7月25日(金曜日)〜出発日


自宅(広島市安芸区)→京都府舞鶴港


出発日






 午後から休暇を取り、出発準備をする。


ツーリングに必要な物はまとめていたが、いざ相棒(グース)に載せてみるとどうも収まりが悪い。

キャンプ用の折りたたみイス(中型)をキャリア代わりに括り付けてはいるものの、バイクがあまり大きくない分、荷物が異常に大きく感じる。

「うーん、かっこ悪い」

しかし、ソロキャンプツーリングを行なう上で、これ以上削れる荷物は無い(と思う)。


仕方が無いのでカッコウはあまり気にしないことにして車載を行なう。
そうこうしていると、さっきまで晴れていた空からポツリポツリと雨が降ってきたり、いわゆる 「狐の嫁入り」天気になってきたりなんかして。
おいちゃんのツーリングのお供としては、やはり「雨」 は欠かせない。気を使っていただいてありがとう!神様。
・・・さて、荷物を大型のレインカバーで包み込んで雨対策もバッチリ。

「さあ、いっちょ行ってみるか。」

と、16:00に自宅を出発。

相棒のいつもの音といつもの振動を道連れにして走り出す。
荷物が重いせいか、大きなバンプでは底付き感はあるが、気にしてもしょうがないので、あまり気にしないで走ることにする。


舞鶴港への到着予定時刻は21:30。

とりあえず、走りなれた2号線をトコトコと北上。まだ明るい中、広島ナンバーが大荷物を積んで地元を走るのはちょいと気恥ずかしい。
山陽道志和インターから高速へ乗り、神戸JCT→吉川JCTを抜け舞鶴道へ。

舞鶴道へ入ったあたりから徐々に寒くなりだし、所々霧雨も降っているので出発日からいきな りカッパを着用することに なった。
うーむ、今思えばこれからの北海道ツーリングを暗示していたかのようだなあ・・・。


 ナイトランは思った以上に体力を消耗するので、休憩を入れながら走っていると、到着は22:00前になってしまった。
フェリーターミナルで受付をし、既にインターネットで予約していたチケットを受け取った。
その場で申込み用紙に記入する必要もなく、スムーズに手続きが行えたので事前予約サマサマである。
この手続き方法はオススメである。ちなみに支払方法はカード決済。

 ターミナル内の駐車場にはすでに多くのライダー達が集まっていた。その数にちょっと圧倒される。

行列  たくさん

「うあ、めちゃめちゃ多いじゃん。何かの雑誌の合同ツーリングか?」


と勝手に勘違をしたが、何のことは無い、単なる北海道ツーリングの常連さん達が偶然?同じフェリーに乗り合わせただけなのだった。
うーむ、それにしても「おお、今年も来たの?」 という会話がいろんなところで聞こえる状況ってすごいなあ。

 おいちゃんは、はじめての北海道にいささかアガリ気味。すこし雰囲気にのまれてしまう。
そうこうしているうちに乗船時間。いよいよ本州を離れる時間である。ライダー達がほぼ一斉にエンジンを懸け、つられておいちゃんも火を入れるが良く考えて みるとこのバイクの量である。一台一台乗船券を船員に渡しながら入るので時間がかかる。はやる気持ちを抑えていったんエンジンOFF。他のライダー達も冷 静になったのかエンジンを切って順番を待つ。・・・だって排気ガスが臭いんだもの。

さて、これから小樽までライダー達を運んでくれるのは、新日本海フェリー「ニューあかしあ」。
これ。

船


小樽には27日朝4時に到着予定で、およそ28時間の船旅となる。
まあ予想通り大きな船で、以前この船に乗ったうちの兄貴曰く「着岸時にはその船壁でテニスの壁打ちが十分に できる」 と形容したが、
なるほど確かにそうだ、と妙に納得。


それはともかく、蟻が巣穴に入っていくように次々とバイクが船に飲み込まれていく。

おいちゃんもそれに従い、巣穴の所定位置に駐車させる。相棒とは一端ここでお別れし、必要な物のみ船室へ持って上がることになるが、いかんせんはじめての 船内泊の旅行でもあり、2等和室(雑魚寝部屋)でなにが必要なのか見当がつかない。周りのライダーの様子を見つつも、仕方が無いのでヘルメットとテント類 を残し、あとは持って上がることにした。


2等和室には枕と毛布が置いてあった。
こんなところ  

ああ、やっぱり寝袋は必要ないのか。フェリーの旅に慣れている人はスリッパも持参。うーむ、これはバイクのところに置いてきてしまったな。
おやぁ、妙にカップラーメンを持った人が多いなあ。なるほど、船内の売店にはその手のものが売っていないのか。
この点も失敗。おいちゃんには高めの船内食堂で食べるか、お菓子を食べて済ますかの選択肢しかない訳か。

などといろいろ考えていると、同室内にもライダーが数人いるみたい。こういう時はすかさず話し掛け、情報収集と旅のお友達を作るに限る。

「どうも、こんばんはです。北海道は何回目ですか?」

と、なるべくフレンドリーに話し掛けたこの方。
実はフェリーターミナルに着く前に、おいちゃんの前を走っていたセローの人だった。
(ターミナルが分からなくて若干迷っていたところに、荷を積んだセローが現れたので「これ幸い」とついて行ったのだ)

北海道は3回目という滋賀県出身のセローの主さん。
セローのあるじ  
やさしい方でした。

この方は、船内食料もバッチリ確保済。ビール片手に余裕 である。やっぱり経験者は違うなあ。
こっちもとりあえず景気づけにビールとチップスターを購入し、一杯やりながら北海道の情報を貰うことにした。
(実は貰ったのは北海道情報だけでなく、携帯食料を持ち合わせていないおいちゃんに、おにぎりや「サトウのごはん」を恵んでくれるとても優しい方であっ た。感謝!)

「自分はやっぱり道東がオススメですねー。」 とセローの主さん。

なるほど。ネットでいろいろ調べてみても確かに「道東」を中心に回っている人が多い。何がいいのだろうか。道?景色?人?そのあたりも聞いてみたが、どう も「すべて」みたいである。

そんな話で2人が盛り上がっていると、「私もいいですか?」とおなじ区画のソロライダー2人も話に加わってくる。
「ああ、どうぞ!どうぞ!」
と車座になって話が始まる。こういうのはソロならではだなあ。

自分はあそこが好き、ココがいい、今回は礼文島に渡るつもりだ、宿は?いい情報ないですか?等々・・・。ソロライダー4人での話は嫌が応にも気分は盛り上 がり、消灯を過ぎてもヒソヒソと話しつづけ、結局午前1時にようやく眠りにつくことに。

日本海は若干荒れ気味。
大きな船にもかかわらず、揺れが明らかに分かる中、船酔いならぬアルコー ル酔い のソロライダー達は船のエンジンの振動と波揺れも心地よく眠りについた。


7年ぶりのソロキャンプツーリングはこうして好スタートを切ったのだった。


本日の走行距離396.7km






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