私と変拍子 体験編

  @プロロ−グ

 ともかく最初はRUSHだった…。
中学生の頃TVのサウンドス−パ−シティという午後5時からの30分番組で「ム−ビングピクチャ−ズ」のレコ−ディング風景を基にしたビデオを見たのが始めての変拍子体験だった。 しかし…、それが「変拍子と呼ばれるもの」だとわかるのは2年以上の月日が必要だった。何しろスム−ズな演奏でレコ−ドを買って真剣に聞かないとそれとわからない。今思えば「バイタルサイン」以外は全て変拍子が入っているのだがかっこいいリフと全てを3人でこなすというスタイルにばかり気をとられ、曲の基本的な部分まで聞いていなかったようだ。逆に「ヘモスピア−」は丁寧なライナ−ノ−ツ
が付いていて「変拍子」という単語があったのですぐに気が付いた。 ヘビメタバンドのコピ−やオリジナルもやったがともかくRUSHだった。「2112」から「グレ−スアンダ−プレッシャ−」までレコ-ドを買ったが、「ム−ビングピクチャ−」が一番聞いたLPだった。


  A拡散する
     ひとつのア-ティストばかりに傾注する私が様々なミュ−ジシャンのファンになるには 時間がか
   かる。YES、KingCrimson、GENESISと色々聞いたがなかなか浸透しない。YESはボ−カル以外
   はただのロックバンドだ。 クラッシクに通じる壮大さがいいのだが変拍子のリフでガンガン押すよう
   なタイプは意外 に少ない。KingCrimsonは一番好み   だったが、2期、3期は兎も角難解。
   「わざわざこんなにひねらなくて も…」という曲が   多い。GENESISもフィルコリンズがボ−カル
   の頃のレコ−ドから買った所為か、初期の曲はやたら地味に感じた。    結局この辺のア-ティ
   ストのレコ-ド、CDは全部買った。納得できるまで聞いてみたいというそれだけで。
   

    Bそしてさらに・・・

    マハビシュヌオ−ケストラは強烈なインタ-プレイをジャズのフォ-マットで演奏するスタイルで「パ
   ッション」があった。アラン・ホ−ルドワ−ズは和音の組み立てはジャズでリズムはロック。 ビル・
   ブラフォ−ドは「3大バンドを渡り歩き…」云々を除いても尊敬できるミュ-ジシャン。今でも「ヘルズ
   ・ベルズ」は私がヘッドフォンやスピ−カ−のセッテングをするのに基準にしている。マイク・オ−ル
   ドフィ−ルドは衝撃のデビュ−アルバム以外には変拍子は存在しないが、スケ−ルの大きなソナ
   タ形式、現代的な変奏には大いに影響を受けた。
    クラッシクにも歴然と変拍子はある。ホルストの「惑星」冒頭「火星」はKingCrimsonにもELPにも
   取りあげられており、代表的。ストラビンスキ−も東欧の舞曲風の楽曲は決まって変拍子で、躍動
   的なフレ-ズは今のロックよりはずっと迫力に満ちている。メシアンも奔放ともいえる楽器の使い方
   とともに語らない訳にはいかない。


     
C再び

 
   いろいろ生活の転機に気分転換にと、る*しろうを見に行った。2003年の年末だったろうかプロ
   グレでジャズでアバンギャルド。KingCrimson以来のLIVE体験だった。どうしても小さなLIVEハウス
   でみることが多くなるのだが、やはり受る刺激は演奏者がそばにいる分大かった。対バンだった他
   のバンドの音源を聞いたりしたが、変拍子的センスはる*しろうが一番だった。これが結局のとこ
   ろ、しばらくどころか長く絶えていた自身の楽曲作成、演奏再開の引き金になったようだ。そしてRU
   SH、GENESIS、KingCrimsonの再発売ラッシュがそれを勇気つけた。なにしろいい音楽はいいの
   だ。これしかない。カワッテいようが古かろうがマイナ−だろうがいいものはいい。長い年月それを
   聞き続けて、それを目指してなにが悪い?
    そう開き直ることにした。高崎Rという名前もこのときから使うことにした。目指すのは美しいメロ
   ディを伴った変拍子のリフ中心の曲。美しいメロディは楽曲の導入部にあれば心が安らぎ、再現部
   にあれば心がゆれる。センスと試行錯誤と全ての記憶力と全ての経験則をつぎ込む価値がある。
   でもそれだけでは足りない、変拍子のリフをBassで繰り返して弾くとき、私の中に高揚感が沸きあ
   がり、緻密なアレンジが完奏された時、喝采とともに達成感と満足感で満たされる。目指すのはそ
   れなのだ。








トップページへもどる