三陸さかな図鑑 索引へ  メカジキ スズキ目 メカジキ科  

メカジキ
■地方名
 メカジキ・メカ


■名前の由来
 メカジキのメは大きな目の事を指すといわれている。また、カジキとは、鋭く伸びた上あごが船板を突き通す程であることから『梶木(かじき)通し』と呼ばれ、略称の末、カジキになったのだという。

学名 Xiphias gladius Linnaeus

英語名 Swordfish

■分布
全世界の温帯・熱帯域


■特徴  マカジキと比較してみる。
 刀状の上あごは長く、体形はずんどうで丸く、丸太のようである。背ビレは大きく、マカジキとは違い背ビレを仕舞う事が出来ない。出しっぱなしである。尾びれ付け根にある水平尾翼は一基、マカジキは2基ある。皮は鮫肌でヤスリ状、マカジキ族のような鋭く尖ったウロコは無い。この魚を胴から真っ二つに切るとほぼ丸に近く、骨と呼べるものは頭部とそこから伸びる脊椎、それからヒレの基部周辺だけである。それらの骨は出刃で切れるほど柔らかであり、また、マカジキ等と違い、腹骨は無い。


■マカジキのページへ
刀のようだ 英名Swordfish(ソードフィッシュ)
頭部から伸びた刀状の上あごが見事である。この剣を左右に振り、かつおなどの高速遊泳魚にダメージを与え餌にする。この上あごメカジキは平べったく、マカジキは槍状になっている。
下あごも鋭く尖っている 下あごもかなり鋭い。
本来は船上で切り落とされる。そして目は大きい。
400kgのメカジキ これは、近海大目流し網船が漁獲した、400キロのメカジキ。


■利用

左の写真は、冬縄で漁獲されたメカジキの身下ろし。氷蔵で落ち着いたカジキの身は、刺身にしたときに血合いの色が変わりにくい。また、身質自体も変わりづらいので、この辺が、輸入物や冷凍物、巻き網物と大きく異なる。

 マカジキと違い、身割れは殆んどと言って良いほど無く、刺身にすれば、身は白身で柔らかく、旨味が強い。こってりとした脂と強い旨味、それに甘みを意識せずに味わう事が出来る。照り焼きやフライ、バター焼き、それに煮付けなどもいい。油料理によく合う。地元では、昔、メカジキを茹でて魚油を作っていた時期もあり、肉が高かった当時はカレーの中に入れる肉の代わりにメカジキを使っていたという。現在は刺身や寿司ネタなどでスーパーなどでもよく見かけるが、今後、生氷近海延縄物の入荷が困難になるのかもしれない。


メカジキの身
■鮮度、身質、脂の乗り、身のもつ照り、血合いの色などが良いものは、近年、どんどん少なくなってきたようである。これは、地元の近海延縄船(氷蔵)が、ここ一年間で3分の一も減った事が上げられる。輸入による価格の低迷、それに付随する債務の増加、原油の高騰などとメカジキを取り巻く環境と共に悪化しているように思える。


2006 9月26日



索引へ

■トップページへ