ポンッポポポンッ!
 晴れ晴れとした快晴の中、花火が打ち上げ、辺りに鳴り響く。
 今日は毎年恒例の国王主催の国家公務員全員参加の大運動会である。国家公務員は自分たちが所属している各省庁に合わせてチーム分けされている。国家公務員の数は約5万人はいる。それが王立競技場に集まり一つの省庁を1チームとして各種目を競うのだ。
 年に一度しかなく、国家公務員はあまり行事ごとが少ないだけに職員はこの日をいつも待ちわびている。
 待ちわびる理由はそれだけじゃない。それはこの大運動会の優勝賞品が桁違いに豪華なものだからだ。その賞品とは有名ホテル付きの温泉である。皆それが欲しくて目の色を変えて挑むのだ。他にもこの大運動会は普通の運動会とはちょっと違う。ここのルールは国王を狙わず、死ななければ何でもアリのやりたい放題なのだ。つまり、他人が競技している時に攻撃や割り込みを自由にやってよいということになる。そのおかげで、日頃の鬱憤を晴らすべく皆力が入っているのだが、用具係や審判係になってしまった者はと選手たちの攻撃のとばっちりを食らう羽目になるのがお決まりで、殆どの人が嫌がって自ら志願してくれない。だから、いつも審判と用具の係りは各省庁総出であみだくじで決める。
 そのせいで、俺は見事に当たりくじを引いてしまい、用具係になってしまった。確実に病院行きが決まっているようなものだなこりゃ。
 俺はふうっと溜め息をついた。
 この大運動会は好きなのだが、今回の場合だけあまり参加したくなかった。理由はとりあえず国王がいるからと言っておこう。詳しい理由は話の中で嫌でも明かされていくと思う。
 はぁ〜この大運動会で波乱が増えそうな気がする。

 

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