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目眩が起きそうなぐらいの迫力である。いや、既に目眩を起こしている。冒頭のCURRING DREAMS。まさにこれなどはエイヤーとばかり一刀両断の勢いである。ピアノに込めた気合い。モーダルなアドリブののり具合が良い。更にドラムが破天荒に弾け散り木っ端微塵という感じ。ベースが呻りをあげて地を揺るがす。怒濤に目眩を起こしているまに終わってしまう。何事も最初が肝心とは良く言うが、これで度肝を抜かれてしまった。 NATHALIE LORIERSを最初に聴いたのは、これより後に吹き込まれたTOMBOUCTOUであった。これと同じトリオに3管編成のダイナミックなものだったけれど、出だしの脅かしようはよくよく似た感じでもあった。うねるテナーに頭クラクラ。LORIERSを含むリズム・セクションの凄みようにおっとベルギーの大西順子トリオかと思ったくらい。続く2曲目も本盤と同じようなタッチであるけれど、管編成が加わった分もあるが、本盤の5曲目、7曲目などのリリカルで幻想的な趣が幾分ソフトになった感じであった。ここでのタイトル曲その他は東欧ジャズに良くありがちな静謐な感じである。 透明感があって鋭いSILENT SPRING。ピーンと張りつめた響きが辺りの空気に当たる。息を詰めて聴き入ってしまう。ピアノとベース、更にブラシが鋭く刺さり会う。 で、どっちが好みかと言えばやぱり僕は、トリオの勢いのあるものの方が良いが。これが彼女の4部作目で趣が変わっているとライナー・ノーツを書いている杉田氏は述べているが、以前作よりハードさを前面に出すようになったということだろう。良いことだ。 3曲目のドライブ感にのりのりになっちゃう。6曲目などは、いやが上にもKEITH JARRETTのトリオを思い描くという塩梅で好き者にはぐっと腹にこたえるだろう。 どうも気になるのが8曲目。BRAD MEHLDAUにこんなのがなかったろうか。空耳かも知れないが。ともかく雰囲気的にMEHLDAUを思い起こさせる演奏だ。 最後などは一気呵成という感じでこういう終わり方が好きだな。 |
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