピオンはまたお預けか。


4月7日日曜日 1戦1勝(1KO)

ヒロデビュー戦。3ラウンドKO勝ち。
なんと言うか…。圧倒されてしまった。
スタミナの重要性を改めて認識させられる試合だった。
ヒロはゴングと共に相手の懐めがけて飛び込み、
息を止めて連続でボディーブローを叩き込む。
余りの密着状態に相手は有巧打を打てない。
その後もリプレイのようにボディーを繰り返す。
3ラウンド中盤、しつこいボディブローに屈した相手の表情はまるで発狂したように見えた。
かわいそうに、減量後だと言うのにあれではしばらく何も口を通るまい。
今日は本当にほっとした。
しかし『坊』のこともある。2戦目は気を引き締めよう。


5月9日木曜日

ヒロはジムの家に転がり込むのが習慣付いているらしい。
体調管理がうまくいきにくいのでやめるように
再三注意しているのにやめようとしない。
この前、少し青白い顔をしてジムに来たので問いただしたら
「昨日、一緒にロッキーのビデオを見てたんです。
これがまた良くって…。
それで、その中で生卵を飲んでたんで、
自分も今日から始めたらなんか胃の調子が悪いんですよ…」
……あきれて、何も言う気がしなかった。
とりあえず帰したが、こんな調子で次の試合大丈夫なんだろうか。


5月25日日曜日 2戦2勝(1KO)

今日の試合は…マア、及第点だろう。
終始ジャブを出し、飛び込んできたら接近戦を受けて立つ。
目標どおりの試合が出来た。
ただこの前の試合でボディーを得意とする事がわかっていたらしく
『うかつに飛び込むな!』の声が盛んに相手陣営から飛んでいた。
選手もそれに応じてポイント狙いの試合運びをしていたので、
ヒロがいらいらしているのが下からでもわかった。
「長丁場になると、精神面でやられるかも…。」
これから6回戦に進出する事もあり、一抹の不安を残した試合だった


6月19日水曜日

かなり格上の選手から試合の申し込みがあった。
もういい年のベテランで、
6回戦にいるのが疑問の選手なのだが、これにはわけがある。
反則すれすれの手を使う事が多い選手なのだ。
だがその技術は老獪で、例え負けても
ヒロにとって得るものは多いと思ったので、このオファーを受けた。
(ヒロは嬉しそうにこの話を聞いていた。どこまでわかっているのだろうか、ハァ〜)


6月30日日曜日 3戦3勝(1KO)

若さってのは恐ろしい。
4ラウンド目、相手がフックの後に出してきたヘッドバッドをパーリングで流し(!)
そこにショートアッパーを二発叩き込んだのだ。
その後5・6ラウンドの相手のラッシュをなんとかしのぎ、小差で判定勝ちをモノにした。
とっさの判断、これは選手の力によるところが大きい。
俄かにヒロに対する眼差しが変わった。こいつはいける。こいつなら…。
ジムの仲間も総出で応援に来ていたようだし、今日は祝勝会をパ―っとやろう。
天狗にしたほうが良いのかもしれない、こいつの場合。
「カンパーイ!」
(未来のチャンピオンに対してな。クックック。)


8月13日火曜日

自分の現役時代はもっとストイックにやっていた気がする。
こいつがこんなに勝てるのは、やはり俺と才能の差があるせいなんだろうか。
そう思ったらたまらなくなった。リングに上がってヒロを呼ぶ。
縄跳びをしていたヒロは、不思議そうな顔をしてこっちを向いた。
そう、俺はめったにリングに上がらない。
技術的な指導のときのみ上がるが、ミット打ちなどは若いトレーナーに任せている。
腰を痛めているせいもあるが、やはりスピード面で俺とは格段の差があるからだ。
目の前でファイティングポーズをとるヒロ。
「ムウ、迫力あるな」少し気後れしつつミットを構える。
「まずはスウェーからジャブ、そしてアッパー!」
そう言った瞬間、目の前の空間がぽっかり空いた。
そこから距離を測るようにジャブ、続いて下から突き抜けるような衝撃!
次に何が来るかわかっていなかったら、ミットを飛ばされていただろう。
もっと攻撃的なコンビネーションは出来るかな。
「次は上下にコンビネーションだ。お前の肺活量なら出来るだろう。いくぞっ!
フック→ダック→アッパー→ジャブ→フックの順に打って来い。
そして最後はスウェーだ!」
(これを番号で言って出来るようになったら格好良いのに)
此処で俺は後悔した。ついていけないのだ。
サンドバッグ状態の中懐かしい痛みを覚えながら「これが天才か…」と思い知らされた。


