長島健吾
大山清というボクサーを知っているだろうか？2度の日本タイトル挑戦は
いずれも失敗に終わったが
粘り強いファイトと精神力で
長期に渡って日本ランカーとして
戦ってきた本物のプロボクサーだ。
最後の試合となる1985年2月28日、
対戦相手は島袋忠司、
当時世界を期待されていた
日本屈指のホープだった。
8戦7勝（5KO)1分、
無敗で世界への階段を順調に登り続ける島袋にとって
34戦16勝（9KO)12敗6分の大山は
頂点へのステップ（踏み台）に過ぎなかったのだろう。
ラストファイトに掛けるベテランの想いは
果たしてホープに通用するのだろうか？
残酷な現実、試合は一方的な内容となった。
島袋のパンチが大山の顔面とボディに
容赦なく食い込んでいく。
それでも前進を続け、逆転の望みを捨てなかった
ベテランの意地は、8Rの強烈ボディで断ち切れた。
スローモーションで倒れた大山は
必死で立ち上がろうとするのだが
体は意思に反して動いてくれない。
ホープが周囲の予想通りに
ベテランをKOで下して
更に世界への階段を登った瞬間。
…リング下の通路の真ん中に
仁王立ちしている少年の姿があった。
両拳を握り締めて、歯を食いしばって
涙を流すまいと必死で耐えている少年。
じっとリングを見つめている。
父の倒されたそのリングを…
「ボクシングは嫌いだから
サッカーの選手になる。」
そういっていた小学生の少年は
翌日から朝のロードワークを開始する。
それまで父のことを嫌いだと思っていた少年。
あの夜、あの試合の父親の姿は
少年の奥底の想いを吐き出させたのだ。
本当はボクサーである父親を誇りに思っていたこと
そんな父のようなボクサーになりたかったということ
少年の名前は長島健吾。
あの時からずっとボクシングを続けている。
そして今、世界が届く位置にまでやってきた。
親子鷹の夢はもうすぐ運命のゴングに辿り着くのだ…
そのテクニックは確実に世界レベルである。
変則軌道のフックが曲者篠崎のアゴにヒット！
（これを当てるために長島は3発の捨てパンチ）
投稿
長島会長、健吾君、いつも広島の遠地より応援しています。
そして、世界タイトル戦は“まだかまだか”と3年間心待ちにしておりました。
それが『手の届く所まできている』との情報、
私自身気持ちの昂ぶりを抑えきれません。
世界タイトル戦には、必ず応援に行きます。
会長、健吾君、その時までお体ご自愛され、
ベストコンディションで挑まれる事をお祈りしております。
この文が会長に届くのなら、
総和ボクシング教室の藤井より、とお伝え願います。
両国国技館（長島健吾の世界戦）に行って来ました。
しかしボクシングはせつなく、儚いですね。
弱小ジムにも関わらず、親子鷹でずっと
やってきた長島健吾が2RであっさりK.O負け。
待ちに待って、遂に実現した世界戦です。
健吾だって相当な想いがあったはずなのに…
プロレスだったら絶対に勝っていたはずです。
それぐらい完璧な世界奪取のシナリオでした。
まあ、「とにかく打たれ弱い（特にアゴ）」
「終盤クリンチが多くだらだらする（vs三谷はひどかった）」
「東洋太平洋を返上し強い敵を避けていた」
など不安な点は多々ありましたけど…
それでも僕は期待してました。
もう入場からボルテージ上がりまくりでした。
正直涙ぐみました。
「健吾!! お前の夢は今日、ここ両国で叶う！
そして俺が見届け人だ!!」って。
試合が始まり、一見動きのよく見える健吾。
抜群のフットワークと腰の入っていない左、
相変わらずのスタイルです。
でもシリモンコンの嫌なタイミングの右カウンターが気にはなっていたんです。
「これ当たったら終わりそうだなぁ」って。
そして2R。予想的中。
カウンター気味に入ったパンチで健吾は終わってしまいました。
それでも何度も立ち上がる健吾に、僕は大きな声援を送り続けました。
泣けましたね。
僕の後ろに座ってた見知らぬ親父も
「頑張れ!! 頑張れ長島!! お前の人生がこれで変わるんだぞ!!」
と大声援を送っていました。
その後、予備試合を2試合ほど観て帰路につきました。
僕は再認識しましたね。
「ボクシングはやっぱり最高だ!!」って。
そしてその感動をボクシングファンの友人と
酒を飲みながら語らいました。
ボクシングに興味がある人って少ないんですよね。
そして本日「もっと誰かに伝えたい。この俺の熱い鼓動を!!」と思いながら、
仕事中にグラフでボクシングをやってたんです。
そしたら「あっこのゲームの作者、西沢さんが俺以上に熱いじゃん」
と思ってメールしてしまいました。
長々と駄文すみませんでした。
（Ｉｗａｔａ氏のメールより）
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