幻想の元陽・棚田を撮る!
 幻想の元陽・棚田を撮る!9日間。こんなツアーに参加。参加者は男性5名、女性3名の8名。6名は海外旅行好きのカメラマン。ヨーロッパ、ネパール、モンゴル等々世界中を駆け巡っている方々。1名は中国通。何度もでかけらるているようだ。この方は一般の方。(一般の方という言い方はおかしいか?)こんなメンバーに加わった貧乏カメラマンが私。海外旅行は初めてではないが添乗員同行は初体験。いままでは海外なら行き先はどこでも良いくらいで、安いホテルをチョイスし食事も殆んどが自前という格安コース専門。カメラも1台、フィルム数本、荷物も機内持込だけでもいいくらい。そんな気楽な海外旅行だった。
 でも、今回は初めての撮影ツアー。あこがれの元陽の棚田。中国風にいうと元陽梯田。三脚を含め20kgの制限重量の範囲内にと借り物のスーツケースに荷物を入れたり出したり。(20kgを少し超過したが大丈夫だった)機材とフィルムは機内持込。これがまた大変。普段は車での撮影だから多少の予備機材は何の問題も無いのだがレンズの選択にさんざん悩み、最終的には予定外のデジカメに変更し645のボディにレンズ3本。EOSKissデジとフィルム用のEOSKissVにレンズ2本とし、予備の予備にミノルタTC−1とした。
 往きも帰りも観光地に立ち寄る。中国は初めてだが棚田の撮影に行くんだからこんな所はどうでもよく、棚田へ直行直帰がいいんだが旅行社の主催ツアーだから仕方ない。(石林ではすっかり観光客に徹し写真は適当に済ました)でも、元陽滞在の多いツアーだし、日本から講師帯同なんてないことは良いツアーだ。
日程(2004.3.7発)
日次 コ  ー  ス 宿泊地
関西空港→(中国南方航空)→広州 広州・白天鵝賓館
広州→(中国南方航空)→昆明→建水 建水・臨安賓館
建水→元陽 元陽・雲梯大酒店
元陽 元陽・雲梯大酒店
元陽 元陽・雲梯大酒店
元陽 元陽・雲梯大酒店
元陽→石林 石林・石林賓館
石林→昆明→(中国南方航空)→広州 広州・白天鵝賓館
広州→(中国南方航空)→関西空港  
@ 2004.3.7(日) 関西空港→(日本航空)→広州
 初めての中国は広州から。ただ、ここは夕食を取り寝るだけ。
A 2004.3.8(月) 広州→(中国南方航空)→昆明→建水
 広州のホテルは五つ星の超デラックスホテルだけど、昨夜も到着が遅く、今朝は早朝の出発。レストランも開いていないので弁当なのだがはっきり言ってマズイ!
 国内線で昆明に向かい、昆明→建水間の通海河西回族村にて少数民族の撮影をして今日は建水泊。
B 2004.3.8(月) 建水→元陽
 午前中建水市内を観光し午後やっと元陽に到着。つくずく元陽は遠い!!
 夕方の撮影スポットであるバーダの棚田に行ったが生憎夕焼けにはならなかった。
CDE 2004.3.9(火)〜11(木) 元陽
 三日間は毎日早朝起床で朝の撮影スポットへ。棚田撮影後は少数民族の村にてスナップ。昼は一旦ホテルに戻り昼食後休憩し、今度は夕方の撮影スポットへ。こんな毎日だったがこれも撮影ツアーならばこそ。一般のツアーならこんなことは出来ないだろう。
 しかし、天候が良すぎて朝夕の棚田もうまく色付かない。
F 2004.3.12(金) 元陽→石林
 今日は元陽を後に石林へ。石林の夕陽撮影。あまり興味もないので今日からは観光客に徹し撮影もメモ程度。
G 2004.3.13(土) 石林→昆明→(中国南方航空)→広州
 午前中は昨日に続き石林観光。早朝の風景撮影の後はサニ族のガイドで一般の観光コースを。
 その後昆明まで行き国内線で広州に。到着も遅く今回も寝るだけ。豪華ホテルなのに何か勿体ない。
H 2004.3.14(土) 広州→(中国南方航空)→関西空港