9月1日日曜日 4戦4勝(2KO)

日本ランカー中でも噂になっているらしく、
なかなか試合が組めなかった。大変な反面、うれしくもある。
知り合いのジムに話をつけて、やっとこさ試合を組んでもらった。
聞けば階級を下げたばかりで、この試合が初試合だという。
だが、彼の長いリーチもヒロにとっては意味をなさなかったらしい。
1ラウンドに1発、2ラウンドに1発。
たった2発のクリーンヒットで相手をリングに沈めた。
試合後相手陣営に謝りにいこうかと思ったが、さすがにそれは出来なかった。
(後で電話で謝りの電話を入れといた。)
こんなに済まない気分になった勝利は初めてだ。
なんだかなあ。東洋ランク入り決定も上の空で聞いていた。


11月23日土曜日 5戦5勝(3KO)

ヒロがボロボロになって試合会場に来た。
驚いてわけを聞くとチンピラに絡まれてのされたらしい。
「何で無視しないんだ」と問い詰めると
「『坊』さんの事冷やかされて、カッときて…」と答えた。
聞くに堪えない罵詈雑言に我慢し切れなかったらしい。
試合にも時々花束を贈ってくれ、電話で励ましたりしている『坊』は、
ヒロにとって大切な存在である事が窺い知れていたし、それ以上何もいえなかった。
試合は捨てたつもりでリングに挙げた。
タオルを1ラウンドからずっと手にもって。
しかしこいつは勝っちまった。
2ラウンド半ばショートフックが相手の顎(と言うか喉に見えた)にヒット。
次のラウンド顔面へのストレートがクリーンヒットした。
4ラウンド目に戦意をなくした相手はその後防御を固め、
しばらくして相手のまぶたが切れ試合終了。
4ラウンドKO!世界ランク決定だ!


12月25日水曜日 

「そういやぁこいつに何もしてやらなかったな」
ジムでシャドーしているヒロを見てそう思った俺は、
クリスマスプレゼントとして焼肉を奢る事にした。
「美、美味い!」
…こいつほど奢りがいのある奴もいないな。
今度は何を奢ってやろう。


2月2日日曜日 6戦6勝(3KO)

こいつはどこまで行くんだろう。そう考えると恐ろしくなる。
3ラウンド、不用意に下がった相手の右ガード。
ヒロは躊躇せずに打ち込んだ。
飛び散る汗、揺れる身体。
こんなときいつも、俺は負けたような錯覚に陥る。
だが現実は…ヒロの拳が相手のテンプルに食い込んでいる!
その感触にヒロも興奮しているようだった。
「またKOできるかもしれない」そんな表情だった。
12ラウンドじりじりしていただけに、少しあせりがあったように思われた。
そこをつかれて互角の展開まで持っていかれたが、なんとか中差で判定勝利。
ほっとした俺とは対照的に、ヒロは不満そうだった。
「俺はもっとやれますよ」
そう言い残して帰って行った。


2月5日水曜日

『日本人頂上決戦』そんなタイトルの冊子を持ってテレビ局の人間がやってきた。
「これは絶対視聴率取れまっせ〜。
会長はんにも損はさせまへんから一つ、
この話お願いできまへんやろか」
少し考えて、この話は断る事にした。
天狗の方向が自分に向いているうちは良い。
しかし人受け狙いをしようとしたら、
あいつのリーチでは少々無理な飛び込みもするようになるだろうし、
見栄えの悪いボディーの回数も減るだろう。
せっかく世界まで来たんだ。
ここで俺が選択を誤ったら取り返しがつかない。
結局テレビ局の人には
「世界チャンピオンの試合のほうが視聴率良いでしょう」
ということで、またのお越しを願った。
(何度も念をおされて少々むかついた)


3月10日月曜日 7戦7勝(3KO)

少し天狗も落ち着いたみたいで、
またボディーを多用するようになってきた。
これで良い、長丁場には欠かせないパンチだ。
今日の試合は安心してみていられた。
コーナーに戻ってくるその姿には、貫禄すら感じる。
「どうですか、会長」その言葉には自信がみなぎっていた。
それは虚栄心でも謙遜でもない、自然体の自分を見てもらおうという言葉だった。
「そのままで行け。問題ない。いつもどおり、勝つのはお前なんだから」
自信を持ってこの言葉をいえる嬉しさ。会長冥利に尽きる。
…世界ってこんなに近く感じるモノなのだろうか。
試合後、観客に向かって会釈するヒロを見ながら俺は思った。
日本ランキングどまりだった俺にとって世界は
天上世界のようで、手に届く存在ではなかった。
しかし俺は今此処にいる。
もと高校球児が甲子園飛び越えて
大リーグ監督やっているようなもんだ。不思議な感覚だ。
 

