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D1 雨水貯槽 (2013. 2. 16)

 エコシリーズ第1弾です。
シリーズとうたってますが、例によって続くかどうか定かではありません。あくまで、予定は未定ということで・・・・・・
完成後
  雨水貯槽は、市販品が80L程度の大きさからあり、実用的な200L以上になると2万円以上と結構高価です。

 ところで我が家では貯槽した雨水はせいぜい庭の撒水に使用する程度ですから、水道料の節約は高く見積もって年間1,000円程度でしょうか? 
 手作りするにしてもあまり予算を掛けられません。

 自治体によっては雨水タンク設置に補助金を出しているところもあるようですが、当地ではないようです。うーむ、残念、水が豊富だから? 関心がないから? 貧乏だから??

 因みに雨水タンクを販売しているタキロンのホームページによると、水道水の代わりに雨水を1m3使用した場合、二酸化炭素を0.36kg削減できるとのこと。
 地球環境に少しでも貢献できることになんとなく気分が浮き立ちます。単細胞ですネ。
 

 予算上で最も高価なのは貯水タンクですが、2か月間ほどネットのショッピングサイトをウオッチした結果、208L(直径が60cm、高さ90cm)の中古ポリドラムを格安で入手できました。

 予めホームセンターで部品等について検討済だったので、早速部材を購入して組立てました。


作成手順は、以下の通りです。

ジグソーで蓋開け
(1) 手に入れたポリエチレン製ドラムは密閉タイプだったので、ジグソーで上部を解放しました。解放しないと接続口とバルブを取り付けられません。

 切り離した蓋は歪んで凸凹になってしまったので開閉のための兆番取り付け部には手持ちのアルミアングルを兆番と蓋の間に挟み込んで歪みを修正しました。
開閉蓋の取り付け
 木の取手を付けて、数か所にアルミ板で押さえを取り付けましたが、取り付けはビスでは強度的に弱いので、ボルトナットを使っています。

 ジグソーで切断した隙間があるので、夏場になるとボーフラの発生が心配です。それまでに隙間を塞ぐ何らかの方策を考えようと思っています。


(2) 雨トイから取水する仕組みに関しては、タキロン製の取水器をネットで見つけましたが、これはオーバーフローも兼ねておりなかなかの優れ物です。塩ビ配管の端材もあったことから、それを参考に塩ビ配管で自作しました(我が家の外径が約61mmサイズの雨トイ用です。作成する場合は雨トイサイズをご確認ください)。

 但し、シーリング材、接着剤等を含めて全て購入するとなるとタキロン製取水器の価格700円前後より高くなる可能性が大きく、その場合、確実に買った方がお得ですね。(たいへんお世話になったのでちょっと宣伝)

 制作手順は写真を見れば一目瞭然ですが、初めにソケットにビニールテープを外筒内にピッタリ入る程度に巻きつけます。外筒に吐水口の穴とビニールテープを留めるビス用の穴を開けます。取水器
 ソケットの小さい方の先端は外筒の外径に合わせて円弧上に切削してから1cm程度カットして吐水口補強に使いました(結果的には必要なかったみたい・・・)

 ビニールテープにシリコンシーリングを塗り外筒内に入れた後、ビスで留め、更に上下からシーリング材をしつこく塗布。最後に吐水口にパイプを塩ビ専用接着剤で接着します。 

 それぞれの位置関係は(6)の図を参照してください。
 雨トイに合わせて、濃茶色の手持ち塗料をスプレーして完成。


(3) タンクに取り付ける取水接続口(28φ)と出口のバルブ(22φ)用の穴をポリタンクに開けてそれぞれ部材を取り付けます。取水口の位置は(6)の図を参照してください。出口のバルブは通常の高圧水道用では水の出が悪そうなので、ボールバルブを採用しました。接続部材
 尚、パッキンは2mm厚のゴムシートの切れ端があったのでそれから切り抜きました。
 シールテープが写真には入ってますが、結果的に未使用でした。

ブロック土台
(4) 土台として軽量ブロックを4個×2段積みとしました。
 最終的には最初の写真にあるように余っていた水性塗料でレンガ色に着色しました。







(5) 物置でほこりにまみれていた寒冷紗をタンクに巻きつけましたが、これは透過光によるタンク内の藻の発生防止(効果のほどは不明)、及びタンクの派手な青色を少しでも和らげるのが目的です。

