禁断 のLSDに挑戦!!の巻。その@
(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)

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患部摘出の図


「LSD」といえば、人によっ て色んな解釈がありますね。
マラソンなどの競技をやっている人だったら、「ロング・スロー・ ディスタンス」ですし、
犯罪なんかに興味がある人であれば「合成麻薬」です。

まあ、当然ですが、ここで取り上げるのは「リミテッド・スリップ・ディファレンシャ ル」です。
勘違いのないよう。決して合成麻薬の作り方ではありません。

さて、おいちゃんが今のロドスタに、マツダスピードの2WAYの LSDを組み込んだのは
およそ2年前。初めて機械式のLSDを入れた時の車の動きには、そ れはもう感動したのですが、
去年のジムカーナの時から、どうも効きが悪いと言うか、効いていな いというか、そんな感じでした。
だいたい、3万キロ弱の走行距離でしょうか?
まあ、機械式の宿命でオーバーホール(OH)がいるので、そろそろ その時期がきたということです。
当然、このままでは面白くないんでOHをしてやることにしました。

はい、自分で。
「D・I・Y」で!


まあ、LSDの組み込み作業自体は2回立ち会ったことがあるし、い わゆる「デフ玉」のOHも、
基本的には、中のプレートのとっかえのみです。
ということであれば、あとはバックラッシュの測定器具さえあれば、 なんとかなる。←アテがある。

そんな思いで、ネット上でいろいろ情報収集しようとしたのですが、 DIYでLSDのOHを
やってる人(もしくはHPにアップしている人)は意外と少なく、情 報が少なかったので
どうしようかと思いましたが、まあ、おいちゃんのHPのネタにもな るし、後輩の役に立てれば
幸いなので、ココは一つ「人柱」の気分でGO!と行きま しょう。


さて、LSDのOHに必要な器具ですが、
バックラッシュの測定器具(ダイヤルゲージ)、イニシャルトルク測 定器(笑)等は、例によって
ながつ商会店長からお借りして、作業開始です。(この時点で余り参 考になってないかも)

デフケースは、別の日にJ58Gのクラブ員である、折口くん&タケ さんのお手伝いのもと、
下ろしていたので、まずは洗浄からです。(おふたりさん、どうもあ りがとう!)

でふ
一時期、デフケース右側のオイルシールが傷んだまま走っていたの で、オイルが飛び散ったあとがあり
とても汚いですね。こういうのも含めて洗浄です。


で、ざっと外を洗ってやったあとに、チャッチャとバラしていきま す。
バラすのは単純にボルトを緩めていくだけですから、何の問題もあり ませんね。
  デフ  でふ?
ボルトを10本外します。              かぱっと外 して。


でふ!
さて、あっという間にご本尊の登場です。

ここからは「少しだけ」慎重に作業します。何てったってベアリングとかが 剥き出しですから。
中央の「デフ玉」を摘出しますが、この時に左右のベアリングを固定 しているコンパニオンフランジに
「右」「左」が区別できるように印を付けておく必要があります。こ れを付けずに外すと、
組み込みの時に左右を間違えてしまうことになりますので要注意で す。
ここはそれさえ気をつけていればOK。

測定
背景がなんともはや・・・
で、デフ玉が単体となれば、バラシにかかる前にまずは現在のイニシャルトルクを測ってみます。

(これはNA6のアウトプットシャフトにソケットレンチを溶接し、 プレート式のトルクレンチを
差し込めるようにした「ながつ商会SST」で測定します。)

3きろ!
で、測定してみますがなんと、「3キロ弱」と いうへなちょこ具合!
そりゃ機械式が入っていないのと同じだわなぁ。(^^;
どーりでサブロクが決まらなかったり、コーナーの立ち上がりでトラ クションがかからないはずだ。

どらいばー
で、そんなデフをいよいよバラしていきますが、リングギヤを外すと 意外にもプラスネジ4つで
とまっているだけです。ネジ山を舐めないように、しっかりと力をか けながら緩めていきます。

で、いよいよご開帳です。

ご開帳 皿バネ 
中にはまず「皿バネ」が見えます。その下に溝の切ってあるプレート があります。
これを交換していくことになります。

本当のところを言えば、プレート交換(いわゆるマツスピのリペア キットで対応)せず「シム増し」で
済まそうと思っていたのですが、マツスピには「シム」の販売設定が ありませんでした。
以前は、他社のデフ(クスコとか)のシムを流用していたとのことで すが、いまではあまりシムを
販売しているところがないらしく、しかたなくリペアキットの購入と なりました。(2万円弱)
本当は、ばらしたプレートの痩せている(薄くなっている)モノだけ 交換すれば済むらしいのですが、
せっかく買ったのですから、この際全部交換してしまいましょう。
(測定が面倒くさかったというのはナイショ)

りぺあ  けいそく1
でも一応、新品のプレートの状態を確認しておきま す。
どのプレートも厚さ2.00〜2.01mmの間で推移していまし た。

みぞ        さらばね
プレート4枚。明らかに溝の出方が違う・・・なぜ?       皿バネ。バネ だけあって、まっ平らではなくテーパーが付いてます。
あと、外周に4つの爪が付いているプレートには、「表・裏」があるのか、外周の溝の切り込みが違います。

・・・結局、良くわからないまま組み込みました。(一応、以前組ん であった状態を参考にしました。)


さて、作業に戻りましょう。
 解体
 ないぞう1 
中心部分を摘出。
中のプレートを慎重に、磁石などを使って取り出していきます。

基本的に現在の状態を参考に再組み立てを行うので、バネやプレート の向きに注意しながら分解です。

内臓
デフ玉の中にはコレだけのものが入っていました。
このリングプレート&皿バネを総取替えします。

ギヤ 断面図
プレートと中心部分のギヤの関係。
デフ玉の中心部にはギヤが4つ入っています。これがどうにかなってロックするのでしょう。

詳しいことはわかりません。>こら。


再組み立て
最後の皿バネを組み込むの図。凸の部分が下になる。
新品のリペアキットに、デフオイルを塗りこみながら慎重に組み立て ていきます。
この作業自体は、難しくありません。元通りと同じように組むだけで すから。

UFO? 
UFOですよー!ヤオイさん!

・・・まだネジを締めていません。
素組みした段階で、コレだけの隙間があります。ちゃんと皿バネが効いているんでしょう。

で、4本のネジでちゃんと蓋をしたあとにイニシャルトルクを測って みます。



そのAへ続く。