「扉の向こうの青い空」第3章

〜プロローグ〜

 

 

 

「マスタング大佐。列車ジャック事件が発生しました。」

 

「乗っ取られたのは、ニューオプティン発 特急04840便。

東部過激派「青の団」による犯行です。」

 

「声明は?」

 

「気合入ったのが来てますよ。読みますか?」

 

「いや、いい。どうせ軍部の悪口に決まっている。」

 

「ごもっとも。要求は、現在収監中の彼らの指導者を解放すること。」

 

「ありきたりだな。……で。本当に将軍閣下は乗っているのか?」

 

「今確認中ですが、恐らく。」

 

「…困ったな。夕方からデートの約束があったのに。」

 

「たまには俺達と残業デートしましょうや。

まずい茶で。

…全くこんな日に限ってチヒロが休みなんて、ついてませんや。」

 

「チヒロさんが入れてくれたお茶の方が、ずっとおいしいですからね。」

 

「ここは一つ。将軍閣下には尊い犠牲になっていただいて、

さっさと事件を片付ける方向で……。」

 

「バカ言わないで下さいよ。大佐。乗客名簿あがりました。」

 

「あ〜、本当に家族で乗ってますね、ハクロのおっさん。」

 

「全く…。東部の情勢が不安定なのは知ってるだろうに、こんな時にバカンスとは…。」

 

乗客名簿を見ていたマスタングが、ニヤリと笑った。

 

「ああ諸君。今日は思ったより早く帰れそうだ。

鋼の錬金術師が乗っている。」

 

「エドワード達、こっちへ向かってるんスか?」

 

「そのようだ。さて、駅まで出迎えに行ってやるとするかな。

…っと、ハボック少尉。」

 

「はい?」

 

「チヒロを呼び出してくれ。一緒に駅まで迎えに行こうとな。」

 

 

 

 

 

20060303UP
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第3章です。
原作リンクなので、原作と台詞が重複する部分が多くなりますが。
「ふきだし」って句読点も何もあったもんじゃないんですねえ。
一応、丸や点。漢字などは程よく変換させていただいています。
では、どうぞお楽しみ下さい。
(06、03、13

 

 

 

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