EE MORGAN / INTRODUCING

JOHNNY GRIFFIN / THE KERRY DANCERS
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これは傑作である。 　アルバムとしての出来が傑作だと思った。 　ともかく傑作だ、と思いながらもそれを言葉にしてみようとすると存外難しいなと思うのだ。直感的に感じたこのアルバムの濃度を、まだ表層的にしか理解していないのではないかと焦る。このままでは書いた先から色褪せてしまいそうだ。 　良く言われるように、この中に収録されているHUSH-A-BYE「だけ」が良いのではないことは確かだ。 　確かにこのHUSH-A-BYEはJ.マクリーンの4.5.&6の冒頭であるSENTIMENTAL JOURNEYやJ.コルトレーンのRUSSIAN LULLABYに匹敵するところの意表を突く選曲ではあるかも知れない。が、それだからと言って他が霞んでしまうほど飛び抜けて良いとは思わなかった。寧ろ、HUSH-A-BYEはこのアルバムの代名詞であって、「象徴」と位置づけられる気がする。 　もっと言えば、J.グリフィンがいいとか、このアルバムがいいというの突き抜けて、ジャズっていいなと思う気持ちを代表して感じさせてくれたのかも知れない。 　名盤の名盤たる所以は、実はそういうことを直感的に感じさせるものだという気がする。 　そう思い始めると、このままこのアルバムのことを書くのは、ちょっと置いて少し寄り道をしてみたくなった。 　「この道は、いつか来た道・・・」という具合で、関連すると思われるものを引っ張り出して、もう少し続けたいと思う。 でも、このことだけは書いておこう。 　このアルバムは、J.グリフィンの持ち味をこれ以上はないと言うほどの抜群の配置で顕していると思う。（続） 　戻る