7月27日(日曜日)〜3日目:時計回りで北へ

北海道小樽港→石狩→稚内→クッチャロ湖畔キャンプ場

最北端






 午前3時起床。下船準備をしながら今日のルートを決定する。
やはり「日本最北端の地」である宗谷岬は外せないの で、時計回りで北へ向かうことにしよう。
その後は道東に下り、天気次第で移動することにしよう。小樽の天気は曇り、気温は15℃とのこと。
気温が低いのでTシャツにダンガリー、フリースを着込み、その上からライダーズジャケット を着る ことにする。

そして・・・イージーライダーのごとく腕時計を外す!

ここから先、おいちゃんの腕に時計は必要ない!
北の大地での自由な旅 (帰りのフェリーに乗り遅れない程度の)が始まるのだ!

下船準備  下 船準備

同じ船室のソロライダーたちと「どっかでまた会いましょう」と別れをし、4:25分に下船。とうとう北の大地、約束の地へ足を踏み入れた。

 まだ薄暗い中、相棒がしっかりと北の大地を路面を捉えながら疾走する。

「ああ、今北海道を走ってんねんなあ・・・」

となぜか関西訛りで感動。

国道5号線から337号線へ切換え、さらに244号に入り北へ向かう。
暫くは同じ方向へ走るライダー達と一緒になり、必然的にパーティーができるが、それも速度差や信号で次第にばらばらになっていく。
朝早いこともあってか走行スピードはかなり速めである。そのため30分も走れば体が冷えてきて辛くなったので、さっそく防風対策にカッパを着ることにす る。風邪をひいては元も子もないからね。カッパ着用中にも目の前をライダー達が通り過ぎていくので、なんだか負けたような気もして焦るが、まだ1日目の早 朝、「急ぐ必要は無い」と言い聞かせて再度出発。

 海岸沿いの道はやたら広くてまっすぐで、寒い。路上の気温計は13℃ を示して、時折潮混じりの小雨が降ってくるっすよ?
どう考えても7月下旬の気温ではない。曇り空がその寒さに更に追い討ちをかけ る。ま、晴れることはあんまり期待してないんだけどね。
国道ではあるが巡航スピードは3桁近い。「日曜日だから車の数が少ないのかな。」とか思いながらひた走る。

左手には灰色のどこまでも続く海。右手に続く丘の上には、所々に風力発電のプロペラが立っている。
何も無い丘に大きな人工物があると、北海道の広さを強調しているようにも思える。

ふうしゃ

かなり壮観なので、わき道に入り発電機の下まで行って写真を撮る ことにする。これが青空であれば言うことなしなのだが。


 天塩からは国道を離れ、サロベツ原野に向かうことにした。
ここは事前に「行きたいところリスト」に挙げていた所でもある。「道がいい」というのももちろんだが、サロベツ原野を歩いてみたいのが理由だ。

びじたせんた   とり

ビジターセンターに行き、サロベツ原野の形成過程から生態等を見 学した後に、1時間ばかり探索道を歩いてみる。
沼地・湿地には様々な植物と鳥たちがいて美しい光景が広がっている。これが春なら花もたくさん咲いてもっときれいだろうなあ。


「平和だぁねぇ・・・」

い やいや!

一見平和に見えるこの光景も、最近急激に乾燥化が進んできているそうだ。
自然界では何百年、何千年かけて行なわれることが人間の仕業で環境が急変していく。
多くの人間が地球上で生活をしていくためにはやむをえないことなのかなぁ。


ちょっと和んだり考えたりしながら12時過ぎ頃再出発。
サロベツ原野の西の端を通るこの道は通称「オロロンライン」と呼ばれている。
どこまでもまーっすぐな道が続き、思考回路が麻痺してしまうような錯覚に陥ってしまう。

滑走路
「機 長、滑走路はオールグリーンです。」


「道」というよりはただの「線」である。電信柱もガードレールも無く、ただただ地平線へ向かい道が続いている。
たまにある軽いアップダウンがちょっとしたアクセントになっていて心地いい。


りしり  
見えん

晴れていれば左手には利尻富士が望めるはずだが、今日はガスがか かっていて麓が何とか見える程度である。

あまりの直線に思わず最高速チャレンジをするが(よい 子はやってはいけません。)、
荷物満載の250グースではせいぜい140キロが限度のようだ。とほほ。
その横をリッターマシンが

「ど かーん!」  

と抜いていく。空でも飛ぶ気か?あんたら。



 昼も1時を回った頃にノシャップ岬に到着した。


どうでもいい  
ノシャップ岬

風も強くおまけにさっきより寒い。さっさと写真だけ撮り、昼飯を 食べることにする。
さて、どこで食べようか。

「そういえば、岬に来る手前の海鮮丼系の店にバイクがたくさん停まっていたなあ。」

と、案外単純な選考基準であっさり決定。
店員が気持ちよく迎えてくれたこの店は、あまり気にもしていなかったがどうやら有名な所らしい。
値段もやはりイイが。せっかくなので少々高くてもおいしいものを食べることにするが、「無 敵のウニ丼」とやらは5000円 もする。

