12月 | 21日 | 他人から見たら修羅場 | |
31日 | 2008年最後の日 |
「忘れ物無いようにね。」
「大丈夫です。」
ドラ(略)さんに家へ送って頂き、車を降りた時のことだった。
「あ! 借りていた物を返し忘れた!」
今なら間に合うかもしれない。 時速20kmほどで走り出した車を追いかける。
「待ってください、待って〜!」
車は止まらない。
「待って!!」
気付いていないのかな。
「待って! ちょっと待って! 待って!」
30mは走っただろうか。 苦しくなってきた。 運動は苦手です。 50mを15秒で走ります。
ねえ、気付いていないの。 気付いているの。
もしも気付いているのなら……。
「『待て』っつってんだろ、おい、この野郎! てめえ!」
しかし、車は加速してゆく。
そして、私はやっと気付いたんです。
品の無い言の葉の数々が飛び出した時、近隣住人が目を丸くして私を見ていたことに。
状況を知らない人からすれば、「捨てられた女」だと思われているんじゃないかしら。
それで車を追いかけてまで、「自分を捨てた男」を罵倒している。
一気に冷静になりまして、「ああ、電話しよう……。」と。
走るよりも前にそうすれば良かったのに。
「はい、もしもし。」
「ハァハァ……借りた物!!」
多分、この時は、「ドラ(略)さんは私を無視している」という被害妄想に囚われていたのでしょう。
電話に出た瞬間、いきなり「借りた物!!」とは、どれだけ失礼なんでしょう。 ひどい逆恨み。
年越し蕎麦を食べ終わり、パソコンのモニターの前に向かっています。
振り返ってみると、今年はいろんなことがありました。
とても幸せだと感じたことも、今までに感じたことの無い苦しみを味わったことも。
来年も宜しければよろしくお願いします。
それでは、良いお年を。
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