4月27日日曜日 7戦7勝1敗(3KO)

今日は愚痴るぞ〜。
大体、女友達が出来たって聞いたときからいやな予感がしていたんだよ。
見ろ、今日の試合を。
KO狙って無理に飛び込むもんだからことごとく迎撃されていたじゃないか。
大体何時からお前はアウトボクサーになったんだよ。
変なステップ踏むもんだから相手のジャブことごとく食らって。
出来もしないヒット・アンド・アウェーに到ってはやったとたん後ろに転ぶし。
見てて嫌になったよ。コーナー戻ってきても目を合わせないし。
とどめは…聞いたぞ、勝ったら言うつもりだったらしいな。
客席に向かって「エイドリア〜ン!」て。
ええ加減にせいよ、ホンマニ。


6月1日日曜日 7戦7勝2敗(3KO)

こんなに精神面の弱い選手だとは思わなかった。
あんまり出て行かないもんだから、相手選手がカウンター狙いだと勘違いしていたそうだ。
まさか、足がすくんでいたとは俺も考えなかった。
世界ランキングから外されたが、あれではしょうがない。
…どうしたもんだろう。しょうがない、一からきっちりやり直そう。
知り合いに心理カウンセラー紹介してもらえるそうだし。
技術面はキャンプで鍛え直すか。
娯楽のないどっかの岩山なんかでみっちりとな。


12月20日土曜日 7戦7勝3敗(3KO)

ヒロがうちのジムの門をたたいたのが一昨年の今日だった。
あの日も寒い日だった…。遠い昔のようだ。
最後の試合は惨憺たるモノだった。
キャンプがどうこうと言う問題ではなく、自信を喪失していたよ、お前は。
まるでいじめられっこを見ているようだった。
1ラウンドから相手のラッシュをただ受け止めているだけだった。
たまにおっかなびっくり出すパンチは全て迎撃されるしな。
たまらなくなってタオル投げちまった。
控え室で「もう十分やってきただろう」と俺が言ったとき
「うん」とだけ言ったきり下向いたお前を見て、
俺が流した涙はやっぱり悔し涙だった。
足りない部分が一杯あった。それを補えなかった、
いや無視してきた俺が腹立たしくってな。
勝ちに浮かれてたのは俺だったんだよ。ごめんな。
…しばらく、俺は選手育成から身を引く。
ジムでみんなの世話を続けながら色々考えようと思う。
ヒロ、ジムに顔を見せたくなったらいつでも来い。
また焼き肉食べよう。

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12月2日日曜日 40戦24勝(15KO)15敗1分

まぁ俺の昔話を聞いてくれ。
聞かない奴にはパンチだ。

デビュー戦はあっさりKOで勝ったよ。
テクもパンチもモノが違うと感じたよ。即6回戦だ。

昇級初戦は負けちまったが小差だしノープロブレムだ。
実際その後3連勝で日本ランクに。

俺はブルファイターだ。
ラッシュに隠した強打が炸裂、もう東洋だよ。

この頃は世界もじきだと思っていたなぁ。

東洋初戦に負けた途端東洋チャンピオンから声がかかった。
受けて立ったよ。どこに負ける要素があるんだ?

序盤少しやられたが思い切って打って出たら当たったぞ。
形勢逆転豪打炸裂だ。5回ぐらいでKOしたかな。

体制を整えてから世界を目指したいので
防衛することにしたが防衛できなかったんだ、何でだと思う?

直前のキャンプで台風直撃だ。
あんなの初めてだぜ。オーバーワークで派手にKOされたさ。

それで例の引退勧告ってやつさ。
このとき初めて会長の娘さんとしゃべったんだったけ。
その試合の相手が俺のライバルって言われてた奴だけど
たいしたことなくてな、倒せなかったけど。

世界ランクに入ったんだけど
相手も強くなってさすがに厳しいなと思ったよ、すぐ戻された。

で東洋で連勝してまた上がったんだけどまた負けちまってな、
でも今回は判定まで行ったんだ。

だから世界ランクに踏みとどまったら
次の相手があのライバルって奴だった。

今度は倒してやったよ、ラッキー遂にタイトルマッチだ。
会長ありがとう。

グラサンコーチは法事で来られなかった。
あの独特の雰囲気の中、終盤盛り返したが0−3の中差負け。

次こそと思った矢先。
あのグラブを吊せっての。

ちょっとカチンと来たんで隣町でスパーを組んでもらった。
頭脳派の俺には楽勝だったぜ、捨てパンチとか使ってな。

何とか引退は免れたんだけどその後連敗してまたリーチ。
相手は東洋チャンプ。この試合がマジでやばかったよ。

ずうっとペースを取られるんだけど俺もムキになってカウンター狙い。
当たらなかったらと思うとゾッとするね。
最終回にビンゴ!しかもぎりぎりKO。カウント11だったら立ってたね。