昆明のガイドさん
 今日は広州から関空に戻るだけ。初めての中国撮影ツアーも無事終了したが、写真は不満足。又何時か!
 都市部は豪華ホテルにレストラン、元陽でも新築のホテル。棚田撮影には現地のカメラマンのガイド付き。毎日、日の出や夕景を撮影し、日中は一旦ホテルに戻り休憩の三日間。あいにくの春霞の毎日だったが、我々の到着前の四日間は濃霧で何にも見えなかったらしい。それを考えると同行者、主催者そして現地の通訳兼ガイドも満足したツアーであった。
 こんなツアーだったが参加者の皆さんは人柄も良く、日本の添乗員や昆明からの通訳兼ガイドも気さくな人で楽しい旅ではあった。しかし、海外の撮影は旅そのものに神経を使い、出発前からの長いスパンにおいて写真に集中できない。添乗員付きで航空機のチックインはお任せ、スーツケースを運ぶことも殆んどなく、足、あご、昼寝付きで楽ではあるが、パスポートを始めとした貴重品の管理、重たい機材の運搬もうっとおしい。 
 
中国雲南情報
 バックパッカーの旅ではないので旅行記なんて書くようなネタはないが、自分が出発前から気にしていたことを2004年3月現在の中国雲南情報として書き留めておきます。元陽に出かける際は多少参考になるかも。
元陽棚田撮影時期
 せっかく遠路はるばる元陽に出かけるならば、11月頃から田んぼに水が張ってあるらしいので2月までに行く方がベターと思う。勿論、年毎に違うだろうが3月はもう春真っ盛りで気温が上がり雲海や朝靄の出現は確率が低いと思われる。(反面、冬季は何日間も濃霧が続くことは多いかも)滞在した2004年の3月中旬は天候はいわゆる晴れだろうが、遠方は霞んでスカッとした青空は全日程の8日間一度もなかった。
 今回は満足な写真が撮れなかったので次回は1〜2月に出かけたい。とにかくもう一度チャレンジしたい。出来ればお仕着せのツアーでなく個人旅行とか、度胸がなければ手配旅行とかで。
 
空港の]線照射
 フィルムの]線照射は機内持込の手荷物はまず大丈夫。往復4回の検査を受けたが、総勢8名のうち2名は4回とも何の措置もせず]線照射を受け、5名は全て]線照射を避け目視検査。自分は関空と広州の国内線は鉛の袋に入れ]線照射、昆明の国内線、広州の国際線は目視検査にした。中国に度々行かれている同行者の人は、いつもバックに入れたまま]線照射を受けているが事故に遭ったことは一度もないと言っていた。
 自分のフィルムは現像の結果異常なしだったが、後日同行者と会う機会が設けられているので、報告します。なお、預かり荷物には絶対入れない。これは世界の常識のようです。
(先日皆さんと会う機会がありましたが全員フィルムに異状はなかったようです。でも、くれぐれも注意してください。5月17日)
 フィルムとは関係ないが中国はハイジャック防止検査が非常に厳しいようで、広州の国際線では靴を脱がされ、ベルトもはずされ、ベストまで脱がされた。遭遇はしなかったが、酒類の機内持込も不可で免税店か機内で買うしかなく、ペットボトルの飲料水もその場で一口飲まさせ危険物でないことを確認するらしい。
 また、免税店では日本円も使用できるがお釣りはあるかないかはその時次第。海外旅行なれした同行者に千円札に両替してもらい買い物をした。
コンセント
 デジカメを使うようになると気になるバッテリーチャジの電源だが、今回宿泊したホテルは全てB型が使えた。Oc型も併設されていてホテルの備品は殆んどがこの型だった。でも、政府招待所とか古いホテルに宿泊する場合はやはり7点セットを持参した方が安心できるかも。都会のホテルでは使わなかったが元陽では毎日充電した。また、広州・白天鵝賓館にはシェーバーオンリーだが100X用のコンセントもあった。
 今回気が付いたが、日本のパソコン、デジカメ等のチャージャーは殆んど200Xに対応しているようなので、変圧器は必要ない。