これはびっくり。おいちゃんはたいしてウニが好きなわけでもないのでこれは却下。
ほかにもイクラ丼やらがあった気もするが、

最終的には5色丼2500円に決定。

めし  ←これ


ウニ・イクラ・カニ・イカ・とびっこの5種類が入っていてボリュームもなかなかあって美味しいが、もう500円安ければ文句なしかなと思う。

2500円分をしっかり味わって食べ、2時ごろ出発する。
稚内を過ぎ、宗谷岬へ向かう。宗谷丘陵から岬へアクセスしたが、曇っていてもなかなか雄大な景色ではある。

のどか
晴れていればとてもいい眺めだろう。




本州最北端には「間宮林蔵の像」が北を向いて立っていた。
君の瞳に


60歳を過ぎてから蝦夷の地の測量を開始した彼。この地にはじめて立った時、何が目に映り、何を思ったのだ ろうか。



最北端の地で3Lほど給油し「最北端給油証明書」とベビーホタテでつくられた「交通安全」のお守りを貰う。
さっそくお守りをキーホルダーにくくり付ける。宗谷岬を制覇し、これで本日の目的は一応果たしたので、後は南下しながら宿泊所をさがすだけだが、フェリー 内での情報でクッチャロ湖畔のキャンプ場が良いとのことであったのでそこへ向かうことにした。

しかし寒い。風も強い。「うおー!」 とか「なーっ!」と かよく分からないことを叫びながら走りつづける。
道がまっすぐな上に交通量もかなり少なくので必然的にスピードは出る。そこに気温の低さが加わるので寒さは相当なものだ。

単純計算では、体感気温は風速1m/s増すごとに1℃下がっていくので、これから考えると時 速80km/hで走れば風速は約22m/s。
つまり空気温の13℃から見れば 体感温度は−7℃となる計算だ。

・・・マジか?

まあ、実際にはたくさん着込んでいるし、防風にカッパを着ているので服の中はその温度ではないのだが、どちらにしても寒いのは確かである。

南下途中に「セイコーマート(北海道にはよくある地方限定のコンビニ)」で簡単な夕食(魚肉ソーセージ!)を購入する。
ついでに忘れてきた髭剃りも買う。クッチャロ湖畔キャンプ場には4時頃到着した。

くっちゃろ

クッチャロ湖はラムサール条約で水鳥の渡りの拠点として保護され ていることで知られているが、
曇天模様の空の下でみる湖には、アオサギが数羽いただけで灰色の重たい水をたたえているだけ。

「うーん、うら寂しい・・・」


キャンプの受付を済ました後にさっさとテントを張り、隣りの温泉施設で体を温める。
お湯が良くて肌がつるつるになるのが気に入った。
みれば「美人の湯」と書いてある。なるほど、寒風でガサガサになった顔にジワジワ染み込んでいく。足も伸ばして湯船でストレッチをする。
あんまり浸かって美人になってもしかたがないので、30分ばかり入って今夜の宿へ戻ると、ハーレーが1台止まっていた。
しかも広島ナンバーではないか。どうやら先にテントを張って同じく風呂に行っていたようだ。

夕食もそこそこに話し掛けると、なんと東広島は西高屋の方 であった。うわ、めちゃローカル!

北海道には2週間ばかり滞在の予定だそうだ。やはり北海道には複数回訪れているようで色々情報をいただくことに。
この方のオススメもやはり道東。

おいちゃんが明日は更に南下し、屈斜路湖近辺まで行く予定であることを話すと

「じゃあ明後日は羅臼の民宿に泊まりんさいや」


と薦められた。

その名も「とおまわり」。なん でも夕食には食いきれないほどの海の幸を出してくれるのだとか。
そういうの話で有名なのは、サロマ湖畔の「船長の家」だが、そこと比べても量が多く、またいろんなものを出してくれるらしい。
うーん、今回はオールキャンプを予定していたけど、そこまで言われるとちょっと興味も湧いてくるなあ。

一応電話番号を教えていただき、さらに「網走監獄」 も一見の価値ありと教えていただく。
こっちもあんまり興味は無かったのだけれど。

そんな話をしていると、ポツリポツリ雨が降ってくる。ラジオから流れる明日の天気は「雨時々 曇り」らしい。

むう、聞かなかったことにしよう。

そうそう、今夜の夕食メニューは
ビール、魚肉ソーセージの油いため、ご飯、味噌汁の豪華4品であった。
地図であらかたのルートを確認した後、寝ることにした。

てんと



本日の走行距離 486.6km





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