(253)青森県の伝統文化団体 その6 |
2004年 6月20日(日) |
伝承内容の指導対象についての回答です。(複数回答)
資料提供 青森県教育庁文化財保護課 平成13年調査より
団体内での伝承活動は、当然というか、保存会が7割。そして青年会・婦人会内が約1割となっています。
気になる地域への子どもたちへの伝承活動は小・中学校において5割近く、子ども会にも2割ほど行っており、民俗芸能の担い手として子どもの占める位置も、高くなってきているようです。
さらに、地域住民以外や、芸能に関心のある人にも伝承活動を行っている団体が1割ほどあります。 以前、ある団体の方に伺ったところ、子どもの数が少なくなってきており、継承は子どもに限定していたのではやっていけない。大人にも、積極的にアプローチしているとのことでした。 これは、そういった流れが数字に表れたものなのかもしれません。とすると、この数字は、これからだんだん大きくなっていくことも予想されます。
◆数値は、各項目ごとの記入数(複数回答)を回収されたそれぞれの地域の芸能数で割ったものです。
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■下北 保存会の会員(63.9%)
学校の児童生徒(25.0%)
子ども会(27.8%)
青年会や婦人会等(13.9%)
その他(8.3%)
■東青 保存会(56.3%)
学校(50.0%)
子ども会(31.3%)
青年会等(6.3%)
その他(6.3%)
■中弘南黒 保存会(87.5%)
学校(43.8%)
子ども会(18.8%)
青年会等(25.0%)
その他(6.3%)
■西北五 保存会(55.6%)
学校(50.0%)
子ども会(27.8%)
青年会等(5.6%)
その他(16.7%)
■上十三 保存会(80.0%)
学校(56.7%)
子ども会(16.7%)
青年会等(3.3%)
その他(13.3%)
■三八 保存会(68.6%)
学校(52.9%)
子ども会(17.6%)
青年会等(7.8%)
その他(20.0%)
◆県合計 保存会(68.9%)
学校(46.1%)
子ども会(22.2%)
青年会等(9.6%)
その他(10.8%)
・・・・・・・・・・・
(つづく)
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(254)青森県の伝統文化団体 その7
| 2004年 6月21日(月) |
本日は保存会の財務報告です。
【保存会の過去3年程度の年間活動費】
活動資金は10〜50万円が4割以上を占め、10万円以下、50万円から100万円、100万円以上の順であり、年間50万円以下が6割以上を占めています。
■下北 10万円未満(19.4%)
10〜50万円(22.2%)
50〜100万円(27.8%)
100万円以上(25.0%)
無回答(5.6%)
■東青 10万円未満(18.8%)
10〜50万円(50.0%)
50〜100万円(6.3%)
100万円以上(18.8%)
無回答(6.3%)
■中弘南黒 10万円未満(43.8%)
10〜50万円(31.3%)
50〜100万円(18.8%)
100万円以上(0%)
無回答(12.5%)
■西北五 10万円未満(27.8%)
10〜50万円(61.1%)
50〜100万円(5.6%)
100万円以上(0%)
無回答(6.0%)
■上十三 10万円未満(13.3%)
10〜50万円(73.3%)
50〜100万円(10.0%)
100万円以上(0%)
無回答(3.3%)
■三八 10万円未満(13.7%)
10〜50万円(49.0%)
50〜100万円(19.6%)
100万円以上(7.8%)
無回答(9.8%)
◆青森県合計 10万円未満(19.8%)
10〜50万円(47.3%)
50〜100万円(16.8%)
100万円以上(9.6%)
無回答(7.2%)
※複数回答あり
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【保存会の財源】
財源は各団体で事情がかなり異なります。財源として一番多いのは、全体では事業収入(発表会出演・お花代など)が3分の1。ついで、補助金が2割程度となっています。
財源1位のもの
◆下北 1位・・事業収入 2位・・個人会費 3位・・補助金・助成金 3位・・寄付金・カンパ・個人負担 3位・・その他 (3位は同ポイント)
◆東青 1位・・事業収入 2位・・その他 3位・・寄付金・カンパ・個人負担 4位・・補助金・助成金 5位・・個人会費
◆中弘南黒 1位・・補助金・助成金 2位・・事業収入 3位・・個人会費 4位・・寄付金・カンパ・個人負担
◆西北五 1位・・補助金・助成金 2位・・個人会費 3位・・事業収入 3位・・寄付金・カンパ・個人負担 (3位は同ポイント) 5位・・その他
◆上十三 1位・・事業収入 2位・・補助金・助成金 3位・・寄付金・カンパ・個人負担 4位・・その他
