ボクシングのゲーム、実写でボクシングのバナー(3)

木村鋭景

帝拳ジム期待の新人としてデビュー。

致命打を受けない安定したディフェンス。
鋭く伸びる左リードジャブ。
その直後に放たれる、スムーズでシャープな右ストレート。

レベルの高いボクシングは誰もが認めていた。
順調に新人王を獲得し、洋々たる将来が期待されていたのだが…

伸びるジャブを最大限に生かすために、遠くなりすぎた距離感。
完成度を高めるたびに失われていった積極性。
一時期はかなり攻撃パターンが単調化していたと記憶している。

打っては離れ、打っては離れ…。

木村はそんな状態でも勝ち続けた。

そして迎えた日本タイトルマッチ。
王者は九州の越本。
戦前の予想はまったくの五分五分であった。

序盤、木村は今までにない積極攻撃を仕掛け、完全にペースを握った。
5Rには、王者をコーナーに1分近くも釘付けする。
が、木村のスタミナはここで切れてしまう。
終盤は一方的な反撃を受けてしまい、ついには連打によるTKO負け…。

木村のボクシングでは通用しない?
力を出し切った末の敗北は
彼のボクシングの底を見せてしまったような気がした。

その後の再起戦でも冴えない勝利が続く。
どこか、自分のボクシングに悩みが感じられた。

「もっともっと…練習して頑張ります。」

自身の不甲斐ない勝利に声を詰まらせることもあった。

厳しい試合が続く中、巧者萩原との上位ランカー対決でも痛恨のドロー。
なかなか念願の挑戦権を獲得できない。

が、この試合から徐々に木村のボクシングは変わり始めた。
攻撃のテンポが速くなり、スタイルに無駄がなくなっていったのだ…

順調にキャリアを積んでいく木村に再びチャンスが到来する。
平成12年3月、越本返上で空位となったタイトルを争うこととなる。

相手は宿敵、萩原。
もつれる試合が予想されたが、木村は過去最高の試合を披露する。

綺麗なフォームから繰り出される正確無比なパンチに
もうあの頃の悩みはまったく感じられなかった…

終わってみれば、ライバル萩原をまったく寄せ付けず、7RTKOでの完勝!

「一戦、一戦、後がないつもりで頑張る。」

新王者のインタビューでそんな発言があったが
筆者の予想では、木村はまだまだ勝ち続ける、と。

そんな予感がする…



王者決定戦で王者になった選手には過酷なルールが待っている。

その初防衛戦に最強の挑戦者が指名されるのだ。

当時ランキング1位はカズ有沢。

が、ライト級でのタイトル挑戦に失敗し
2階級も下げてきたカズの肉体は
過酷な減量で弱りきっていた。

前哨戦を2RKOでクリアーしたものの
内臓疾患で入院、挑戦権は無念の放棄となった。

幸運を射止めたのは関西の強打者、奥田春彦。

東京のファンにとって馴染みのない謎めいた選手だけに
18戦17勝(13KO)1敗の戦績が不気味に際立つ。

後楽園に現れた奥田春彦は
色白で上背のある若者だった。

純白のガウンで鍛え上げたその肉体を隠し
幅の広い必勝鉢巻を巻いたその姿…

「この挑戦者は強い」
筆者は強くそう感じた。

序盤は木村独特の高速コンビネーションが
奥田の強打を発動させずに過ぎた。

4R終了間際、圧力を強めていった木村に
奥田のフックがカウンター気味に決まる。
が、何事もなかったかのように木村は
それまでのボクシングを忠実に続行した。

続く5Rはドラマチックな展開となる。

開始から15秒後、間を取った奥田に対し
木村が右ストレートを強力にヒット!

奥田の顔面が後方に弾ける。

すかさず距離を詰めた木村は
ボディから顔面と理想的な追い討ちを浴びせた。

更なる攻撃を加えようとした木村に
今度は奥田の左フックがカウンターとなる!

フラリとリング中央でバランスを失った木村を
貪欲な奥田は見逃さない。

渾身の右ストレートが木村をロープ際まで吹き飛ばした!

ダウン!

ゆっくりと立ち上がった木村の表情は
完全に無表情だ。

王者にダメージはあるのだろうか?

タイトル初挑戦の奥田は構わず猛攻撃を選択する。
が、木村は冷静だった。

「ダウンは足がもつれただけ。」

試合直後にそう語った木村は続けてこう語った。

「逆にチャンスだと思った。」

確かにあの時、ダメージが残っていたのは奥田のはず。
が、熱狂の後楽園ホールで
リアルタイムにそれを感じていたのは
木村だけだったのかも知れない…

挑戦者の気持ちのこもった連打に対して
細かくカウンターを奪い続ける木村。

攻めながらもダメージが蓄積していく奥田だったが
そのパンチはまだ生きている。

油断のできない打ち合いの末、
木村が左フックを強打すると
奥田の意識が飛んだようだ。
追撃の右ストレートで前方に崩れる挑戦者!

逆転のダウンだ!

カウント2で立ち上がったが、ダメージはありあり。

再開後、最後の反撃を試みる奥田だったが
もはや体が動かない。

木村のパンチに反応できない挑戦者を見て
レフリーが好試合に終了を告げた…!

この劇的な初防衛を経て
木村鋭景という選手がどこまで
成長するのか?

楽しみに見守りたい…




投稿

木村鋭景は世界チャンピオンになれる器だと思います。
技術的にも精神的にも。
雄二ゴメスに負けたのは、事故だと思います。
あの試合で負けたことで、さらに成長してくれると期待します。
右ストレートのカウンターは抜群のタイミングです。
あれをもらったら、世界チャンピオンも間違いなく倒れます。

(エスワイケー氏)



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