「ボクサーにとって本当のピークといえるのは
そのキャリアの中で一試合しか訪れない…」
英国出身の元世界王者の言葉である。
日本の誇るカウンター・パンチャー、村田英次郎にとって
その試合とはルペ・ピントール戦だったはず。
無敗のまま世界挑戦にまで漕ぎ着けた村田は
メキシコの英雄相手に堂々の滑り出しを見せた。
得意の右カウンターが次々と王者の顔面を捕らえる。
さすがのピントールも少々たじろいだ様子…
このまま村田ペースで進むのか?と思われたが
序盤のオーバーペースがたたり、後半はさすがにペースダウン。
…王者の前進が始まった。
ついには14R、ダウン寸前のピンチを味わう挑戦者。
が、最終15Rには開き直った村田が華麗にボクシング。
貴重なポイントを奪取する。
が、判定は非情のドローだった…!
落胆した村田だったが、保持していた東洋タイトルを
防衛しつつ世界再挑戦の機会を虎視眈々と狙い続ける。
無敗をキープしたまま戦い続ける村田に
ファンの期待は高まった。
チャンスは翌年やってくる。
アメリカの黒人王者ジェフ・チャンドラーに挑んだ村田は
前回のうっぷんを初回から爆発させる。
右カウンターを強烈にヒット!
大きく吹っ飛ばされた王者…!
思えばこの一瞬こそ村田が世界王者に
最も近づいた瞬間だったのではないだろうか?
最終的にはまたもドロー判定で失敗に終わった世界再挑戦。
一度ならずもニ度までもドロー裁定とは…
悔やんでも悔やみきれない村田だったが
再び東洋王座の防衛を重ねながらチャンスを待った。
そして迎えた3度目の正直、チャンドラーとの再戦。
アトランティックシティで行われたこの試合、
コンディション調整に失敗した村田に勝機はなかった。
前回の接戦が嘘のような一方的な展開となり
打ち込まれた末に13RTKO負け…
初黒星を喫した村田はそれでも諦めない。
世代交代を狙うホープ磯上秀一を3Rに切って落とすと
韓国・タイ・フィリピンの王者クラスを次々と連破。
ついには東洋王座12度防衛というレコードを達成する!
が、村田にとっての最終目的は悲願の世界王座獲得だった。
8年にも渡るキャリアの最後は
宿敵チャンドラーへの世界挑戦となる。
10R、コーナー際にばったりと倒れた村田はそのままKOで敗れ
世界のベルトを巻く夢は最後まで叶わなかった…
悲運の名ボクサー村田英次郎はグローブを壁に吊るした。
あの時、もう一撃があれば…
チャンドラーを吹っ飛ばした村田のワンツーストレート。
こんなに衝撃的な一発を決めたにもかかわらず、解説の郡司さん、
「あ、今、ふらつきましたね」って地味すぎるでしょ〜♪
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