D2 サイクロン集塵機 (2013. 3. 4) | ||||||||||||||
概略図を載せます。 接続ホースとして排水用の38x43(内径x外径)を掃除機側に、30x34を吸引側に使用した場合のサイズです。 ホースと接続する円筒はすきまがないように寸法精度が要求されますが、鋼板同士の接合部があるため正確に作ることはかなり難しく、結果的に現物合わとなりました。 従って図の寸法はあくまで参考にとどめてください。 塗装は適宜行っています。 作成手順は以下の通りです。 (1) 0.27mm厚のガルバリウム鋼板から円筒部部材(b、c)を切り出します。 鋼板の切断部で手を切らないように十分注意しましょう! 円筒の整形には、鉄パイプあるいは丸太があると作業が容易です・・・と言うか、パイプがないと結構大変です。 鋼板同士の接続は、端部を互いに折り曲げ引っ掛けてつなぐ、いわゆる”こはぜ継ぎ(図参照)”です。 パイプを巻くように円筒を整形し、こはぜ状の部分を金槌で叩き締めて、次いでブラインドリベットの下穴を開けてリベットを打ち込みました。 (2) 円錐部分の鋼板を切り抜いて、円筒と同様の方法で円錐を整形します。 円錐外周部に接線方向に取り付ける円筒は、紙で筒を作り実際に円錐にあててみて、円錐側と円筒の両方に型をとってから、それぞれ円錐側の穴開けと円筒側の鋼板切り出しを行いました。
(5) 接続部の隙間にシリコンコーキングを塗ります。塗る前にマスキングテープを忘れずに! (6) 掃除機のスイッチは作業効率を考えて、スイッチ基盤を外に取出して手元スイッチを作りました。 透明接着シールの裏側に「強・中・弱・切」を印刷したシールを貼ってから、スイッチボックスの表面全体に貼り付けました。 メカニックを狙いスケルトンにしたのですが文字がほとんど読めませんでした。 とほほ・・・ (7) ペール缶に円錐を取り付けた蓋をかぶせて、掃除機とホースを接続して完成です。 蓋にはパッキンが付いているので、掃除機を運転すると負圧で密閉されるのでかぶせるだけで問題はありません。 しばらく使ってみたあとのペール缶の中を覗いてみると、左の写真のように底にだいぶ貯まってましたが、掃除機内のダストボックスはきれいで、集塵効率は満足できるものでした。 それにしてもカラフルですね。青いのは雨水貯槽ポリタンクの加工くずです。 吸引側のホースが細すぎたようで、結構圧損が大きく、スイッチを「強」にすると掃除機が苦しそうで、結果、ほとんど「中」で使用しています。 ところで、使用中に吸引口がふさがった途端にベコッと音がして、円錐が凹んでしまいました。あわてて解放するとポコッと復元しました。ベコッポコッベコッポコッ・・・とうるさいし、なんかの拍子にバッコォーーーンと修復不能なほど変形するのが心配です。 そこで、完全密閉を防ぐための穴を側面に開けたノズルを吸引部先端に付けました。 そこそこ効果ありそうだし、こんなもんでまぁいいかぁー(かなり、投げやり) ●概略予算 1,460円
手持ち品で使用したのは、20Lペール缶、12mm厚構造合板、塗料、シリコンコーキング、ビス 尚、今回ブラインドリベットを初めて使用しましたが、使用頻度はあまり高くなさそうなので、ホームセンターで一番安かった1,000円以下の中国製ハンドリベッターを購入しました。 安物買の銭失いにならなけりゃーよいのですか・・・・・・・・ |
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(2015.5.22 追記) 木工会のメンバーがThienサイクロン集塵機を紹介してくれました。 なんでもThienさんが考案し、現在欧米DIYerではこれがサイクロン集塵機の主流とか。 ホームページはこちらです。 小型で構造が簡単です。 現在使用中のコーン型1号機は誤って吸入口を塞いでしまった時にコーンが凹んで「ボコッ」と音がするぐらいで他には特に不満はないのですが、Thien型の「小型」というところに激しく反応してしまいました。 極小屋外工房ですから致し方ありませんが・・・・ 善は急げ、早速作ることにしました。 因みに、1号機はその後、缶の外側に寒冷紗を巻き付け(見かけがこの方が良いかなーと・・・・)、圧損をできるだけ小さくするために掃除機側の排水用ホースは除き、さらに吸入側のホースは38mmφにサイズアップしています。 簡単な図面を右に載せます。 ペール缶(20L容、285φ)、掃除機、吸引ホースは従来のものを引き続き使用することにします。 