8時起床。
「雨」である。
昨日の天気も何のその、見事な雨
である。
昨日、天気予報で聞いてはいたが聞かないフリをしていたのに、効果は無かった。
同宿のライダー達はぼやいているが、車の人達は別にどうということもない、そりゃそうだ。濡れるのは車だけだもの。
これはまあ当然ではあるが、少し羨ましくも感じる瞬間である。
さて朝食だが、なるほど、夕食がアレで朝食がコレか。
普通の旅館での「夕食」の量が「朝食」としてでてくる。まったく大した民宿である。
朝食はすべてたいらげて出発準備をするが、気分的にはかどらな
い。他のライダー達も同様で 「連泊しようか」という
輩もでてくるが、
こっちはそうはいかない。日数的・金銭的余裕があればそれでもいいのだがね。
ある程度準備が整ったところで実家へのお土産を購入
するため、隣りの家へ。
隣りの家?そう、隣りは蟹の卸をしていて昨夜の飲み会の時に 「いい蟹が安い」と
オーナーから聞いていたのである。
朝早い訪問にも悪い顔一つせず、親切に対応してくれる。タラバ蟹と毛蟹を、本州ではまず
ない値段で購入 することができた。
(身の詰まったタラバ蟹の足2匹分で5000円!)
箱詰めしている間、「コレ食いなァ」
と毛蟹が1ハイ出てくる。(もちろんタダ!)・・・おお、朝から豪華なおやつである!
「今年はさむいっしょ?ちょっとおかしいサァ。まあ、俺達慣れてっけどぉ。」
と店長(?)が話してくれる。
蟹、ご馳走様でしたとても美味しかったです。
さて、ちっと憂鬱な出発である。
雨対策はカッパのみ。ブーツ・グローブはいつものを着用。
「雨のライディングはどんな対策をしても濡れる」
のがおいちゃんの持論である。(この持論、後に崩壊。(^^;))
しかし、足にはいちおう小細工している。靴下の上からコンビニ袋をかぶせ、水が浸入しないようにテー
ピングしてから靴を履く。
靴は濡れるものと割り切って地肌だけは濡れないようするのがいつもの手段である。
そうこうしていると時間はいつのまにか10時前になっている。お茶を飲んでいくよう薦められるが、一度休むと出発が億劫になりそうなので、
既に他のライダーは出発済み・・・。
後ろ髪を引かれながら出発することに。
雨の中、奥さんとヘルパーさんが見送り出てくれました。感謝です、お世話になりました、また来ますよー。
さてさて、今日はもう単純に「移動日」
として決定している。
根室・きりたっぷ・アゼチ、それぞれの岬はあきらめた。どうせこの雨では何も見えはしない。
それよりも釧路湿原へ
行って、あの雄大な湿地を歩いてみたいのだ!
羅臼から内陸部を走り釧路へ。途中、コンビニでの休憩時には一緒に泊まった親子ライダーと何回か出会う。
カワサキバイクマニアには垂涎の的らしい「KZ1000」に乗っている。
右の息子さんはおいちゃんと同い年。夕飯完食者の一人である。スバラシイ!(父は早々にダウン。)
仲のいい親子である。親父さんは昔バイクで「やんちゃ」をしていたのだとか・・・そんな風には見えない温和な方でした。
昼過ぎに釧路入りするも、「夕飯並みの朝食」を食べているせいで全然空腹感はない。まあ、当然かね。
このまま湿原入りすることにして、とりあえずビジターセンターに行くが「濃霧のため見晴ら
しが悪くなっています。」 との看板が。
がいーん! をいをい、 北海道メインイベントの一つがパアで
すか。
しかも何だか腕が冷たい。いつの間にかカッパから浸水し、ダンガリー・ライダージャケットが肘まで濡れ ているし、靴
下も濡れてしまっている。
これではカッパの意味がないじゃないかっ。しかしフリースが濡れていないのは何故だろう・・・。
それはともかく、服が濡れて、楽しみにしていた釧路湿原の探索も無理となってはいっきに意気消沈
である。
いちおうセンターの展示は見るが、さっさと移動することにする。ここは今後要リベンジである。
釧路から帯広・十勝方面に南下しようかとも思ったが、明日は富良野入り
して、ラベンダーのお花畑で
「ほうら、私を捕まえてごらんなさーい。うふふふ。」
とかすることに決めていたので、再度北上して阿寒湖に向かうことにした。
阿寒湖アイヌコタンで、アイヌ民族
の民族舞踊も見てみたいので北上を開始する。雨の中ただただ移動。昨日と違って鼻歌も出てこない。
濡れた服は冷たい。4時頃阿寒湖に到着し、キャンプ場を探しだす。阿寒湖半キャンプ場に宿を決める。
なんだか「○○湖畔キャンプ場」を選んで泊まっているようだが別にそういう訳でもない。
小雨になった中テントを張り、濡れた服をコインランドリーで乾かす間に湖畔の商店街へ向かう。
アイヌコタン(「人間の村」の意味らしい。)へ行き民族舞踊の時間をチェックする。
結構遅い時間までやっているみたいなので、これならば晩飯を食べてからゆっくり見ることができる。
簡単な土産を幾つか買い温泉へ向かう。
銭湯のような温泉ではあったが源泉100%
だとか。雨で冷えた体をしっかりと温めることにする。
温泉には、同じキャンプ場でテントを張るチャリダー達と一緒
になり、湯船に浸かりながら話をする。
どうも阿寒湖に着く前に相棒と一緒に追い抜いた一行のようだ。
なんでも東京の武蔵大学の学生で、自転車部が6人のパーティで6班が北海道入りしているのだとか。
最終日に集まる場所だけ決めて班ごとで好きに周っているらしい。これも面白そうな旅の仕方だなあ。
自分も大学1年の時に自転車で旅行をしていたことを思い出しながら、しばし話をした。
おいちゃんもあの時の自転車旅行はとてもいい思い出になっているし、その経験は生きていると思うので、
大変だろうが彼らにも頑張って欲しいと思う。・・・若いっていいなあ。
しっかり暖まった後にコンビニで「コーヒー焼酎」
なるものを購入し、テントで飲みながら晩飯とする。
おかずは「サバの味噌煮」のカンヅメという簡単なものにする。昨夜の夕食と今朝の朝食の影響が放射能のよう
にまだ糸を引いている。
食べ終わって少しゆっくりしてから、小雨の降る中アイヌ伝統舞踊を見に行ってみた。
独特のリズムとアイヌ語の唄で舞われる踊りに見入る。
なんと言っていいのか、舞い人のゆっくりした動きと不思議な音域で発声される唄
。
そして民族楽器「ムックリ」の音色(アイヌ文
化の中では楽器というものは珍しいのだとか)。
自然(神)に感謝し、調和しながら生活してきた人々の文化
に、少しだけ触れることができた。
これは一見の価値ありだと思う。
(余談ではあるが、アイヌ民族は黒髪の綺麗な女性が美しいとされているらしい。うむ。確かに舞い人の女性達の黒髪がとても綺麗だった。)
この日は1日雨で散々ではあったが、明日にはどうにか止むとの情報もある。
アイヌ民族楽器「ムックリ」の不思議な音色が耳に残る中、ウトウトと眠りについた。
本日走行距離 249.9km
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