前回のこともあるので世界一本に絞ったんだけど
昇級明けはどうも調子悪くてな。また判定負けだよ。

久々のキャンプでこれがまた台風でな、
同じ手は2度は喰わねえがな。
さっくりKOで遂にタイトルマッチアゲインだ。作者も反省したんだろ。

このチャンプって奴が男らしい浜田っちによると
カット癖があるらしいって言うんだが‥
カットしてKOされたのは俺の方だったんだ。話が違うよ剛。

でお決まりのあれだ引退話だ。
あっそうそうちんぴらは6回戦の時に伸してたっけ。
俺は助けてくれと言われた時と俺に絡んできた時には容赦しないんだ、可能ならば。

危なげなくKO出来たのはスパーのおかげかな。
そしたらタイトルマッチ。よっしゃ来い3度目の正直だ。
これがラストチャンスだろうと腹をくくったよ。

こればっかりはいつも緊張するが俺も3回目。
6回に中ヒット。もらったと思ったね。
そこからは俺のペース。ラッシュでとどめを刺した。

そっから先は覚えてないんだ。
あとでビデオを見たらインタビュワーをそっちのけで
俺はただ泣くばかり、みんな大泣きさ。
A氏もウルウルきたって言ってたよ。

防衛戦は今まで通り挑戦者として戦ったが
風格だな序盤でノックアウトだ。
2戦目のリターンマッチもKO勝ちして4連続KOだぜ。

3戦目の相手は日本人だ。まあ安パイだと思ってたが強くてな。
負けてしまったよ、ペース取られてKO。

試合後階級を上げたらと言われてな。
はいそうしますと言えるか?
同じ日本人にやられて。絶対リベンジだと思うよな。
変更はなしだ。そしたらやっぱり例の引退話さ。つじつま合ってるか?

俺クラスになると引退戦は勝つことになってるんだが、
さすがに世界ランクだとKOは難しくてな。即タイトル戦とは行かなかったんだ。

前哨戦にライバルとやらの相手をすることにしたんだ。
カットでKOされてな。まさかと思ったよ。2戦2勝だったからな奴とは。

俺って倒し倒されだから結構ダメージ貯まっちゃってさ2/3ぐらい。
どきどきしたもんさ。
東洋でまた2戦やって世界に戻った矢先事件が起こったんだ。

会長の娘さんって奥手だなと思ってたら同僚と付き合ってるだと。
奴は秘密満載の女の子が好きだったしな。
俺もそうだけど。で傷心昇格負け。引退話。

リベンジの場に立つまでやめられるか。
気合いを入れてたら「いい体してるね♪」だとぉ。
おぅこちとらボクサーだ。そんな趣味はねえ。

怒りのKO勝ちのあと生涯たった一度の引き分け。
なぜ東洋で。立て直しにキャンプを張ったら、またも台風。
モンゴル来襲とか言って茶化すな。おじさん怒るぞ。

俺は嵐を呼ぶ男。そして男を呼ぶ男。
台風下の特訓に成功した俺は
スカッとKO勝ちし遂にリベンジの時を迎えた。

その試合の前日また言い寄ってくる男がいたんだ。
だからそんな趣味はねえって。

タイトルマッチ。
初っぱなこそ押されたけど2Rに良いのが
2発入って相手は完全にグロッキー。

でもラッシュはかけなかった、ベテランの戦い方って奴さ。
結局6Rで倒すんだ。この時のことも忘れられないな。

みんなが「お帰りなさいチャンプ」だってよ。
思いっきり泣いたが今度はインタビューにはちゃんと答えたぜ。

試合後はテレビやらなんやらで
不死鳥だフェニックスだともてはやされていい気持ちだったよ。

防衛戦は例のごとく序盤はこっちがペースを取ったんだけどジリだ。
7Rに大きくカットあせったぜ。
ずんずんペースを取られたその時起死回生の強打炸裂。と同時に拳が悲鳴。