最初に3枚の円盤をジグソーで切り出しましたが、適当な端材を使ったので、厚みは20、15、12mmとバラバラです。 新たに板を購入するなら12mm厚のベニアで充分でしょう。 中段と下段の円盤を重ねて吊ボルト用の穴を3ヶ所開けます。 次いで、上段と中段の円盤を重ねて最初にアウトレット(掃除機との接続口)を中心部に開けました。 さらにインレット(吸入口)を45°の角度で開けたのですが、最初に5mmドリルでガイドに沿って周辺部を開け糸鋸で真ん中を抜いてからサンダーで仕上げました。 普通のエルボならこんな面倒はなく垂直に穴を開けたらよいのですが、圧損をできるだけ小さくする目的で45°エルボを採用したのでこんな面倒な穴開けになってしまいました。 最上部の円盤は20mm厚の端材から切り出したのですが、当初缶にダブルクリップで留めるつもりで試してみたら、板が厚すぎたので3か所をトリマーで5mmほど切削しました。 ところが組み立ての前にもう少しスマートな方法ということで最終的には6φ×3(mm)tのガルバリ磁石を6コ埋め込む方式を採用しました。 相変わらず計画性のないことです。 運転中なら負圧で固定する必要はないのですが、未使用時の台風対策?です。 塗装をして組み立てて完成です。 写真上が組立前、下が組立後。 若干補足すると、インレット接続部の隙間はウッドパテで埋め、径違いソケットの大口径側は少し短くし、そして円盤の缶接触部には1mm厚のゴムシートを貼っています。 この機会に以前からの懸案事項であった電動工具との連動機構を追加することにしました。 通常はテーブルソーとトリマーテーブルの電源は作業台柱に設置したスピードコントローラからとっているのでスピードコントローラのスイッチと連動したコンセントを外に取出し、掃除機のスイッチには独立した短絡スイッチを追加しました。 (短絡スイッチを設けたのは、電源のON、OFFだけでは掃除機の運転停止は問題ないものの、始動できなかったのが理由です。) 回路図の青線部分が今回新たに追加した回路です。 試運転の結果ではコーン型と変わらない効率でコーンの部分がなくなった分かなりすっきりしました。 \(^o^)/ 今回購入したのは塩ビ配管の径違いソケット(50×30)、と45°エルボ(VP30)だけで他は手持ちの部材で済みました。 合計 555円です。 |
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(2015.8.19 追記) Thien集塵機は、しくみが似ていたら良いだろうとの、例によってかなりいい加減な考えで写真だけを頼りに細かな寸法はあまり気にしないで作りましたが、集塵効率は満足できる結果だったので、調子にのって作成図面までしゃあしゃあと載せてしまいました。 ところがその後、木工会メンバーがThien集塵機の原典である特許を紹介してくれました。(Dust separator、 US 20100132317 A1) 以下にそのポイントを列挙します。 @ バッフルプレート(下段の円盤)とトッププレート(上の円盤=蓋)の間隔は、インレットパイプ径と同サイズとする。 構造上不可能ならば可能な限り狭くする。 A バッフルプレートの周辺部の隙間は全体の2/3(角度240°)で、その幅はバッフル径に関わらず1.125〜1.25 in(28.6〜31.7mm) B アウトレットパイプはトッププレートから下にパイプ径の半分の長さだけ突き出す。 C バッフルプレートの厚みは0.125 in(3.2mm) 若干意味不明な項目もありますが、特許はいってみれば水戸黄門の印籠です。 一旦知ってしまった以上「はっ、はー」とひれ伏すしかありません。 特許に従って全面改良しました。 インレットはできるだけ円周方向に吐出するため結局通常のエルボに戻しました。 サイクロン集塵器でも細かな粉はトラップできないので掃除機に少しずつ溜まりますが、木工仲間がアウトレットに直結するプレフィルターを考案しました。 わぉっ、これは良い。 ・・・・すぐに”そのまま”コピーさせていただきました。 マキタのクリーナー用プレフィルター(A-50462)をネットで購入、600mLネジ式パックを100均で購入し、合板から切り抜いたドーナツ板と余っていた塩ビ管を組み合わせてアウトレット部に木ネジで取り付けました。 簡単な図面を載せましたが、プレフィルターは簡単に取出して水洗いでき非常に便利です。 AR・Iさん、ありがとうございました。 |
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