頬ずりもの
PETER ROSENDAL / LIVE AT COPENHAGEN JAZZ HOUSE



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 これぞ掘り出し物と膝を叩いた。なにせ、本邦無名にしてこりゃあないぜという程のおいしいところだらけ。
 音は全くジャズ的で荒削り。ジャズの音ってのは、こうあって欲しいと思う。ピアノもベースもドラム特にシンバルが、フィルターの何も罹ってない芯のままが剥き出しになった具合であること。それがまずひとつ。こういう感じ前に聴いた。セルゲィ・マヌキャンのTHE FEATHER。ロシアのピアノ・トリオでこれも本邦初だったが、録音技術の貧弱さが逆に功を奏して凝縮された音圧で飛び出てきたのだった。あれも、とびきりであったが、音の面ではそれよりはかなりレンジも広いジャズっぽい音である。
 
 次にオリジナル曲のメロディアスな旋律。これは絶対驚く。SOMEDAY MY PRINCE(WILL COME)と5曲目以外のオリジナルのセンスの高さは頭抜けている。極上と言うと大袈裟に聞こえるかも知れないが、本当である。そのメロディアスな旋律に絡みつくベースやシンバルが絡みつき具合の絶妙さ。これがふたつめ。
 そして、パフォーマンス性。ライブでこれほど楽しませてくれたら、チケット代にチップをつけて置いていきたくなる。これほどの巧妙な技術を持っていて名が知られていないなんて信じられない。
 ローゼンダールの描く旋律の彩、ベース奏者MADS VINDINGの歌心満点のソロ。さっき言ったSOME DAY MY PRINCEで面白いパフォーマンスをやっているのだが、ライブならでは演奏でベースの早弾きとドラムの掛け合いごっこ。これは愉しめる。スラブ調のリズミックな4曲目もパフォーマンスという点では、頭抜けた腕前を駆使したもので、これも結構いける。MORTEN LUNDのマレット(多分)による長いソロは、見せ場だろう。
 5曲目は味のある演奏だ。のったりとしたスウィングする演奏で、ベースのもったりとした感触のソロが良く歌う。これは絶妙。更にブラシでさするシュ、シュっていうのが良い。
 それでだが、これは今後絶対話題になるピアノ・トリオだ。・・・と断言しても良い(かな?)。とにかく絶品。
 デンマークの(日本では)無名新人。完璧に惚れてしまった。頬ずり盤とはこのことである。

 

PETER ROSENDAL:p
MADS VINDING:b
MORTEN LUND:ds
Aug 2002
COPE
1.UNDER ELMENR
2.EKKO FRA EN SOMMERFUGL
3.SOMEDAY MY PRINCE
4.ELGEN ER LØS
5.WHE IT'S SLEEPY TIME DOWN SOUTH
6.HOLMEN
7.TROLDEDAS
8.LYSTFISKERN