ナミビア 〜世界一美しい裸族・「孤高の民」ヒンバ族〜
 アフリカは一昨年のエチオピアに次いで二回目。今年の春は中国の雲南・西双版納からラオス北部の小数民族巡りをしたのだが、民族衣装を着た人は大変少なくイライラがつのった旅であった。
 そんな旅の最中に、こんなことなら確実に会えるナミビアのヒンバ族に行った方がまだましだ・・・・なんて話になり、同行の人と秋に行こうと言うことに・・・・。アフリカは旅行費用も高く、小数民族はヒンバ族のみで後は観光旅行。一部族しか見ることが出来ないので躊躇していたが、ここは思い切って参加することにした。

 二つの村を訪れたが、数年先にはもっと近代化の波に飲み込まれてしまいそうな状況なので、結果的には訪れて正解。
 4年ほど前に行った友人の話では、村人個々に金品を与えないで欲しいとの現地ガイドの方針がかなり忠実に守られていたらしい。今回もそういう話はあったものの、我々同行の者でさえ個々に品物を与えていたほどで、子供が首に巻いていたタオルやミネラルウオーターを欲しがったりした。
 どおせ捨てるつもりの物なので与えてもよいのだが、やはりそんな行為は良いことではなく、自分は拒否したが最早収拾はつかない状況のようだ。(ちなみに村には現地ガイドが纏めて食糧品を納めていたが、お金を支払いしたかは不明。)

 今ではヒンバ族といえどもスーパーで普通に買い物をしていたりするし、靴を履いている子供もいたし、学校教育も始まったらしく近代化の波は急速に進んでいる様子。彼らには彼らの生活もあるし、部外者としては残念なことだが仕方ない。

 ナミビアは一週間ほど走りまわったのが、毎日毎日原野に砂漠。車も人も建物も本当に少ない。たまに町があってもあっという間に通過してしまう。田も工場も見当たらず(全くないわけではないだろうが)本当に静かな国だ。自分は多くの国を見たわけではなく、アジア中心でもあるので、こんな国もあるんだと認識したことは一つの収穫。

 余計はなことだが、今回参加した旅行社は多くのツアーの商品名にサブタイトルまで付けているが、今回は単に「ナミビア」だけ。あまりに寂しいので今回は自分の思いを込め
〜世界一美しい裸族・「孤高の民」ヒンバ族〜と付けてみた。世界一美しい砂漠ではなく、あくまでも世界一美しい裸族である。(笑)
日程(2009.9.17発)
日次 コ  ー  ス 宿泊地
関西空港→(キャッセイパシフィック航空)→香港→(南アフリカ航空) 機中
→ヨハネスブルグ→(南アフリカ航空)→ウィントフック→エトーシャ エトーシャ・エトーシャゲートウェイ
エトーシャ→カオコランド カオコランド・モバネテントキャンプ
カオコランド カオコランド・モバネテントキャンプ
カオコランド→ダマラランド ダマランド・コリハスロッジ
ダマラランド→スワコブムント→ウォルウィスベイ ウォルウィスベイ・プロテアホテル
7 ウォルウィスベイ→ナミブ ナミブ・ミラージュ
ナミブ→ウィントフック ウイントフック・カラハリサンズ
ウィントフック→(南アフリカ航空)→ヨハネスブルグ→(南アフリカ航空) 機中
10 →香港→(全日空)→関西空港



(西遊旅行パンフレットより)
@ 2009.9.17(木) 関西空港→(キャッセイパシフィック航空)→香港→(南アフリカ航空)
 第一日目は夕方の便で香港に。
A 2009.9.18(金) →ヨハネスブルグ→(南アフリカ航空)→ウィントフック→エトーシャ
 香港で夜行便に乗り継いでヨハネスブルグへ。延々13時間のフライトで自分には最長時間。さらに乗り継いでやっとナミビアのウィントフック。(本当に遠い)
B 2009.9.19(土) エトーシャ→カオコランド
ヘレロ族

 最初はエトーシャ国立公園のサファリドライブ。多くの動物を見ることはできるものの、行きずりの観光では写真は満足なものは難しい。

 エトーシャからヒンバの村カオコランドに向かう途中でヘレロ族に出会う。
 ヘレロ族は全く知らなかったのだが、ヘレロ族とヒンバ族は同一の民族で、ドイツの植民地支配の時にヘレロ族は文明に感化し、伝統的な暮らしを守ったのがヒンバ族と言われてもいる。ヘレロ族の村に行けないかと聞いては見たものの、近隣には集落はないとのこと。まあ、本当かどうか??定かではないが仕方ないこと。
C 2009.9.20(日) カオコランド
オトゥタティ村(ヒンバ族・ハカオナ族)
オモイパンガ村(ヒンバ族)