迷ったさ。うまく交わせればドローでも俺が防衛。

あのまま行けば最低ドローは確保できたんだが
俺はカットしてるし‥かわす自信がなかったんだ。
倒すことに賭けたんだ。
必死で打ち合ったんだがここでゴング。

きわどい判定になったんだ。
俺はぎりぎりドローだと思いたかったが少し負けてたんだな。
1−2の判定負けだ。

やっぱり拳は骨がやられてたけど
幸いボクシングは続けられることになって、
いい機会だから長期休養を取ることにしたんだ。

階級も上げたしな。
リベンジは果たしたことだしいいだろう。

長期休養明けの試合は引退がかかってるけど
その前にデビュー前の後輩とスパーをしたんだ。

ダメージも抜けたしな。
昔俺のことをボクちゃん呼ばわりした例の後輩だよ。
まだまだだったけどいい筋してたし根性があったぜ。

この試合が最後になるとはこれっぽっちも思ってなかったんだが、
知らない内に若くなくなってたんだな。
割とあっさり負けちまってな。

それで引退して復帰も断られてこうしてトレーナーをやってるんだが‥
どうだ、ボクシングやってみないか。

(きのぴい様)

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2001年10月8日月曜日 30戦19勝(9KO)9敗2分

ついにバンタム級デビュー!
しかし会場の雰囲気にのまれて実力が出せず…ドローに終わる。

次の試合は何とか勝てたが、それからは負けっぱなし…
町にはヤクザがうろついてて危ないったらありゃしない。
ま、俺の拳があればあんな奴ら3秒で殺しちゃうんだけど、
素人相手にムキになるのも大人気ないし、相手にしないよ。

怖いんだろうだって?
ば…馬鹿いっちゃっちゃぁいけないよ!俺が怖がるわけないじゃない。
これでも一応ボクサーだよ?まだ一勝しかしてないけど…。

俺は素人相手にゃ拳はふるわないが、プロ相手にもふるわないらしく負けっぱなし。
協会からリストラされないのが不思議なくらい。
と、思ったらやっぱりクビだって…

でもボクシングが忘れらんないんだよね。
だから、会長にお願いして復帰させてもらったよ。
そしたら突然流れのコーチが現れて指導させてくれだって。
俺みたいな味噌っかすボクサーでも強くなれるのかな?
一丁お願いしてみるか。

流れのコーチは俺に強打の打ち方を教えてくれた。
そのおかげで俺は生まれ変わったね。ハッキリ言って!

試合でも強打爆発で自分でもビックリするくらいだよ。
ま、俺には元々素質があったんだけどね。

なんて言ってる間に世界タイトルマッチ決定!
「今の俺は誰にも止められないぜ!ぐははははは。絶対勝てる。楽勝で。」
なんて思ってたら、楽勝で負けた。うう、調子に乗りすぎたか…。ちょっと反省。

すると、オヤジが突然引退しろなんて言ってきた。
たった一回負けただけで引退?ふざけるな!

次の引退をかけた試合では燃えたね。ハッキリ言って!もちろん試合は余裕で勝ったよ。
そしたらオヤジが今度はタイトルマッチにリベンジだ!なんて言ってきやがる。
どっちなの?辞めさせたいのかやらせたいのか、ハッキリしてくれよオヤジィ…。

いよいよタイトルマッチ。2Rはじめで俺のパンチがチャンプのまぶたを切ったらしい。
チャンプは何も出来ないままKO。ぷぷっ!見っとも無いの。

今日から俺がチャンプだ!誰でもいいからかかって来い!
なんて言ったら前チャンプがリターンマッチにやってきたよ。
ちょっとびびったけど、前とは比べ物にならないほど弱くなってるよ?この人…。
それとも俺が強くなったのか?

その後もメキシカンやら日本人やら片っ端からぶっ倒して
7回目の防衛戦…負けた。あっさりと。

するとオヤジがまた辞めろなんて言ってくる。
本当、負けると手のひら返したように冷たくなるね、このオヤジ…。
いいよ。一つ上の階級も制覇してビックリさせてやるから。

ビックリした。最後の試合が、まさかあんなにあっさり終わるとは…。
序盤に相手の頭突きをくらってそのままKOされたよ。
あんなの有り?頭突きだよ頭突き。

でも、いいさ。俺には可愛い奥さんとお腹の中には赤ちゃんがいるから。
あれ?言ってなかったっけ?

ははは。ごめんごめん。何だかちょっと照れくさくってさ。
だって、ボクシング一筋!みたいなこと書いておいて、
しっかり子供まで作ってたなんて恥ずかしくない?

ううむ。子供の名前、何にしようかな。そうだ!
男の子なら鯛孫(たいそん)
女の子なら陽光(ようこう)にしよう。
イテッ!なぜか奥さんに殴られた…。俺なんかした?

(ユピテル氏)

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