◆三八 1位・・寄付金・カンパ・個人負担 2位・・事業収入 3位・・その他 4位・・個人会費 5位・・補助金・助成金
■県全体 1位・・事業収入 2位・・補助金・助成金 3位・・寄付金・カンパ・個人負担 4位・・その他 5位・・個人会費
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資料提供 青森県教育庁文化財保護課 平成13年調査より
(つづく)
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(255)青森県の伝統文化団体 その8
| 2004年 6月22日(火) |
いよいよ、核心部分に近づいてきました。 本日は保存会が続いてきた要因です。
資料提供 青森県教育庁文化財保護課 平成13年調査
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これまで保存会が続いてきた要因に関し、13の選択項目にそれぞれ順位を記載するという形をとった。それぞれ総合得点化し、その結果を次にまとめた。
「会員の熱意」「地域住民の理解と協力」「会長、師匠のリーダーシップ」が三大要因であり、ついで「担い手の確保・育成」「行政からの支援」「公民館などの練習場所の確保ができること」があげられている。
◆下北 1位・・歴史、伝統、信仰を守る会員の熱意、足並み 2位・・地域住民(市町村・集落)の理解・支援 3位・・歴代の会長、師匠などのリーダーシップ 4位・・担い手の確保・育成 5位・・公民館や集落の集会施設の利用ができること 6位・・行政の協力・支援 7位・・伝書、歌本など文書があり、記録が残されていること記録 8位・・活動の財源の確保 9位・・民俗芸能発表会などで県内外に発表の機会に恵まれたこと 10位・・学術的、文化的に価値あるもの(文化財指定等)と認められていること 11位・・企業、財団法人などの協力・支援 12位・・専門家の協力・支援 13位・・新聞・テレビなどマスコミで取り上げられること
以下、略して表記
◆東青 1位・・会長師匠 2位・・担い手 3位・・会員の熱意 3位・・地域住民 (3位は同ポイント) 5位・・財源 6位・・公民館 7位・・行政 8位・・発表の機会 9位・・マスコミ 10位・・専門家 11位・・記録 12位・・学術文化 13位・・企業・財団
◆中弘南黒 1位・・地域住民 2位・・会員の熱意 3位・・会長師匠 4位・・行政 5位・・公民館 6位・・担い手 7位・・学術文化 8位・・財源 9位・・発表の機会 10位・・記録 11位・・専門家 12位・・企業・財団 13位・・マスコミ
◆西北五 1位・・会員の熱意 2位・・地域住民 3位・・担い手 3位・・行政 (3位は同ポイント) 5位・・会長師匠 6位・・財源 7位・・発表の機会 8位・・公民館 9位・・学術文化 10位・・専門家 11位・・記録 12位・・マスコミ 13位・・企業・財団
◆上十三 1位・・会長師匠 2位・・会員の熱意 3位・・地域住民 4位・・担い手 5位・・公民館 6位・・行政 7位・・発表の機会 8位・・財源 9位・・学術文化 10位・・記録 11位・・専門家 12位・・マスコミ 13位・・企業・財団
◆三八 1位・・会員の熱意 2位・・会長師匠 3位・・地域住民 4位・・担い手 5位・・行政 6位・・公民館 7位・・財源 8位・・学術文化 9位・・発表の機会 10位・・記録 11位・・専門家 12位・・マスコミ 13位・・企業・財団
●青森県総合 1位・・会員の熱意 2位・・地域住民 3位・・会長師匠 4位・・担い手 5位・・行政 6位・・公民館 7位・・財源 8位・・発表の機会 9位・・学術文化 10位・・記録 11位・・専門家 12位・・マスコミ 13位・・企業・財団
(つづく)
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(256)青森県の伝統文化団体 その9
| 2004年 6月23日(水) |
【今後の活動を続けていく上での課題】
昨日と同様に、13の選択項目に順位を記載するという形をとり、総合得点化した結果を以下に示します。
資料提供 青森県教育庁文化財保護課 平成13年調査より
・・・・・・・・・・
●下北 1位・・担い手の確保・育成 2位・・歴史、伝統、信仰を守る会員の熱意、足並み 3位・・地域住民(市町村・集落)の理解・支援 4位・・歴代の会長、師匠などのリーダーシップ 5位・・行政の協力・支援 6位・・活動の財源の確保 7位・・伝書、歌本など文書があり、記録が残されていること記録 8位・・企業、財団法人などの協力・支援 9位・・公民館や集落の集会施設の利用ができること 10位・・民俗芸能発表会などで県内外に発表の機会に恵まれたこと 11位・・専門家の協力・支援 12位・・学術的、文化的に価値あるもの(文化財指定等)と認められていること 13位・・新聞・テレビなどマスコミで取り上げられること
以下、略して表記