 ヒンバ族はオカと呼ばれる赤い泥粉と牛の脂肪を混ぜたもの全身に塗ってるのだが、ハカオナ族?(よく聞き取れなかったが)という部族も一緒にいた。ハカオナ族はオカは塗らず髪型も違うので見分けは簡単。
 どの村も我々の見学が終わると早速土産物の店開き。決められたルーチンがあり半ば興ざめでもある。
D 2009.9.21(月) カオコランド→ダマラランド
 今日はダマラランドに向かう。
 途中化石の森
に立ち寄る。化石の森なんて言うから自分のイメージは、立木が立ったまま化石になり、その後周りの土が流れ化石が立っているなんて・・・・・。考えてみればそんなこと有り得ない。でも、世界には何があるかわからない。何処かにあり得るかも(笑)
 さらに、ダマラランドで岩絵その他を見学。写欲は湧かず一枚も写さずもっぱら見学のみ。
E 2009.9.22(火) ダマラランド→スワコブムント→ウォルウィスベイ
 オットセイの生息地ケープクロスに。オットセイの大群なれど何とも言えない異臭に閉口。

 続いて「月の谷」。大げさな名前がついてはいるが、まあ大したものではない。

 しかし、車で30〜40分先にあるウェルウィッチアは奇想天外と呼ばれているだけあって大したもの。一番古い株は樹齢?1500年。(右写真)

 
葉の基部に分裂組織があり、一見何枚もあるように見えるが生涯2枚だけの葉を伸ばし続ける。
F 2009.9.23(水) ウォルウィスベイ→ナミブ
 今日は小型飛行機で砂漠を空中遊覧。
 遊覧時は光線状態が悪くなり撮影にはあまり良い条件ではないが、どうせ窓越しでの撮影。メリハリのある絵は出来なかった。
 ナミブ砂漠は世界一美しい砂漠なんて言われているが、風紋は殆どないし、海に近く、海には寒流が流れ霧も多く発生するので結構植物も植生していて、そんなに美しいとは思えない。勿論、他の砂漠は知らないのだが。(笑)
 まあ、自分の海外旅行での風景写真は、行きずりの観光で物に出来るとは思っていないのでどちらでも良いのだが。

 そんなこともあり空中遊覧なんて初めての経験だがさして感動もなく、途中は居眠りまでしてしまったが、驚いたのは飛行の終わりに見えたミステリーサークル。(右写真)
 海外旅行も小数民族以外は事前の予習もあまりしないので飛行中全くの想定外。フェアリー・サークル(妖精の輪)と呼ばれているが、円内には毒性があり植物が育たないらしい
G 2009.9.24(木) ナミブ→ウィントフック
 今日はまた早く起きてデューン45に向かう。

 ここは一般客は7時にならないと入場できないが、公園内にあるホテルに宿泊すれば5時に入れるらしい。
 我々が着いた時には当然のことながら先客の足跡が一杯でもうどうしようもない状態。どうせなら
公園内のホテルに泊ればと思うが、撮影ツアーではなく観光ツアー、一般客にはこれで十分なのだろう。
 一行はデューン45を登ったが自分はパス。写真は同行の一行の登攀???風景。もう足跡だらけ。

 ヒンバ族以降は四日間の観光旅行。奇蹟が起これば傑作もできただろうが、腕の未熟さ故に残念ながら奇蹟さえ起きず。
 まあこれは想定内。早く日本に帰りたい。
H 2007.6.25(金) ウィントフック→(南アフリカ航空)→ヨハネスブルグ(南アフリカ航空)→
 行きと逆のコースで帰国。うんざりの長旅。ウィントフックからヨハネスブルグの十時間余は、近くから外国人(いや、我々が外国人か)のヘッドフォンの音漏れやらで殆ど眠れず。音漏れとは関係なく自分は航空機では眠れないことが多いので、フライト時間が短いアジアの方が向いている。
I 2009.9.26(土) 香港→(全日空)→関西空港
 何はともあれ無事帰国。アフリカは遠い。
 
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