取水器とタンクとのレベル
(6) タンクを所定の位置に置いた後、タンク接続口と最大水位のレベルの間に取水器の吐水口とオーバーフローレベルが入るように慎重に位置を決定し雨トイをカットし、取水器を取り付けます。

 具体的には、オーバーフローレベルはタンク最大水位の1、2cm下、接続口と吐水口はホース径以上離すのが適当でしょう。

 取水器はメンテナンスを考慮して、雨トイには接着せず置いているだけで、上部の隙間にはちょうど太さが適当だった麻ロープを一周詰めています。

 取水器とタンクをホース(内径25mm)で接続しますが、雨の流れ具合を確認したいので透明ホースにしました。 

(7) 最後に、地震対策で転倒防止ロープを巻きつけました。
取水器とタンクの接続バルブ

・・・・・さぁ、後は雨を待つばかりです。
逆さテルテル坊主(んっ、こんなのあったけ?)でも付けたい気分。

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 この稿を書いている間に待望の雨がありました。
 最初は朝起きたら地面が濡れていたので、ウキウキ気分でタンクを覗いたらほぼ2/3も貯まっており予想外の貯水量にびっくり!

 その後の降雨はたいした雨ではなかったものの、見る見る(文字通りです)満タンになりました。オーバーフローも問題ありませんでした。

 水の汚れは、若干濁っている程度でまぁ想定内で、これだったら頻繁に掃除する等の心配はなさそうです。


●概略予算

  5,150円

ポリドラム 2,390 円 (送料1,890円含む)
塩ビコック 880 円
塩ビ配管部材 520 円
ビニールホース(25φx30φx40cm) 180 円
SUSの兆番とボルトナット 530 円
軽量ブロック 640 円

 その他、手持ち品で使用したものは、シリコンコーキング材、塩ビ接着剤、塩ビパイプ(VP30、VP20)、ビニールテープ、ゴムシート、塗料等です。


(2014.8.6 追記)

 設置から1年半、昨年の夏は水切れもなく乗り切ったのですが、今年の夏は遂に水が切れてしまいました。

 過去の降雨量データを気象庁のサイトでチェックしてみたら、ここ16日間全く雨がなく更に26日間さかのぼってみてもその間の降雨量合計は僅か2.5mmです。

 これじゃー水が切れてもしょうがないですね!


 最近は全く雨の降らない地域もあれば記録的な集中豪雨の地域もあり、天候はすっかり不安定になってしまいました。

 自然から人類に対する手痛いしっぺ返しでしょうか?


 ところで、水が切れた機会に雨水タンクの総点検を実施しました。

           

 ボーフラ発生を防ぐために被せてあった網を外して、蓋を開けて内部をチェックしましたが、タンク内は写真の通りで、細かい砂状の埃が底に僅かに見られる程度で粘土状にヘドロが堆積する心配はなさそうです。
 
 取水器にも特に異常は見られませんでした。

 結論としてほぼメンテナンスフリーで今後末永く使えそうです。

 \(^o^)/

  (2023.7.30 追記)

 10年ぶりに手を加え、水位計を追加しました。
貯水量が減少すると水の出る勢いが弱くなるので「もうボチボチなくなるぞ」と察しはつくのですが、今年の少雨で完全に水切れになったのを機会に設置しました。

    

 材料は径6mm、長さ1mのアクリル棒とスタイロフォーム(発泡スチロール板)でエポキシ剤で接着しました。
 適当な高さに中継ガイドを設置し、空っぽ時の目印をアクリル棒につけ、更に点検時にはタンク蓋をガイドに引っ掛け保持できるようにしました。


           



 閑話休題、水琴窟(すいきんくつ)をご存じでしょうか?

 水琴窟とは、地中に埋めた瓶(かめ)に水滴を落し、そのときに発生する妙なる音を楽しむもので、この音が琴にも似ており、日本庭園などでまれに出会うことがあります。

 
 ある夏の夕立時、ウッドデッキのベンチに座って涼んでいると、”ポチョン、パチャーーン、 ピチャーン”とタンクから涼しげな音が響いてきました。
 さながら水琴窟の趣で、例によって悪乗りで木札を下げました。

           

 雨滴音は適度な貯水量と雨量で発生するのですが、水位計設置のもうひとつの目的は、どんな条件の時にどんな雨滴音なのかを知りたかったのです。
   
 究明出来たら学会に論文を発表します
   ・・・って、日本水琴窟モドキ学会なんかあるのかな???
   (-_-;;


 
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