Keiichi Yoshida/Music Forever

Keiichi Yoshida/Music Forever
What's New

Keiichi Yosida (p) Teiji Sasaki (b) Ysushi Hiroe (ds) Sep.3.4.2001
1.Don't Disturb
2.Full House
3.Angel Eyes
4.Are You Real
5.I Remember You
6.Beame Mucho
7.East of the Sun
8.Everybody Likes Something About You
9.Music Forever

バップの伝統ここにあり

2002年10月17日

 そう、その調子。その積極的に勝負に出てみて。これが今日の私の運勢だそうです。なんのこっちゃという感じで良くわかりませんが、そう言えばかみさんからも少し調子に乗り過ぎと言われ、おやっと今思ったところです。まあ、些かハイな感じはありますが、ハイ・アンド・ローで(そんなゲーム番組がありましたな)ハイもあればローもあるってな具合で人生差し引きゼロという考えでおります。
 ゼロと言えばそろそろ私の小遣いもゼロになりかかっていてCD購入はおろか、外出もままならない感じであります。まあ、車走らせればどこかに行けるのでしょうが、行っただけになりそう。でもね、私アウト・ドアに凝っていた頃、全然金を使わなかったけれど充実していたのです。自然の中にいるだけで満足でした。それをぱったりやめたから、かえって貧乏臭くなっちゃて。だから人生どう転ぶものやらわかりゃしない。どこかの国に拉致されるかも知れないし、ねぇ。

 まあ時期をわきまえず不埒なことを言いましたが、今日は先刻「ジャズを書く」の方でちょこっと書いた
What's Newレーベルから出ている吉田桂一Music Foreverです。繰り返しになりますが、まず音が注目です。日本のRudy Van Gelderという評判の佐藤弘さんという方が(なんで日本人となると、さん付けになるんでしょう)エンジニアです。どうしてVan Gelderが引き合いに出されるかというと、この人一人で切り盛りしているレーベルということと、聴いてみて中音域が充実しているんですね。まさにVan Gelderの音の取り方と同じわけです。お前の装置が貧弱だからじゃないのと言われれば、そうかも知れないけれど嬉しい誤解だったと納得するわけです。
 で、何で吉田桂一なのと聞かれるとちょっとノー・コメント。(<小さい声>内緒ですけれど、お目当ての盤がなかったもんで・・・なんで相手が日本人だと気を遣うのかな?)
 いやぁ素晴らしいアルバムです<大きい声>。いや、ホントに。所謂、昔懐かしのバップをいい音で堪能した気分です。彼は
Sonny ClarkとかFreddie Reddあたりを心棒にしているピアニストだそうです。今あまりこういう人はいないようで、実に貴重な方ですね。若手であの時代を再現してくれるというのは余程の入れ込みようだと感心します。やはり信念をもっている人にケチをつけることは憚れます。<ちょっと小さい声>なんでそうなのと言ってもそうなんだからそうなんです。(なんだ、そりゃ!)

 で、ですねあの
大西順子が「パンドラ」のレコーディングの時に「この人、すごいんだから」と強引にピアノの前に引きずり出したという逸話が残っているそうです。大西順子らしいやり方ですが、彼女のお眼鏡にかなったというのはかなりのものだったんだなと想像します。
 まあそれを裏付けるかのようなこの盤の演奏なわけです。私この前ピアノ・トリオはドラムで決めろと言いましたが、この盤に関してはトリオとしての纏まり具合が良いのですが、やはり主役は彼吉田桂一だなと納得した塩梅です。ベースの呻り具合とドラムの適度な存在感は頷けるのですが、三角形の頂点は吉田だと。そういうあり方は
Bud PowellのAmazingシリーズに共通する気がします。特にThe Schene Changesで聴く塩梅に近いと思います。まあ、尤もらしく言えるほどPowellは聴いてないですけど。Sonny ClarkやFreddie Reddだって聴きなおせばそうなんだろうと思います。最近あまり聴いてないものでアバウトな言い方になってしまいました。
 ともかくバップの伝統を今に再現してしてくれた有り難い盤です。

追記:一時的とは言え北朝鮮に拉致され今回一時帰国した方々の胸中を考えずに不適切な表現をしたことを反省し、一部削除させて頂きました。まことに申し訳ありません。
         

Jazz徒然