そのA
禁断
のLSDに挑戦!!の巻。そのA
さて、「マツダスピード2WAYLSD:リペアキット」を素組みし
た結果は?
結果は・・・ええぇっ?!「4kg」〜↓
??
プレートを新品に入れかえたのに、たった「4kg」?
これはどうなんだろう?マツスピのデフは効きが弱いとは聞いていた
が、これではいくらなんでも・・・。
困った時の「ながつ商会」。さっそく店長さんへ直電です。
おいちゃん「プ
レート総とっかえで、4キロしかトルクがないんです
けどっ?汗」
ながつ商会店長「ま
あ、そんなもんだろう。」
・・・あ、そうっすか。(^^;
トルクを上げるには、やっぱりシムを入れるしかないだろうというこ
とに。
しかし、シムはない。
そこに店長さんからご託宣が!
ながつ商会「ホームセンターなんかでステン板買ってきて作るという
方法もある。」
・・・!そうだ!無いものは作る!この精神でGO!
これで壊れても自己責任。ザッツ・オーライ!
さっそくホームセンターで、0.1mmのステン板を買ってきて、シ
ムの作成です。
(それなら、最初からリペアキット買った意味無いじゃん、という突っ込み
は聞く耳もちません)
コンパスカッターで、シムの作成中。 で、作ったものを組み込みま
す。
リングプレートとほぼ同じくらいの大きさで、ペラペ
ラのドーナッツ板を作りました。(一応2枚)
これを一番最後、皿バネとデフ玉の蓋の間に入れてやります。
この作業は結構慎重にしないと、蓋を閉める際にシムがずれて、
蓋とデフ玉本体の隙間に挟み込んでしまいますから
丁寧に作業しましょう。
で、とりあえずシムを2枚(合計0.2mm)の厚さを増してトルク
を計ってやりますが、
これがまた10キロ対応のプレー
ト式トルクレンチでは測定不能なほど、高トルクに!
たった、0.2mmのシムでこんなに圧着力が増すのかと、少しビッ
クリです。
これではバキバキのドリフターズになってしまいますし、実際のトル
クが何キロかもわかりませんので、
再度分解して、今度は1枚だけ入れて計ってみると、
「7キロ」という程よいトルクが得られました。
とりあえず今回はこのトルクでよしとします。デフ玉のOH自体はコ
レで終了です。
しかし、一番の難関であると思われる「バックラッシュ調整」がこの
あとに控えています。
まあ、そこに行くまでにまだ作業がありますから、順に片付けていき
ます。
まずリングギヤをデフ玉に再装着。
ギヤとデフ玉の接合面にはロックタイト(ネジロック剤)を塗るよ
う、整備書ではなっています。
あと、当然ですがギヤを止めるボルトにも塗って締めていきます。ト
ルクは7キロくらいです。
で、合体。
とりあえず合体の図 側面に白く見えるの
がヤスリでつけた「合いマーク」 中央のギザギザをきっちり合わせます。
その後、デフケースに戻して組んでやりますが、この時に左右のコンパニオンプレートを間違えないようにします。
おいちゃんはバラす時に、ヤスリでかるく「合いマーク」をつけてい
たので、コレをもとに組み込みます。
あと、当然ですが、組み込んだときに内側のネジ山部をきっちり合わ
せておくことも必要ですね。
正式には「アジャストスクリュ」と言うらしい。
しっかり位置が出せて一応、デフ玉が固定できれば、トルクをかけて固定。4キロくらいです。
その後、バックラッシュ調整のためのリングをはめ込んでいきます。
この時はまだ適当に締めこんでいく位でいいです。あ、締め込む工具
もながつ商会SSTでやりました。
無い人は(ってほとんど全員でしょうが)、ラジオペンチの先を広げ
て回してやってもいいと思います。
さて、ここからが「数値を出していく」と
いう、おいちゃんが一番苦手とする作業の開始です。
赤と緑が固定用のドライバー。ボルト穴に挿して、動かないように固定。
まずはデフケースごと、万力か何かで動かないように固定します。
さらに、調整時(測定時)にリング&ピニオンギヤが回ってしまわな
いように固定する必要があります。
おいちゃんは、プロペラシャフトと連結するためのボルト穴にドライ
バーを突っ込んで固定させました。
バックラッシュ調整とは、いわゆるピニオンギヤとリングギヤとの
「噛み合わせシロ」みたいなもので、
これが大きいと、いわゆる「ガタ」が大きく、アクセルのツキが悪く
なったり、狭すぎると
逆に負荷がかかりすぎて壊れてしまうことがあります。(たぶん。)
マツダの整備書では、
最小値0.05mm(50ミクロン)
推奨値0.09〜0.11mm
バラツキ幅0.07mm以内
となっています。
このバックラッシュ数値も、店長さんから「0.07mm(70ミクロン)狙いでGO!」と
聞いていたので、
それを目標にがんばります。←?
ある程度、リングギヤがガタつかないところまで、調整リングを両方
から締め込んでいき、調整開始です。
こんな感じで、ダイヤルゲージをセットして、リングギヤを「カコカコ」と回転方
向にゆすってやります。そのときのガタツキを見る訳です。↑こんな感じ。
ダイヤルゲージをセットして、ギヤの先端に当たるようにして計ります。
なんと一発目で「0.07mm」が出ました!
あとは、1/4回転ごとにこの計測を行っていきます。
結果
1ヶ所目:0.07mm
2ヶ所目:0.06mm
3ヶ所目:0.06mm
4ヶ所目:0.05mm
という数値がでました。
4ヶ所目で最小値ちょうどなので、少し大きめにしようと思い、調整
リングを動かしましたが、
なかなかちょうどよいところが出ず、しかたなく元に戻し、上記の数
値で固定しました。
リング固定用のピンというかプレート。
この固定ピンがもう少し融通の利くものだったら、しっかり数値が出せたんですが。>本当か?
(1ノッチの調整シロが結構大きいので、数値的にも結構違いま
す。)
そうそう、調整リングは片側を閉めこむなら、反対側は緩めるといっ
た調整方法です。
で、なんとか無事(?)バックラッシュの調整も終わったので、あと
は元通りに組むだけです。
ケースを合わせる前に、アウトプットシャフトのオイルシールも新品
に交換しておきます。
これでオイル漏れとも暫くはおさらばです。
波状のグレーの物体が、マツダ純正液体ガスケット。 で、合体。
あとは液体ガスケットを接合部分に塗ってやり、合体。トルクは2.5キロくらいでOKです。
合体後にガスケットが隙間から漏れてきますが、気にしなくて良いで
す。
これにて、ようやくLSDのOHは終了です。
あとはコイツをロドスタに組み込むだけですね。
どんなデフの効き具合になるのか楽しみなところです。
<作業後記>
はじめて一人でやったデフのOHですが、作業の手順と器具(最低で
もダイヤルゲージは必要)、
あとはおちついてやる時間&場所があれば、結構できるもんだと思い
ました。
まあ、走った時どうなるかはまだ分かりませんが。(^^;
エンジンのOHにかかった時間と作業数&めんどくささからみれば、
デフのOHは
いざやってみればおそれるに足らずって感じです。
み
なさんもデフを壊す気持ちでチャレンジしてGO!
今回使用した特殊?道具
・おおきな万力
・ダイヤルゲージ(ながつ商会からのレンタル)
・イニシャルトルク測定器&調整リングレンチ(ながつ商会からのレ
ンタルSST)
・一応、デジタルノギス
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