左の写真の上はB型、下がOc型。右の写真はB型を使い左が100X用、右が200X用。
少数民族の撮影
 元陽の少数民族は、最早気楽に写せない。はずかしがる人がいることは世界中の共通事項だが、ここにはカメラを向けて喜ぶ人は殆んどいなく、勝手に写すと怒り出す。チップをもらい写させているんだろう。金を払わない奴は泥棒なんだ。子供も同様。シャッターを切った瞬間、お金お金と小さな手が伸びる。予備にミノルタTC−1を持参したことは正解で、新街鎮のマーケットでは隠し撮りのスナップ撮影で活躍した。
 棚田の撮影ポイントでは物売りがしつこくまとわりついてくる。あまりうるさいのでキツイ口調(勿論日本語で)でうるさいといったら、4〜5才の女の子にケチといわれた。
 なお、通海河西回族村の撮影は特にトラブルなく写せた。
道路事情
 昆明から元陽は300キロ以上あるようだが道路は想像以上に良かった。往きは建水経由、帰りは個旧経由だったが個旧から石林、昆明は新しい道で快適ドライブである。自分は車酔いは大丈夫だが念の為持参した酔い止めも不要だった。
トイレ
 中国名物のトイレも新しいホテル、レストランは殆んど個室になっていた。我々のコースは豪遊だったので他は不明。地方都市や道中でもガイドが綺麗な所を選んでくれた。しかし、棚田地帯は中国そのものでわずかな仕切りだけ、大の方はホテルで済まし、結局一度も使わなかったが女性はそうも行かない。
 自分は胃腸が丈夫でなく以前タイで激しい下痢に襲われたこともあり、長時間のバスの旅で下痢になったら大変と神経を使い、食事も周りの人から心配されるほどの小食で過ごした。おかげで2キロほどダイエット出来たが。

 なお、テッシュは必ず持参。トイレットペーパーは殆んど用意されていない。

元陽に大分近づいた山間部の集落のトイレ。雨の日は傘をさして入るのかな。

棚田地帯のトイレで大でもドアはない。綺麗で仕切りも高い方。仕切りが低い所はしゃがんでも頭が出る。男女別は厳格に区切られているが仕様は同じだろう。
ホテル
 元陽の雲梯大酒店は新築間もないホテルだが、普通の客室はエアコンがないようだ。我々が泊まった3月はさして寒くなかったが1〜2月は寒いかも知れない。セーターを着込んで寝るか、ホテルに布団の追加要求が必要かも。コンセントは前述のとおりだが、ミネラルウオーターも全て大きなボトルタンクが部屋に用意されていて、湯も沸かすことができた。このホテルに泊まる限り、街中でミネラルウオーターを買う必要はない。歯ブラシ、シャンプー等の日用品も完備。朝食も団体客だからだろうか早朝から用意された。ただ、洗濯をした人たちは湿気が多く洗濯物が中々乾かないといっていた。
 他地区のホテルだが湯が出ない所があったし、モーニングーコールが不発のホテルもあった。
 広州・白天鵝賓館の超豪華ホテルの駐車場にはベンツがずらりと並んでもいた。本当はこんな豪華ホテルでなくてもいいんだが。ツアー料金が安い方が・・・。

雲梯大酒店のイ族の少女

広州・白天鵝賓館の客室(雲南ではないが) 
服装
 標高1500メートル以上でもかなり南。雪は殆んど降らないらしい。1〜2月でも日本の平坦地の冬の服装で十分だと思う、たとえ早朝の撮影でも。今回は3月でもあり、元陽でもコートは邪魔者だった。日中はセーターも不要なほどで暑いくらい。
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