九州新幹線“つばめ、翔ぶ”

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2004年3月13日 No.04号


2004年3月13日“つばめ、翔ぶ”

新幹線追っかけを始めて40年。東海道新幹線開業が昭和39年10月1日、当時はまだ大学生であったが、九州新幹線の開通は定年を過ぎ、あっという間の40年間であった。その間、山陽、東北、上越、山形、長野、秋田、等の新幹線が開通した。2004年3月13日は同時に上越・長野新幹線、熊谷―高崎間に本庄早稲田駅が開業したが、なんといってもこの日は九州新幹線(新八代駅〜鹿児島中央駅)開業の日である。

まだ薄暗い朝、熊本駅から「リレーつばめ101号」が定刻6:17に、ゆっくりとスタートした。朝もやの中をぐんぐんスピードを上げ、すぐに最高スピードに上がったと思われる。20分程で本日から開業を始めたアーチ状の屋根と開放感あふれる近代的な「新八代駅」が見えて来た、地上約10mの高架橋である新幹線駅へ向かう新線と在来線とが駅の約1km手前で分岐する、駅へのアプローチ、なだらかな傾斜、スピードを緩めながら走る、小さなカーブを曲がり、新幹線と特急列車の乗り換えホーム11番線に滑り込んだ。ホームを挟んで反対側の12番線には、すでに流れるような先頭形状が白く輝く九州新幹線「つばめ101号」(1編成6両)が入っており、ここで、リレーつばめと対面式乗換えが行われる、時間は約3分。特急列車から下車し、5m幅のホームを歩いて向かい側の車両に乗り換えればよいとあって、あまり不安はない、従来の新幹線乗り換えは10分を見ておかないと心配があった。

「リレーつばめ」のボディーは濃い灰色、重厚さと力強さを感じるが、対照的に新幹線「つばさ」は真っ白なボディー、スピード感あふれるスマートな外観、両車両の対比も面白い。狭いホームの上は報道陣、鉄道マニア、少しの旅行者等でごった返しており、動くのが大変。早く先頭の車両に行こうと思ったが人ごみで思うように移動が出来ず、九州新幹線に乗り先頭車まで車内移動し、窓からの撮影になった。結局それが正解で八代亜紀がこれから出発の合図を出すところであった、何とかデジカメに収めることが出来た。6:40定刻に八代亜紀の合図とともに「つばめ101号」はゆっくりとスタートをし始めた、当初は「つばめ101号」には乗らず出発式を見てから「つばめ103号」に乗車する予定でいたが、成り行き上「つばめ101号」に乗車することになってしまった。



「つばめ101号」の車内は半分が報道陣で占めており、通路をあっちこっちと動いてる関係上、空いている席が多い。やっとの思いで1号車から4号車の自由席に移動をして、席に着いた。混んでいたホームとは対照的に車内は人が少なく報道陣が全員座っても席はまだ空いている感じであった。

少しの間は車窓を楽しもうと思ったが、トンネルが多く景色を楽しむという感じではなかった、大小あわせて50のトンネルが区間の69%を占めると言われている、これでは景色を楽しみながらの旅とは言えない、(鹿児島中央−新八代間127.6kmであるが、トンネル部分が総延長約88kmである)。

車内は鹿児島産のサクラ材、熊本産のイグサなど九州の自然素材を豊富に使用し、優雅で落ち着いた雰囲気がある。座席は、前の人の頭が見えないように配慮されている、在来線の特急車両より8cmほど高い。JR九州の担当者は「木のぬくもりの中で、個室のような感覚を味わってもらいたい」と説明をしていた。

新八代駅では外は靄があったが、新水俣駅では晴れて来た、しかし山の中を通過して出水(いずみ)駅まで来ると天気が変わり、朝靄がいっぱいで新幹線の高架橋の下が靄で見えない、まるで空を飛んでいる様である、気分は最高!まさしく“つばめ、翔ぶ”である。

そー言えば、40年前の東海道新幹線が初日6:00発の一番列車がスタートした時の事を思い出した。あの時も高架橋の下に靄があり空を飛んでいる思いをした事を思い出した、全く同じである。

多くのトンネルを通過して川内(せんだい)駅に近ずくと、急にスピードが落ちた、駅かな?と思ったが時間的にまだである、靄だ!窓から外を見ても10m先が見えない。

ここで列車の説明を入れておきます。目にもまぶしい純白のスマートな車体に九州の情熱と誇りを示す赤と金のストライプが走る。「つばめ」は1編成6車両。定員は392人。最高速度260km/hという驚きの速さで山間部を疾走し、鹿児島中央−博多間は3時間50分から2時間10分にまで短縮される。1kmにつき35mもの高低がある全国一の急勾配を駆け上がる事から、全車両に動力(モータ)を搭載している。その時間短縮と乗り心地の向上のため新たに導入したのがATC(オートマチック・コントロール)システム。横揺れを制御するセミアクティブサスペンションシステムも取り入れた。車内には、真っ白の天井から柔らかい光が射し込む。「和」を基調とした格調高いスタイル、座席シートは2×2列(4列)のゆったり配置。前後の座席間も約1mと広々。新幹線では初めてという木製シート。また全車がバリアフリー対応で車椅子のまま入れる大型トイレを設置。快適な乗り心地・使い心地を追求した。以上はJR九州新幹線のパンフレットより抜粋。

落ち着かないうちに、車内放送が始まり、まもなく終点の鹿児島中央駅に定刻に着く案内があった、山間部を駆け抜けると天気は良くなり快晴である、7:26に無事、鹿児島中央駅に到着、あっという間の46分間であった。またまたホームは報道陣、鉄道マニア等でごった返していた。

九州新幹線鹿児島中央駅のホームをエスカレーターで降りると、つばめレディーが記念品を乗客一人ひとりに手渡していた、当然の事ながらその内のひとつを受け取り、改札を出ようとしたが、切符を手に入れるために駅員さんに話をしたら、簡単に乗車済みの印を押し渡してくれた。あまり真剣に考える必要はなかった。それにしても九州の盛り上がりはすごい、経済ももっと更に発展してくれればと思った。

さーこれから肥薩おれんじ鉄道の開業式に行く!

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