●東青 1位・・担い手 2位・・会員の熱意 3位・・会長師匠 4位・・地域住民 5位・・財源 6位・・行政 7位・・公民館 8位・・発表の機会 9位・・専門家 10位・・マスコミ 11位・・企業・財団 12位・・学術文化 13位・・記録
●中弘南黒 1位・・担い手 2位・・行政 3位・・地域住民 4位・・会員の熱意 5位・・財源 6位・・会長師匠 7位・・学術文化 8位・・発表の機会 9位・・記録 10位・・専門家 11位・・公民館 12位・・マスコミ 13位・・企業・財団
●西北五 1位・・会員の熱意 2位・・担い手 3位・・地域住民 4位・・財源 5位・・会長師匠 6位・・行政 7位・・専門家 8位・・発表の機会 9位・・公民館 10位・・学術文化 11位・・記録 12位・・企業・財団 13位・・マスコミ
●上十三 1位・・担い手 2位・・会長師匠 3位・・会員の熱意 4位・・地域住民 5位・・行政 6位・・財源 7位・・記録 8位・・公民館 9位・・発表の機会 10位・・学術文化 11位・・マスコミ 12位・・専門家 13位・・企業・財団
●三八 1位・・担い手 2位・・会員の熱意 3位・・会長師匠 3位・・地域住民 (3位は同ポイント) 5位・・行政 6位・・財源 7位・・記録 7位・・企業・財団 (7位は同ポイント) 9位・・学術文化 10位・・公民館 11位・・発表の機会 12位・・専門家 13位・・マスコミ
■青森県総合 1位・・担い手 2位・・会員熱意 3位・・地域住民 4位・・会長師匠 5位・・行政 6位・・財源 7位・・記録 8位・・公民館 9位・・発表の機会 10位・・学術文化 11位・・企業・財団 12位・・専門家 13位・・マスコミ
「担い手の確保・育成」がきわめて高く、後継者の問題が明確に、この結果から浮き上がってきています。
「企業・財団からの支援」が低い要因は、一部の団体を除いて支援された経験がないことだとされています。
助成についての詳細は、明日示します。
(つづく)
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(257)青森県の伝統文化団体 その10
| 2004年 6月24日(木) |
資料提供 青森県教育庁文化財保護課 平成13年調査より
【行政や助成財団からの支援の状況】
これまでに行政や財団からは、3分の2の保存会が支援を受けた経験がある。 そのうち、市町村が約4割、町会などを加えて半分強が地域からの支援である。 ただし毎年、活動助成を続けている市町村は多くない。
支援を受けたことのある主な助成財団
・(財)むつ小川原地域・産業振興財団 ・(財)自治総合センター ・(財)安田生命クオリティオブライフ文化財団 ・(財)東日本ハウス文化振興財団
上記のもの等があげられており、助成を受けた経験のある保存会は、えんぶり、能舞など、国指定重要無形民俗文化財がほとんどである。
文化財指定を受けていない保存会は、一度ももらったことがないところが多い。
地域別の詳細情報は下記
・・・・・・・・・・・・
◆下北(36芸能数のうち)
助成経験あり・・・20
助成経験なし・・・16
ある場合のこれまで受けてきた助成先
国や県・・・・・・・8
市町村・・・・・・・6
町会・・・・・・・・4
財団や協会など・・・6
(複数回答あり)
◆東青(16芸能数のうち)
助成経験あり・・・8
助成経験なし・・・8
ある場合のこれまで受けてきた助成先
国や県・・・・・・・0
市町村・・・・・・・4
町会・・・・・・・・3
財団や協会など・・・1
◆中弘南黒(16芸能数のうち)
助成経験あり・・・15
助成経験なし・・・1
ある場合のこれまで受けてきた助成先
国や県・・・・・・・2
市町村・・・・・・・13
町会・・・・・・・・1
財団や協会など・・・2
(複数回答あり)
◆西北五(18芸能数のうち)
助成経験あり・・・11
助成経験なし・・・7
ある場合のこれまで受けてきた助成先
国や県・・・・・・・0
市町村・・・・・・・9
町会・・・・・・・・1
財団や協会など・・・0
無回答・・・・・・・1
◆上十三(30芸能数のうち)
助成経験あり・・・22
助成経験なし・・・8
ある場合のこれまで受けてきた助成先
国や県・・・・・・・2
市町村・・・・・・・20
町会・・・・・・・・1
財団や協会など・・・3
(複数回答あり)
◆三八(51芸能数のうち)
助成経験あり・・・37
助成経験なし・・・14
ある場合のこれまで受けてきた助成先
国や県・・・・・・・7
市町村・・・・・・・18
町会・・・・・・・・12
財団や協会など・・・10
(複数回答あり)
●青森県内総計(167芸能数のうち)
助成経験あり・・・113
助成経験なし・・・54
ある場合のこれまで受けてきた助成先
国や県・・・・・・・19
市町村・・・・・・・70
町会・・・・・・・・22
財団や協会など・・・22
(複数回答あり)
(つづく)
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